○
雨宮参考人 お答え申し上げます。
アベノミクスにおける三本の矢、すなわち、大胆な
金融政策、機動的な
財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、これは、
日本経済が
デフレから脱却し、
物価安定のもとでの持続的な成長を実現していく上で必要かつ適切な
政策の組合せだと
考えております。
実際に、この五年間で
我が国の
経済・
物価情勢は大きく改善いたしました。
企業収益は過去最高、労働
市場はほぼ完全
雇用ということでございます。賃金も、緩やかではございますけれども着実に
上昇しております。先行き、
日本経済が持続的な成長を
達成していくためにも、こうした取組をしっかり続けていくことが重要かというふうに
考えております。
その上で、
物価安定目標二%の位置づけについて私の
考えを申し上げますと、まず御理解いただきたいのは、二%の
物価安定を目指すというのは、人為的に
インフレを起こして、
インフレでもって何か問題を解決しようという、いわゆるかつての調整
インフレ論とは別であるということでございます。むしろ、
物価の安定ということを実践的に定義するとこのぐらいのプラスが望ましいというのが、各国、先進国の共通の理解でございます。
一つは、
物価統計にはちょっと強目に出るバイアスがあるということと、それから、
デフレに戻らないのり代を持っておった方がいいということを
考えると、
物価の安定ということを実践的に
考えたときは、ぴったりゼロではなくて、ちょっとプラスがいいというのが共通の理解であります。その上で、そのちょっとプラスが一か二か三かについて、簡単な結論はないわけですけれども、今は先進国は共通して二%という
目標を持っております。
こういう同じような
目標を持ち、同じような
物価情勢を実現するということは、長い目で見ると、為替
市場の安定、ひいては
金融資本
市場や企業経営の安定につながるわけでございますので、やはりこの二%の
物価安定目標というのは非常に重要であるというふうに認識してございます。