○堀越
委員 ありがとうございます。
この密輸に関する問題は、動物福祉という概念からも当然容認できないことでもありますし、今国会に提出されました気候変動適応法、こういった気候変動に対して
生態系が大きく変わってくるという問題に対して、やはり日本固有の
生態系そのものを破壊してしまう
可能性も極めて高いというところに直結してくる問題だというふうに私は思いますので、ぜひ厳格化を求めていきたいというふうに思います。
先ほど御
質問の中でもありましたけれども、動植物が日本の
生態系に与える影響、これは経済効果としても非常に大きくなってきていると思います。
先ほど琵琶湖の件でもありましたオオバナミズキンバイ、これは本当に繁殖力が非常に多くて、経済損失にもつながるということでもありますし、外来種がどんな形で日本に定着するかというのは、本当に気候が変動してくる
状況の中では未知数であるというところもありますので、ぜひ厳格化を
お願いしたいと思います。
次に、やはり動物福祉の観点からなんですけれども、屠畜場や食鳥処理場での動物愛護
管理法の遵守について
伺いたいと思います。
産業動物に関するアニマルウエルフェアというのは、当然ですけれども、輸送に関しての所管は農林水産、そして屠畜に関しては厚生労働が所管になっているというふうに承知をしておりますが、動物愛護
管理法に関しては
環境省が所管であるというところでありますので、その点から
質問をさせていただきたいと思います。
まず、畜産や屠畜場の実際の現場については、動物福祉の観点から述べさせていただきますが、端的に言えば、動物愛護
管理法や動物福祉に関連した指導が、畜産、屠畜に関しては自主的になされているとはとても言えない
状況であるというふうに思います。地方
行政の動物愛護担当職員はおりますが、動物愛護の観点で屠畜の現場あるいは畜産現場に入ることは当然ありますが、動物愛護
管理法に関連する指導は行われていない
状況があるのではないかと言わざるを得ない
状況だというふうに思います。
というのも、やはり、
厚生労働省が管轄しているエリアにおいて、OIE規約に違反する行為が多数見受けられるからなんですね。また、ある
意味では、このOIE規約に違反するということは、これは動物愛護法に厳密には違反しているという
状況があるというふうに思います。
ある食鳥処理場では、鶏を処理する処理場ですね、鶏を生きたまま壁に打ちつける、あるいは、さらに、死に至らずもがき苦しんでいる子を放置している、こういうことも多々あるように見受けられます。また、鶏を処理するときに、シャックルという、逆さづりにして両足を固定して、そしてコンベヤーのように運ばれていって、そして殺されるわけなんですが、そのシャックルという装置にたたきつけるなどの行為が見受けられるというのが確認されております。
また、豚にスタンガンを執拗に押し当てて、そして誘導する。豚は感じないわけはありません。人間でもアリにかまれれば痛みを感じるので、動物も同様に、痛みも苦しみも感じます。
ですので、こういった現場が今まさに起こっているというところはぜひ承知をしていただきたいというふうに思います。
また、鶏に関しては、生きたままゆでられる、こういった例も非常に多くあります。これは一カ所で起こっていることではありません。大変心苦しい、インターネットやテレビの報道などでも一部最近は出るようになってきましたが、国民の皆さんの目に触れる機会も非常に多くなってきております。
また、他方で、これも私は非常に問題だと思うのは、屠畜場、豚や牛が屠畜される現場において、最終的に水が飲めない
状況、飲水の装置ですね、豚であれば大体一日に十リッターから十二リッター飲むと言われています、そして、牛に関しては二十リッターから三十リッターぐらいの水を飲むと言われています、二十時間以上も水が全く飲めない
状況で最期を迎える、そういう屠畜の現場が大半なんですね。私たち人間にとって考えれば、ちょっとあり得ないような
状況が今まさに起こっているというところであります。
実際、飲水の設備が、牛を処理する屠畜場であれば四九・六%しか普及していない、そして、豚を処理する屠畜場では一三・六%。とても、アニマルウエルフェアあるいは動物福祉の観点から見過ごせるようなものではないというふうに思います。
しかし、
厚生労働省が、新設及び改築等が行われる屠畜場の飲用水設備の設置についてということで通達が出されているんですが、新設及び改築等なので、今実際稼働している屠畜場に関しては言及しないというところになっておりまして、これは、OIEの福祉規約の中にもありますように、動物の屠畜で常時適切な水が飲めることを定めているということは、飲水が断たれている
状況は、適正な飼育とも、その習性を考慮しているとも言いがたいわけであります。
さらに、飲水の設備があったとしても、係留しているところが過密な状態になっています。非常にストレスフルな
状況なんですね。その中に、二十時間も、最大では二十七時間係留する屠畜場もある。多くが二十時間以上係留される
可能性があるとしています。飲水の設備を早急に配備をするか、あるいは係留時間そもそもを上限を定める、こういったものが非常に必要だと思います。
これは、当然ですけれども、
先ほどお話しさせていただいたように、
厚生労働省所管ではありますし、輸送に関しては農林水産が所管になると思いますので、そういった点においては、動物福祉といえばやはり
環境省であるというふうに思います。
その中で、
環境省がすばらしい
取組をされております。この動物愛護
管理法に関して、
環境省、
厚生労働省、農水省三省で、動物福祉に関する担当者
会議を行うというふうに承知をしています。
そこで、この件に関して
質問をさせていただきますが、産業動物に関して、先述のように、非常に複雑な枠組みとなっております。しかし、関連するどの省庁にも動物福祉の理念を共有しながら、実効性のある
施策を講じる必要があると思います。その上で、
環境省が主体となって開催している担当者
会議、私は非常にすばらしいと思います。
評価をさせていただきます。
そこで、産業動物の動物福祉、この担当者
会議が発足された経緯、そして
目的、今後の展望などについて、お考えを教えていただければと思います。その上で、これは繰り返しになりますが、中川
環境大臣の方から、動物福祉に対する意気込みを伺えればと思います。