○鰐淵
委員 ありがとうございました。
環境省の見解といたしましては、このマイクロチップの装着の
メリットは飼い主の明示ということが主な見解かと思いますけれども、今おっしゃっていただいたように、迷子になった動物、特に災害時に逃げ出すといった動物に対しまして、装着していることによって早期発見することができるとか、また、そのほか、動物の遺棄、殺処分をなくすということからもこれは有効的だと思っております。
環境省からは、今伺ったように、主に飼い主の明示ということで、これが最大の
メリットとしてあるということで
確認をさせていただきましたが、私としては、このマイクロチップ装着の
メリットとして、そのほかにも、トレーサビリティーの確保、こういったことがあるのではないかと思っております。繁殖業者、またペットオークション、ペットショップといったように、所有者までの、飼い主までの流れがわかることによりまして、例えば、遺伝性疾患のリスクが高いと知りながら繁殖をしている悪徳業者、こういったところまでたどり着くこともできるかと思いますし、そのことによりまして悪徳業者の遺棄防止にもつながるのではないかと思っております。
このように、マイクロチップの装着にはほかにもさまざま
メリットがあるかと思いますけれども、義務化を推進していくのであれば、ほかにもさまざま
課題がありますので、そこはしっかりと
課題を明確にして、
議論も進めていかなければいけないと思っております。
メリットを伺いましたけれども、
課題として挙げられるのが、私が考えていることなんですけれども、例えば、登録情報の一元管理、それを簡素化していくということと、そのほかにコストの問題もあるかと思います。
そのほか、東京都と越谷市の担当者の方からも伺ったんですが、マイクロチップの装着後、この登録の徹底をしっかりとしていかなければいけない、そういった声をいただきました。せっかくマイクロチップを装着していても、飼い主情報が、肝心なものが登録されていないというケースがあったり、また、引っ越しをして引っ越し先の新しい住所が登録をされていない、また、第三者の方に譲渡したけれども、その新しい方の情報も入っていないという、せっかく装着しているが新しい情報がない、ちゃんとした情報が入っていないという
状況があるということで伺いました。
東京都におきましては、マイクロチップを装着した犬、猫を収容しまして、本来であれば、マイクロチップが装着されていれば返還率が一〇〇%になると思うんですが、現状は四〇%から六〇%ということで、これはなぜかといいますと、先ほど申し上げたとおり、装着した後に正しく登録がされていない、更新されていないという、これが現状で
理由で、せっかくついていても返還できない、そういった現状があるということがありましたので、これは当たり前のことかもしれませんが、マイクロチップ装着後の登録を徹底するという、これがまた一つの大きな
課題にもなるかと思っております。
そのほか、このマイクロチップを読み取る装置でございますが、マイクロチップリーダー、これがないと装着していても
意味がございませんので、マイクロチップリーダーをしかるべきところにしっかりと設置をさせていく、こういったことも
課題になってくるかと思います。
そのほかにも、狂犬病、こういった狂犬病法との関連性もございますし、一言で義務化を推進すると言いましても、このようにさまざま
課題がありますので、一つ一つ丁寧に確実にやっていかなければいけないと思っております。
いずれにしましても、この義務化を推進する前にできることといたしまして、先ほども申し上げましたが、
メリットがありますので推進していくことはできるかと思います。その上で、繰り返しになりますが、マイクロチップの装着、この
メリット、また正しい情報を広く
関係者の皆様に周知していくことがまず第一歩ではないかと思っております。
この点につきまして、
環境省の御見解と具体的な
取組をお伺いしたいと思います。