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伊佐委員 おはようございます。公明党の
伊佐進一です。
本日は、
質問の
機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速
質問に入らせていただきたいと思います。
日本の
研究力、
イノベーション能力、
イノベーションの力というのが低下していっているということは長らく言われてまいりましたが、さまざまな指標があります。一番簡単なのは、
論文、特に
論文の被
引用件数というものを見ると、この十年間でどんどんどんどん下がって、昔、十年前は四位であったものが、今十位になっているというようなデータもあります。本当にいろいろな指標が日本の今の
研究力の低下というのを物語っているわけですが、いろいろな要因があると思います。
一つは研究開発投資、こういうところも、他国と比べて、他国は伸ばしているにもかかわらず、日本は本当に、横ばいかあるいは減っていったりしているというような
現状があったり、産学の連携の規模があったり、あるいは大学の
制度改革、さまざまな要因があると思うんですが、私、きょう取り上げたいのは、若手の
研究力です。
というのは、日本は今こういうふうに勢いを、
研究力を失いつつあるとすれば、これから将来どうしていくかというのを
考えたときに、しっかりと若手の研究者に対しての支援というものを充実させていくべきじゃないか、そういう視点で
質問させていただきたいと思います。
現状は、非常に今、若手研究者を取り巻く環境というのは厳しいものがあります。
資料の一、配付させていただきました。見ていただきますと、研究者の道に進むかどうかというまず最初の段階なんですが、修士課程の学生が次の段階、博士課程に進むかどうか、この進学率の推移です。これは軒並み下がっています。いろいろな学部ごとに色を変えていますが、軒並み、
平成三年からのグラフですが、ずっとこの進学率は下がっているんです。これはもちろん少子化の影響は
関係ありません。というのは、実数で言っているんじゃなくて進学率ですから、パーセントであらわしていますので。軒並み、博士に行く人はどんどんどんどん今減っている状況なんです。
では、なぜ減っていくかということなんですが、一つは、よく若い研究者の
皆さん、博士課程の方がおっしゃるのは、社会がなかなか評価してくれませんねというわけです。簡単なのが、この次の
資料、
資料二を見ていただくと、初任給がそもそも違うと。日本であれば、博士まで苦労して取っても初任給は大体一・一五倍。アメリカの場合は一・六倍。中国は、私、六、七年前、中国の
科学技術を分析した本を出したことがありまして、そこそこ売れたんですが、そこで
調査した結果が、中国は三倍です。新卒と比べて博士課程は三倍給料を出しています。多分、今はもっと開いていると思います。
こういうような状況の中で、博士まで行くと採用も難しいというような状況ですが、この処遇あるいは採用において、社会からの評価、
企業からの評価というものは必ずしも今高いと言えない状況ですが、文科省はどういう
取組を今していますか。