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神本美恵子君 現場では、やっぱりこの
概算要求の数字を見て、本当に大きな落胆の声が出ているんですね。
今紹介したような
外国語
指導に対する心配というようなのもありますけれども、それだけではなくて、十一月二十八日に開催された中教審の
学校の働き方
改革特別部会で提出された中間まとめ案、私も読ませていただきましたけれども、その中に、これは
勤務の長時間化の要因として、小
中学校共に
授業に従事する時間が
増加している、これからまた
増加するわけですけれども、そのことから、
平成二十年に
学習指導要領を改訂して以降、
教師一人一人の持ち時間数を減らすという観点での
教職員定数の
改善が十分ではなかったと。つまり、
学習指導要領を改訂するたびに一人一人の
教師の持ち時間が増えているにもかかわらず、それに対応する
教職員定数改善がされてこなかった。そして、それをまた今度の
学習指導要領改訂全面
実施に向けて、今回の
概算要求で見ても分かるように、それに追い付いていないということをこの中間まとめ案の中でも指摘されているわけですよ。十分ではないと、十分ではなかったという指摘がされております。
さらに、この中間まとめ案の最後のところに、六というところで必要な
環境整備の項というのがありますが、そこに付記されて、ただし、これは記載調整中とあるのでこのまま中間報告として出てくるかどうかは調整中だということだと
思いますけれども、その中にあるのは、これは八月二十九日に出ていますので、
概算要求を出される、まとめる最後に出ていると思うんですが、
教員一人当たり担当
授業時数の軽減とそれに伴う
授業準備の
充実に向けた
小学校における
専科教員や
中学校における
生徒指導担当
教員の
充実、特に、
小学校中高学年において
授業時数が週一こま相当
増加する新
学習指導要領の全面
実施に向けた対応が必要であるというふうに書かれているんです。
今るる申し上げた
外国語活動、
外国語の教科が増えることに対して、十分に一人一人の持ち時間が軽減されて事前
準備もできるようにしなさいということが記載、まだ調整中ですけれども、書かれているんですよね。これはもう本当に緊急
課題ですので、これから最終的な
政府予算の折衝も最終段階に入っていると
思いますけれども、何としても、何としてもこれ以上
概算要求を、これしか出していないから増やすわけにはいかないと
思いますが、これを
確保するということを
是非ともお願いをしておきたいというふうに
思います。
次に、先ほど新聞記事にもあったように、団塊世代が大量退職して、今
学校は若返っております。その若い
先生方の中でも特に二十代、三十代の女性教職員のメンタルヘルスの問題についてちょっと取り上げさせていただきたいと
思います。
これも
学校における働き方
改革特別部会の中で、
教員のストレス
状況に関する分析についてという議論がされたというふうに聞いております。そこで出されたので、男性に比べ女性の教職員のメンタルヘルスの状態が不良であると。特に二十代、三十代の女性教職員、これは小
中学校に共通しているということが指摘されております。これについてちょっとお聞きしたいんですが、もう時間が限られておりますので、そういう働き方特別部会で議論がされている。
これについては、実際に私も最近特に現場の先生に会うたびに聞く話、昨日も聞いたんですが、二、三週間前にも長いメールが来ました。どういうものかというと、例えば福岡のある女性教職員は、不妊治療を受けてやっと妊娠をしたと。しかし、六年生担任をしていたので
卒業までは頑張ろうと思って最後の新学期を迎えたら、その日の朝大量出血をして切迫流産になって、それでも頑張って、何日か休んだ後、無事に
卒業させたと。
卒業させた後、新しい担任はちょっと外してくれと、妊娠中ですから外してくれと校長に頼んだけれども、いや、ちょっとめどが立たないときは担任してもらわなきゃいけないかもしれないというようなことで心配していたけれども、無事みんなの協力でTT加配の役割になったと。しかし、TT加配でありながら、TTの
授業よりも、産休補助が来ないから先に産休を取っている先生のクラスの補助に入ったり、それから病休を取っている先生のクラスの補助に入ったりと、もう本当に連日、加配で
自分の
授業だけすればいいんではなくて、ほかのそういう補助がたくさん回ってきて、また大量出血をして切迫流産、もうこれは本当にやっと妊娠したのにという心配しながら、でも何とか無事に
自分は出産をしましたけれども、前に産休に入った先生の代替が三か月か四か月遅れでやっと来たと、
自分の産休代替はまだ決まっていないというような
状況ですというようなメールが来まして、本当に切迫した
状況が伝わってくるんですけれども。
日本教職員組合の女性部が教職員、女性教職員の権利行使
調査をやっているんですね。その自由記述の中にもう本当に信じられないようなことが書かれています。
校長先生、恐らく校長や教頭さんが言うと思うんですが、しばらく結婚は控えろ、今年は
子供をつくらないでほしい。妊娠した女性に、大事なときに妊娠されて困る、計画性がないじゃないか。もうひどいマタハラですよ、これはね。それから、妊娠した教諭に、同じ給料をもらっているんだから、炎天下のプール
指導もやれ、プールに入れというようなことを言われたり、産休代替、先ほど言いましたように、なかなか見付からないんですね。それを
自分で見付けてこいと言うような校長さんもいると。これ、産休代替法を私見ましたけれども、任命権者が探さなきゃいけないですよ、これは。それが今、
学校の校長が一生懸命探して見付からないものだから、校長さんも困って
自分で探してこいというようなことを言ってしまうというような、本当にそういう切迫した
状況になっている。もうこれをブラックと言わずに何と言おうかというような
状況なんですけれども。
ちょっと時間がないので、これについて、
是非現場のことを
大臣、心に留めて、次の、また現場の
実態なんですけれども、
お話をさせていただきたいと
思います。
林大臣は、省内にタスクフォースを設けて、林プランという
教育政策
改革に向けての議論を始められたというふうに聞いております。
是非、先ほど紹介したような現場の
実態、あるいは生々しいこの声、そういったものを踏まえた議論をしていただきたい、女性の置かれている
学校現場の
状況をタスクフォースの中で議論をしていただきたいというお願いが一つと、それからもう一つは、このタスクフォースの中で、もう
大臣だけではなくて、これは今日そこにお並びの幹部の方々も含めてですけれども、
是非聞いていただきたい。
十年前に私が紹介したこれは
お話なので、高橋局長とかは御存じかもしれませんが、これは行革特別
委員会で紹介したんです。佐藤学先生という、今学習院大ですかね、
教育学者の先生の講演記録の中に戦後すぐの新制中学が発足した当時のことが紹介されていたので、私も議事録を国会図書館からその当時取り寄せて行革
委員会の中で紹介したんですけれども。
つまり、戦後、新制中学が発足をしました。しかし、校舎が足りない。それで、校舎を何とか建てないと、馬小屋とか公民館とかそういうところや軒下で、あるいは軒下もない青空教室で中
学生が勉強している。これはもう何としても当時の文部省は校舎を早急に建てなければいけないということで、常盤局長、うなずいていただいております、覚えていただいていたかもしれませんけれども、しかし、そのためのお金がないということで、国会の中でそのことを訴える国会議員、これ与野党を問わずだったそうです、議事録によると。与野党を問わず、何とか予算を
確保してくれというふうに泣いて頼んだと。そうしたら、その
委員会室も涙に包まれたというふうなことが佐藤先生の講演の中でありました。文科
大臣、当時の
大臣も、それからスタッフの方も泣きながらしか
答弁ができなかったと。
何でそういう
状況になったかというと、その議事録によると、建設費として七十五億を要求したけれど、今の
概算要求ですね、要求したけれど、それが大蔵査定で内示が十四億に減らされていたということを文部
大臣が各市町村に通知をしたんですね。それでもう冬を迎える北海道や東北では既に校舎建築を始めている、始めているけれども予算が付かないということで、その十四億の大蔵査定が総理査定で更に七億に減らされたというので、もう大変な各市町村混乱に陥ったということで、その議事録に残っているように、どうしてくれるんだ、このままではどうしようもないということで、もう本当に悲嘆に暮れたというような情報がありました。校舎がなくて、さっき言いましたように、民家の納屋で勉強している、公会堂でやっている、馬小屋でやっている、あるいは一部、二部、三部に分けてやっているというような、そういう
学校現場の
実態に対して、本当に省を挙げて、議院も挙げて予算
確保に向けていったというような過去もあるわけですね。
今、私は、まさに
学校はそういう状態だと
思います。校舎はあります、しかし、そこに先生がいない。先生がいなくて
教育ができるかということを私はもう本当に強く申し上げたいと
思いますので、
大臣、先ほどの女性教職員のメンタルヘルスの問題も含めて、予算
確保を省を挙げて、私
たちも、これは恐らく超党派で、
皆さん、誰も反対する人はいないと
思いますので、これに向けて本当に決意をいただきたいと
思います。