○山本太郎君
答弁でたらめなんですね。
資料の一、面接審査意見への
対応を記載した書類では、設置審からBSL3施設をどんなふうに使うんですかという問いに対しての学園側からの答えなんですよ。もう一回読みますよ。「本
獣医学部に設置されるBSL3施設は、獣医学教育病院に来院する動物や野生動物などの検体がBSL3の病原体に汚染されている
可能性のある場合のリスクを考えて設置しているものである。従って、病原体分離のための施設で、その使用
目的はin vitroでの細菌、真菌、ウイルス等の分離・同定である。」。これのどこが生体への感染実験に読めるんですか。
手挙げなくていいですよ、そんなの。設置審に対して答えたのが、そういう使い方しかしないって言い方をしているじゃないですか。インビトロって書いてあるんですよ。インビトロって何ですかって、試験管内でっていう意味がほとんどでしょう。感染実験は行わない、生体への感染実験は行わないという前提で話をしているんですよ、これ設置審に対して。
今読み上げた面接審査意見への
対応を見れば、インビトロ、生体を使わない試験法のみを行うのであって、生体を使用した実験は行わないとしか読めないんですね。だから、先ほど紹介した
獣医学部の専門家の先生も、BSL3病原体に関する教育研究を積極的には行わない、動物の感染実験もしないという意味ですねというふうに
お答えになった。
設置審とのやり取りでの新
獣医学部の設定、元々の設定は、感染実験は行わない、インビトロだと答えておきながら、じゃ、やらないんですか、感染実験をということを聞くと、公共獣医事研究グループの感染症統御研究において実験を行うことを想定しているという、言い出すこと自体がこれ後付けじゃないですか、完全に。だって、九月に出されているんでしょう、これ今年の。違うんですか。
加計学園から九月に、こういうふうにやります、インビトロでやりますって言っているのに、今聞いて、じゃ、感染症やらないのか、感染症実験やらないのかって話をしたら、感染実験やらないのか、動物によるっていうことを聞いたら、いやいや、別のグループでやるっていう話になっていましてって。そんな話、設置審に対しての意見として書いていないじゃないですか。意見に対しての答えを返すときに書いていないじゃないですか。インビトロでやるって書いてあるじゃないですか。
設計段階でのこれ不備をつかれないように、設置審の審査の時点ではやる予定はないことにしてクリアさせた。それでは世界に冠たる
獣医学部ではないじゃないかと突っ込まれることには、ほかのグループで感染実験の
可能性があるんですよ、想定しているんですよと。世界に冠たる
獣医学部風にするために後付けしただけじゃないですか、これ。やり方が余りにもひどい。
獣医学の専門家に聞いた話ですけれども、例えば鳥インフルエンザの感染実験について言えば、家畜伝染予防法に基づいて大学が所管の農水省から許可を得る必要があると。これがなかなか大変なお話らしいんですね。農水省はセキュリティーを理由にリスト公表を拒否していますから実態は分かりませんけれども、国内には、そういった施設は持っているけれども感染実験は行わない大学も確かに存在すると。ただし、世界に冠たる
獣医学部ではなく、普通のレベルの
獣医学部で。
一方で、国内には、そういった施設は持っていて、なおかつ感染実験を行う大学は存在していると。例えばどこ。京都産業大学鳥インフルエンザ研究センター。ここにはそれに必要な実験施設はありますよ。ホームページ見てみれば、分離、そして実験動物のアヒルに対する接種をやると書いている。鳥取大農学部とも共同研究をしている。ほかにも、山口大学共同
獣医学部の国際教育研究センターには、三階には六十人規模のBSL2
対応実習室、四階にはBSL3
対応実験室を備えた高度感染症実習室があるとホームページにも書かれている。
そうすると、鳥インフルエンザという部分に関して言うと、これ限定して言えばですけれども、加計の
獣医学部、
既存の大学と同じか、それよりも劣りますよ。鳥インフルエンザというようなキーワード何回出てきましたっけ。どうなっているんですか、これ。加計学園自身がさきに紹介した設置審への
対応を書いた提出文書の中で、専門家であればそれがすぐに分かる形でそれを認めているじゃないですか。だから、加計学園の
獣医学部がオンリーワンである理由はバイオサイエンスの分野にないじゃないですか。
新しい学部長になられる吉川泰弘教授、その人自身が、新しい
獣医学部構想の一つとして創薬等イノベーション産業に貢献するライフサイエンス分野の専門獣医師の育成を挙げておられる。エボラ出血熱、SARS、MERS、高病原鳥インフルエンザ等、新型感染症はほとんどが人獣共通感染症であると、だから、石破四
条件の中のライフサイエンスなどの獣医師が新たに
対応すべき具体的需要に
対応していると。先ほど
大臣言われましたよね、そういう新たな需要が生まれてきている、ライフサイエンスで必要なんだって。それに
対応しているから問題ない、これが必要なんだということも言われている、学部長予定者の方がね。まだ続くんです、その方の言葉。そういう画期的な創薬に取り組む
獣医学部ができるなら、さすが
国家戦略特区だと。このようなことを学部長予定者はおっしゃっているけれども、実際は、さすが
国家戦略特区どころか、普通の
獣医学部レベル又はそれ以下の状態であると。
石破四
条件全然クリアできていないじゃないですか。
最初にうたっていることよりも随分と後退しているじゃないですか。世界に冠たる
獣医学部から
既存又はそれ以下の
獣医学部へと後退していますけれども、一番の目玉であるものがうやむやになっているのに、どうして認可されるんですかって。余りにも不可解じゃないですか、不可解。
この加計学園の
獣医学部をめぐっては、このバイオセーフティー問題以外にも、設計図から建築費の水増し疑惑、一部報道されていますよね。こういうことが言われております、一坪当たりの単価、あの六本木ヒルズよりも高いって。随分なお話ですね、これね。あくまでも報道ベースですよ。
はい、その先行きます。
ここで問題になるのは何かって話なんですけれども、その手の批判の真意のほどを確かめる行政上の仕組み、存在しているんですかってお聞きしたいんです。文科省、設置審では、新
獣医学部の図面、仕様書などと照らし合わせて水増しが行われていないか等のチェックをしっかりしたんでしょうか。文科省の後に続けて
内閣府も答えてください。