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政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。
御
指摘の訪日中国人に対します白タク行為、これは申すまでもなく
道路運送法違反でございまして、運転者が二種免を有しない、運行管理が行われない、事故時の責任が運転者のみにあることなどから、利用者の安全、
安心の
観点から大きな問題があるというふうに考えております。
一方、先生から今お話ありましたように、訪日中国人に対しますこれらの行為につきましては、中国国内の会社が運営する配車アプリ上に
日本在住の中国人が運転者として登録をされまして、配車アプリを介して訪日中国人観光客とマッチングの上運送行為が行われますが、その対価の支払がアプリ内で決済されるために
日本国内での運賃収受がなく、行為の現認、検挙が難しいという問題もございます。
国土交通省では、このような白タクへの
対策につきまして、
警察庁、法務省、業界団体などとの連携によりまして羽田空港、成田空港、関西国際空港における
対策会議を
設置をいたしまして、取締りを強化いたしますとともに、中国語などでの注意喚起のチラシ
作成、配布を行いまして、訪日旅行者、訪日旅行を取り扱う旅行社への注意喚起を行っているというところでございます。
また、十一月十七日に開催されました日中両
政府によります日中
経済パートナーシップ協議におきまして、中国
政府に対しましてそういったルールの周知でありますとか配車マッチング
事業者への指導等について申入れを行ったところでございます。
こういった
対策を行う中で、今年の六月に沖縄で二名、十月に大阪で四名、
道路運送法違反等の疑いで逮捕されております。
御
指摘の取締りの強化、それから処分の厳格化でございますけれども、これにつきましては
警察庁から各
都道府県警察に対し摘発徹底の指示が出されるとともに、ノウハウの共有というものが行われるというふうに伺っております。また、沖縄の逮捕者につきましては、いずれも刑事
手続後に入管法違反により退去強制
手続が取られたところでございます。
このように、白タク行為に対して厳正に対処するためには
警察庁、法務省と連携することが不可欠であるというふうに考えておりまして、引き続き両省庁と連携してしっかり
対策に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
一方で、観光先進国の実現に向けましては、訪日外国人旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できるよう、タクシーを利用する際の言葉や決済面での不安を解消いたしましてサービスを向上させることが不可欠でございます。
国土交通省といたしましては、外国人旅行者の移動円滑化等につきましてもしっかり支援してまいりたいというふうに考えております。
なお、御
指摘いただきました白タク行為に対する罰則の強化等でありますけれども、他の業法における無許可営業の罰則とのバランスでありますとか、国籍による差別的な取扱いの
是非でありますとか、入管法におきまして特定の業法違反に関して特別な取扱いをしていないといったような現状も踏まえた検討が必要と考えますけれども、今回、先生からの御
指摘でございますので、
関係省庁ともそういった御
指摘を共有しながら、しっかり連携をしながら今後の
対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。