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八木委員 高大接続は大事なことであります。
そういう中にあって、私、先ほど、学問の継続性、つなげ方、こういうことについて問題提起した部分があるんですけれども、そういうことを思いますと、接続といってつなぐからおかしくなる。つなぎ目がおかしくなる。
ですから、そういう点では、今、高等専門
学校の
教育システムに
一つの解答があるのではないかと私は思っているんです。すなわち、中
学校を卒業した
生徒を受け入れて、五年間の一貫
教育をやっている、ここが大事なんですね。これはまさに、高大接続ではない、高大一貫なんです。ここが私は
教育について大事な視点ではないのか、こういうふうに思っております。
その中で、アクティブラーニングを比較的重視した
教育をしておりますので、非常に高等専門
学校の評価は高いんです。高い評価をどういう物差しではかるかというのはいろいろあると思いますけれども、
一つには、やはり就職率なんですね。求人倍率は十八倍もあるんですよ。要は、企業が欲しくてしようがない人材なんです。
それだけではありません。また、海外からの評価が非常に高いんですね。
日本の高専
システムを導入したいという国が結構あるんですね。モンゴルでは既に高専が設置されている。
日本の
教育システムがいいということで。前に、私
たちはこれについての
会議をやっておるんですけれども、下村元
文科大臣が、高専の輸出についてもっと
考えようよ、こういうことを言われたことがありまして、まさに、
日本の
教育がすばらしい、それを輸出して、途上国、ないしは、そういう興味がある、関心があるところへ
システムを輸出していこうというものであります。
そういう高専が、今、
日本に国公私立合わせて五十七校あるんですけれども、実は高専のない県もあるんですね。五県あるんです。高専が五十七校で約一万人受け入れておりますので、卒業生から見ますと、中
学校卒業生の大体一%ぐらいを受け入れている。
今後、こんないい
システムでありますので、これを量的拡大、そしてさらに質的拡大をどういうふうに図っていくのかということについてお尋ねするわけでございますけれども、まず、量的拡大については、当然のことながら、一%しか入っておりませんので、そんなにも倍率が高いとかいい
教育をやるというのならば、定員数をまずふやしたらどうだ、こういうことがあります。
二つ目には、高専がない県で、高専をつくってほしいという要望も結構あることは事実でありますので、そういうない県にどういうふうに
教育的
機会均等を与えていくのかということも
一つあると思います。
三つ目は、
大学法で設置していくものですから、大変なお金がかかることは事実であります。ですから、もっと簡便にできる方法として、工学部のある
大学に附属高等専門
学校、こういうのをつくることも
一つアイデアではないか、こういうふうに思っているんです。
そして、質的充実では、ハード面、ソフト面の質的充実を図っていかなければいけませんけれども、高専というのは結構各地にあるものですから、五県ありませんけれども、一県に
一つぐらいは大体あるものですから、まさに地域産業と密着した、そういうカリキュラムで地域への就業を
支援していく、まさに地方創生の観点からそういうソフト面も充実していかなければいかぬのではないのか、こういうふうに思います。
それと、やはり質的レベルがどんどんどんどん上がってきておることは事実であります。
実は、
全国高等専門
学校ロボットコンテスト、こういうすばらしいものがあるんですね。テレビで見たこともあると思います。ことしで三十回になるんです。三十回目を記念して初めて、
文科大臣賞もいただけるんですが、内閣総理
大臣賞をいただくことになりましたので、できればぜひ見ていただければありがたいと思うんです。今度の十二月三日、NHKで生放送をやりますので、ぜひ見ていただければありがたいと思います。
第一回目が、実は乾電池を一個使っただけのスピードレースなんですね。モーターをつけて坂を上がっていくというものです。それから三十回重ねていくとどんなすばらしいものになるかというと、ことしは、大江戸ロボット忍法帳といって、各校二台ずつのロボットが後ろに風船を
五つぐらいつけて、それをチャンバラで割り合う。こういう、回路からしたら相当難しい回路を使わなければいけないと思うんですけれども、そういうレベルが質的に向上したということの
一つのあかしではないか、こういうふうに思うんです。
そういうことからしたときに、高専の量的拡充と質的充実について、文科省の御
見解を伺っておきたいと思います。