○堀越
委員 立憲民主党・市民クラブの堀越啓仁でございます。
本日は、諸先輩方から多大なる御配慮をいただきまして初
質問に立たせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、十月に行われました総選挙にて初当選をさせていただきました。新米議員でございますけれども、もとより、
環境問題に関しては、私自身、非常に関心が高い事項が多いものですので、全力で取り組ませていただきたいというふうに
思います。
地域の問題あるいは
地球環境の問題というのは、これは超党派で取り組まなければいけないことだと
認識しておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、これまでリハビリテーションの現場で働いておりました作業療法士でございます。医療、介護の現場で主に働いておったわけなんですけれども、それとあわせましてもう
一つ顔がございまして、それは僧侶でございます。僧籍を取得してから、人の生き方、幸せとは何なのかということを見詰め直す
一つの物差しとして、皆さんに仏教というお話をさせていただいておりましたけれども、特に命のとうとさに関しましては、仏教では山川草木悉皆成仏という
言葉がございまして、山や草木、川、全てに仏さんが宿っているという
考え方でございます。それは、人も動物も命あるもの皆同じであるという概念に依存しているわけでございますけれども、きょうは、そういった
観点から、動物福祉のことについて
質問をさせていただきたいというふうに
思います。
これまで、動物愛護管理法は、さまざまな改正が行われる中で、動物取扱業の規制強化や動物虐待あるいは遺棄に係る罰則、実験動物への配慮などが盛り込まれてきました。
我が国における動物福祉は、全体として進歩しているようにも見えるわけですけれども、畜産動物に関する内容についてはとても薄いものになっているというふうに
考えております。先進国の中で見ても、
世界基準にはほど遠い状況だというふうに
認識しております。
日本には、動物保護に関する法律やガイドラインはあるものの、現在、その
実効性を伴わない状況にあります。畜産業が動物愛護管理法の動物取扱業から除かれ、また、法文内に畜産動物に関する個別の条項が設けられているわけではありません。農水省所管の公益社団法人畜産技術協会等が作成したアニマルウエルフェアの
考え方に対応した飼養管理指針の啓発活動を通じて、産業動物の福祉を広めようとしているわけでございますけれども、この指針には強制力はありません。また、アニマルウエルフェアの向上を図っている国際機関であります国際獣疫
事務局、OIEが策定した基準よりもやや低目の飼育方法が記載されているのが現状であります。そして、屠畜場については、厚生労働省の管轄となっておりまして、屠畜場での動物福祉の
取り組みは行われていないというふうに言わざるを得ない状況ではないかというふうに思っております。
なぜ
我が国がEUと比較するとおくれをとっているのか。この原因として
考えられるものは、
日本は、畜産物を輸入する国でありまして、輸出をしてこなかった国であるということで、欧米での動物福祉の高まりと比べて
情報を仕入れる
機会が非常に少なく、認知度も薄いのではないかというふうに
考えております。このことが今後大きな問題になるのではないかということを私は懸念しております。
というのは、二〇二〇年に開催される予定であります東京オリンピック・パラリンピック、この祭典に選手村の食事などで使用する食材は、畜産物は、農作物の要件に加えて、持続
可能性に配慮した畜産物の調達基準、アニマルウエルフェアが重要視されているからでございます。つまり、「快適性に配慮した家畜の飼養管理のため、畜産物の生産に当たり、アニマルウェルフェアの
考え方に対応した飼養管理指針に照らして適切な措置が講じられていること。」とされており、その指針は、先ほどの畜産技術協会が作成した飼養管理指針をよりどころとしておりますので、この指針が国際的に認められるレベルかどうかが非常に問われるからであります。
当然、
トップアスリートが集まる平和の祭典でございますので、とりわけ食に関しては関心が高い選手が非常に多いと
思いますし、それだけではなく、アニマルウエルフェアによって飼育をされた食材によって栄養をとるということは、彼らにとっては当たり前のことになっておりますので、その辺に関しまして早急な対応が
我が国でも必要になるのではないかというふうに
考えております。
OIE基準を満たすアニマルウエルフェアに沿った畜産を
国内に流通させる、そして、その上で、海外に自信を持ってこれから
我が国から輸出をするチャンスに変えていくという選択肢をつくり上げられればというふうに
考えております。もちろん命に対する尊厳は保った上で、それが当然であります。そういったことが実現した上で、
我が国は初めて先進国と言えるのではないかなというふうに思っております。
インド独立の父で知られるマハトマ・ガンジーは、国の偉大さ、道徳的発展は、その国における動物の扱い方でわかるとまで言われております。
そこで、
中川環境大臣にお伺いいたします。
先進国、とりわけEU各国においては、
日本と比しても産業動物の福祉の理念が非常に浸透しております。牛や豚などの産業動物については、飼養管理、輸送及び処分方法に係る法的規制を行う国もあると承知しております。
まず、
我が国の動物愛護管理法における産業動物の福祉に関する
取り組みについて確認した上で、産業動物に関する動物愛護管理法における位置づけについて、
環境省の見解をぜひお伺いしたいと
思います。
そして、今後、動物愛護管理法の見直し時期を来年に控えた中で、動物愛護管理
行政への意気込みを
大臣に伺いたいと
思います。よろしくお願いいたします。