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参考人(加戸
守行君) 私も霞が関で三十数年生活してまいりまして、私の知る限り、今までメディア批判をして勝った官僚、政治家は誰一人いないだろうと思っておりますし、ここで何を申し上げても詮ないことかなとは感じますが、ただ、今回七月十日の証人喚問の後、私はその晩、イタリア旅行に出かけまして、
日本のことは知りませんでした。十日間旅行して帰ってきましたら、いや、
日本では報道しない自由というのが騒がれているよと。何ですかと聞いたら、何か一覧表を見せられまして、加戸
参考人の発言を紹介した、丸、三角、バツで新聞、メディア、テレビ等の勤務評定がありまして、ああ、そうなのかなというのを見たとき、私、役人時代から慣れっこでございますから当然そうだろうなと思いながら、ただ、報道しない自由があるということに関しても有力な手段、
印象操作も有力な手段、で、そのことはマスコミ自体が謙虚に受け止めていただくしかないことでございますけれども、このことに関してあえて申し上げなければならないことが一つあります。
それは、今、実はあるテレビ局の報道で、報道された中身に関して、そのこと自体を私はどうこう言うわけじゃありませんが、その取材に応じられた
前川参考人の発言で、報道のときにはカットされた部分があります。このことについて、やはりこの場でおいて、
安倍総理がこんなに窮地に立っているときに、このことはやっぱり私のこれは披露しなければ気が済まないから申し上げさせていただきます、ちょっと時間取って恐縮ですけれども。
私が松山にいるときに、東京のテレビ局のキーステーションの系列局から話がありました。それは、私の知事時代の県政担当
記者から、東京のキー局が取材をしたいと、急いでいるけどという実は連絡があったときに、私は東京へ用事があって上京する、松山へテレビカメラを担いで取材に来る時間ないでしょうと、東京に着いたら、東京でその夜なら時間が取れますよと言ったら、テレビ局がカメラ二台、
記者二名、そして私のあばら家に来ていただいて、立会人は私の妻一人でありますけれども、その場で、何でカメラが二台かと思ったら、一台は
前川参考人の取材したビデオ取材の記事を映像で私に見せながら、このことに関して加戸さんに取材をしたいんだということでございました。
言うなれば、教育再生実行
会議に
安倍総理に頼まれて私がこの
加計問題をため込むという構図になっているわけでありまして、で、私が笑い飛ばした部分はカットされましたから多くの
国民には分かりませんけれども、
獣医学部新設の疑惑追及か何かというタイトルの番組だったようでありますけど、その後、翌日のホームページに載っていまして、そこのホームページには画面に私の画像とテロップが流れ、その下に御丁寧に教育再生実行
会議の
議事録のコピーまで載っていますから、よく見ていただくと分かるんですけれども。
まず、加戸さんは
安倍総理と
加計、友人関係御存じでしたか、そんなことは全く知りませんでしたよという話から始まって、それから、教育再生実行
会議の
委員にはどうしてなられたんですかと。それは、
前川参考人が、加戸
委員は
安倍総理が直接頼まれたんですよねと。で、
記者の方が、えっ、何で御存じなんですか。いや、私が教育再生実行
会議の
委員の人選に関与していましたから知っておりますと。
そして、その次、カットされた。そのことから、私に対する
インタビューは、何でお受けになったんですかと言うから、
安倍総理から、教育の再生は
安倍内閣の重要
事項として取り組みたいから加戸さんの力を借りたいという
お話でしたので喜んでお受けしましたと。その後がカットされた部分ですが、
前川参考人が、あれはですね、
安倍総理が加戸さんに
加計学園の
獣医学部の設置を教育再生実行
会議の場で発言してもらうために頼まれたんですよと。
記者が、えっ、そうなんですかと。だって、その後、教育再生実行
会議で、私も
出席しておりましたが、唐突に発言をされました、この
加計学園の、それから、しかも二回にわたってとありました。で、このことどうですかと言うから、私は高笑いしましたよ、そんなことあるわけないじゃないですかと。
そして、その部分はカットされたのは、恐らく、私は考えました、後で。このまま報道すれば恐らく
安倍総理から名誉毀損の訴えを提起されるおそれなしとしない。加戸
先輩はそれは踏み付けられてもいいけれども、そこまで想像をたくましくして物を言われる方なのかな。でも、このことに関しては、
総理補佐官御発言メモが残っているわけでもあるまいし、何でそんなことをおっしゃるのか。
安倍総理をたたくためにそこまで、全国に流れるテレビの画面の取材に応じて、私の取材がもしできていなければあのまま生で流れているかもしれないということを考えたときに、私は
自分の後輩ながら精神構造を疑いました。
私は彼を買っています。それは、私が
愛媛県知事のときに、小泉
内閣が三位
一体改革の名の下に義務教育国庫負担金制度の廃止を打ち出して大もめにもめて、玉を丸投げして全国知事会で結論を出してくれときたときに、数少ない有志が語らって徹底抗戦しました。十数人が反対しましたけれども、全国知事会の評決では三分の二の多数決ですから、三分の二の多数決でこの理不尽な廃止制度が議会、全国知事会で認められました。そのときに、当時文部省の初等中等教育局の課長として
前川参考人は、奇兵隊、前へというブログの中で徹底してこれを批判し、あえて職を賭してまでこの義務教育国庫負担廃止に論陣を張ってもらいました。気骨のあるすばらしい人材で、嘱望しておりました。彼が
事務次官になったときには、私、一番うれしかったです。本当に文部省を代表し、気骨を持ってチャレンジするすばらしい次官が誕生したなと思いました。
その彼が何で虚構の話を全国テレビで話すんだろうと。これはテレビ局が放送をカットしてくれたから彼は救われましたけれども、でも、その後の発言の様子を見ていると、私はそう思います、想像します。想像が全部事実であるかのごとく発言されていると。同じ伝で言われているんじゃないだろうなと。でも、そのことが
国民をそういう方向へ持っていくことになるんじゃないのかという危惧を持ちながら、あえてこの場で私は報道の批判をしません。良識を持ってその場面場面をカットしたテレビ局の見識には感謝しています。でも、そのリスクを冒してまで言わなければならない、作り話をしなければならない彼の心情が私には
理解できないんで、でき得べくんば
青山委員から御
質問いただければと思います。