○清水貴之君
日本維新の会の清水貴之です。
会派を代表して、
国家戦略特区法及び
構造改革特区法の一部を
改正する
法律案について
質問をさせていただきます。
我が党は、自立する個人、自立する
地域を理念に掲げています。そして、
規制改革による個人や
企業の切磋琢磨と統治機構
改革による
地域の自立を目指しています。このため、
特区制度は、
規制改革と
地方分権を同時に進める
制度として一層の積極的な
活用が図られるべきものと考えています。
初めに、学校
法人加計学園の
獣医学部新設問題についてお
伺いをします。
我が党は、大学や学部の設置について既得権を打破する
規制改革を
特区で進めることには賛成ですが、
制度の運用は当然公平であるべきです。
平成二十七年六月の
日本再興戦略改訂二〇一五では、
獣医学部新設について
全国的見地で行うとされていましたが、同年十一月の
国家戦略特区諮問
会議では、獣医系大学のない
地域に限りという条件が示されました。結果として、関西圏が
対象外となり、今治市のみが
対象となりました。この経緯を見ると、獣医師会という既得権者に配慮して
地域を限定し過ぎたことが不公平感を強めたという一面はないでしょうか。
担当大臣の御
認識をお
伺いします。
次に、
国家戦略特区制度全般についてお
伺いをします。
この
制度は、これまでの三年間で多くの
規制改革を
実現してきました。一方で、実績を上げる自治体と
制度を
活用し切れない自治体が生じているとの指摘もあります。
規制改革メニューや認定された
事業の数につき自治体ごとに大きな差があることなどが今年三月の
国家戦略特区諮問
会議で報告されています。こうした指摘についての
担当大臣の
認識と今後の対応についてお
伺いをいたします。
特区制度がうまく働くか否かは、議会が反対したときの首長の
リーダーシップや、既得権との戦いの成否、さらには住民や
民間企業の関心の高さなど、様々な要因で決まるものだと思います。
そこで、
担当大臣にお
伺いいたします。
大臣は、
特区の
活用が活発でない場合に、もっと頑張ってほしいと督励、つまり励ました上で、実績が出なければ
指定解除もあり得ると、先月の記者会見で述べられました。
指定解除することもやむを得ない場合があるかもしれませんが、その前に、なぜ
特区で
成果が出ていないのか、
政府も原因の分析と対策の立案をしっかりとするべきではないでしょうか。
特区活用は自治体の努力が第一義的に必要なのはもちろんですが、
政府として
活用促進をどう図るつもりでしょうか。
今
国会提出の本
法案では、地方発の
技術革新促進のための
制度やインバウンドや
農業分野での
外国人材の
活用、保育の
規制改革等がメニューとして挙がっており、
目的や
方向性には賛成できます。
その中で、まず、
革新的医薬品の
開発迅速化についてお聞きします。
具体的な
改正内容は、
臨床研究中核病院等における
医薬品の
研究開発を
実施する者に、
情報提供、
相談、
助言等を行うという
内容です。
医薬品開発に資するものとは考えますが、新薬
開発をめぐっての
世界的な競争が激化する中にあって、政策として小粒な印象は否めません。
我が国の
医薬品研究開発に対する
支援体制は脆弱であるとの指摘がされ続けています。多くの新薬の
研究開発には十年以上の歳月が掛かる上、市場に出るまでに数百億円以上の資金が必要だと言われています。こうしたプロジェクトを支えるためには、欧米と同様の大規模な資金調達のスキームも必要でしょうし、
特区制度でいえば、地方の製薬
企業の負担を少しでも減らすことが必要です。
例えば、大阪で既に動いている
医薬品医療機器総合機構の関西支部、いわゆるPMDA―WESTについて、その機能を拡充すべきではないでしょうか。現在認められている
相談やGMP実地
調査だけでなく、
医薬品審査等の機能を持たせることができれば、国内の製薬会社や
研究機関が
東京まで審査を受けるために出向くといったコストの低減にもつながります。
東京一極集中を解消することにもなると思いますが、いかがでしょうか。
大阪府に限らない問題ですが、冒頭に述べましたとおり、
特区制度の
活用が低調な自治体がある一方、首長が
規制改革の意思も力も持っている自治体の要望が中央省庁の抵抗で通らない現実をどう捉えておられるのか、
担当大臣の御
認識をお
伺いいたします。
この点につき、中央省庁の官僚たちが、自分たちの省庁で作った指針や規則だけを重視し、
特区での
規制改革は
行政をゆがめるものと捉えている実態はないでしょうか。
特区について、各省庁の職員の意識
改革、これが重要ではないかと思いますが、
担当大臣としてどのように考えられますか。
次に、
外国専門人材の
受入れについて
お尋ねをします。
今回の
改正が
実現すると、
農業分野で
一定の
技能等のある
外国人材を
活用できるようになります。既に
農業分野では多くの
外国人が技能実習生という形で
労働者として働いています。そうした中で、更に今回の
提案がなされた
背景として、実習生は原則一か所の農家でしか働けないという
制約が設けられており、農繁期に合わせて産地間を移動するといった柔軟な働き方ができないことなどが指摘されています。
担当大臣にお
伺いをします。
本
法案における
農業での
外国人材受入れが必要となった実質的な理由をどう
認識されていますか。先ほど述べたように、技能実習生では労働力として
制約が大きいので、別の形で受け入れるという一面はないでしょうか。本
事業で受け入れる専門的、
技術的な
外国人材として、
技能実習制度の修了生が想定されているとも言われています。だとすると、今回の
制度改正は、ますます技能実習生という名の労働力不足を補うためという色彩が強くなるように感じますが、
担当大臣の御
認識はいかがでしょうか。
農業を
日本の若者にとっても魅力的にするためには、
株式会社による農地所有を解禁する一方で、ゾーニング
規制を
強化するなど、
経営体力のある担い手の責任ある参入を促すべきです。我が党は、そのための
議員立法も提出しています。
現状は、そうした努力もなしに、なし崩し的に
外国人労働者への依存を高めています。今後、移民政策等も逃げずに
議論すべきと考えますが、同時に徹底した
農業改革が必要ではないでしょうか。農林水産
大臣の御
認識をお
伺いいたします。
次に、保育について
お尋ねをいたします。
今回、小規模認可保育所の
対象年齢と
地域限定保育士試験の
実施主体の
拡大が盛り込まれた点は
一定の
評価をいたします。しかし、そもそも保育については、
地域事情を無視した
全国一律の基準となっていることが
待機児童問題の大きな原因となっています。
我が党は、保育所設置基準の分権化と保育士資格の多様化を図る
法案を提出しています。この
法案では、国の基準は参酌基準として残した上で、条例で保育所の設置基準を定めることを可能としています。
保育士不足については、保育先進国のフランス同様、都道府県が
一定の研修修了者を登録する保育サポーター
制度を設けることを提言しています。こうした
施策について、
担当大臣としての考えをお聞かせください。
最後に、
教育についてお
伺いをします。
今後、ICT
教育を
実施するための
特区を検討してはいただけないでしょうか。近年、自宅ではネットを使った遠隔授業を行い、教室では自宅学習に基づく質疑応答等を行ういわゆる反転授業が
教育効果が高い手法として注目を集めています。こうした先進的な
取組ができる
特区の是非につき、
担当大臣の御所見をお
伺いいたします。
我が党は、各
地域の
ニーズに応じた分権
改革と
規制改革を同時に進め、現行の
特区制度を十分に
活用するとともに、国と地方のより抜本的な統治機構
改革を目指してまいります。
以上をお約束して、私の
質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣山本幸三君
登壇、
拍手〕