○
佐々木さやか君 六条の二第一項の結合
関係の基礎としての共同の目的に対応する英訳がないということであります。
ここというのは非常に重要な部分であります。六条の二、今日も議論になっておりましたけれども、テロリズム集団その他の
組織的犯罪集団、括弧して、団体のうち、その結合
関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるものをいうと、ここの部分の、その結合
関係の基礎としてのというのが英訳では
条文から抜けていると。ここがなければ、共同の目的、単に団体の共同の目的というだけでは絞りは十分ではない。そこにプラスして、今回の
法案というのは、その結合
関係の基礎としてのというところが入ることによってこの
組織的犯罪集団というものが明確になる、また限定されるという、非常にこの
法案における要の部分でございます。ですから、ここが
法案の
条文から抜け落ちているというのは非常に重要な誤りだというふうに思います。
先日、西村
参考人はここの部分について、例えばグーグル翻訳でもできるはずの作業がちょっとここではされていないかもしれない、つまり、西村
参考人がグーグル翻訳で試しに
条文を英訳してみたと、そのグーグル翻訳でやってもきちんとここの部分は正しく出てくるんだけれども、しかしながら、カンナタチ氏の公にした公開書簡の中のこの
条文の英訳には抜けているということで、そういう
指摘もあった。
つまり、非常に重要、重大なミスではありますけれども、何というか、明らかな明確なミス、しかもこれは、恐らく通常の手続どおり日本
政府に
事前に何かしらの
説明の機会を与えていれば防げたであろうミスであります。一番重要なところですから日本
政府はもちろんそこを
説明をするわけでありますし、それをきちんと反映させた、ミスのない、この点についてミスのない公開書簡が公にされたのではないかと思いますと、やはりこの通常取られる
事前の
政府の
説明の機会というのは、特別報告者が何らかしらの見解を明らかにする場合には非常に重要な手続である。そう考えると、今回それがなかったと、しかも、こうしたミスがあるというところについてはやはり日本
政府としてしっかりと抗議をすべきでありますし、先ほどの
説明であれば強く抗議をしたということでありますので、妥当ではないかというふうに思います。
それから、今、
答弁の中で、団体の定義、二条一項、団体の活動としてについての三条一項の定義の英訳も載っていないという
指摘がありました。これも、今日も
委員の
皆さんの議論の中で非常に論点として取り上げられましたね。この団体というのがどういうものなのか、団体の活動としてというのはどういうことなのか、このように
国会でも論点になるほど非常に今回の
法案にとっては重要な部分であります。
つまり、カンナタチ氏の公開書簡では、第六条の二についての英訳は、まあミスがありますが載っておりますけれども、この六条の二という
条文だけを見ても、今回どういう団体が
テロ等準備罪の成立の
対象になるのかというのが分からないわけですね。二条とか三条を参照しないとその意味は分かりませんし、かつ、この限定されていることの意味が分からない。
例えば、六条の二では、団体、
組織的犯罪集団というのは、団体のうち、その結合
関係の基礎としての共同の目的がということがありますけれども、この団体の定義については二条一項で記載があるわけでありますし、それから、団体の活動として、当該
行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で
計画をした者はというのが第六条の二の
条文ですけれども、この団体の活動としてというのはどういうことをいうのか、これについては三条の一項に記載があるわけでありますし、組織というのは、じゃ、どういうものなのかということについては第二条一項に記載があるわけです。
ですから、この六条の二と不可分のものとして言わば二条一項とか三条一項というのが
条文としてあるわけで、それを併せて、今回、この
テロ等準備罪の成立
対象となる団体というのは要件が明確になっていて絞られている、ここが非常に重要なわけであります。
そういった意味で、公開書簡においてこの二条一項や三条一項について触れられていないということは不自然なような気もいたしますし、やはりこの
法案について正しい
理解をしていただいていれば、やはり一番重要なところですから、ここについて触れていただくだろうと思いますので、そういう観点からも、
政府が
事前に直接の
説明の機会を得ることができなかったというのは残念なことであるなというふうに思います。
もう一点、ちょっと申し上げますと、先日の西村
参考人も触れておりましたけれども、カンナタチ氏の公開書簡の中で、今回の
法案についてこういうところが
懸念されるということが幾つか
指摘されているわけですが、その中で、今回の
テロ等準備罪の成立の
対象がテロ組織に明らかに限定されているとは言えない、テロ組織に明らかに成立の
対象が限定されているとは言えないということをカンナタチ氏が公開書簡で述べております。
しかしながら、今回の
法案というのは、テロ組織というのは
組織的犯罪集団の例として典型的なものでありますので、そういう意味では重要なんですが、テロ組織だけに限定しているわけではないんですね。
皆さんお分かりのことと思いますけれども、暴力団とか薬物密売組織ですとか、そういった
組織的犯罪集団を
対象としているのであって、テロ組織だけに限定しているわけではありません。
これは、そもそもTOC条約との
関係で、テロ組織だけに限っては国内担保法としても不十分でありますのでテロ組織だけに限っているわけではないんですが、このカンナタチ氏はこの点についてテロ組織だけに限らなければならないと
理解をされているのかなと、このようにも読める
内容になっております。そこの部分はちょっと文章として、何というんですかね、ちょっと分かりにくい表記にもなっておりますので、やはり十分に、このカンナタチ氏が何を
懸念されているのか、何をおっしゃりたいのかというところを十分に精査をしていただく必要があるというふうに思います。
この部分については、ちょっと私の
理解として、カンナタチ氏が今回の
法案について十分に
理解していただいていると言えないのではないかと、こういう思いを述べさせていただきましたけれども、先ほど申し上げたとおり、今回の
法案というのは、こうしたカンナタチ氏の公開書簡での
懸念がありますけれども、そうではなくて、団体の定義、また団体の活動としてという要件も併せてしっかりとその
処罰の
対象を十分に絞っている、明確に縛りを掛けているというふうに言えると思います。
法務省に念のために
確認をしたいんですけれども、今回の
法案というのは、テロリズム集団のほか、暴力団、薬物密売組織などの
組織的犯罪集団を
対象としているものであると、この点はTOC条約の国内担保法というところもありますし、かつ、十分に明確に成立の
対象としては縛りを掛けていると、この
理解でよろしいか、念のためですけれども、
確認をさせていただきます。