○有田芳生君 有田芳生です。
ヘイトスピーチ解消法が成立して約十か月が過ぎました。その具体化のために全国各地で積極的な取組が行われております。特にその最先端を走っているのが川崎市であろうと私は考えております。
ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークは、自民党の元参議院議員の斎藤文夫さんを始めとして超党派で、この川崎において、仮称ですけれども人種差別撤廃条例というものを制定しようじゃないかという非常に積極的な動きが進んでおります。それを妨害する
目的で、この二十五日、今度の土曜日に川崎の武蔵小杉で集会が行われようとしております。
それを誰が開催しようとしているかについては、今日皆様方にお配りをした
資料にありますけれども、神奈川新聞の表現によれば、人種差別、排外主義の代表的な扇動者で極右政治
団体日本第一党の最高顧問、瀬戸弘幸さんといいますけれども、この写真を、右側見ていただければ分かりますように、ハーケンクロイツ、ヒトラーナチズムの忌まわしいその旗の前で講演をやってきた人物です。この人物は、四十年間にわたって在日
外国人の排斥を訴え続けた人でもあり、川崎市で行われてきた排外主義的な川崎発
日本浄化デモというところで、本当にひどいヘイトスピーチを繰り返してきた人物です。今回は集会所で講演をやるんですけれども、蓋然性から考えて必ずといってヘイトスピーチをやる
可能性のある人物が集会をやろうとしております。
それに対して、ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークは、三月九日に川崎市長宛てに、瀬戸弘幸主催の時局講演会「ヘイトスピーチと表現の自由」についてという要請を行いました。そこでは、会場となっている総合自治会館を管理する市民自治財団に事情を
説明して、会館の使用を認めるなと、それが第一の要求。二番目には、主催者に対してヘイトスピーチ解消法を示してヘイトスピーチを行わないという誓約書を
提出させる、それを
提出しない場合には会場の使用を不許可としてくださいと。三番目に、会館内にヘイトスピーチを許さないという
法務省のポスターを掲示してくださいという申入れを行いました。
しかし、今のところ、この集会が行われようとしております。これは、デモなんかでは
一般的に多くの人
たちが目撃をし、
被害者からすれば耳にするような、目にするような事態が起こるんだけれども、室内においてもこういう集会が行われれば、インターネット上を通じて
日本全国に広がっていきますから、多くの被害を生むという
可能性がある、それに対して無策であっていいはずがないと私は考えております。
例えば、東京の江戸川区では、昨年の八月に、公園の使用許可条件に不当な差別的言動を行わないことを追加して、それが守れない場合、次回以降その会場は貸さないという積極的な対応を取っております。そのように、先ほども言いましたけれども、ヘイトスピーチ解消法が全国各地で具体化されているときに、それに抗議、対抗するかのようにこういう集会が行われようとしております。
瀬戸氏は、この集会も含めてですけれども、今年最大の闘争の目標は川崎だと、そういう流れの中で土曜日にこの集会が行われようとしております。
そこで、人権擁護局にお聞きをしたいんですけれども、これまでヘイトスピーチを許さないというポスターを始めとして、全国各地で積極的な取組、啓発活動をやってくださっておりました。まずお聞きをしたいのは、
資料でもお示しをしましたけれども、昨年の六月五日、ヘイトスピーチ解消法が成立をした直後にやはり川崎でヘイトスピーチのデモが行われようとしたとき、千人を超える市民が参加をしてそれに抗議をしました。結果的にはこのデモの主催者がデモ行進を中止をしましたけれども、そのとき多くの人
たちが感動した
一つは、
法務省が広告宣伝車、アドトラックというものをそのデモの近くに配置をしたということがありました。写真を見ていただければ分かりますように、広告宣伝車には「ヘイトスピーチ、許さない。」と、そういう掲示がなされておりました。この使用の
費用というのはどのぐらい掛かったんでしょうか。