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大臣政務官(
長坂康正君)
お答え申し上げます。
獣医学部の設置は、
平成十九年秋から昨年春までの八年近く、今治市の提案が唯一の提案でございました。こうした中で、京都府、京都産業
大学から昨年三月に提案がございましたが、要旨のみの簡素なものであったわけであります。その後、昨年十月に詳細な提案をいただいたことを受けて、十月十七日に
特区ワーキンググループで
ヒアリングを行いました。しかしながら、京都府等の提案は必ずしも準備が整い事業が
具体化しているとは言えなかった。これに比べ今治市の提案は、事業の早期実現性という観点から熟度が高いと
判断し、これを優先することとしたわけであります。
今治市は、専任教員の確保、入学定員百六十名に対し七十名の面で京都府等と比べて優れておりました。
水際対策について、今治市は、
四国知事会等が要望するなど広域的な対策を強化する具体的なアクションを起こしている。他方で、京都府等は、
獣医学部のある大阪府との連携が必ずしも確保されていないなど、不十分と評価せざるを得なかった。また、
獣医学部の設置は
地域の活性化に大きく貢献する必要がある。京都府等の提案にその具体性がない反面、今治市は、まち・ひと・しごと総合戦略等に位置付けた上で、卒業生を
地域の産業動物
分野に就職させるための奨学金の仕組みなどの工夫を凝らしております。京都府は、
ライフサイエンス研究を提案しておりますが、
水際対策に関する
部分が薄い。他方、今治市は、現場体験学習などを通じて卒業後に産業動物を扱う
分野に進むよう誘導するとともに、畜産業のみならず、地元の水産資源を
対象とした感染症対策など地元固有の資源に着目したより具体的な
内容となっていると評価できるということであります。
このように、今治市の提案は事業の早期実現が見込まれると
判断したものであります。ただし、
国家戦略特区は規制改革の突破口であります。今後、京都府等の提案についても十分
検討に値するものと
考えております。