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田名部匡代君 私は今の
大臣のお言葉を信じますけれども、ずっと
大臣が
大臣でいらっしゃるわけじゃないんですね。だからこそ、しっかりと
法律で縛りを掛けておかないと、なし崩し的に崩れていくのではないかということなんです。いかに今
大臣がそういう思いでやってくださっていても、ずっと
大臣じゃないわけですから。
だから、そこは私は
法律でやるべきだと思っていますし、もちろん、人口の流出に歯止めを掛けるというのは本当に大事だと思います。特に
地方にとっては大きなこれ悩みの種だし、大きな課題です。
青森県でも、若者の県外の就職率はもう四四%、県外の大学進学率は六二%なんですね。一回外に出たらなかなか戻ってこないです。一つは、戻りたいけれども、言うように仕事がない、やりたい職業がない、そして一番は賃金が安いということです。同じ職業でも青森から離れた方が高いお給料をもらえるから、だったら都会に出て働こうというようなことがあるんですね。
今、農水省さんからいただいた
農工法改正の理念、必要性というところに生活が維持できる仕事があることとあるけれども、これは何も安定的にというだけではなくて、やっぱり企業が
地方に来るなんというのは、人件費安くて済むなのか、経費が安くて済むなのか、いろいろ事情はあると思いますけれども、そういう安い経費で人を雇えるから
地方にということではやっぱり困るんですね。そこにたくさんの
雇用を生み、そしてしっかりとした生活が安定的にできるお給料をもらって、そこで人がとどまる、そして
農業と
工業の、
産業の均衡ある
発展につながるというならいいけれども、そういうことすらこの
法律の中では何ら明確になっていないということだろうと思います。
私は、先ほども申し上げましたけれども、農水省が経産省になる必要はなくて、農水省は農水省らしさを存分に発揮して、私は、農水省が主導で他の役所を巻き込んでいろんなことを取組進めていってほしいと思っています。昔、食の将来ビジョンとか、そういうビジョンを農水省さんで立てたことがあります。今でもいろいろ進めていますけど、食と農の連携だとか、食と観光の連携だとか、食と介護、食と医療、いろんなことを結び付けて、まさに農水省が主体的に他の省庁を巻き込んで、いかに
農村を守るか、いかに食料で
地域を元気にしていくか、こういうビジョンを打ち立ててやってこられた。
まさにそれが私は農水省のあるべき姿だと思っているし、私の
地元なんかでは、閉校した学校、廃校を利用して、まさに県産材を使い、
地域の特産、そこはおそばなんですけれども、そば打ち体験をしたり、これは何も、もちろん観光客の方もそういうところに足を運んで自然を楽しむ、
地域のおいしいものを堪能する、こういうケースもありますけれども、特に
地域の子供たちがそういうところを利用したり、近隣町村の
方々がそういうところに足を運んで一緒にそば打ち体験したり、そこで働く人たちはまさに
地域の農家のお母さんたちで、自分たちの得意
分野をそこで生かせるというやりがい、生きがい、喜び、これを若い人たちにもつなげていきたい、その技術を教えていきたい、こういう思いがつながって私はやっぱり
農村というのは守られていくんだろうというふうに思っているんです。
まさにそういうことをしっかりと後押しして支援をしていくことこそが
農林水産省の役割であって、どうなるか分からない農地の転用をしたり、何か
産業を呼び込んで効率だとかそういうことを優先して物を
考えるのは
農林水産省じゃないと思っているし、
是非そこは
農林水産省の
皆さんにも自覚を持っていただきたいと思いますし、今、都会から
地方に移住したいという人たちが増えているということを、
大臣うなずいていらっしゃるので御存じかもしれません。特に、子育てに適しているのは
地方だ、
農村だ、こういう回答が世論調査の中であるんですね。
こういうことも生かしながら、
農林水産省だけでは取り組めない課題もあると思います。子育てするには医療環境が整っていなければならない、教育の問題もある、いろんなことがあると思いますけれども、どうか
農林水産省らしい政策をしっかりと実現していただくと同時に、こんな、どこの誰にどんなふうに使われるかも分からない、農地が失われて、食料を守れず自給率がますます下がるような、こんな
法律を推し進めていくことには私は断固反対だということを申し上げ、最後に一言
大臣から、一緒に反対をしていただきたいという私の思いに何か心動かされているかもしれないので、お答えをいただいて、終わりたいと思います。