○徳永エリ君 慎重に検討するということではありますけれども、二校目、三校目も
獣医学部の新設はあり得るということなんだと思います。
お配りした資料を御覧いただきたいんですけれども、これ、日本大学
獣医学部の倍率です。「動物のお医者さん」という漫画が大変人気でありまして、これを読んだ若い人たちが獣医師になりたいということで、これ、札幌のH大学、舟山
委員が卒業した北大の
獣医学部が舞台になっているわけでありますけれども、ここで、この漫画が理由となって北大の
獣医学部に志願者が、志望者が殺到したということがあります。
倍率が、御覧のように、この日大、四十二・三五倍、三十九・六二倍、三十四・九三倍ということで、ほかの大学に比べると非常に高いわけですね。恐らく、獣医師関係の方に伺いますと、
獣医学部を新設すれば多分入学希望者は幾らでもいるだろうと。大学にしてみれば、もうかると。この少子化の中で学校経営が大変厳しいという中で、
獣医学部はもうかるんだということなんですね。
ただ、その人気に乗じて次から次へと
獣医学部を新設するということになれば、学校の経営的にはいいかもしれませんけれども、
先ほど申し上げましたように、供給過剰になりかねないんだということをしっかりと
理解をしていただきたいと思います。
国家戦略特区
諮問会議では、全く懸念を示さなかった所管
大臣の
山本大臣とは裏腹に、麻生
大臣は、法科大学院や柔道整復師の例を挙げて、
規制緩和がうまくいかなかったときに誰が責任を取るんだと指摘をしています。それに対して有識者議員から、麻生
大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか、これは、実は新規参入ではなく、恐らく従来あるものにまずい
獣医学部があるのだと思いますと、そこがちゃんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこで競争して、古い余り競争力がないところが出ていくと、そういうシステムをこの特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと言っているんですね。
これ、驚きの発言だと思うんですよ。今まずい
獣医学部があるとしたらこれは大変な問題で、これこそ
文部科学省も
農林水産省もしっかりとそこの改善をしていくということがまずやるべきことなのではないでしょうか。
そして、新たに参入させて競争によって淘汰していくと。教育の世界の中にそういった競争の原理を持ち込むということは大変に大きな問題で、ここで学ぶ学生たちが犠牲になるんじゃないでしょうか。これから
規制改革がどんどん進んでいくと思いますが、制限をせずに自由な競争を促すとしていますけれども、その結果、
政府の意図する
規制改革の方向に向かわなければ、獣医師の資格を取っても、働くどころか生活することもできないということになりかねません。
行き過ぎた
規制改革に歯止めを掛ける、慎重に対応していくというのが所管
大臣である
山本農林水産大臣の役割だと思いますけれども、今後、また二校目、三校目という話が出てきたときには、
現状を踏まえて、関係者ともきちんと
意見交換をしていただいた上で歯止めを掛ける役割をしっかりしていただきたいということをお願い申し上げたいと思いますが、
大臣、いかがでしょうか。