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進藤金日子君 ありがとうございました。
そういった面では今回の法
改正というのはまさに新たな時代に向けたスタートであって、本当にこれから
是非ともフォローアップをしっかりやっていただきながら、必要な
改善措置があれば早急に
実施して、実効性あるものにしていかないといけないというふうに思います。
さて、
東京オリンピック・
パラリンピック競技大会の組織
委員会、これ三月二十四日だと思いますけれども、選手村などで提供される
食材について、例えば
農産物については
グローバルGAP、
JGAPアドバンス又は
農林水産省の
GAPガイドラインに準拠した
取組、これは要件化することを決定されたわけであります。先般の答弁だと、大体九割ぐらいはちゃんとしっかりと生産できるんだというような前回の
農林水産委員会での御答弁あったように記憶しているんですが、実はこれ、やはり私も
現場の中から声聞くと、兵庫の方からこういった声があるんです。
神戸牛、これ、いわゆるUSA向けは不可能なんですが、タイ、マカオ、ロシア、ベトナム等は常時
輸出しているんだと。神戸ポークは香港向けに始めているんだそうです。ところが、イスラム教徒向けのハラール肉を
国内外に提供していくんですけれども、この二〇二〇年の東京オリパラまでに
供給量を増やしていかないといけない、こういうようなことの中で非常に苦労されていると。アラブ首長国連邦、これはUAEですかね、ここにも黒毛和種の
輸出を
継続的に始めているんですけれども、今後はイスラム圏、特に東南アジアのインドネシア、マレーシアを視野に入れて
輸出したいんだみたいなことを言っておられました。
しかしながら、やっぱりここは農水省のみならず厚労省の大きなバックアップがないと全くできないんだということありまして、この東京オリパラの局面を契機にして、このハラールの
取組につきましても
是非、農水省、厚労省連携して
支援をしていただきたいというふうに思います。
こういった中で、
GAPの東京オリパラに対する採用については賛否両論いろいろございました。でも、私は今回の決定、否定的に捉えるんじゃなくて、むしろ
GAPへの
農家の参加機会の公平性をしっかり確保した上で、
基本的に全
農家が国際的に通用する
グローバルGAP、あるいは
JGAPアドバンスを
取得することを政策目標に掲げるべき、ここはちょっと重ねて主張させていただきたいなというふうに思います。
そのためには、くどいようですけれども、やっぱり既存の
農業振興政策と
GAPの
継続的
取得を、クロスコンプライアンスみたいなところをちょっとしてやっていくのも
一つの手法なんじゃないかなということを提案申し上げたいというふうに思います。そして、
GAPを
基本にして、私の表にありますような
JASとGI、地理的
表示を必要に応じて組み合わせることによって付加価値を更に高めていくということも必要になってくるのではないかというふうに思うわけであります。
GAP、
JAS、GIのハイブリッドなパッケージみたいな
規格あってもよいのかなという気がします。もちろん、こうしたことは
生産者、
事業者の自由な選択によるべきなんですが、国としての方針は私はやっぱり
基本方針明確に定めるべきじゃないかなというふうに思うわけであります。
私は、
農業の
競争力強化について、これは価格と品質の両面の
競争力があるんじゃないかなというふうに思うわけです。両者とも、
コスト低減、これは
基本なんですが、持続
可能性ということが私は重要なんだろうというふうに思います。持続
可能性というのは、
経営自体の持続
可能性とともに、やはり環境の持続
可能性というところ、ここも極めて重要だというふうに
考えるわけであります。
そうした中で、私自身は、
我が国の進むべき農政の方向性は、環境に負荷を与えて効率一辺倒を追求しているかのように見える米国型ではなくて、国土保全と国民の健康を重視しながら農村環境を維持して安全、安心な食料生産を行う欧米型の方向ではないかなと、どちらかというとそっちの方向じゃないかなというふうに思うわけであります。
こうした方向性の中で、現在、
日本型直接支払
制度の中で、環境保全型
農業直接支払交付金
制度というのがあるんです。この
制度は、
農業者が組織する団体が
実施する化学肥料や化学合成
農薬を原則五割以上低減する
取組とクロスして、地球温暖化防止だとか生物多様性保全に
効果の高い営農活動を
支援する、まさにこれ、ある
意味コンプライアンスを掛けている
制度なんです。
平成二十九年度予算では二十四億一千万円が計上されていて、実はこの
制度、
平成十九年に創設されていますから、もう十年を超えているんです。
取組事例も公表されていますが、これ私、すばらしい
取組多いと思っているんです。
平成二十八年四月に公表された全国二十四事例、これ精査しますと、
取組面積が一・三ヘクタールから一千五百七十二ヘクタールと非常に多様なんです。小規模な
農家もこれ共同で参画しています。これら先進事例の共通点を整理すると、これはほとんどの地区が水田、畑地とも生産基盤整備終わっているんですね、おおむね整備やっています。ところが、全ての地区に共通するのは
グローバルGAPどこも取っていない。
一つの地区だけ
JGAP取得しているというのが辛うじてあるわけであります。
農水省の先進事例には、私、これから
是非配慮していただきたいんですが、こういった生産基盤の情報と生産の
工程管理に関する情報も
是非入れていただく必要があるんだろうというふうに思います。どのような条件の生産基盤の下でどのような営農を行って、どのような
経営を行って、どういう生産
工程管理を経てどれぐらいの付加価値ができて、どこに、あるいは誰に売っていて、その結果として
経営の持続性が確保されているのか、その過程において、個人の努力のみでは解決できないもの、環境保全等の国家として努めるべきものについては
責任を持って
支援していくと。私は、こうした中に小規模な
農家でも存続できる
日本の農政の展望があるんじゃないかなと個人的に
考えております。