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山本太郎君 ありがとうございます。共生社会に向けてしっかりと取り組んでいっていただけると。
野宿者、ホームレスに関してお話をする際に、さっさと福祉につなげればいい、自立できるようにするべきだという声が必ずと言っていいほど聞こえてくるんですね。先日の本
委員会での
政府答弁で、住む場所を提供し、一日三食付くんだという
答弁があった際にも、だったらいいじゃないか、公園にこだわらずにそっちに行けよといったような空気がこの
委員会室にも少なからず流れたんじゃないかなという記憶があります。
公園などの野宿生活を送る以前に、行政が提案する福祉につながった結果、心をえぐられるような体験をされた
方々、実際に多くいらっしゃいます。例えば、ここ数年社会問題化している無料低額宿泊所、簡単に言うと、住む家のない生活困窮者に一時的に安価に利用できる部屋を提供する事業者を指すと。無料低額宿泊所、これ届出だけでできてしまう。誰でも簡単に無料低額宿泊所を開けてしまうというような
部分がございます。届出をしている人たちだけでも五百三十七か所の宿泊所、これに類する法的位置付けのない施設は千二百三十六か所と、先日
政府側に聞いたときにそのような答えもありましたけれども、その存在はそれ以上とも言われている。
近年、様々な事業者が参入してきて、ここを舞台に貧困ビジネスが横行しているのは皆さんの御存じのとおりです。手口としては、暖かい部屋、毎日の食事ありますよ、ホームレスを始めとする社会的、経済的に弱い
立場の
方々に生活保護を受けさせ、保護費を徴収する。その徴収している内訳は、家賃、施設利用料と食事代。家賃といっても、ベニヤ板などで仕切られた三畳ほどの劣悪な住環境、日々の食事は粗末なもの。生活保護費用のうち本人に渡るのは一日千円程度。そのような環境での暮らしに加えて、煩わしい人間関係も付いて回るだけでなく、運営者による虐待も報告されています。まともな医療支援やまともな就職に向けた支援がなかなかその中に存在するはずもありません。
国はこれら施設を生活困窮者が自立するまでの一時的な起居の場とし、
東京都は入所期間原則一年、千葉県は原則三か月と定めていますけれども、厚労省の行った届出がある施設だけでされた
調査では、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五%、四年以上は三二・三%。一年以内という原則ですよ、三か月以内という原則ですよというけれども、その届出がされている施設だけで行われた
調査でも、利用者のうち一年を超える三年ぐらいの入居者は全体の二六・五パー、四年以上は三二・三パー。
昨年末の
調査で、無料低額宿泊所で年間百五十人以上が死亡退所、死んだから退所しましたということですね。これ、亡くなるということにならなかったら恐らく今もいらっしゃるという
状況にあると思います。
いっとき身を寄せて、いっとき身を寄せて自立支援につながるような場所ではなく、人間を見えないドヤに押し込めて、ついの住みかとし、存在をないものとして扱っている。社会的
立場の弱さから選択肢がほかにない人々と、それを利用した卑劣極まりない貧困ビジネスとのマッチングを黙認することが常態化してしまっている。雨風しのげるんだろう、一日三食あるんだろう、ぜいたく言うなよ、野宿やめろ、福祉につながれよというのは、私かなり乱暴だなと思うんですよね。丸投げな話だと感じてしまいます。行政には振り回され、まともな援助も受けられず、国の福祉政策の破綻
部分を実体験した人々は、精神的にも追い詰められ、もう懲り懲りだと。最終的に路上生活を選んだという人々がいる理由はそこにもあるわけです。
そんな社会的に弱い
立場に置かれた
方々にも寄り添うという気持ちがオリンピック
開催国には求められています。オリンピックの
憲法とも言えるのがオリンピック憲章。それをより具体的に目標そして
目的を定めたものがオリンピックムーブメンツアジェンダ21。その中には「社会で最も恵まれないメンバーに、特に注意を払わなければならない。」とうたわれています。
シドニー・オリンピックをきっかけにオーストラリアでは、ホームレスには路上の権利、つまり公共空間である路上に滞在する権利があるということを定められ、公共空間にいる権利議定書というものが複数の州が締結したと。イギリスで開かれたロンドン五輪。仕事に就いていない
方々対象に、七万人を五輪大会関連事業の競技場建設、運営スタッフにする計画を掲げた。実際には六万八千九百人を雇用した。職業訓練、就業、収入を得る機会につながったなど、オリンピックの
開催国として、このアジェンダ21にも言われているとおり、社会的に弱い
立場におられる
方々に対し寄り添うという
行動をオリンピックホスト国として確実に前に進めている、これは前回の
質疑でもお知らせしたとおりのことでございますけれども。
そして、この
日本でも、恐らく丸川
大臣から御忠言していただいたであろう、
東京都が追い出しを行った野宿者に別の公園の代替地を提案することになった。これ、オリンピックホスト国の名に恥じないすばらしい決断だと私は思います。改めて丸川
大臣、ありがとうございました。
その一方で、今年の三月二十七日、渋谷区の公園で残念なことが起きてしまったんですね。渋谷の宮下公園といえば地方の方でもよく御存じな有名な公園ですよね。三井不動産という不動産ディベロッパーに
東京五輪に関連した事業としてホテルを伴った商業施設を建設させるために、野宿者にまともな告知もせず強制排除するということが起きました。これ、ふだん渋谷区長がアピールしている多様性を認める社会的なこととは全く逆のお話なんですよね。言っていることとやっていること、違うことするんですね。
当事者及び支援者の報告の中にはこういうことがありました。公園封鎖について、渋谷区は利用者や区議会に対して事前の告知を行っていない。渋谷区は、同日八時三十分過ぎに区庁舎の掲示板に宮下公園供用停止の告示を行ったが、公園封鎖は九時頃から始まったと。実質的な
周知時間はほとんどなかったということですよね。これまでも渋谷区は年末年始にも公園封鎖ということをしてきたんですけれども、その際には公園内の掲示というのは行っていた。けれども、今回はそれがされていなかったということですね。まさに計画的な抜き打ち閉鎖、利用者に対する
説明責任を放棄している。渋谷区は、利用者や区民に対する
説明責任、
情報開示よりも、三井不動産の計画、利益を優先するという行政として不適切な逸脱を行っているというふうに支援者の
方々や当事者の
方々が言われている話なんですけれども。
でも、この渋谷区のやり方はかなり雑だと思うんですよね。事実上予告なしの排除というのはちょっと卑劣、ひきょうなやり方だなと思うんですよね。これはオリンピックの精神に泥を塗るものじゃないかなと。あくまでも事前にしっかりと通告をし、通告をする前にしっかり話合いをしという段取りを踏んでいかないことにはこれ成立しない話なんですけど、予告なしでいきなりやっちゃうというのは余りにもあり得ない。「社会で最も恵まれないメンバーに、特に注意を払わなければならない。」というアジェンダ21を踏みにじるような行為、オリンピックホスト国としてふさわしくない行為、これ慎まなければならないと思うんです。
大会も近づいてきています。これからも、このような強制排除や計画的な抜き打ち閉鎖のような乱暴なやり方でオリンピックに泥を塗るような行為がどこかの自治体によって行われる可能性があるかもしれませんよね。
大臣、是非それを予防するためにも、しっかりと当事者と丁寧に話し合って答えを導き出すと、
東京都スタイルといいますか
東京都が実際にやったという、そのようなことを求める通知のようなものを予防的に各自治体に出していただくということはしていただけないでしょうか。これは、ある意味
日本の姿勢といたしましてアジェンダ21をしっかりと守っていくんだよということのメッセージにもなると思うんですよ。
東京スタイルということを、このようなひきょうな強制排除を行わないような通知、通告というものを各自治体に出していただきたいんですけれども、御検討願えないでしょうか。