○西田実仁君 よりその
地域に密着したところで森林
計画をスムーズに進めていくということは必要であろうと思います。
これに関しまして、森林法というか森林の
整備に関しまして、直接今回の法
改正とは違いますけれども、
質問を一問させていただきたいと思います。
昨年、与党税制大綱を私自身も関わって取りまとめさせていただきました際に、森林吸収源対策に係る
地方財源の確保の検討が盛り込まれました。具体的には、
市町村が主体となって実施する森林
整備等に必要な財源を充てるため、いわゆる森林環境税の創設の検討が盛り込まれました。これにつきましては、今後、
地方公共団体の意見を踏まえながら、具体的な
仕組み等について総合的に検討されていくべきものと思われます。
先日、私は、地元埼玉でございますが、秩父市の旧大滝村の栃本というところの市有林を視察をさせていただきました。秩父の森林面積は埼玉県の森林面積の四一%を占めておりまして、
東京渋谷区の面積のほぼ二倍、埼玉スタジアムの五百八十四個分もあるという広大な森林であります。最も広いのは杉でございまして、その三分の一は樹齢九十年から百年生であります。杉に次いで広い面積を占めるヒノキは全てが樹齢百年生。これほど高齢な人工林がまとまってある場所は県内でもただ
一つでございまして、旧大滝村が明治四十一年、一九〇八年に
土地を
取得し、杉やヒノキ、サワラやカラマツを植栽した結果でございます。
秩父市では、こうした木の文化を支える森林を育成しようと、市の市有林で樹齢二百年生まで残す選木作業を始めております。二百年生の森づくりでございまして、将来は法隆寺などの日本の寺社仏閣、文化財の補修にこうした二百年生の杉やヒノキを使ってもらおうということを夢見ているわけであります。
私もこの栃本の山に入りまして、二百年生にふさわしい杉の木を選木する作業に携わらせていただきました。秩父市の市役所には森づくり課という専門の部署が県内で唯一設けられておりますけれども、その職員の方に御指導いただいて、枝ぶりの良い杉の木にビニールテープを巻き
付けまして目印を
付けるという選木作業を行いました。
今後の林業の振興には林道等の森林作業道などを組み合わせた路網の
整備が最も大事であるというふうに今進めているわけでありますが、なかなか民間人が所有する民有林の場合は自発的な間伐も見込めない中、苦労しておられる姿も見ました。そこで、一定の要件の下で所有者
負担を軽減した形で
市町村自らが間伐等を実施する必要があるということから、その財源として森林環境税が今検討されているということでございます。
しかし、
市町村がそうした期待される役割を果たしていくためには、森林
整備を担う人材がもう本当に必要不可欠であります。森づくりというのは、まさに人づくりから始めなければならないとも思われます。県内唯一の森づくり課のあるこの秩父市におきましても、県からの専門の人材が派遣され、指導を受けながら森林
整備を進めておりますが、
市町村にこうした森林振興の専門人材を育成するために、県や国からの出向、派遣、またOBの方々の採用等、専門人材の
市町村への配置を進める組織づくりを進めなければ、その財源だけが決まってもなかなかそれを
市町村で使いこなせない、すなわち森林も
整備されないということになってしまうんではないかというふうに思います。
こうした人づくりを、森林
整備を担う人づくりについて、どういう今検討
状況なのか。特に、今年年末、税制大綱の中でもこうした森林環境税、森林吸収対策税制ということが本格的に議論されますので、改めて林野庁にお聞きしたいと思います。