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山本太郎君 三年とか五年とか、五年って今おっしゃいましたね。これ、五年って何なんだってことですけれども、公務員派遣できるよって。これ、どういう
意味を持つかといったら、引継ぎの期間なんですよ。
三年とか五年、これ、時期が過ぎると
技術や
データなどの蓄積どこに移りますかって、民に移るんですよ。それ以降、公的な部分から
技術や
データなどの蓄積、すっぽり抜け落ちませんか。後継者は民によって育てられる。そのノウハウも蓄積も商業ベースに乗って公共性が犠牲になるおそれがある。
先日の
予算委員会で、
海外の水メジャーなどが
日本に参入するんじゃないですかという私の問いに対して、麻生
大臣は、そんな
技術ないです、ほかの国にそんな高い
技術はないですからと一蹴された。でも、既に進めているものを見たら、きっちり
技術やノウハウを引継ぎまでお手伝いする仕組みになっているじゃないですか。そればかりでなく、実際には既に下水道事業では、フランスのヴェオリアが
運営交渉権手に入れていますよね。
日本でですよ。麻生
大臣、答弁適当過ぎませんか。ごまかしているのか知らないのか、どっちかですよね、これ。
民間は参入するのも撤退するのも当然自由ですよ。利用者の都合によってビジネスとして論理を優先させる。株主の利益など経済的効率が優先され、事業から撤退することもあるでしょう。そのときに蓄積が奪われた状態、失われた状態をどうリカバーしますか。だからこそ、
世界では民営化された水道が再公営化に進んでいるわけですよ。水道事業は国が責任を持って果たすべき安全保障の
一つじゃないですか。
国連の広報センター、ホームページには水道民営化の問題点が
指摘されていまして、そこを抜粋すると、契約を受注し、事業を開始してしまえば、民間企業は人員と維持費を削減したり、料金を引き上げたり、あるいは、その両方により収益を上げようとすると
指摘なさっている。これ、国連だけじゃないですよね。
世界銀行までPPP、PFIに否定的なコメントを出している。これはもう皆さん御存じのとおりです。
これ、私、全てのPPP、PFIが悪いとは言わない。実際、官民連携がうまくいっている部分もあるでしょう。というよりも、水道の事業でも検針の事業であったりとかメーターを見るということにはもう民間が入ってきているわけですから。しかし、余りにも広げ過ぎじゃないかなと思うんですよ。
今後、より一層力を入れていく、開放することが、資料の四、これ、あくまでも目次の部分なんですけどね、PPP、PFIの事例集にある。上から見ていっても随分広げるんだなって。
事務庁舎、公営住宅・宿舎、小中学校、給食センター。施設系は分かりますよ、管理するとかというのは。でも小中学校、これ入ってきたらどうなるだろうと、給食センター入ってきたらどうなるだろうと。アメリカでこれ民営化されたりとかした部分のひょっとして二の舞になっていったりとかすることないのかなって。何よりもこのやっぱり上下水道というか、特に水道という部分に関してはライフラインなので非常に心配なんですよね。
水のようなライフラインは、
運営、維持管理、人の育成など、その
技術やノウハウが公的な部分に蓄積されていくことが国の責任だと思うんですよ。
地方自治体の公的資産に国が触手を伸ばし、PPP、PFIを通じて民間にアシストするんじゃないかという動きが
地方自治体宛ての二つの通知と
一つの法案から読み取れます。
一つ目の通知、資料の五、
平成二十六年四月、国は
地方に対して通知を出しました。公共施設等総合管理計画を作れという通知。簡単に言うと、どんな公共施設持っているのか、その維持費、管理費、幾ら掛かるか、補修費、更新費、幾ら掛かるのか計算しいや、今後に備えなさいよというもの。これを策定した自治体に対して、策定費用の助成や除却、老朽化して使えなくなった施設などの廃棄に取りかかる費用なんかについて
地方債を発行して調達できるようにルールを変えているんですよね。ちゃんと前向きに取り組んでもらえるようにあめも用意したわけです。
二つ目の通知、資料の六、
平成二十七年十二月、
人口二十万人以上の
地方自治体に優先的検討規程の策定、運用を求める通知を出します。建設費を含む総事業費が十億円以上か、
運営だけで単年度一億円以上掛かる事業で利用料金を徴収する公共施設が対象になると。これらにPPP、PFIの導入を従来型手法に優先して検討するための手続及び基準等を定める優先的検討規程の策定、運用を求める通知。
要するに、どういうことなんですかって。
一つ目の通知、公共施設等総合管理計画でPPP、PFI事業の対象となる施設の整理を
地方自治体にさせる。これは先々どうなるかといったら、民間
業者にとって商品の載ったメニューやパンフレットの役割につながるわけですよね。二つ目の通知、優先的検討規程策定で、従来型ではなく、優先的にPPP、PFIを進められるよう基準等を定めさせ、運用できるようにさせたと。自治体が導入しない場合には、その旨及び評価の内容をネット上で公表しなさいという話になっている。これ何なんですか。やりたくないんだったらやりたくないでいいじゃないですか。ネット上で公表しなきゃいけないんですって。これ、国の方針に忠実に従っているか否かをインターネットを通じて外部から検証可能にするためでしょうか。
そして、国交
委員会で継続
審議になっている
一つの法案が国の
地方介入をより一層強固なものにしていく気がします。自民党、公明党より第百九十回
国会に
提出されて継続
審議になっている官民連携事業の推進に関する法律案。この法案、いわゆる官民連携、PPP、PFIを強力に推進するため、
地方公共団体に様々な責務、義務を負わせようとしている。
資料の七です。囲いをしてあるところ、条文ちょっと見てみたいと思います。十一条、民間
業者に対してPPP、PFIについての提案を積極的に求めなければならない。どうして、強制されることじゃないですよね。十六条、民間事
業者からのPPP、PFIに関する相談に応じる体制を
整備しなければならない。どうして窓口つくらなきゃいけないんですか。十八条、PPP、PFIの推進を妨げるような規制の撤廃又は緩和を速やかに進めなければならないって、これ、すごいこと書いていませんか。これ、先ほどの
地方自治法に基づいてというお話とは真逆だと思うんですけど。
結局、これは法的根拠を持って、
地方自治体の責務、義務としてPPP、PFIの手法を優先的に検討しろということを求めるものになっている。これ、事実上の強制じゃないですか。もう
地方分権とか
地方自治なんということは神話の
世界に入っていきますよ、こんなことをやっちゃったらという話なんですよね。これ、一体何のためにやっているんですかって、企業のもうけのためなら何でも差し出す気なのかって疑ってしまいますよって。
先ほども言ったとおり、全てのPPP、PFIが悪だとは言いません。アウトソーシングする部分、そしてしてはいけない部分の線引き、しっかり
議論されているようには見受けられないですよ。その中で先ほどのような法案まで準備されている。不安しかないです。特に水のようなライフラインについては、
運営、維持管理、人の育成など、その
技術、ノウハウが公的な部分に蓄積されていかないことには。憲法二十五条の法体系の中にある水道法なんでしょう。みんなの権利ですよ、安全な水、安定した水を供給してもらえるということが。
世界から見れば周回遅れですよ。不健全な官民事業の在り方、時代遅れじゃないかって。新自由主義の最先端にこの国を引きずり込むことはやめていただきたい。非常に危険な法案も待機していると言っても過言ではないと思います。
山本大臣、これって、本当に今のようなPPP、PFIの方向性、
地方創生、
地方の活性化につながると本気で思われますか。