○
山本太郎君 ここはコンパクトにという打合せの下に今日の
質問をさせていただいているのに、随分と丁寧に御
説明していただいたことをお礼を申し上げたいと思います。
世の中に絶対ということはあり得ないということですよね。だから、安全
基準というものを設けているけれども、それをクリアできるかどうかというのはそのときになってみないと分からないという話ですよね。だから、安全とは、一〇〇%安全だとは申し上げられないというのは当然のことだと思います。正直ですよね、規制
委員長がおっしゃっていること。
東電の
原発事故の
原因究明もなされていない中、
政府の地震
調査研究推進本部は、今後三十年間でマグニチュード七クラスの首都直下地震が起こる確率七〇%、マグニチュード八クラスの東海地震八七%、マグニチュード八から九の南海トラフ地震六〇から七〇%、かなりの確率で巨大地震が起こると予想する中で、
原発再
稼働にこだわり続ける安倍政権の下、国民の生命、財産を守るために、本日は必要最低限の提言をさせていただきたいんです。
原発事故などで放射性ヨウ素が拡散した場合、体内に取り込まれるより先に、二十四時間前に安定ヨウ素剤を服用すれば甲状腺に集積されるのを九〇%以上ぐらいは抑えられるというのが安定ヨウ素剤だと、これを
原発事故が起きる前から広い範囲で配布することをやっていただきたいんですね。
先ほど御
説明がありましたよね、いろいろとね、
事故の教訓。これを受けて、やはりしっかりともっとこれ定めていかなきゃいけないということで、五キロだったり三十キロ圏内だったり三十キロ圏外だったりということでヨウ素剤の配布の
方法をいろいろと
考えているということを教えていただいたと思うんです、先ほど。
放射線の
影響は、にこにこ笑っている人には来ません、くよくよしている人に来ます。非科学的発言でひんしゅくを買った、
福島県放射線健康
リスク管理アドバイザーで原子力災害専門家グループの一人、官邸に助言を行う
山下俊一さん。この方は、二〇〇九年、日本臨床内科医学会特別講演で、チェルノブイリ
事故後のポーランドについてこう発言されているんですね。ポーランドにも同じように放射性降下物が降り注ぎましたが、環境モニタリングの成果を生かし、安定ヨウ素剤、すなわち、あらかじめ甲状腺を放射性ヨウ素からブロックするヨウ素を素早く飲ませたために、その後、小児甲状腺がんの発症はゼロですと、安定ヨウ素剤の効果をこのとき述べているんですね。
ポーランド、チェルノブイリ
事故から三日後、四月二十九日、保健相が中央薬剤
管理センターに対して、十六歳以下の小児、甲状腺予測線量五十ミリシーベルトを超える十一の県にヨウ化カリウム溶液の配布を指示、勧告。対象は新生児から十六歳までの九五・三%の子供たちに一回分、一千五十万錠、成人の二三・二%が自主的に飲むということで七百万錠が配布された。
状況を鑑み素早く
対処、小児甲状腺がんの発症はゼロだったと、
山下さんも言われていた部分ですよね。
チェルノからポーランドまでの距離、およそ六百キロ。汚染の広がりは、風向き、地形などによって変わりますよね。距離が近い、遠いだけでは判断できない。ベラルーシのモギリョフ州、
事故原発から二百八十キロ離れていたけれども、汚染がひどくて居住禁止になったり、チェルノブイリ
原発から南へ三百四十キロ、チェルカッシー州、甲状腺がんの多発地域ともなった。五キロ、三十キロなどの同心円では判断が付くものでないことは皆さん御存じのとおりです。
日本ではどんな
対応をしたんでしょうか、
事故のとき。東電
事故後、実際にヨウ素剤、服用指示が行われた自治体の数、幾つですか、
規制庁にメールで問い合わせた。答えは、把握しておりません。
国会事故調査報告書によると、
事故後に服用指示があった自治体、富岡、双葉、大熊、三春の四町。服用指示を出した四町、
万が一考えると服用させた方がいい、水素爆発の
発生を機に予防策が必要と、予防医療の視点を取り入れて、
住民健康第一で迅速に
対応した。結果として、この判断正しかったんですよね。
その一方で、東電
事故後、日本核医学会、そして放射線医学研究所は次のような文書を発表しているんですね。これ、
資料の二になります。囲いをした部分。
現状、二〇一一年三月十七日現在では、三月十六日以前に
避難区域、
原発半径二十キロ以遠に
避難をされておられる方々やそれ以遠に在住されている方々、安定ヨウ素剤による甲状腺の保護処置、不要ですと。先ほどの
山下さんもかなり、飲む必要はないという圧力といいますか助言みたいなことをずっとされていたというふうに聞いています。
朝日新聞、二〇一三年十一月七日、「プロメテウスの罠」によると、安定ヨウ素剤で甲状腺がんが防げるという誤解が広がっているが、ヨウ素剤信仰にすぎない。これ、先ほどの講演と全然言っていることが違いますね、
事故前とね。
事故による被曝は地震国で
原発立国を進めてきた日本の宿命であるとまで発言したという。何か本当に許せない発言ですよね、こういうのね。
その一方で、ちゃんと飲めている人たちもいたよというのが、これ
資料の三になるんですかね、済みません。フライデーの中で、県立医大は
福島県から四千錠もらっていた、一号機が水素爆発したときに配り始めて、医療行為を行わない家族、学生、出入り業者にも配布して、水に溶かしてすぐに飲むようにと服用の仕方まで指導。でも、
福島県には進言していなかったから箝口令がしかれていたって、何、自分たちだけ飲んでんだよって批判したいわけじゃないんですよ。配布、服用に関しては、これは正しい判断だったと私は思います。ただ、分かっている人だけ、ラッキーな人だけ服用できるというのは、ちょっとこれ良くないなと思うんですよね。予防のために多くの人が服用できる
状態にする必要があると。配布したら余計な心配するだろうとか不安をあおるとか、全く無意味なんですよね、これって。確実な予防
措置として、手の届く範囲で常備される必要あるんじゃないでしょうかと。
今、全国で五か所、五ブロックに分けて備蓄しているらしいんですよね、このヨウ素剤を。だから大丈夫だって言うんです。五キロ圏内は事前に配布してある、三十キロ圏内は緊急時に配布する、三十キロ圏外であればその五ブロックのところから持ってこれるという
状態にしていますって言っているんですけど、その
資料が皆さんのお手元にあります日本地図書いてあるところなんですけれども、
資料の四、こういう
状況で間に合いますかねって話なんですね。
次の
資料、五、六、七を見ていただくと、今まであった震災、
福島、そして神戸、そしてこれは熊本という
状況ですね。一体何が起こっているかというと、皆さん御存じのとおり、こういう大規模な複合災害というものが起こったときには車なんて動かないよって。トンネル崩落、道路の陥没、橋が落ちたり山が崩れる、当たり前ですよね。交通寸断されるって、当然
考え付くことですよね。これ、放射性ヨウ素が拡散した場合、体内に取り込まれるよりも先、二十四時間前にヨウ素剤服用すれば集積されるのを抑えられるけれども、交通網、情報網、これ麻痺、寸断された
状態でスムーズにヨウ素剤配布されること自体現実的とは言えないんですよ。
今日来ていただきました政務官に、ありがとうございます、これ、全国五か所の集積、自治体の一か所に備蓄して緊急時に配布、余りにもちょっと現実を見ていないというか、危機
管理としての視点がちょっと欠けていると思うんですね。是非、これ三十キロ圏外を含む各家庭へのヨウ素剤の事前配布というふうに切り替えていけるようにいろいろ
お話合いをしていただけないでしょうか。