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国務大臣(
麻生太郎君) 何となくおいしい話を聞いて、危ねえなと思わないと駄目なんですよね。
少なくともサブプライムローンなる怪しげなローンが出たときに、あれ難しい話でしたものね、一回聞いたぐらいではとても分からなかったので。あのときすごい記憶があるんですけれ
ども、こんなもの、怪しげなものがそんな売れるのかと言ったんですけれ
ども、あれはかなり売りに来た。ただ、
日本じゃ売れなかった。
日本の銀行がしっかりしていると当時
金融庁は褒めたんですよ。あれはうそで、結局
日本人は英語が分からなかったんですよ、あれ。俺は確信していますね、あれだけは。だから
日本の銀行は買っていないんですよ、あれ。
だけど、ほかの銀行は全部買ったから、あれを。だって、
格付会社がみんなトリプルAなんかみんな付けているんだから、あれ。だから
皆さん買ったわけです。そしたら、
御存じのようにサブプライムローンのあれによって、簡単に言えば、リーマン・ブラザーズという巨大な投資会社が破綻して、今言われたように、全く、フロアというか、マーケットからキャッシュがなくなったんですよ。だから、あの会社ですら、たったイタリア銀行のほんのちょっとの金が足りないという、キャッシュがないんですから、それで結果的にぽおんといって、だだだだっと連鎖倒産していったという話になっていったんですけれ
ども。
ああいったような話というのは、なので、今回の
シムズという、クリストファー・
シムズというプリンストンだかイエールかどこかの先生だったと記憶しますけれ
ども、まあ昔、はやった話で、これは一九九〇年代だかどこかにこの話が出たと記憶するんですけれ
ども。早い話が、
政府がどんどんどんどん
国債を刷り倒してえらい勢いで
財政放漫にやっていけば、自然と
物価上昇が起きると。
物価上昇が起きることによって、早い話が、
政府のいわゆる持っている
国債の値打ちというか、負担の率も相対的に下がってくるからうまくいくんだと。簡単に、極端な言い方すれば、そういう言い方でえらく無責任な話なんですが。
この話は、結構いろいろやってきまして、少なくともジョージ・ソロスなんという何となく怪しげなおじさんが
財務大臣室まで訪ねてくるぐらい、これがいい話、ヘリコプターマネーの話ですよ、簡単に言えば。真面目な話をして、大真面目にして、まあ九十も過ぎて金の話しかできないというのはよほど病気みたいな人なんだなと思って話を聞いていましたけれ
ども。とにかくお金の話しかしませんでしたね、一時間三十分ぐらいしゃべっていたんですけれ
ども。それはすごく記憶にあるんですが。
その人に随行してきたあれも、前の
イギリスのバンク・オブ・イングランド、バンク・オブ・イングランドじゃなかった、あれは
イギリスの
財務大臣やっていて、今ソロスのところにいるんですけれ
ども、ソロスと一緒に来て、債権と悪魔とかいう本を置いていって、これ是非読んでくれという話で、ヘリコプターマネーのことが書いてあるのは二、三ページ読んだら分かりましたから、意味ないと思ってあとは読んでいませんけれ
ども。
少なくとも、そういったことをやった場合にどれくらい
物価が
上昇すれば債権とバランスするのかというのを実験したのかと。ノー・サーと言うから、じゃ、どうやってそれを俺たちが説得するんだと、俺たちはその実験台かと聞いた。俺たちにはその実験をするんだけど、それはあんたらはそれで売り逃げて得するかもしれないけど、俺は一億二千万の国民を預かっている
財務大臣という
立場で、あんたらみたいな無責任な
立場で金もうけやっているんじゃないんだと、俺の
立場は。だから、この
立場でできないと、それが
一つ。
二つ目。これ、どんどんどんどんやっていった場合はえらいハイパーインフレという、藤巻さんの好きそうな話になるんでしょうけれ
ども、ハイパーインフレに仮になっていったとした場合は、それによって年金で生活している人は全く食えなくなっちゃうんですよ、
日本じゃ。そういった人に対してはどうするのという話は全く出ていない、出てきませんから。そういった意味では、これは単なる実証された学問でないことははっきりしていますので、私
どもとしてはとてもくみする話ではないということが
政府としてははっきりしています。
したがいまして、先ほど申し上げましたように、これは
社会保障という制度というものをきちんと次の世代の人に引き継いでいくというのは我々の世代に与えられた責務でしょうから、少なくとも年金、年金というか、税と
社会保障の一体
改革と、これ三党合意でこれまでやってきた話なので、これをきちんと仕上げていくためにも、私
どもとしては、今申し上げたような二〇二〇年までにまずは
プライマリーバランスをゼロにして、その後、いわゆるGDPとの比率をずっとやっていく、きちんとやっていくという従来の手堅い確実な方法をやりながら、かつ
消費を喚起し、将来、
日本の
財政は確実に俺たちが償還していく、返していくという意欲があるんだということをきちんとマーケットに示さない限りは今後
国債だって売れなくなりますから、そういったこともきちんと考えてやっていくというのがあるべき姿なんだと、そう思っておりますので、この
内閣では、少なくとも私がいる間はそんないいかげんな話にならないことだけは保証します。