○平木大作君 今御答弁の中でも、このいわゆるノウハウがないという話がありました。私も全くそのとおりだと思っております。
かつて、私も
企業の経営戦略の
策定を
支援させていただいたことがありまして、そのときに実はこのBCPに関する御相談をいただいたことがあります。ある
企業で、実は千名単位のコールセンター及びデータセンターをもう、一か所に集中させて、実はそれを仙台市につくるんだということを役員、取締役会の中で決定した。実はその翌週に三・一一が
発生してしまいまして、改めてこの決定は正しいものだったんだろうかという御相談をいただいて、一緒にBCP作ることになったわけであります。
これなかなか、私も実際にこれ御相談いただいたのは主に資金の決済等を担う
企業でありまして、実際に例えば
被災をしてしまって自分たちが
事業を継続できなくなったときに、これ世の中にどれほどのインパクトがあるのか、どれほど多大な
影響があるのかということを考えたときに、やっぱりBCPはきちっと取り組まなきゃいけないんだということを
議論の中で突き詰めながら作っていったわけであります。このときも、私もBCPの専門家ではありませんので、あくまでもビジネスサイドからの、じゃ、何をどうするのかという観点から取り組ませていただいたんですが、このときに、実はいわゆる
リスク管理の専門家の方に一人チームに入っていただいて一緒に取り組んだという経験がございます。
ちょっと今日、
委員の
皆様に
資料を配らせていただきました。これ、三月五日付けの読売新聞朝刊の記事でございまして、
災害拠点病院のBCP
策定についてアンケート
調査を行ったというものでございます。
これ見ていただいて、まずぱっと目に付きますのは、この一覧表、実力の点検という一覧表見ていただくと、上に、聞いた項目、たったの五つなんですね。BCPを
策定していますかというところはまあ
当たり前なんですけれども、そのほか四つ見ますと、多分これ新聞社としてアンケートする前に必ず、あっ、これは多分専門家の方に意見聞いたなと。病院がいわゆる
事業継続を
検討しなきゃいけないときのあらあらのポイントって大体、あえて四つに絞ると、こんなものなんだろうなと思うわけです。立地自体がいわゆる浸水のおそれがあるところなのかどうなのか、そして例えば非常用の電源ですとかボイラーみたいなものがそこよりも上のところに設置されているのかどうか、あるいは広域の、いわゆるその
地域が駄目になってしまったときに広域でこの
事業を継続できるのかどうか、さらにはヘリコプターの発着場所があるのかどうか、こういう四つ見るだけで大分
状況がぱっと見て分かるわけであります。
私、これ見て改めて、多分ほとんどの病院、BCPは作っているって回答されているんですけれども、
実効性についてはどうなのかなということを改めてちょっと感じました。一つは、全部BCP作ったことになっているんですけれども、四つ目の広域の
避難訓練、やっていないんですね。
これやっぱりちょっと、そもそもBCPを作る根本的な目的がちゃんと共有されていないんじゃないかなということを本当に思うわけでありまして、BCPって何かというと、丸めて言いますと、多様な
事業って持っているわけであります。病院としてもいろいろな
取組ってあるわけでありますけれども、この
事業内容ごとに、
災害など非常事態が起きたときに、まずはその一つ一つの
事業の優先順位を決めまして、そしてそれぞれ、例えば何時間とか何日間で
復旧をさせるのか、あるいは何を残して何を諦めるのか、こういう形を一つ一つあらかじめ決めておきまして、そして最後に、この今決めた優先順位、そして
復旧に掛かる時間といったものに応じて、例えば
施設ですとか人員といったいわゆるリソースの冗長性、つまり簡単に言うとバックアップですね、これをきちっとつくっておくということなんですね。
これを考えていったときに、例えば病院について言えば、確かに浸水地にあるんだけれども、浸水の
リスクがあるところにあるんだけれども、例えばボイラーはそれよりも上のところに設置できていない。これはまあお金の掛かる話でありますから、現段階では仕方ないかもしれません。
でも、ある意味一番お金掛からなくても絶対にやっておかなきゃいけないのは、冗長性を
確保するという意味でいくと、やっぱり広域でこれ訓練しておくということなんですね。
地域のほかの病院と例えば連携しながら、もしここ使えなくなったときにどうやって例えば人を割り振るのかとか、移動して診療を行うのかとか、こういったことというのは日頃から訓練しておかなかったら、これ起きてから、じゃ、どうしようとやっても全く機能しないわけでありまして、ある意味、これ本当の意味でBCP、本当に
実効性のあるものできているのかなというのを若干これ見て不安に感じたわけであります。
改めて、私個人の拙い経験でありますけれども、
実効性のあるBCP作るためには、やっぱりこれ、きちっと
リスク管理の専門家等、専門家を入れて、先ほどマニュアルを提供してみたいなことをおっしゃっていただきましたけれども、専門家と一緒に膝突き合わせてやっぱりこれ
議論して作らないと、なかなか本当の意味で役に立つBCPは私できないと思っております。
その意味では、これ全部の
事業についてやるというのはやっぱり難しいわけでありまして、特にこういう
災害時の医療拠点のような公益性の非常に高いものについては、これ今言ったような専門家を派遣するですとか、そういったところも含めて、これ第三者によるBCPのあるいは検証ですね、こういったところも含めてこれきちっと
支援していくべきだと考えますが、この点、いかがでしょうか。