○新妻
秀規君 今、
田中副
大臣が御答弁されたような普及啓発の
取組、
是非ともこれからも積極的に進めていただきたいと思います。
続きまして、高規格の
高速道路でのトラックの法定上限速度の見直しについて
警察庁にお
伺いをしたいと思います。
現在、トラックの法定の上限速度は、車両の総重量が八トン以上又は最大積載量が五トン以上の特定中型貨物自動車、これと大型貨物自動車、そしてトレーラーでは毎時八十キロとなっておりまして、一般の自動車やバスの毎時百キロよりも二十キロ低く設定をされております。確かに貨物自動車、重たいですから、万が一のことが起こったときには衝突のときのエネルギーが大きい、ブレーキも利きにくいため他の自動車種よりも法定上限速度は抑えられている、これは理解できるところです。
一方、資料の二を御覧ください。
これは去年の三月に
警察庁さんが出された資料なんですけれども、この資料に示されるとおり、高規格の
高速道路の一部の区間においては、普通自動車やバスなどの法定上限速度を毎時百キロから百二十キロに引き上げていくとの提言がなされています。これはどこで行われるかというと、新東名の静岡の一部の区間と東北自動車道の岩手の一部の区間でありまして、早ければ本年度中に毎時百十キロでの試行が始まると伺っています。
ここで高規格の
高速道路とは、カーブとか勾配が緩やかで、見通しが遠くまで効く、そのために速度が早くても安全に走行できる
高速道路と、このように
承知をしております。
法定速度の引上げが可能な理由としては、
調査の結果判明した二つの事実によります。
この資料の二の赤枠のところを御覧ください。
この二の提言の要旨に(1)とありますね。高規格の
高速道路における速度規制見直しの可否ということで、構造適合速度百二十キロの高規格の
高速道路では、実勢百から百二十キロの路線、区間においては一定程度の規制速度の引上げは可能としておりまして、その次がその理由なんです。
一つ目の丸、高規格の
高速道路における自由流のときの死傷事故率は、標準的な
高速道路の同事故率よりも約四割も低いと。二つ目の丸、利用者の意識
調査では、道路構造上百二十キロまで走行可能な道路での規制速度引上げについて、約八七%のドライバーが受入れということで、事故が少ないということと、あとはドライバーが大丈夫だと思っていること、この二つによって法定上限速度の引上げが可能というふうにしてあるわけなんですね。
一方、物流業界からは、トラックについてもこの法定の上限速度を引上げの方向で見直しできないかという声が上がっているんです。速度が上がることによって
目的地まで早く着くと、要は時間が少なくて済むわけなんですよね。そうすれば、トラックドライバーの長時間労働の改善の方向なわけなんです。
なお、諸外国での貨物自動車の
高速道路での最高速度は、資料三を御覧ください、この資料三にいろいろ赤枠で囲ってあるように、上から、イギリスは九十六キロ。これ、ちなみに、今から申し上げるのは、例えばなんですけれども、総重量十トンの特定中型貨物自動車だったらどうなるかということで、
日本だったら八十キロです。イギリスは九十六キロ、ドイツは六十キロ、フランスは百十キロ、韓国は八十キロ、ニューヨークとカリフォルニア州は八十八キロとなっていますね。
このように各国ごとに異なっていまして、一般の乗用車との間に速度差が設けられることに十分留意をする必要があるんですけれども、
日本の貨物自動車の法定上限速度は若干厳しい方かなというふうにも見受けられます。
ここで、トラックなど貨物自動車のドライバーへの意識
調査の実施について触れたいと思います。
普通自動車の法定上限速度の引上げに当たっては、先ほどのような客観的な
調査が判断の根拠となっています。一方、物流を担う貨物自動車の法定上限速度の引上げについては、一たび事故が起これば影響は深刻なものですから、なので当然慎重に行わなくてはいけないんですけれども、やはりこれも客観的なエビデンスに基づいて行う必要があると思います。
ここで、普通自動車で高規格の
高速道路で百十キロとか百二十キロでの試行がスタートした後に利用者意識
調査のフォローアップ
調査を行うことがあれば、
是非とも、特定中型貨物とか大型貨物とかトレーラーといった貨物自動車の運転手に対して、現状よりも高い速度、例えば速度リミッターと同じ九十キロまでの引上げについて大丈夫かどうかという意識
調査をしてほしいんですけれども、
警察庁さん、いかがでしょうか。