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三原じゅん子君 自由民主党の
三原じゅん子でございます。
時間が押していることと、あと、自見先生と今重複する
質問があるかと思いますので、幾つか
質問を飛ばさせていただきながら御
質問をさせていただきたいと思います。
虐待かもと思ったらいちはやく一八九番、皆さんも
御存じのことと思います。これは
平成二十七年の七月一日に開始されました
児童相談所の全国共通ダイヤルでございます。
自民党本部には
女性局という部署がございます。この
子供の
児童虐待についてずっと研究をしてまいりました。この
委員会でも、歴代の
女性局長、
石井みどり先輩、そして私、そして今現在は
高階恵美子委員が
女性局長を務めておられますけれども、この
女性局では、自民党が野党時代でありましたが、当時の谷垣総裁から
児童虐待について研究をしてほしいという指示がございまして、党の
女性局、そして自民党本部の中にプロジェクトチームを
立ち上げまして、この二つがタッグを組んで、全国の地方
議員の
皆様方を巻き込んでこの
児童虐待問題というのを研究してまいりました。
理由は、
皆様御
承知のとおり、谷垣当時総裁は
法律の専門家でいらっしゃいました。そして、過去の数々の凶悪事件を事細かに調べておられたそうです。そのときに、加害者であられた方
たちの人生の生い立ちから
家庭環境、家族関係、そうしたものを調べていくうちに、凶悪犯ほど幼児期に複雑な
家庭環境、家族との関わりがあることに気付いたということだったそうです。それならば、そうした凶悪な事件が起こる前に、幼児期の
家庭環境を整えて、
虐待のない
社会を築くべき
取組を
女性局で
是非行えというものであったと私は記憶しております。
全国の自由民主党の
女性議員、地方
議員の方に、
児童虐待防止の
法律に基づいてうちの
自治体は
児童虐待の対策きちんとできていますかとか、そうしたことを議会で
質問していただくというキャンペーンを行ったり、また、広報活動の一環といたしまして、みんなで
考える
児童虐待ゼロ標語、こうしたものもホームページで募集して、全国から千五百件以上の応募作品を集めたこともございました。また、月と日の
数字が重なる日、例えば二月二日、三月三日、そうした日を
子供たちを
児童虐待から守る日と定めまして、全国の
女性局で街頭演説会を行ったり勉強会を行う、こうしたこともしてまいりました。また、多くの
事例がありますアメリカへの視察の勉強会、これも行ってまいりました。全国の多くの
女性局の
皆様と一緒に、アメリカの
児童虐待への厳しさ、こうしたことも学んできたところでございます。
さて、
虐待といっても大きく四つに分かれております。
一つ目が身体的
虐待、これはもう殴る、蹴るという暴力であります。
二つ目は性的
虐待、これは、密室性が高く、思春期を過ぎて成人になられてからも複雑な影響があるという場合もございます。三つ目がネグレクト、いわゆる食事を与えないとか、病気なのに病院に連れていかない、不衛生な
環境に置いておくという、言葉の直訳どおりに、無視、放置状態に置かれている状態であります。そして、四つ目が心理的
虐待、これは言葉の暴力、そしてあるいは、最近では
子供たちの目の前で両親がDVを行う、これもこの心理的
虐待に入るということとなりました。
地域の目というのがこの
児童虐待には大変必要だと思っております。
ということで、全国の自民党の
女性議員、
女性党員の
皆様、また専門家の方
たちといろいろと議論をいたしまして、様々な論点が出てきて、また
事例報告なども集約されてまいりました。しつけと暴力は異なるということ。
虐待を受けている
子供たちは自分が間違っていたり能力が足りないから親から怒られるんだと錯覚をして、自分
自身を責め、自己
評価を著しく下げてしまう
ケースもあるということ。
虐待には、当該御
家庭の
地域や
社会からの孤立や貧困、そして育児のストレス等々も背景にあるということ。
そして、全国の
皆様と議論をさせていただいたことを思い出してみますと、
平成十二年に
児童虐待防止等に関する
法律が施行され、
平成十六年
改正のときに立入調査の強化ということで警察官の同行ができるようになり、そして、
平成十九年、
家庭裁判所の令状を取っての臨検
制度が行えるようになり、
平成二十三年には親権の一時停止をさせ、
子供の監護権などを一時的に停止をして、
児童相談所の所長が見ることができるようになりました。そして、
平成二十七年七月一日より、冒頭申し
上げました、全国共通ダイヤル一八九、
虐待かなと思ったらいちはやくという
サービスを始めました。
虐待かもと思ったらいちはやく一八九番へ、かわいい
赤ちゃんの横顔が写されたオレンジ色のポスターであります。もちろん、今も私の
議員会館の事務所にもこのポスターをずっと貼らさせていただいております。
これまでの
厚生労働委員会や
厚生労働省の
皆様の議論を基に、
虐待から
児童を守るためにこんなふうに順を追って法整備をされてまいりました。このような経過をいろいろと思い出し、
考えながら今回の
法改正の
質問をさせていただきたいと思います。
近年、
児童虐待相談対応件数が大きく増加しています。
平成二十七年度の
対応件数は、
児童相談所では初めて十万件を超え、
市町村でも九万件強と過去最多となりました。
児童相談所における
対応件数は、
児童虐待防止法が施行される前の
平成十一年度と比べて、この十六年で八・九倍に増えております。これは必ずしも
児童虐待事例そのものが急激に増えているということではなく、これは
児童虐待が発見されて通報される件数が増えたという見方もあるのかと思われます。
児童虐待の通告、
相談手段として、
先ほどから申し
上げております
児童相談所全国共通ダイヤル「いちはやく」、これが導入されておりますが、これは、
虐待を受けたと思われる
子供を見付けたとき、あるいは
子育てに悩んだとき、こうしたときにためらわずにすぐに
児童相談所に通告、
相談ができるようにという
趣旨で導入されたものでありました。それまでの十桁の番号から覚えやすい三桁へと変更されたということは、これは全ての
児童相談所で運用され、
虐待通告と緊急
相談等について二十四時間三百六十五日の
対応がなされている、
児童虐待の
早期発見に資することから、三桁化には一定の
評価をするところではあります。
しかしながら、
子供の
権利擁護運動をされている神奈川県の伊勢原市の
女性医師と私対談させていただいたときに
指摘をされたことがございます。このダイヤル、
児童相談所につながるまで郵便番号を入力したり幾度も幾度も待たされたりと、物すごく時間が掛かり過ぎて途中で切れてしまう、こんな問題もあったということでありました。
厚生労働省は、昨年の四月から音声ガイダンスの所要時間を短縮するなどの改善を行ったということは
承知しておりますが、これまでの
取組も踏まえながら、今後の「いちはやく」の改善のために、一八九番の改善のためにどのような
取組を行っていくのか、改めてお伺いしたいと思います。