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高階恵美子君 例えばイギリスでは、心臓
移植を希望する方のほぼ全て、腎臓
移植では希望者の半数で
移植が
実施されています。しかし、我が国では、心臓
移植希望者の十三人に一人、腎臓
移植希望者の百人に一人が
移植を受けているという状況であります。
待機者の心情を考えますと、更なる
移植医療の推進はどうしても必要になってくると思います。こうした点からも、ドナーファミリーは
臓器提供を取り巻く様々な課題について共に
議論を深めていける大切なパートナーだと思うんです。数少ない経験をお持ちの御遺族と継続的に
意見交換ができる場づくりにこれからも力を注いでいただきたいと思います。
また、
子供の
意思について言えば、聖路加国際病院名誉院長の日野原先生、百歳を迎えられた頃に、いのちの授業を終えたとき、おっしゃったことが非常に印象的に私その言葉が残っているんですが、年の差は九十歳、だけど
子供たちは命の尊さを
理解してくれた、十歳ってもう十分に大人なんですねというふうにおっしゃられたんですね。やはり大人だから
子供だからというふうに区別をするのではなくて、きちっと伝えていく努力、これをすることがとても重要だ、その機会を
提供することが必要だと思うんです。
臓器提供については、
一般社会への啓発もさることながら、幼少期からの命を慈しむ教育、これが欠かせないと思います。文科省にも丁寧に向き合っていただきまして、
子供が自らを大切にすること、周囲への思いやりを持つことのできる教育に力を入れてくださるよう重ねてお話を申し上げたいと思います。
その際には、学校だけで完結することにこだわらなくていいと思うんですね。市町村保健
センターとか保健所には必ず複数の保健師がいますし、命の教育を展開するNPOも各地に育ってきています。そうした地域内の資源をフルに活用した
社会学習あるいは総合学習、体験型の学習など、授業の持ち方を工夫していただければいいんではないかなと思います。
地域の医療人材活用を促す
理由はほかにもあります。例えば、女児の平均月経開始年齢、今十二歳頃ですが、小学校中学年ぐらいから初潮を迎える
子供が出てまいります。仮にまだ自らの体調を知り対処することが難しい状況であっても、心身の変化は着実に訪れてまいります。そうしたときに気兼ねなく相談できる人と
場所の確保、これがどうしても必要だと思うんです。およそ二十年を経て結婚とか出産を機会に初めて自らの体と向き合うというのではなくて、早い段階で健康づくりの主体者となってライフプランニングすること、これは個人のみならず
社会経済的な損失を防ぐことにもつながっていくと思います。
同様に、現在の特定健診、保健指導の
在り方を再考し、生涯を通じた健康づくりのために、健診をチェックポイント機能、こういうふうに位置付けていく必要はないかなと思うんです。ふだんは何も気にせず具合が悪くなったら受診するという行動パターンを変えて、そして、健診を一つのきっかけにして自分の健康づくりに取り組んでいく。年に一度の血液検査など、こういう
一般項目に加えて、例えば女性は乳がん検診を何歳から始めようなど推奨する水準を定めて公表して、それを参考に各々がこの健診を基点とする生活リズムの調整、あるいは食事や運動その他の健康増進に取り組む、こういう流れを定着させる工夫はできないものでしょうか。長く私たち健診の
在り方については
議論してきていますが、なかなか主体的な行動等、健診を一つのきっかけにしてサイクルで健康づくりを進めていく、こういうことが定着できていないように思うんです。御
意見を伺いたいと思います。