○阿達雅志君 力強いお言葉、ありがとうございます。
ただ、この部分は、何分財政面での支えというのも要りますので、我々政治の側としても、やはりこの
外交を
強化するためには、それはお金も何もなしで
強化もできないんだということもしっかり
認識した上で支えてまいりたいと思います。
また、その中で、今、質という話の中では、今までの
外務省の
外交官だけではなくて、これだけいろんな分野でのいろんな問題が出てきているのであれば、やはり他省庁も巻き込んだオールジャパンの
外交力の結集という、こういうことも
是非御
検討いただきたいなというふうに思います。
本当はもう少し細かい
質問もさせていただきたかったんですが、時間が迫ってきていますので、ちょっと次のテーマに移らせていただきたいと思います。
同じくこの
外交力の
強化という中で大きな一つのテーマというのは、
日本の対外発信の
強化、これを
外交力の
強化としても我々も
提言をさせていただきました。こういう対外発信の
強化というときに、どうしても
中国、
韓国との間の歴史問題についての対外発信の
強化という部分に議論が向く部分もあるんですけれども、私は、それとともに、やはり大きな
意味での
日本をよく知ってもらう、
日本の文化を知ってもらう、これも非常に大事なことではないかというふうに思います。
そういう中で、ちょっと最近いろいろ聞いた幾つかの例でお話をさせていただきたいんですが、一つは、今アメリカで、全米桜祭りというのが非常にアメリカの中でも大きな祭りということになってきています。これは大体三月最後の土曜日から二、三週間の間行われる。ナショナル・チェリーブロッサム・フェスティバル・インクという、こういう会社が
中心になって、この期間で百万人以上の人がワシントンの桜を見に来る、こういう一大フェスティバルになっているわけです。
外務省との
関係でいくと、ジャパン・インフォメーション・アンド・カルチャー・センター、ここを
中心にして特に
日本文化の発信ということでやっていただいております。今年の例でいくと、例えば根付展だとかジャズだとか、あ
るいはピアノコンサートというのがある。過去においては、例えば和楽器だとか伝統芸能、歌舞伎といったものの実演を、
外務省、このJICCを経由して支援をしていると。
これ自体は非常にすばらしいことだと思うんですが、実は実際に向こうの住んでいる方々にいろいろ話を聞くと、どちらかというと、このJICCがやっているところへ行くお客というのは、
日本人あ
るいは
日本のことを非常によく知った方々なんですね。だから、ある
意味、
日本通の人たちがよく行くようなところ。
それに対して、もう一つ、ワシントンの日米協会主催の桜祭りというのがございます。ここでジャパニーズ・ストリート・フェスティバルというこれが行われて、これは二日か三日ぐらいの間で大体五万人ぐらいの人が来る。これは
日本をテーマにしたということで、
日本を紹介する展示があったり体験イベントがあったりするんですけれども、実はここへ来ている方々というのが最近はコスプレ姿のアメリカ人の若者が非常に多くなっている。特にこれアニメ文化の影響で、また、ゆるキャラがぞろぞろといる、こういう状態になってきているわけです。
もちろん私は、こういう
日本の文化としてのアニメを否定するわけでもコスプレを否定するわけでもないんですけれども、ただ、やはりこれは若干もったいないなという気がするんですね。さっき言ったような本当に
日本通の人が来るところの部分と別に、
日本について余りよく知らない人たちがこういうアニメを通じて
日本を知ろうとしているところで
日本の文化のいい部分というのを出し切っていないということで、これは、実は全体の全米桜祭りもこのワシントン日米協会主催の桜祭りも両方なんですけれども、やはり最近お金がないということが、これが非常に問題になっている。
実は、こういう中で、このワシントン日米協会に対しては、いっとき
中国と
韓国から、彼らは
日本をテーマにした祭りということに対する半分やっかみもあって、むしろ自分たちがお金を出すのでもっとオープンな祭りにしようというような
提言がなされたこともございます。これに関しては、そのとき、幸い、いろんな
日本コミュニティーが動いて何とか
日本側の主催ということで続けているわけですけれども、こういう
日本の文化、伝統を発信するという
意味では、やはりこういう点も
日本がしっかり後押しが要るんじゃないかというふうに思います。
そしてまた、ちょっと今度は別の切り口の話なんですけれども、
日本武道館がいろいろ今実施している事業の中で、海外に
日本武道を紹介するということで、毎年、
平成二十七年度はサウジアラビア、そして昨年はオーストラリア、そして今年は、まだこれはこれからですけれども、
マレーシアということで、
日本の武道
関係者が実際に現地に行って
日本の武道を演武する、そして
日本人学校あ
るいは
日本人会の皆さんと交流し、現地でそういう
日本の武道を示すという、こういう事業をしています。これは、
日本武道館なので本来は文部科学省の部分ですが、実際にはこれは
外務省がこういう向こうでのロジスティック、相当応援をいただいて、お金自体は
日本武道館の方が出してやっておりますけれども。
これが、去年の実際にオーストラリアでやった後の現地の
日本人学校の子供たちが感想文というのを書いて、それを読むと、やっぱりその中で、
日本という国、自分のお父さん、お母さんが生まれた
日本というのがこんなすばらしい文化を持った国なんだ、礼儀を大事にする、あ
るいは武道精神というのがこんなに大事なんだということを改めて知って感動しました、こういうような作文がぞろっと出てくるわけですね。
そうすると、この
日本の文化をやっぱり海外に知ってもらうという中で、
日本武道館がやっているようなこういう海外での代表団の派遣事業、演武というようなものをですね、やっぱり非常に大きな
外交的な
意味合いを持っているんではないかと。これは、単に予算を付ける付けないの問題ではなくて、こういうことというのをしっかりやっていくこと自体がやはり
日本の対外文化の発信になっていくのではないかというふうに思います。
そういう点で、やはりこれからも
是非、海外へ発信する
日本、
日本の対外発信というのは一体何をどういうふうに発信すればいいかというところを含めて、
是非外務省においても前向きに取り組んでいただきたいなというふうに思いますが、最後に今の件について、ちょっと
外務大臣の御意見をお聞かせください。