○阿達雅志君 どうもありがとうございます。
今この費用便益分析の
お話がありましたけれ
ども、これはレクも含めていろいろお聞きしたんですが、このBバイCというのはやはり投資についての事業効率を見ているということで、実際の経済効果が必ずしも全部反映されていないと。これ、例えば新幹線、金沢を取った場合に、金沢において、例えばホテルが増える、あ
るいは実際に金沢の中での消費が伸びるとか、そういう
部分というのが実はこの新幹線プロジェクト自体での費用便益分析では入ってこない。こういう外部経済の
部分と内部経済というのが分かれた中でこういうBバイCをやってきたということだと思うんです。
これ自体は、非常に安全サイドで投資効率を考えるという意味では否定する筋合いのものではないと思いますけれ
ども、ただ、実際には、新幹線というのは、ここで言われているBバイCよりもはるかに大きな効果を持っていると、そして地域経済に対して非常に大きな影響を与えているものであろうというふうに思います。
そういう中で、実はこの
平成二十五年から二十六年の間に行われた与党での新幹線、整備新幹線の前倒しの議論を聞いたときに、私は民間企業出身なものですから、非常に意外な感じを受けました。
これ、新幹線については、大体大まかに言うと、国が大体年間七百五十五億円、これぐらいを払う、そしてその半分を地方が支払うと、まあ一千億ぐらい、それに加えてJR側から将来の貸付料という形でもらっている、こういう中でやっているわけですけれ
ども、実は、この五年間前倒しをする、着工している新規着工の三区間を五年間前倒しをするときにその財源が足りないと、こういう議論をしているんですね。
プロジェクトというのはもう掛かるお金というのは元々決まっているはずのもので、それを五年間短縮したら、本来はそれぞれの年度の支払額は増えるけれ
ども、それによって逆に早く開業して利益が出ると、こう考えるのが民間なんですけれ
ども、国の場合はやはりどうしても予算の制約というものがある中で、施行方法として五年間前倒しにすると五年分の五千四百億円財源が不足すると。この財源が不足するから、それを将来の貸付料を前倒しにする形でファイナンスをするんだという、こういう不思議な議論がなされているわけです。
これは、考えようによったら、本来はこういう新幹線、インフラ投資というのを考えたときに、本当にこの投資効率を高めるということであれば、これインフラの投資効果というのは二つあると思うんですけれ
ども、まずフロー効果ということを考えれば、新幹線を造るときいかに計画的にしっかりとやっていくか、この計画性によってフロー効果は
最大化できるであろう、そして前倒しをすることによって、完成を前倒しにすることによってストック効果を
最大にできるというふうに考えるのが普通だと思うんですね。ところが、現実にはそうなっていない。
これ、実は
先ほど西田
委員がおっしゃられた国鉄改革、JRの分割・民営のときのいろんな
考え方の中で、やはりJRというのはもう民間なんだということで公共性から切り離した、そしてさらに、それまでどうしても我田引鉄でその事業性がなくてもどんどんどんどん鉄道を造ってきた、こういう議論の中で、絶対に借金をして造ってはいけないんだと、こういう
一つのトラウマがあって新幹線というのを造ってきた。これが今までの整備新幹線の
考え方の根底にあったんではないかというふうに思います。
ですが、
先ほど申し上げたとおり、やはりこの新幹線をいかに早く造るかということが非常に大きな意味を持ってくるとしたら、やっぱりこれについてしっかりとその財源の議論というのをこれからやっていかないとおかしいんじゃないかと。
特に、
先ほど西田
委員から話がありました北陸新幹線敦賀―
大阪延伸というのは、今の整備新幹線の枠組みで年間七百五十五億円の整備新幹線のお金を使い、そしてそれに加えて地方の
部分、それから貸付料まで入れても、実は二〇三五年以降でしか着工できないと、こういう
状況になっているわけです。じゃ、二〇三五年から同じこの七百五十五億、このパターンでやっていったとしたら、完成するのは二〇五〇年なんですね。リニア新幹線が二〇三七年に東京から
大阪まで行くのに、この北陸新幹線、今ルート決定をしたものが二〇五〇年にしか開業しないというのはやはりどう考えてもおかしな議論じゃないかということで、やはりこの辺り、今までの
考え方をもっと変えていかないといけないんじゃないかというふうに思います。
そこで、ちょっとこれ数字の
質問ですけれ
ども、
平成二十七年度における鉄道局の支出済歳出額の総額がどうなっており、その中で整備新幹線の支出額及びそれ以外の事業費、どうなっているか、これ
お答えいただけますでしょうか。