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国務大臣(
世耕弘成君) 久しぶりに、よくぞ聞いてくれましたという質問をありがとうございます。
今言っていただいた中で、第四次
産業革命とかAIとかIoTとか、
あとCPSとか、これはいわゆる一般的な名称だというふうに思っています。ただ、昔から、こういうアルファベット三文字が出てきたときは要注意で、これはIT
企業のセールストークに使われて、何かアルファベット三文字だと立派そうに見えてごまかされるから気を付けろなんということは言われていましたけれども、一般に普及している言葉だというふうに思っています。
この中で、
資料一の中で言われている中では、インダストリー四・〇、これがまさにドイツの、メルケル首相が掲げるドイツのIoT時代におけるドイツの物づくりをどうしていくか、物づくりとITをどう融合させていくかという基本戦略だというふうに思っています。
これ、CeBITは、安倍・メルケルの信頼関係において
日本がパートナー国として参加をしました。ただ、参加するに当たって、ただイベントとして参加をしただけでは単なる
日本が盛り上げ役で終わってしまう、あるいは場合によっては、ドイツの構想であるインダストリー四・〇の中に組み込まれてしまうんじゃないかと。そういう中で、
日本の強み、弱みをよく分析をして、
日本としてどういうコンセプトを打ち出していったらいいだろうかというのを
考えたのがこのコネクテッドインダストリーズという発想なんです。
ドイツは、このインダストリー四・〇というのはどういう
考え方に立っているかというと、ドイツは、実はIT
企業がもう完全に寡占化をしています。製造工程を管理するソフトウエアはシーメンスが全部提供しています。そして、
企業間をつなぐ縦のソフトウエアについては、これはSAPという会社がほぼ独占をしていて、もう競争がない
状況なんですね。そこに物づくりのいわゆるマイスター制度でできてきている
中小企業、零細
企業がもうその枠の中に入ってくださいよというのが実はドイツのインダストリー四・〇の本質だというふうに思っています。
じゃ、
日本はどうかというと、はっきり言ってばらばらです。各
企業が個別最適で物すごくいいものをつくっているんですが、製造工程とか
企業間のつながりというのは非常に弱いんです。だけど、一方で強みは何かというのを
考えたときに、まず、現場で作業に当たっている人材が極めて世界で突出して優秀であるということ、そして、製造の機械化、製造工程の機械化というのもどんどんどんどん進んでいて、デジタルデータも工場の中には結構蓄積をしているということ、そして、ドイツでこれからロボットに置き換えていきますなんと言ったら、あそこは非常に失業率高いわけです、ヨーロッパもみんな高い、そういう中でロボット化ってなかなかできないけれども、
日本は、世界で唯一堂々とこれから仕事をロボットへ置き換えていきますということが言える国だという強みもある。
そういう中で、ビッグデータ、製造現場にあるデータ、製造現場だけじゃないかもしれませんが、そういったデータを媒介にして、機械と機械、人と機械、あるいは
企業を超えてつなげていく、あるいは業界を超えてつなげていくことによって
日本の物づくりのIT化を進めて、強みを発揮することができるんじゃないかと。
名前はなかなかいいのが出てこなかったんですが、何回もブレーンストーミングしている中で、確かに、今おっしゃるように私が思い付きまして、コネクテッドインダストリーズがいいじゃないかと。このことは経団連
企業にも、そしてベンチャー
企業にも、きらりと輝く
中堅企業にもいろいろと今説明をしていまして、皆さん、すごくいい、これで物すごく自分たちの
考え方も整理できるし、その
考え方に沿って戦略も立てやすいという評価をいただいていますが、これからしっかり肉付けをしていきたいと思っています。
ソサエティー五・〇とこのインダストリー四・〇の関係性は明確です。ソサエティー五・〇というのは、これは経団連が提唱されていますが、最終的な社会の姿だと思っています。その中で
産業がどうなっていくのかという
方向性を示しているのがインダストリー四・〇だというふうに思っていまして、その辺は分かりやすく説明できると思いますが、いずれにしても、これからどんどん肉付けをして、キックオフをして
情報発信をして、コネクテッドインダストリーズが
日本の
産業政策の中核なんだ、ドイツのインダストリー四・〇に相当する、あるいは対抗していく
一つの基軸なんだということを明確に示していきたいと思っています。