○
渡邉美樹君 どうもありがとうございます。
私は、本当に組織がしっかりする、そしてそこにしっかり人が張り付く、指導できる人がいる、これが非常に重要であって、そしてもう
一つは、やはりよろず
支援拠点のコーディネーターというんですか、ドリームチームという言葉を使われていますが、この存在が非常に大きいと思います。
中小企業庁の資料によりますと、よろず
支援拠点の今後の
改善点として
支援手法の高度化と人材高度化を図るためのドリームチームを組成するということで、私もこれは全く同感でございまして、このドリームチームが必要だというふうに思っております。
資料二をもう一度、済みません、御覧ください。まさに資料二の下の方に書いてあるわけでありますが、このよろず
支援拠点にもドリームチームは必要ですし、私は、新
商工会議所、とにかくそこに集める、
地域における
支援拠点にもミニドリームチームは必要だというふうに思っております。
ドリームチームは何かと申し上げると、ここに書いてありますように、百億円以上の企業を起業した経験を持つ経営の本当のプロですね、これをリーダーに、ブランディング、マーケティング、IT、デザイン、商品開発、生産管理、物流、会計、とにかく企業に関わる様々な高度の
専門家チームをそこで組成するということなんです。つまり、その経営指導員を指導する本当の
意味でのボードメンバーがそこにいて、その中心としてゼロから百億以上自分で立ち上げた人間がそこにいるということです。そんなにたくさんいるのかというのですが、四十七人ぐらいはいるだろうということで御提案をしております。
なぜそういう提案をするかと申し上げると、企業というのは、三億のときに必要な人、物、金と情報とか、十億のときに必要な手法とか、三十億のときに必要な手法が全く違うんです。つまり、経営というのは技術なんです。この技術を分からない方が、海外はともかく、大手のメーカーか何かで役員をやられた方が、じゃ、その技術を分かっているかというと分かっていないんですよ。だって、分かっているわけないです、経験していないわけですから。
ですから、私は、本当にゼロから、それこそ銀行とやり合いながら、土をなめながら一歩ずつ進んできて、ああ、このときにはこういう技術が必要だとかこういう人間が必要だとか、今この会社がマーケティングの
相談に来ても、いや、マーケティングじゃないよ、今あなたのところに必要なのはこういう技術だよということをちゃんと指導できる、これこそが私は重要だと。ですから、ドリームチームの育成においてはとにかく本当の経営のプロをど真ん中に置くことが大事だというふうに思っています。
そして、もう
一つ大事なことは、これは大変口幅ったいんですが、恐らく経産省の
中小企業庁がこうやって結果出せないのは、
中小企業庁の
方々が、別にこれは責めるわけではありません、経営が分かっていらっしゃらないからだと思うんです。つまり、分かっていない人が指導したって分かるわけがないわけでありまして、そういう面からして、ちょっと二、三分時間借りて、実際、いろいろと経産省の方が視察に行きましょうといったところでいろんなことを見るわけでございます。
例えば、先日、TPPのことで水戸に行ったんですが、ある企業がベトナムに進出したいと。ベトナムに進出したいから
商工会を通して、ジェトロを通して進出したと。これ、成功事例として御案内があったわけであります。しかし、実際に、じゃ、ベトナム進出した結果どうなったのかというと、その会社さんはベトナムでビジネスモデルをしっかりと
構築していませんでしたから、結果、
日本に輸入しているだけなんです、結果としてですよ。それで、今の状況になるとベトナムでつくった方が割高になっているというわけですね。そして、その後何が心配かというと、TPPが本当に実行されたらメキシコの企業との
競争になってしまう。そして、
日本がもし円安になったらもう持ってくることさえもできなくなる。そうすると、そのベトナムの拠点はもう本当に無駄になってしまうということをその
経営者の方から後で
相談を受けました。
実際、今の
商工会、ジェトロで、こういう成功事例ではなくて、本来ならばその
相談があったときに、先ほど言ったドリームチームが、ちょっと待てと、海外進出については本当にどんなやり方でどういうビジネスモデルでやっていくんだ、これからの変化に対応できるのか等々をしっかり見極めて初めてジェトロにつなぎ、だったらそのとき、ジェトロにつなぐときに、そのジェトロだって、単純に進出のためのお手伝いじゃなくて、そのビジネスモデルに合ったパートナーとかいうものをつなげていく、こういう本当のきめ細やかなところがないし、でも、経産省の方は成功事例とされているわけなんです。
例えば、先日も
静岡に皆さんと行かせていただきました。決してその会社を非難するわけじゃありません、すごい立派な工場でございまして、七十年、八十年続いている立派な会社でございます。特別な技術も持っている会社でございます。しかし、私はその工場を見て、それから売値見て、それから利益見て、あれっ、これ物すごいROAとかROEが低いんだろうな、つまり利益が出ていないんだろうなと。これだけの工場でどのぐらいの期間で返済するんだろうか、つまり回収はどう考えているんだろうかということで
質問をさせていただいたわけであります。
そうしたらば、その社長さんが、いや、実はうちは自己資本比率九十数パーだと言うわけです。自己資本比率九十数パーってどういうことですかと。その後、実は社長さんがバランスシートを持ってこられました。バランスシートを持ってきて、いや、
渡邉さん、こうなんですよと。まさに預貯金と売上げはほぼ一緒です。もう何十年とおじいちゃん、お父さんが積み重ねてきてくださった現金を持って、その現金で一〇〇%無借金で工場を建てているわけであります。そして、自己資本比率は九十数%であります。ROE、ROAはもうじり貧であります。
これを優良企業ですよと紹介する経産省、
中小企業庁は、悪いとは言いませんよ、でも、多分経営が分かっていらっしゃらないんだろうなと。本当ならば、こういう、まあ余り、駄目な会社がありましたと、簡単な話、しかし、自己資本比率落としてでもこの企業と提携させることによってこういう
事業領域を広げて、結果としてROEがこれだけ上がってきたんですよ、だからいい会社になりましたならまだ分かるわけですよ。実際にその自己資本比率九〇%以上を紹介してくる。
ちなみに、よろず
支援拠点のコーディネーターとも随分お話をさせていただいたんですが、皆さん、僕は逆にかわいそうだと思います。なぜなら、知識も経験もないのにそこにいるわけで、そして、今までの、銀行にいました、メーカーにいました、役員でしたという肩書の中で商売するしかないわけですよね。
ですから、この間もお会いした方が、どういう仕事されていますか、最近どんな仕事されましたかと言ったら、いや、販売促進、広告のチラシを作ったと。チラシについてもっと値段を大きくしなきゃ駄目だよ、当然その方はメーカーでチラシに関わったことがあるから、ここの価格を大きくしなきゃいけないんだよということを言ってそうなって、良かったんだと言っています。しかし、本当にそうでしょうか。今その会社にとって必要なことは、本当はチラシをまくことじゃないかもしれないじゃないですか。本当にその会社にとって必要なことは、もっと別の経営の視点を持ってあげてアドバイスすることかもしれないわけですよね。
ですから、そういう人材を本気で育てない限りは、私は、今までの例えば補助金増やしました、信用保証どうしましたということではこの
日本の
経済は絶対立ち上がらないというふうに強く思うわけでございます。
一生懸命お話をさせていただいているわけでありますが、例えば
地域未来投資促進法も今国会で出てくるということでございますが、これにつきましても、どなたが承認するのか、この間官僚がいろいろ
説明しに来てくれたとき、これ誰が承認するんですかと言ったときに、いや、官僚だと言う。ちょっと待ってください、官僚の方分かっていないのにどうして承認できるんだろうか。それこそさっき言ったドリームチームのようなところがちゃんと目利きをしてあげる、そしてそれについてまたデータが積み上がっていくということが重要なんじゃないかなと。
例えば、
中小企業経営
強化法でございまして、これ、
大臣には申し訳ないんですが、この間
大臣が
予算委員会でも、書類実質二枚で申請ができるようになったんだということをおっしゃっていましたが、私は、
中小企業庁のホームページにある、申請書類実質二枚のみであり、郵送による申請が可能です、いかにもさあ簡単にというのは違うんではないかなと。経営
強化法であなたの
事業を見詰めなさいよといったときには、しっかりとサポーターがちゃんと付いてあげて、
事業計画を一緒に考えて、それこそ二枚で
事業計画ができるわけがないわけですから、そこに対してお金を出すということは、かえって私はその会社のためにはならない。正直申し上げて、最近のこの
経済産業の様々な動きというのは
日本の農業の二の舞になるなと思っております。つまり、強くしなきゃいけないから援助する。援助すれば弱くなるんですよ。
例えば、前回、私がこの
中小企業経営
強化法で言わせていただいたときも、新たに融資を受けることとか、それこそ工場を造るということはその企業にとっては本当に大事なことなんだから、そのことについてしっかり考えさせる方が大事なんじゃないですか、簡単に申請することはその企業のためにならないんじゃないんですかということも言わせていただきました。ですから、そのドリームチームが私は必要だと、そのように思っております。
今日はいろんなことをお話をさせていただきましたが、実際自分もゼロから会社をつくってきました。そして、どの段階でどういうものが必要かも一番分かっているつもりです。そして今、
中小企業の方の今が分からなきゃいけませんから、
日本中で
中小企業の方とお話をしています。社長塾ということで私は実際たくさんの教え子を持ってやっております。
その中で、今のこの
日本の
中小企業政策の私は間違いは、組織が
混乱していること、それから人がいないこと、それからそれに対して人を育てる中心的なボードもないこと、この三点だというふうに思っています。そこに何十億、何百億掛けてもいいと思っています。それができればこの国は立ち直ると思っています。それ以外のこと、余計なことをすればするほど、経産省の方が忙しくなればなるほど私はこの国は駄目になっていくと、そう確信をしているわけでございまして、出張から帰られて大変お忙しいのは分かっているわけでございますが、今日は是非最後に
大臣に、私の
意見について感想を教えていただければ幸いでございます。