○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしく
お願いいたします。
私も引き続き、小規模
事業者が元気になるための制度の
一つとして使われております小規模
企業共済制度について本日はお伺いをしたいと思います。
この小規模
企業共済制度は、独立行政法人
中小企業基盤整備機構が運営しているもので、小規模
企業の個人
事業主などが個人
事業の廃業などのときに備えて生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。要は、個人
事業の方が退職金の代わりに積み立てておくという制度ですね。私自身も弁護士として独立をしたときに契約をさせていただき、昨年、任意解約をさせていただきました。
実際の手続の方は、中小機構が委託契約を結んでいる商工会議所や金融機関などで行うことが多い。また、税理士の
先生から勧められて最初に加入をするという方も多いと思われます。小規模
企業の個人
事業主にとっては大変大切な制度で、広く使われている。
平成二十八年三月末現在では、在籍数が約百六十五万件もあるというふうにホームページの方にも載せていただいております。
簡単にこの制度の
説明をしますと、掛金の方は月額で千円から七万円までの範囲で契約者が自由に選ぶことができる。また、長い間掛金を払って共済金を幾ら受け取ることができるか、契約者にとってはこれが一番大切なことになります。この小規模
企業共済制度においては、受け取ることができる金額はその払戻しの理由によって異なるとされております。
配付されている資料の方を見ていただければと思います。今日、一枚配付をさせていただいたんですが、これは小規模
企業共済制度のしおりの一部で、中小機構のホームページからもダウンロードできるものになっております。
この左のページの方ですね。例えば個人
事業主の場合には、A共済事由として個人
事業の廃止、また個人
事業主の死亡とあります。ほかに、B共済事由として老齢給付、準共済事由として、右のページに移りますが、法人成りし、その
会社の役員に就任しなかったというような理由が挙げられております。
この資料の下を見ていただければと思うんですが、ここを見ていただけるとお分かりいただけますように、同じように掛金を支払っていても、共済金Aですね、A共済事由での解約の場合が一番受け取る金額が多い。その次に共済金B、準共済金というように、支払受ける額がかなり大きく変わってくることになります。これは掛金の月額を一万円で計算しているときの試算ですので、仮に、これを七万円まで選べますので、掛金がもっと多いとその差がもっと広がるということになります。
昨年、私が地元で、ある相談を受けました。この方は個人
事業をされていて、
平成二年に小規模
企業共済に加入をされていた。
平成二十七年にその
事業を、要は二十五年払込みをして廃業したので、
事業を廃止したことを理由に、商工会議所を通じて共済金の支払を請求されました。本人は、A共済事由にある個人
事業の廃止として請求をされたんですが、商工会議所の方からは、B共済事由による金額しか払えない、なおかつ、Bの老齢給付の方では六十五歳以上の方ということになっておりますので、六十五歳まではBとしても払えませんという
説明を受けられました。この方の場合、掛金が満額を払っておられましたので違いがすごく大きくなるわけですね、どの理由で解約するかによって。この相談者の方は
平成二十七年廃業されておられますので、翌年の二十八年三月にも確定申告では青色申告の方でされております。
また、共済に加入した後に山林を取得してゴルフ場に貸していたという事情があったということで、青色申告をしている人はA事由には当たらない、またゴルフ場の土地の賃貸は
事業であって、全ての
事業をやめないと廃業にはならないという一点張りで、何度確認しても平行線をたどると。
ただ、御本人にすれば、元々の
事業で共済に入った後に山林を取得してゴルフ場に貸していたということで、元々入っていた個人
事業とは何の関係もないということと、また山林の賃貸料だけではとても生活できる金額ではなかったので、これだと何のために共済金を掛けていたか分からないということで相談を持ってこられたんです。
事業をやめたときの退職金代わりという本当に大切な事由であるにもかかわらず、この個人
事業の廃止という要件をどのように判断するか、それが全くはっきりしないということで、今日は、このA共済事由のうち個人
事業の廃止という条件について少しお伺いをさせていただきます。
このしおりによりますと、複数の
事業を営んでいる場合、全ての
事業を廃止したことが条件となりますというふうに記載されております。元々加入するときには、どこで何の
事業をしているかを書いて申込みをすると。つまり、御本人とすれば、そこに書いてある
事業を続けている、それをやめたときの担保として共済に加入しているにもかかわらず、その後に始めた
事業で、また書いていなかった
事業を含むというようなふうな判断をされたことがどうしても納得いかないと。その共済加入後に始めた
事業まで廃止しなければ
事業の廃止に当たらないのでしょうか。
また、この全ての
事業に加入後に始めた
事業も含むとすれば、その根拠について。また、加入後に
事業を始めた場合、契約者から機構に報告する必要があるのかどうか、その点も併せてお伺いできればと思います。