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2017-05-09 第193回国会 参議院 外交防衛委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十九年五月九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      小野田紀美君     滝沢  求君  五月八日     辞任         補欠選任      山口那津男君     宮崎  勝君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         宇都 隆史君     理 事                 阿達 雅志君                 堀井  巌君                 山田  宏君                 大野 元裕君                 浜田 昌良君     委 員                 佐藤  啓君                 佐藤 正久君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                 中曽根弘文君                 中西  哲君                 山本 一太君                 小西 洋之君                 福山 哲郎君                 藤田 幸久君                 宮崎  勝君                 井上 哲士君                 浅田  均君               アントニオ猪木君                 伊波 洋一君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     稲田 朋美君    内閣官房長官        内閣官房長官  野上浩太郎君    副大臣        外務大臣    薗浦健太郎君    大臣政務官        外務大臣政務官  小田原 潔君        外務大臣政務官  武井 俊輔君        外務大臣政務官  滝沢  求君        国土交通大臣政        務官       大野 泰正君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       増田 和夫君        内閣官房内閣審        議官       横田 真二君        消防庁国民保護        ・防災部長    杉本 達治君        外務大臣官房地        球規模課題審議        官        相星 孝一君        外務大臣官房審        議官       川崎 方啓君        外務大臣官房審        議官       三上 正裕君        外務大臣官房参        事官       志水 史雄君        外務大臣官房参        事官       小野 啓一君        外務省経済局長  山野内勘二君        国土交通大臣官        房技術審議官   潮崎 俊也君        環境大臣官房審        議官       正田  寛君        防衛大臣官房報        道官       武田 博史君        防衛省防衛政策        局長       前田  哲君        防衛省整備計画        局長       高橋 憲一君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○北太平洋漁業委員会特権及び免除に関する日  本国政府北太平洋漁業委員会との間の協定の  締結について承認を求めるの件(内閣提出、衆  議院送付) ○違法な漁業報告されていない漁業及び規制さ  れていない漁業防止し、抑止し、及び排除す  るための寄港国措置に関する協定締結につ  いて承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付  ) ○生物多様性に関する条約遺伝資源取得の  機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡  平な配分に関する名古屋議定書締結について  承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の  責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプー  ル補足議定書締結について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、小野田紀美君及び山口那津男君が委員辞任され、その補欠として滝沢求君及び宮崎勝君が選任されました。     ─────────────
  3. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  北太平洋漁業委員会特権及び免除に関する日本国政府北太平洋漁業委員会との間の協定締結について承認を求めるの件外三件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官増田和夫君外十三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 北太平洋漁業委員会特権及び免除に関する日本国政府北太平洋漁業委員会との間の協定締結について承認を求めるの件、違法な漁業報告されていない漁業及び規制されていない漁業防止し、抑止し、及び排除するための寄港国措置に関する協定締結について承認を求めるの件、生物多様性に関する条約遺伝資源取得機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書締結について承認を求めるの件及びバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書責任及び救済に関する名古屋クアラルンプール補足議定書締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。  四件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 佐藤啓

    佐藤啓君 おはようございます。自由民主党の佐藤啓でございます。  質問機会をいただきまして、関係各位に感謝を申し上げます。それでは、早速質問に入りたいと思います。  まずは、議題となっております件について一つずつ質問させていただきたいと思います。  それでは、まず北太平洋漁業委員会特権免除協定についてお伺いをいたします。  北太平洋漁業委員会事務局を東京に誘致するなど、政府としてこれまでこの同委員会を重視をしてきたその理由についてお伺いをしたいと思います。そしてまた、我が国事務局ホスト国として、今後、同委員会を通じていかなる活動をしていくのか、この点についてお考えをお聞かせいただければと思います。
  7. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  御質問のございました北太平洋漁業委員会は、二〇一五年七月にその設立協定が発効した地域漁業管理機関でございます。この委員会は、北太平洋の公海において、我が国にとって極めて重要な水産資源でありますサンマサバ類キンメダイクサカリツボダイなどの保存管理を行う委員会でございます。この委員会決定される保存管理措置は、我が国漁業に大きな影響を与えるところでございます。したがって、日本としては、同委員会議論さらにはその活動を主導すべく、我が国事務局誘致に積極的に取り組んだわけでございます。  この事務局誘致に関しましては、日本だけではなく、韓国さらにはカナダもこの事務局誘致に非常に積極的でございました。そういうことでこれらの国と競ったわけでございまして、日本としては非常に積極的にこの誘致に取り組んだところでございます。  そういった我が国の努力が功を奏しまして事務局我が国誘致できたわけでございますけれども、今後、我が国としては、この委員会と緊密に連携をしながら、対象となりますサンマサバ類キンメダイクサカリツボダイなどの漁業資源保存管理を積極的に進めていくわけでございますけれども、そういった観点からもこの事務局誘致は極めて有意義であるというふうに考えるところでございます。  日本といたしましては、こういう事務局を有している国として、既にこの委員会年次会合をホストするなどの活動をしておるところでございます。こういった年次総会などにおきましては、我が国が提案したことが基調となりまして、サンマ、さらにはマサバという種の保存管理措置、さらにはIUU漁業といいます違法漁業を行っている船舶のリストの作成手続、こういったものが具体的に採択されるようになってきているというふうに実績も上がっているところでございます。  我が国といたしましては、引き続きこういった形でリーダーシップを発揮して、効果的な保存管理措置の策定や実施、さらには事務局を通じた委員会活動の円滑な運営、これらを支援するために積極的に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
  8. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。海洋国家として、この関係議論についてはしっかりとリードをお願いをしたいと思います。  関連になりますけれども、次に、違法漁業防止寄港国措置協定についてお伺いをしたいと思います。  これまで我が国は、IUU、違法、無報告、無規制漁業対策のためにどのような取組を行ってきたのか。また、これらの取組に加えまして、今回、我が国違法漁業防止寄港国措置協定を新たに締結をする意義は何でしょうか。さらに、本協定を通じたIUU漁業対策実効性を確保するためには、今回、この枠組み中国を含む非締約国を取り込んでいくということが非常に重要であると考えておりますが、我が国はこのためにどのような取組を行っていくのか、お伺いをいたします。
  9. 山野内勘二

    政府参考人山野内勘二君) お答え申し上げます。  御質問のございましたIUU漁業、いわゆる違法、無報告、無規制漁業に関してでございますけれども、このいわゆる違法漁業は、海洋生物資源保存とその持続可能な利用に対する大きな脅威となっておるところでございます。我が国といたしましては、責任ある漁業国として、このIUU漁業対策重要性を非常に強く認識し、そのための活動をこれまで行ってきているところでございます。  従来から積極的にこのIUU漁業対策をやっておりますけれども、三つほど具体的な点を述べさせていただきたいと思います。  まず一つは、その対策のためにはまず何といっても国内措置を整備することが非常に重要となっておりますので、そういった関連国内法制を準備しているということでございます。  さらには、地域漁業管理機関を始めとする様々な国際機関等と連携しながら、その保存管理措置作成、さらにはその実施IUU漁業対策に取り組んできたということもございます。  三点目に御指摘させていただきたいのは、昨年ですけれども、我が国G7議長国でございました。そこで、G7外相会談におきまして、これは四月十一日に声明が発表されておりますけれども、海上安全保障に関するG7外相声明というものを出しておりますが、その中におきましてもこのIUU漁業防止に向けた対策重要性、こういうものを強調しているということでございます。  こういった取組をしてきておりますけれども、このIUU漁業に対して更に効果的に対処するという観点から、今回の違法漁業防止寄港国措置協定というものを締結したいということでございます。これは、国際社会と連携しながら、この寄港国措置として、入港の拒否であるとか港の使用拒否であるとか船舶の検査、こういったものを効果的に実施するということで、このIUU漁業防止、抑止、さらには排除、そして世界の海洋生物資源の持続可能な利用に関する世界的な取組ということに貢献できるということでございまして、これは責任ある漁業国として、我が国として果たすべき役割であろうというふうに考えているところでございます。  さらに、もう一つ委員から御質問がございました非締約国との関係でございます。  これは、違法漁業防止寄港国措置協定の第二十三条に規定されているところでございますけれども、この条項によりますれば、「締約国は、この協定の非締約国に対し、この協定締約国となること並びにこの協定に合致するように法令を制定し、及び措置をとることを奨励する。」という規定がございます。こういった規定に基づきまして、我が国といたしましても、本協定締結後、二国間の漁業協議などの場も活用しながら、例えば中国といったような非締約国に対して、この締約国の拡大に向けた働きかけを積極的に行っていきたいというふうに考えているところでございます。
  10. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。詳細な御説明いただきまして、ありがとうございました。この非締約国の取り込みというところに関して、やはりみんなで取り組んでいかなければ効果も上がりませんから、この部分についてまた我が国でしっかり議論をリードしていただきたいと思います。  次に、名古屋議定書についてお伺いをいたします。  名古屋議定書は、遺伝資源提供国の立場にある途上国に大きなメリットがあるように一見見受けられますけれども、この遺伝資源一大利用国である我が国が本議定書締結する意義は何でしょうか。  特に、名古屋議定書は二〇一〇年に採択をされまして二〇一四年に発効ということですが、我が国がこの締結までに若干時間を要しているように感じますけれども、そのことによる不利益というものは生じていないんでしょうか。この点についてお伺いをいたします。
  11. 相星孝一

    政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。  名古屋議定書は、遺伝資源取得及びその利用から生ずる利益配分に関しまして国際的なルールを明確化するものでございます。  委員指摘のとおり、遺伝資源提供国にとっては、これ、自国から取得された遺伝資源利用から生ずる利益の還元につながるという利点がございます。その一方で、遺伝資源利用国にとりましても、遺伝資源取得に関して透明性があり、かつ恣意的ではない国内手続提供国において整備されることによりまして、海外からの遺伝資源取得及びその利用円滑化が図られるという利点が見込まれております。  特に、近年、途上国を中心に遺伝資源提供先を本議定書名古屋議定書に基づき利用国措置を講ずる国に限定するような国際的な動きが見られるようになってきておりまして、このような国際的な動きの中で我が国が本議定書締結することは、遺伝資源利用する国内産業の発展並びに学術研究推進に貢献し得るものと考えております。  その上で、我が国締結まで時間を要していることにより不利益は生じていないかとの御指摘でございますが、本議定書が二〇一四年の十月に発効して以来、これまでに締約国会合は二回開催されております。我が国はオブザーバーとして出席し、議論をフォローしてきておりますが、過去二回の締約国会合では、議事運営等手続規則に関する決定はなされておりますけれども、実質的な内容を伴う決定は行われておらず、我が国締約国として会合に参加しなかったことで特段の支障があったとは考えておりません。  ただ、本議定書が発効しましてから四年後になります来年、二〇一八年には本議定書の評価及び再検討を行うことが議定書規定されております。このため、今次通常国会で御承認をいただきまして、我が国としても早期に締結を行い、来年の締約国会合を含め今後の議論締約国として参加することが必要であると考えております。
  12. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。  それでは次に、名古屋クアラルンプール補足議定書についてお伺いをいたします。  カルタヘナ議定書に加えまして、この名古屋クアラルンプール補足議定書我が国締結することによってどのような効果があるのかについてお伺いをいたします。補足議定書締結により我が国産業界学術界悪影響を生じることがないのかどうか、この点についても併せてお伺いをいたします。
  13. 相星孝一

    政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。  カルタヘナ議定書は、改変された生物、いわゆる遺伝子組換え生物等による生物多様性への悪影響未然防止することを目的とするものでございます。名古屋クアラルンプール補足議定書は、このカルタヘナ議定書に加えられる形で、遺伝子組換え生物等国境を越える移動により生物多様性損害が発生した場合の対応措置規定したものでございます。  本補足議定書が発効すれば、遺伝子組換え生物等国境を越える移動によりもたらされる可能性のある生物多様性への悪影響について、カルタヘナ議定書に基づく未然防止に加えまして、損害発生後の対応に至るまでの一貫した国際的な枠組みが完成することとなります。この結果、遺伝子組換え生物等の安全な利用のための国際協力の一層の推進に貢献することが期待されます。  本補足議定書締結のために必要な国内担保措置としましては、先般、カルタヘナ法改正を御承認いただいたわけでございますが、同改正法の下で、遺伝子組換え生物等使用により我が国生物多様性損害が発生した場合、使用者はその復元等措置を命じられる可能性が新たに生じることとなります。  一方、同改正法では、復元措置が命じられる対象はあくまでも違法に遺伝子組換え生物等使用した者とされているわけでございまして、したがって、遺伝子組換え生物等を合法に使用している限りにおいてはその使用者に新たな負担を求めることにはなりません。  したがって、本補足議定書締結によって、産業界学術界活動支障が及ぶことはないと考えております。
  14. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。  話題を変えまして、半島有事に対する我が国対応についてお伺いをしたいと思います。  御案内のとおり、緊迫する北朝鮮情勢について国民関心が大変高まっております。週末に地元に帰りましても、多くの方々がこの問題を重大だと感じているというふうに私も肌で感じます。弾道ミサイルが飛んできたらどうしたらいいのかといった趣旨質問もございます。  昨月ですが、故金日成主席の生誕の記念日であったり、朝鮮人民軍の創建の記念日があったり、弾道ミサイル発射危険性といいますか緊張、非常に高まったわけでございますけれども、一方で、政府弾道ミサイルへの対処に対するホームページ上での情報提供、そして都道府県への説明会への実施タイミングは四月二十一日ということでした。国民周知を徹底すると考えた場合に、今回のタイミングが果たして適切であったのかどうか、ここの点についてお伺いをいたします。  そして、あわせて、弾道ミサイル対処等に関する国民への周知について、現状どのような手段で行っているのか、また今後どのような新たな手段広報を行うことを考えているのか、お伺いをいたします。
  15. 横田真二

    政府参考人横田真二君) 今委員からお話がございました先月二十一日に開催した説明会でございますが、これは従来からJアラートによる情報伝達の流れなどを掲載しております国民保護ポータルサイトというのがございますが、これへのアクセス数が急増をいたしまして、内閣官房などに多数の問合せが寄せられる状況となりました。そういうことを受けまして、国民皆様関心が高まっていることを踏まえて開催をしたものでございます。  この説明会では、都道府県国民保護担当者に対しまして、弾道ミサイルが落下する可能性がある場合に取るべき対応などについてお示しをするとともに、住民の方への周知を要請をさせていただいたところでございます。  また、同じ四月二十一日に、「弾道ミサイル落下時の行動について」というもの及び関連のQアンドA、これを国民保護ポータルサイト掲載しましたほか、首相官邸のツイッターやLINEにより同様の内容を配信したり、二十四日には首相官邸メールマガジンでも配信したということをいたしております。  なお、地方団体にお伺いしますと、説明会開催後、四月二十五日までには十三の都府県市町村等向け説明会開催をされておりますし、五月八日現在では二十の都府県において説明会開催され、また今後八県でも実施を予定しているというふうに聞いております。また、「弾道ミサイル落下時の行動について」というものは全ての都道府県においてホームページ掲載をされておると承知をいたしております。  今後とも、国民皆様の理解がより一層進みますよう、新たな手段を含む様々な手段を通じて広報実施に取り組むとともに、国民保護ポータルサイト内容の充実、これにも取り組んでまいりたいと思っております。地方公共団体から住民への広報が進みますよう、地方公共団体にも併せて引き続き協力を要請するなどしまして、国民皆様への周知について引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  16. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。  既に過去のことですけれども、国民方々への周知といった観点で余裕を持った対応が必要と思います。よろしくお願いをします。  そしてまた、関連して、都道府県への説明の後、各市町村がどのような方法によって住民方々周知を図っているか、今、ホームページで全ての自治体が図っているということでしたけれども、ホームページに載せれば住民方々に確実に伝わるのかというと、そうではないのかなというふうに思います。各市町村がどういう方法によって住民方々周知を図っているか、これ政府としてしっかりフォローしておく必要があるんではないかなと考えます。  例えば、地元の奈良県のある市町村では、都道府県からの説明があった後、効果はさておき、ホームページ通常方法以外に、例えば新聞折り込み情報提供を呼びかけたということもございます。  各市町村が適切な方法によって住民方々への情報提供を呼びかけているのかどうか。私はこれ、各市町村取組についてもしっかり政府把握をしておく必要がある、若しくは、必要によってはアドバイスをする必要があるのかなと思っておりますが、このフォローアップについて私はしっかり対応いただきたいと思いますけれども、一言で結構でございますが、認識をお伺いをいたします。
  17. 横田真二

    政府参考人横田真二君) 住民方々への周知という点でございますが、先ほどお答えを申し上げましたが、ホームページ掲載はもちろん、市町村等への説明会都道府県実施をいたしておりまして、市町村から住民方々へも様々なツールを使って周知がなされているものと考えてはおりますが、今おっしゃられたように、その周知状況について内閣官房において今把握をしているわけではございませんので、その点も含めて必要な助言をしてまいりたいというふうに考えております。
  18. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。通常の業務であれば政府市町村一つ一つ広報に口出しをするということは考えられないのかなと思いますが、こういうまた特殊な事例においてはそこはしっかりフォローしておく必要があるのかなと思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。  次に、北朝鮮からミサイル発射を仮にされたとして、我が国に飛来する可能性がある場合、Jアラートによって国民への周知が図られるということでございます。  これが、毎年訓練実施をしているわけでございますが、ちょっと直近と言っていいのか分かりませんが、昨年の十一月に実施をしたJアラート実施訓練でも一部やはりトラブルがあった市町村が存在をしています。そして、私も自治体防災担当部長でいたことがありますが、そのときもこのJアラート訓練があって、余りうまくいかなかった自治体が沖縄なんかも含めて複数あったということでございまして、このうまくいかないというパターンがあってはならないものだと思いますので、これを画一に本当に周知ができるのかどうか。毎年訓練実施していますが、過去の伝達訓練に失敗も見られるわけですけれども、この点についてどのような認識か、お伺いをいたします。
  19. 杉本達治

    政府参考人(杉本達治君) お答えを申し上げます。  北朝鮮からミサイル発射されまして我が国に飛来する可能性がある場合においてJアラートが適切に作動してミサイル情報を伝達できるように、日頃より消防庁から地方公共団体に対し、機器が正常に作動していることの確認ですとか、機器の不良があった場合に直ちに解消するよう指導を実施しているところでございます。  また、委員の御指摘にもございましたが、平成二十四年度より、Jアラートが正常に作動することを確認するために、Jアラートを通じて試験情報を配信いたしまして、かつ各地方公共団体情報伝達手段を実際に自動起動させる一斉伝達訓練実施しているところでございます。消防庁では、この訓練において確認された不具合について、当該団体に対して直ちに原因究明と再発防止策を求めるとともに、同種の問題がほかの団体で生じないよう、不具合の実例と再発防止策を全団体に提供して再発防止に努めているところでございます。その結果、不具合となる団体の数は年々減少してきているという状況でございます。  また、平成二十六年度からは、四月からは、こうした流れとはまた別に、消防庁の送信システムから携帯電話会社を経由して、市町村を経由せず直接携帯電話やスマートフォンにエリアメール、緊急速報メールを発信して、緊急地震速報と同様にミサイルの情報を伝達することとしている、複数の経路を確保しているというところでございます。  消防庁といたしましては、防災行政無線の日頃の備えとともに、多重化などを行いまして、ミサイル情報を始めとする国民への緊急情報を確実に伝達できるよう、引き続き地方公共団体に対して指導を徹底してまいりたいと考えているところでございます。
  20. 佐藤啓

    佐藤啓君 ありがとうございました。  ミサイル発射含め、その緊急な情報がしっかり国民皆様に一〇〇%伝わるように取組お願いをしたいと思います。  時間も参りましたので、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  21. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願いいたします。  今日は時間がありませんので、もう早速行かせていただきます。  防衛大臣、事前通告させていただいていないんですが、自衛隊は合憲か違憲か、お答えいただけますか。
  22. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 政府統一見解として、自衛隊は合憲だと考えております。
  23. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 私も合憲だと思っておりますし、ほとんどの委員の方は合憲だと思っているはずです。  総理が憲法改正議論をされて、何か自衛隊の合憲化が使命だという見出しが躍っています。合憲化が使命だと言われてしまうと、今違憲なのかという誤解を逆に与える。もっと言えば、総理は最高指揮官でいらっしゃいますし、理由が、憲法学者が違憲だと言っている人がまだいるからだと、これは理由にしては余りにもお粗末。憲法学者が圧倒的に違憲だと言っているんだったら、安保法制はもう今すぐ廃止してもらわなきゃいけない。どうも言っていることとやっていることがダブルスタンダードで、もうちぐはぐだと。ましてや、自衛隊の皆さんから見れば、今更総理が合憲化とか言われると、えっ、合憲でしょう。合憲化へなどと言えば、余計今は違憲状態なのかということを国民に逆に、総理のお好きな言葉で言うと、印象操作をしてしまうと。  僕は、非常にこの問題提起はまあ随分荒っぽい議論だなと思っております。防衛大臣も今合憲だと言われておりますので、まずそのことについて提起をさせていただいて、次の質問に行きたいと思います。  外務大臣、御苦労さまでした。四月二十七から五月一日まで、アメリカ、トルクメニスタン、オーストリアを訪問されて、特に、僕、安保理閣僚級会合北朝鮮の問題について御議論いただいたのは非常に良かったと思っておりますし、ティラソン国務長官を始め、各国の外務大臣とこの北朝鮮問題を中心に会談を持たれたことも私は非常に良かったと思っております。総理もロシア、イギリスを訪問されました。  僕は一定評価をしているんですが、昨年、実は北朝鮮は一連の軍の記念日等々のイベントが終わった後の四月の二十八日に弾道ミサイル二発発射しています。私、防衛省の方に、一連のイベントが終わったとしても、去年の例を見れば逆にミサイル発射可能性はあるよねと言ったら、それはもうよく分かりませんと答えられました。外務大臣は当然そのことをお分かりいただいていたと思います。現実には、二十九日にミサイル発射されました。このときに総理も外務大臣もいらっしゃいませんでした。防衛大臣がいたからいいんだという議論は、それは成り立つかもしれませんが、これだけ緊迫している中で総理も外務大臣もいなかった。そのことを僕、実は、そうですね、声高に批判をするつもりはありません。外務大臣の、私は国連での閣僚級会合等は評価しています。  ただ、総理と外務大臣が一時期に国内にいらっしゃらなかったということは一定の何らかの根拠があったかどうかをお伺いしたいんです。何らかの暴発、アメリカもあれだけ緊迫している状況の中で、衝突事案や暴発、それから北朝鮮の挑発等はほぼないという、蓋然性がほとんどないという判断をされたからお二人いらっしゃらなかったんだと思うんです。その根拠についてもしお聞かせいただければと思います。  もちろん、朝鮮半島、韓国では、在留アメリカ人の退避勧告が出ているわけではありませんし、空母もカール・ビンソン一隻だけで、集結しているわけではありませんし、韓国の大統領選挙がまさに投票されている、今日から始まっているわけですが、そういった外的な要因でいえば蓋然性は低かったという判断があったのかもしれませんが、しかしながら、片方で防衛大臣は外遊をやめられました。  総理と外務大臣が一度に国内にいらっしゃらなかったという判断をしたことについて、何らかの根拠があった、そしてどうそのことを、そして現実に四月二十九日にミサイル発射された、失敗だったかどうかは別の次元です、そのことについて外務大臣はどうお考えになっているか、お聞かせいただけますか。
  24. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、昨今の北朝鮮の動向を見る中で、我が国として国民の命や暮らしを守るために、もう絶えずいかなるときも緊張感を持って万全の態勢を整えておかなければならない、まずこれが基本だと思います。  そして、四月の終わりの時点での北朝鮮の動向についてどのように見ていたのかという質問でありますが、北朝鮮の動向については平素から高い関心を持って情報収集、分析に当たっているわけですが、具体的な中身については、当然のことながら、事柄の性質上控えなければならないと思っています。  ただ、この四月の終わり、御指摘の総理と私が海外出張をするに当たりまして、総理、そして私としても、臨時代理を指定し、いかなる事態にも対応できるよう態勢を整えて対応に万全を期すとともに、出張先においても危機管理上適切な態勢を確保した上で、総理は北朝鮮に大きな影響力を持つロシアとの首脳会談に臨み、私もニューヨークにおける北朝鮮の非核化に関する安保理閣僚会議に出席をした、こうした対応を取った次第であります。  引き続きまして、この北朝鮮状況を見ますときに、いかなる事態においても国民の命や財産を守るべく高度な警戒監視態勢を維持し、緊張感を持って万全の態勢を整え続けていかなければならない、このように認識をしております。
  25. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いかなる事態においても万全の措置をとるのは当然です、これだけ緊迫しているわけですから。臨時代理を置くのもこれも当たり前の話です。そのことは当然やられていることだし、そのことについてはもう私は対応されていると思います。  しかし、それでも、総理大臣外務大臣国内にいらっしゃらなかったということについては、具体的なことがあったかどうかは明言できないとおっしゃったのはそのとおりだと僕も思っています。しかし、何らかの暴発なり衝突なりが起こる蓋然性は低いという判断があったから海外に行かれたということでよろしいんですね。  つまり、その判断もないのに、なかったらいいな、ないだろうな、ロシアとの首脳会談の予定も入っている、閣僚級会合も入っている、まあ行った方がいいなということでまさか海外出られたと私は思えないので、そのことについてどうでしたかとお伺いしているので、お答えできないことはお答えしていただかなくて結構ですが、そういう蓋然性が低いという判断はあったということでよろしいわけですね。
  26. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 情報収集、分析については万全を期して努力を続けております。そしてその上で、政府としては総合的な判断の下に、政府として、総理は日ロ首脳会談に出かけ、私は安保理の閣僚会合出席をしたということであります。  北朝鮮問題を解決するために我が国として何をしなければならないのか、これを総合的に判断した上で行動決定したということであります。
  27. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 でも、現実には四月二十九日にミサイル発射されたんです。これは失敗に終わったのか、実は意図的に爆破したという説もあって、発射されているんです、総理と外務大臣が現実に不在のときに。だから、何らかの蓋然性はあったのかとお伺いしたんです。特に、外務省は認証官三人が三日間不在でした。これは何らかの根拠がなければ、なかったらいいなというようなレベルで本当にいらっしゃらなかったとしたら問題だと思うので、まあ一応これも提起をさせていただきます、お答えしにくいと思いますので。  四月二十九日のミサイル発射の際はJアラートが流されませんでした。なぜか、お答えいただけますか。
  28. 野上浩太郎

    内閣官房長官野上浩太郎君) 国民の生命、財産を守り抜くためには国民に対して迅速かつ適切に情報伝達を行うことは極めて重要でありまして、政府としては、ミサイル我が国に飛来する可能性がある場合にはJアラート等を活用し、直ちに国民に情報を伝達することといたしております。  今般の事案では、発射されたミサイル我が国に飛来する可能性がなかったことからJアラートなどを使用しなかったものであります。
  29. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 我が国に飛来する可能性がなかった判断は何を根拠にされましたか。
  30. 野上浩太郎

    内閣官房長官野上浩太郎君) 事柄の性質上、詳細についてはコメントを差し控えたいと思いますが、防衛省からの情報に基づきまして、ミサイル我が国に飛来する可能性のある場合にはJアラートを活用して直ちに国民情報伝達することといたしております。
  31. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 防衛省は何を根拠に我が国に飛来する可能性がないことを察知したのか、答えられる範囲でお答えください。
  32. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 防衛省としては、ミサイル発射された場合には、一般に、早期警戒情報及び自衛隊の各種レーダー情報等により入手したミサイル関連情報、発射時刻、発射場所、発射方向等を内閣官房に逐次伝達をしているところでございます。  四月二十九日の北朝鮮による弾道ミサイル発射においては、各種レーダー情報も踏まえ、弾道ミサイル我が国領域に飛来するおそれはないことを確認をして、その旨を内閣官房に伝達をしているところです。
  33. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ありがとうございます。ということは、我が国に飛来する可能性はなかったと。  これは責めているわけではありません。しかしながら、一部の交通事業者は運行を休止しました。それも、根拠としては、報道の後に休止をして、電車が止まりました。  国交省にお伺いします。Jアラートは流されませんでしたが、一部の交通事業者で運行を休止した、この対応についてはどう評価されていますか。
  34. 大野泰正

    大臣政務官大野泰正君) お答え申し上げます。  四月二十九日、Jアラート及びエムネットによる緊急情報発信はありませんでしたが、今御指摘のとおり、弾道ミサイル発射の報道を確認して、東京メトロ、東武鉄道及びJR西日本は運行を抑止し、十分後に運転を再開した事象が発生いたしました。  Jアラート及びエムネットの緊急情報発信に関する仕組みにつきましては、当該事項の所管省庁において、鉄道事業者を含む指定公共機関に対し、これまでも説明会情報伝達訓練実施し、周知してきたところであります。今回の北朝鮮ミサイル発射事案を受けて、国土交通省としても、改めてJアラート及びエムネットの情報発信の仕組み等について各事業者に周知したところであります。  国土交通省としては、JR及び大手民鉄についてJアラート又はエムネットの情報に基づいて運行抑止を判断することを確認しており、各事業者においては、情勢の変化を踏まえ、より一層旅客の安全確保を最優先に対応を取っていただきたいと考えております。  一つだけ申し上げますと、テレビの報道によっての判断というのは、本来この事業者の中には入っておりません。今回はあくまでも事業者が独自にやったということであります。それだけは御理解ください。
  35. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 じゃ、何の報道で事業者は判断したんですか。
  36. 大野泰正

    大臣政務官大野泰正君) 本来、事業者は、先ほど申し上げましたJアラート又はエムネットによってこの判断をすることになっております。しかしながら、今回、五時半の発射というところでありますが、六時に聯合ニュースによってその発射が伝えられ、それを六時六分、NHKのニュースのテロップによって各事業者が確認し、それによってその三つの事業者につきましては自主的に判断をされたということでございます。
  37. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 さっきテレビの報道で判断したんじゃないと言われたんじゃなかったの。だから根拠、じゃ何で事業者は判断したのと聞いたんですよ。だから、テレビの報道で判断したんでしょう、事業者は。でしょう。
  38. 大野泰正

    大臣政務官大野泰正君) 済みません、ちょっと言い方が悪かったのかもしれませんが、これはテレビの報道によって判断をしたということでございます。
  39. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 いや、さっきと逆の御答弁だよ。テレビの報道で判断されたんでしょう、事業者は。ですよね。  だから、私申し上げたように報道で判断しているんですけど、五時半に発射されて六時七分とか八分のNHKの報道で止めたって、現実に我が国に飛来するとしたらもう間に合わないんですよ。もう逆に言うと飛来しているんですよ。Jアラートが鳴っていないのに止めたということは、事業者はより安全にしたいという思いですから。そこを僕は、だからさっきから言っているように責めていないんですが、そういうことの徹底を国交省はどうしているのかと昨日も聞いたんですけど、実は一向にはっきりしない。説明会をやっている、説明会をやっているけど、今回の対応はばらばらなわけです、簡単に言えば。  で、現実の問題としては、じゃ、Jアラートで止めてくださいというのは、基本的には、私鉄にしても民鉄でも何でもそうですけど、一応止めたら財産上の損害が出るわけです。だけど、今の方向だとそれぞれの業者がばらばらの対応をしている、事業者が。これでは徹底できないし、国民も安心できないし、今回のようにNHKのテレビ報道が流れた瞬間にいろんなところが止まって、どこに飛来するかも分からないのに全国で止まったら、たまたま今回関東地方でしたけど、全国で止まったらどうなるんだという話をしたら、いやまあ簡単に言うと、国交省さん、全然そこのところをはっきりされなかったので、この事業者が止めたことの評価と今後どうするのかということを今日確認したかったわけです。  だから、これは法的な根拠も含めて非常に重要なんですね。だから、Jアラートの瞬間に一旦止める、しかしながら、飛来情報が先に来てもどこに落ちるか分からなくて、その次は多分都道府県の情報が来るんですけれども、その時点でなのか、どこの時点で事業者は判断したらいいのかみたいなことをきちっとやっぱり国交省が事態対処室と防衛省等と協議してガイドライン等を作らないと、これ全部事業者の判断じゃ事業者気の毒ですよ。そのことをちょっと申し上げているので、副大臣、どうですか。あっ、政務官か。ごめんなさい。
  40. 大野泰正

    大臣政務官大野泰正君) 先ほど来、本当に御指摘いただきましてありがとうございます。  今委員からもございましたが、これ国民保護に関わる重要な問題であります。しっかりと官邸また防衛省と対応を協議させていただきたいと思っておりますし、先ほども一言申し上げましたが、あくまでも情報の変化というのを、今あるわけでありますので、それを一層重要に考えて、我々として今後、より一層の対処をしていきたいと思っています。
  41. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 内閣官房長官来られていますね。これ、ちょっと早急にやらなきゃ駄目ですよ。検討を重ねますじゃ駄目ですよ。北朝鮮から挑発的なことはこれから起こる可能性幾らでもあるんだから、そのたびにJアラートで止めるのか、報道で止めてしまうような状況が起こるのかと、徹底していかないと、本当に事業者混乱するし、乗っている乗客にも迷惑掛けますから、そこをちょっと、本当に昨日、僕、事前にレク受けていて曖昧だったんでちょっと驚いたので、ちょっと副長官、官邸主導でちゃんと関係省庁を集めてやってください。
  42. 野上浩太郎

    内閣官房長官野上浩太郎君) 国交省等関係省庁と協議してまいりたいと思います。
  43. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 よろしくお願いします。  次に、米艦防護に、お伺いします。  防衛大臣にお伺いします。五月一日から三日まで米軍の補給艦とともに日本の自衛隊の船が航行しました。これは、米艦防護の新任務なのか、新任務を付与されたことなのか、共同訓練だったのか、どちらか二者択一でお答えください。
  44. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になった護衛艦「いずも」と「さざなみ」が五月一日から三日までの間、米軍の補給艦一隻と共同訓練、戦術運動や通信訓練等を行ったところでございます。  お尋ねの自衛隊法九十五条の二に基づく米軍等の警護については、様々な報道が行われていたことは承知はいたしておりますけれども、米軍等の活動への影響や相手方との関係もあり、その実施の有無についてお答えすることは差し控えさせていただきます。
  45. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 共同訓練はした、米艦防護の新任務は付与したかどうかについては答えられないということですね。付与していないということではないですね、答えられないということですね。はっきりお答えいただけますか。
  46. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) お答えすることは差し控えたいと思います。
  47. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 答えていただけなくてしようがないんですけど、運用指針においては、米艦防護のときにはアメリカからの要請がある、必要な要件になっています。アメリカからの要請はあったかなかったか、お答えください。
  48. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) その点についても差し控えたいと思います。
  49. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 米艦防護の新任務を付与するに当たってNSCの開催が必要ですが、当時、先ほど申し上げたように、アメリカの要請も答えられない。NSCの開催はありましたか、お答えください。
  50. 増田和夫

    政府参考人増田和夫君) お答え申し上げます。  米軍等の武器等の防護について一般論として申し上げますと、法律上は、警護の実施防衛大臣が判断することとされておりますが、御指摘のとおり、昨年十二月に策定した自衛隊法第九十五条の二の運用に関する指針において、米軍等から初めて要請があった場合など重要なケースにつきましては国家安全保障会議、NSCで審議することとしております。他方、個別具体的な警護の要請、実施状況等に関わる内容については、NSCにおける審議の有無を含め、事柄の性質上お答えを差し控えさせていただきます。  いずれにせよ、法令に従いまして厳格な運用を確保してまいりたいと考えております。
  51. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 じゃ、新任務なのか共同訓練かよく分かりませんが、この前にNSCは開かれていますか。議題としてこの新任務か共同訓練も含めてNSCは開かれていますか。
  52. 増田和夫

    政府参考人増田和夫君) 米軍等の武器等の防護に関する個別具体的な警護の要請、実施状況等に関わる内容については、NSCにおける審議の有無を含め、事柄の性質上お答えを差し控えさせていただきたいと考えておりますということは先ほど御答弁したとおりでございますが、その上で申し上げますと、本年四月以降に開催されました国家安全保障会議四大臣会合のうち、四月五日、四月十三日、四月十七日、四月二十九日の会合におきましては、北朝鮮情勢等について議論が行われております。  それ以上の議論の詳細につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思っております。
  53. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 NSCは開かれているけど、要は、新任務について、米艦防護について議論されたかどうかについては答えられないという答弁ですね。要は、さっきから何も答えないということですわ。ということは、いつ米艦防護に自衛隊が任務を付与されて、どういう状況で航行されて、どういう任務が果たされているか、これから先も含めて全然見えないということです。  この問題については今日は時間がないので今後に譲りたいと思いますが、これ国民からは全く見えません。新聞には新任務と躍ります。この新任務は、もし新任務だとしたら、じゃ、仮の話で結構です、防衛大臣、これは特定秘密ですか。
  54. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 特定秘密に当たる、若しくは省秘に当たるということでございます。
  55. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 特定秘密に当たるって、こんなに報道出ているんだよ、どうなっているの、これ。これみんなあれだよ、全紙出ていますよ。これ誰が漏らしたの、そうしたら。これ特定秘密に当たるんだったら大問題だよ。これ今特定秘密に当たると防衛大臣言われたのは大問題なので、何だっけ、何の委員会、情報監視審査会の大野委員にこの後お任せしたいと思いますが、これ実際特定秘密だとしたら、こんなに新聞に出ているの大問題ですよ、誰がリークしたか分かりませんが。そのことも問題提起しておきたいと思います。  時間がなくなりました。  本日の協定書に関しては、我が党は全て賛成したいと考えております。特に名古屋議定書は、二〇一〇年、我が国が議長を務めました。当時、我々政権でした。松本龍環境大臣が議長として本当に各国の難しい交渉をまとめていただきました。私は、外務大臣としてこの事前交渉に当たり、官房副長官として名古屋状況を逐一連絡をいただきながら、そこに座っている外務省の職員の皆さんにも本当に御協力をいただきました。それが残念ながら、二年前に発効したにもかかわらず、三年前か、二〇一四年に発効したにもかかわらず、我が国がまだ批准をしていないことは非常に残念に思っています。  時間が掛かった理由は先ほど自民党の委員から質問があったのでもう申し上げませんが、世界最大の遺伝資源利用国であるアメリカが、実は親条約である生物多様性条約すら締約国ではありませんし、この議定書締約国にもなっていません。オブザーバーでは名古屋には来ていただきました。  このアメリカ国内の動向はどうなっているのか。日本としては、やはりこの生物多様性及び名古屋議定書にアメリカの参加を促すことをするおつもりはないのか。外務大臣外務大臣会合とかこれまで多分安倍政権になってずっとあったと思いますが、この名古屋議定書生物多様性条約にアメリカの参加を促すようなことの発言をされたのか、このことについてお聞かせいただければと思います。
  56. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず最初の質問が米国の現状、状況についての御質問ですが、米国では、一九九四年に生物多様性条約締結に向けた連邦議会での審議を開始し、上院外交委員会は通過したものの、上院本会議において可決に至らなかったと承知をしております。この議会での審議当時から、米国内では、同条約締結により自国の関連産業等が影響を受けるのではないかという強い懸念が存在しておりました。そのため、同条約また同条約に基づき遺伝資源利益配分に関する国際ルールを具体化する名古屋議定書を米国が締結する見通しは立っていないと認識をしております。これが米国の状況であります。  そして、働きかけについての御質問でございますが、我が国としましては、この生物多様性、重視をしております。米国を含め非締約国もオブザーバーとして参加する生物多様性条約又は名古屋議定書締約国会議の場等において、世界の生物多様性の確保を図るためには国際的に協調して対応することが重要であると訴えてきております。  そして、私自身がこの会議において具体的にこの条約を挙げて米国に働きかけたかという御質問でありましたが、具体的なこの条約に対するやり取りは少なくともティラソン国務長官とはやってはおりませんが、が、ただ、米国に対しましては様々なレベルを通じてこの条約重要性については働きかけを行っております。  今後とも、生物多様性の保全の重要性については積極的に発信をしていきたい、このように考えております。
  57. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 ティラソン国務長官はまだ在任期間短いですから、ましてや気候変動もトランプ政権は非常に消極的ですから、どちらかというと、やっぱり前のオバマ政権のときにいかにやっぱり働きかけをしていただいておきたかったという感じがあるので、そこは、そうはいっても、よろしくお願いしたいと思います。  名古屋クアラルンプール補足議定書も、世界最大の遺伝子組換え農作物の作付け国はアメリカですし、オーストラリア、カナダ、アルゼンチンが遺伝子組換え農作物の輸出国ですが、これが参加していません。この実効性も上げなければいけないので、これについても働きかけを重ねてお願いをしたいと思います。  もう時間がないので最後の質問にしたいと思います。  違法漁業防止寄港措置協定でございますが、これ、実はやはり七年以上国会提出まで掛かっています。国内法の関係をずっと吟味を外務省が真面目にしていただいていたと思うんですけれども、どのようなプロセスで国会提出に至ったのか、お答えいただけますでしょうか。
  58. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、IUU漁業海洋生物資源保存と持続可能な利用に対する大きな脅威となっており、我が国責任ある漁業国としてIUU漁業対策重要性を強く認識しております。  実際、我が国は、このIUU漁業対策のための国内措置の整備、地域漁業管理機関における保存管理措置作成実施、そしてIUU漁業対策重要性を強調するG7外相声明の発出を主導するなど、取組を行ってきました。それに加えて、寄港国措置に主眼を置いたIUU漁業対策のための初の多数国間条約である本協定の交渉過程においても積極的に議論に参加してきました。  採択後も、早期締結に向け、国内法令の改正の要否も含め検討を進めてきましたが、本協定の義務を国内で過不足なく実施するためには他国による本協定の解釈や国内実施措置を見極める必要が生じました。  本協定採択後数年間、これ締約国の数が極めて伸び悩んだために、こうした今申し上げたような見極め、大変困難でありましたが、二〇一五年から一六年にかけて締約数が急増いたしました。こうしたことから、これらの国による協定の解釈あるいは国内実施措置の確認、精査をし、我が国は既存の国内法により対応可能であることがようやく確認できました。そして、今回協定を国会に提出するに至った。これが今日までの経緯であります。
  59. 福山哲郎

    ○福山哲郎君 済みません、もう終わりますが、時間なので。  今大臣言われたこと非常に重要で、日本国内法で担保できるので、実は外務省、今大臣言われなかったですが、これ各国に照会をして、日本国内法でいいかどうかを確認してオーケーをもらったので、今回、国内法を措置せずに実はこの協定、批准に至っています。  それはそれで判断でいいんですが、実は今、共謀罪の議論は、今の国内法でいいという議論があるにもかかわらず共謀罪を設定して条約を批准しようとしていて、対応にこれずれがあるので、これ条約国内法の担保の照会の仕方、確認の仕方等についてはこれ条約によってかなり外務省の対応が変わっているので、そのことを御指摘申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  60. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日は、生物資源関係また漁業関係協定また議定書の審議でございますが、内容に入ります前に、五月二日にウィーンで開催されました二〇二〇年NPT運用検討会議の第一回準備委員会について質問させていただきたいと思います。  この件につきましては四月の二十日のこの委員会でも取り上げさせていただきまして、当時、外務大臣が御出席するかどうかはまだ決定していないという状況でございましたけれども、是非出席していただきたいと要請させていただきました。外務大臣は、この会合出席していただいて、かつ、核軍縮の実質的な進展に資する提案を得て来年の準備委員会までに報告するとしたいわゆる賢人会議というものも提案されました。  外務大臣としてこの委員会出席されることを決められた決意、また動機といいますか、そしてこの成果について、そしてこの賢人会議の今後の進め方について現在決まっている内容がございましたら、答弁いただきたいと思います。
  61. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のNPT運用検討会議準備委員会出席してまいりましたが、御質問は、この出席を決意した経緯、そして成果、そして賢人会議、この三つだと思いますが、出席に至るまでの経緯については、今、北朝鮮を始めとする厳しい安全保障環境の中にあって、この核軍縮・不拡散の議論においては、核兵器国と非核兵器国の対立、極めて先鋭化し、厳しい状況に至っています。こういった状況であるからこそ、核兵器国と非核兵器国の信頼関係の再構築、これが重要であるという認識に立ち、両者の協力と協調を取り戻すべく、現実的かつ実践的な道筋を示す必要がある、こういった考えに基づいて出席をさせていただきました。  成果につきましては、まず、我が国の考える核兵器のない世界を実現するための道筋、これをこの会議の初日においてしっかり示すことができたと感じています。そして、その会談後、様々な関係国の関係者あるいは国際機関の関係者と会談を行い、意見交換を行いましたが、多くの方々から我が国の考え方について高い評価をいただいたということで、一定の手応えを感じているところであります。  そして、賢人会議につきましては、私が行いましたスピーチの中で紹介をさせていただいたわけでありますが、核兵器国と非核兵器国が厳しく対立するこの現状の中にあってどうあるべきかという議論を、核兵器国、非核兵器国双方から有識者の参加を得た上で今の状況を踏まえた議論をしっかり行う必要がある、こうした認識に基づいて賢人会議を提案させていただいた次第であります。そして、次回の準備委員会でその成果をしっかりと明らかにしたい、こういったことも提案させていただいた次第であります。  詳細については今調整中でありますが、こうした核兵器国と非核兵器国の対立が先鋭化している現実に対して是非具体的な提案ができるよう努力をしたいと考えております。
  62. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 多分、NPT運用検討会議の準備委員会外務大臣自身が出席されたのは多分初めてだと思います。そういう意味では、四月二十日の委員会で要請させていただいて、対応していただいて、これは感謝したいと思います。  ただ、今御答弁ございました、我が国のこの核兵器のない世界へ実現するための道筋を、外務大臣は、核兵器の数を着実に減らしていく、こうして極めて低い数まで削減された最小限ポイントに達した段階で核兵器のない世界の達成及び維持のための法的枠組みを導入する、こういうことによって核兵器のない世界という目標にたどり着くという道筋を提案されました。  こういう提案に対しまして今の御答弁で多くの国から高い評価があったという話もございましたが、その多くの国の中には核兵器国もあったんでしょうか。また、今まで核兵器禁止条約を強く提案してこられたメキシコとかオーストリア、そういう国々からの評価はいかがだったんでしょうか。
  63. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、今回の準備委員会でのスピーチの中で、我が国としての考え方、CTBTやFMCTを始めとする実践的、現実的な取組を続けることによって国際社会全体の核兵器の数を下げつつ、最小限ポイントに達した段階で法的な枠組みを考えていく、こうした考え方を示したわけでありますが、それに対しての評価ですが、核兵器国、非核兵器国双方から評価されたのかという御質問ですが、残念ながら、その会談、会議が終わった後、スピーチが終わった後、核兵器国の関係者と直接対談する機会がありませんでしたので、その点については確認はできておりませんが、少なくともNPDIを始めとする非核兵器国の多くの国々、そしてCTBTOを始めとする多くの国際機関の関係者、こういった関係者からは、我が国の考え方、大変明確な考え方であったなど、評価する声をたくさんいただいたのは事実であります。  是非、我が国の考え方、これからもしっかり説明しながら、何よりも今、核兵器国と非核兵器国の対立を解消すべく努力をしなければなりません。是非、共に協力しながら核兵器のない世界を目指す、こうした雰囲気づくりに努力を続けていきたい、このように考えております。
  64. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 是非、今後、核兵器国との外交があった場合には説明していただいて、賛同を得るように努力していただきたいと思います。  また、その最小限ポイントへ至った段階での法的枠組みというその法的枠組みの中には、現在国連でも議論されています、いわゆる核兵器禁止条約というものも概念的には含まれると考えてよろしいんでしょうか。
  65. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 法的な枠組みを考える際に、これを単に禁止するというだけではなくして、検証を始めとするしっかりとした仕組みが重要であると考えます。そして、この法的枠組みを持ち出すタイミングを間違えてはならない、こういったことも申し上げてきました。現実、今言った道筋が進んだ場合にどんな枠組みを考えるか、これはその時点で現実的に考えなければならないと考えております。それが今の核兵器禁止条約交渉のこの議論とどのように関わってくるのか、これは今の段階でちょっと予断を持って申し上げるのはまだ早いのではないかと考えます。
  66. 浜田昌良

    ○浜田昌良君 確かに予断を持って議論をするのは早いかもしれませんが、一方で、核兵器禁止条約交渉の議論も進んでおりますので、その関連性についていろいろと検討を進めていただきたいと思います。  最後に、もう時間がなくなりましたので、この協定につきましては、特に名古屋議定書につきまして、今までも議論もございました、アメリカ自身が親条約に入っていないという状況もございますので、それについての外交努力をお願いしたいと思いますし、また、我が国が導入する措置は法的措置じゃなくて行政的措置になっておりますので、実効を十分に確保していただきたいということをお願いさせていただいて、私の質問を終えさせていただきます。
  67. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  今日は、環境に関わる二つの協定も提案をされております。ちょうど昨日から地球環境に関わってパリ協定の作業部会が開かれておりますので、この協定とトランプ米政権との対応についてお聞きをしたいと思います。  トランプ大統領は、選挙中から、パリ協定からの脱退など地球温暖化対策に非常に否定的な発言を繰り返されました。そして、実際、三月十六日には気候変動と環境予算を大幅に削減する予算案を発表し、二十八日にはオバマ前政権の地球温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名をしております。これによって、パリ協定で米国が掲げた目標の達成は極めて困難になりますし、世界第二位の温室効果ガス排出国であるアメリカが目標達成に背を向けるならば全体の目標達成自身も困難になります。  かつ、各国の取組にも大きな影響を与えることになります。特に、途上国の温暖化対策を支援する緑の気候基金への全体の三割に当たる総額三十億ドルの拠出を表明したわけでありますが、これも打ち切るという方針を表明していることは重大だと思うんですね。  まず、外務省としては、こういうトランプ政権による地球温暖化対策見直しの具体的内容をどう承知しているのか、そして、そのことが世界の温暖化対策に与える影響についてどのように認識をされているでしょうか。
  68. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、米国政府動きですが、本年三月十六日に二〇一八年度予算の政府原案を発表し、その中で、御指摘の緑の気候基金、GCFや、気候投資基金、CIFへの拠出の停止を示したと承知をしています。また、三月二十八日にはトランプ大統領が、エネルギー自立と経済成長促進を目的としエネルギー資源の利用規制の見直しを命じた大統領令に署名し、その中でクリーン・パワー・プランの見直し、これはオバマ政権時代の政策ですが、この見直しのために必要な措置実施することを関係閣僚に命じた、こうした動きがあることは承知をしております。  ただ、現時点で、気候変動問題全体に対するトランプ政権の政策、この政策の全体像については必ずしもまだ明らかにされていないと認識をしております。  こういった状況ですので、まだその影響について予断をすること、これはまだ控えなければならないと思いますが、ただ、トランプ政権、米国政権のこの気候変動政策に対する影響、これは当然大きなものがあると思います。引き続き注視をしていかなければならないと思います。グローバルな課題である気候変動問題について米国との連携、これは重視していきたいと考えています。
  69. 井上哲士

    ○井上哲士君 注視をするということだけでいいのかということなんですね。世界では危機感を持って行動が広がっております。アメリカ国内でも、ニューヨーク州など二十四の自治体の司法長官が連名でこの大統領令の署名に反対し、連邦高裁に提訴をいたしましたし、アースデーの四月の二十二日、それから政権発足百日目の四月二十九日にもワシントンを含む世界各国で大規模な抗議の行動が行われて、四月二十九日にはワシントンは二十万人の参加でありました。  一方、今、注視をするということでありましたけれども、私は、こういう様子見の姿勢というのは昨年の臨時国会でのこの協定承認のときにもあらわになったと思うんですね。政府は全体の世界の流れを理解せずに国会提出が大幅に遅れて、COP22には締約国として参加をできなかったわけであります。当時、TPPを優先してパリ条約は後回しだという、こういう批判が、我々もしたわけでありますが、政府は、伊勢志摩サミットでも早期締結を掲げた共同宣言を上げたということも言われました。  しかし、その後の事態を見ますと、トランプ氏が選挙戦の中で、この地球温暖化対策の見直しとともに、TPPからの離脱を主張いたしました。そうしますと、安倍政権は、もう当選直後から異例の訪米をして、TPP脱退しないというような説得もするし、他の国にも働きかけをしてきました。  ところが、このパリ条約の問題では、首脳会談等で地球温暖化対策を後退させないようにというふうにトランプ政権に働きかけたという痕跡は見当たらないわけですね。結局、やはりこの問題では世界の様子見と、こういう姿勢が私は変わっていないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
  70. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国としましては、この気候変動問題への対応、これは国際社会が取り組むべきグローバルな課題であり、米国の関与、極めて重要だという認識を持っております。  そして、私自身も、あれは三月十六日の日米外相会談の場だったと記憶しておりますが、ティラソン国務長官に対しまして、パリ協定を含む気候変動問題への対応国際社会で取り組むべきグローバルな課題であり共に連携していきたい、引き続き意思疎通を図っていく、こういったことをティラソン国務長官との間で確認をさせていただきました。  引き続き、米国との間で様々なレベルを通じて意見交換を行っていき、日本の考え方、しっかりと述べていきたいと考えています。緊密に協力を続けていきたい、このように考えます。
  71. 井上哲士

    ○井上哲士君 その日米外相会談で、今紹介ありましたように、共に連携していきたい、意思疎通を続けていくと、こういうことでありますけれども、もう明確にトランプ政権がこのパリ条約で掲げた目標を事実上ほごにするという流れの中で、なぜ連携ということとか、こういう言葉にとどまるのか。私は、TPPに対するアメリカ政権への日本対応とは随分やはり違いがあると思うんですね。  政府が強調してきたように、伊勢志摩サミットで共同声明で強調しておりますが、その中で、パリ協定の速やかな、かつ成功裏の実施を確保する我々の決意もまた再確認すると、こういうことも書いていますし、それから緑の気候基金については、開発途上国が緩和及び適応に取り組み、国家の気候計画の実施に際して支援をすることを奨励すると、こういうことをお互いの共通の宣言にしているわけです。これに反する流れが起きていると。そうであるならば、政府はこれを議長国として取りまとめたわけでありますから、その議長国として正面から私は今物を言うべきときだと思います。  五月には、今月にはイタリア下でG7サミットが行われますが、前回サミットでこういう気候変動についての明確な共同声明をまとめた議長国として、私はこのイタリア・サミットでもしっかり物を言うべきだと考えますけれども、その点いかがでしょうか。
  72. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としては、気候変動はグローバルな課題であり、昨年、伊勢志摩サミットにおいて確認されたコミットメント、これを着実に実施していくこと、これ気候変動対策を実行していく上で極めて重要であると考えております。こうした認識は変わっておりません。  五月二十六日から二十七日に開催されるタオルミーナ・サミットに向けて、気候変動問題についてG7各国と引き続き緊密に連携をしていきたい、このように考えております。
  73. 井上哲士

    ○井上哲士君 連携は必要でありますが、明確にサミットの場で日本政府として主張をする、発言をすると、そういうことで確認してよろしいですか。
  74. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 日本としての考え方はしっかりと明らかにすべきだと思います。そして、G7各国、米国以外の国々ともしっかり議論した上で、今回のサミットにおいてもしっかりとした方向性を確認していきたい、このように考えます。
  75. 井上哲士

    ○井上哲士君 国際社会が取り決めたその方向から明確に後退をする、国内的にはサボタージュ、国際的にはブレーキを掛けるということが現に目の前で行われているわけでありますから、私は、日本政府としてしっかりこれを、物を言うし、日本政府の姿勢が問われていると思います。そのことを強く指摘しまして、質問を終わります。
  76. 浅田均

    ○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  先般お尋ねしたかったんですけれども時間がなくなってしまいましたので、今回、再び朝鮮半島の非核化について外務大臣にお尋ねしていきたいと思っております。  私どもの理解ですと、北朝鮮がアメリカ向けのICBM実験を行う、あるいは核実験をもう一回やらない限り、アメリカは北朝鮮を攻撃しないと。同時に、アメリカが攻撃しない限り、北朝鮮が韓国や米軍に攻撃を仕掛けることはないというのが一般的な理解だったと思います。ところが、今朝の新聞報道によりますと、両者の話合いというか、水面下の交渉はもうちょっと前に進んでいるようであります。  そこで、この新聞報道の内容について、外務大臣に確認させていただきたいと思っております。  新聞報道の内容は、アメリカは北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄した場合に四つの交換条件を約束すると説明したと。一番目が、北朝鮮の体制転換は求めない、二番目は、金正恩政権の崩壊を目指さない、それから三番目が、北緯三十八度線を越えて侵攻することはない、四番目が、朝鮮半島の再統一を急がないというのが、今日報道されている内容であります。  外務大臣にお尋ねいたしますが、この報道内容北朝鮮が核開発とミサイル開発を放棄した場合、四つの交換条件を提示したという内容につきまして、アメリカ側から何らかの報告はありましたか。
  77. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) まず、報道については承知しておりますが、それについてコメントすることは控えます。  その上で、米国側のこの考え方ですが、ティラソン米国国務長官は、これ国務省員に対するスピーチの中で、米国は北朝鮮に対し、体制変更、体制崩壊、そして朝鮮半島の再統一の加速化、そして三十八度線以北への進出を目的としていない、こうした旨述べていることは承知をしております。  そして、対話についてですが、北朝鮮に対して対話と圧力の方針で臨んでいる我が国として、対話という要素、これも大変重要であると思いますが、ただ、対話のための対話であってはならないということ、さらには、意味のある対話のためには北朝鮮から非核化に向けて具体的な行動、しっかりとした意思を示すことが重要であるというふうに申し上げておりますが、米国における様々な動きを見ましても対話という話が報道されていますが、一方で報道官は、これは、そうした対話のためには環境整備が重要であると、そして今はまだその環境にないというような米国の報道官の発言も伝えられています。  基本的に、対話をするためには意味のある対話でなければならない、対話のためにはまずは北朝鮮側から非核化に向けて具体的な意思や行動が示されることが重要だという考え方においては、日本と米国、基本的に一致をしていると我々は認識をしております。  引き続き、米国との間において政策のすり合わせはしっかり行っていきたい、このように考えます。
  78. 浅田均

    ○浅田均君 今大臣おっしゃったとおりだと思います。単に話合いのための話合いだけで終わってはなりませんし、何か実を取る必要がありますので、北の明確な意思を示させるというか行動に移してもらう、そういうところまで持っていかないことには単なる話合いで終わってしまうと思いますので、今大臣が御答弁されたその内容のとおりだと私も思っております。  ただ、今まで質問いろいろありましたけれども、その中で、ティラーソン国務長官といろいろお話をされる機会があったと思いますし、このことに関してだけ何か日本の岸田大臣に何も伝えないのかな、伝えていなかったのかなというのが僕はちょっと不思議なんですけれども、何もなかったんですか。
  79. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 会談の中身、具体的な外交のやり取りについては控えなければならないと思っておりますが、その中で、少なくとも、ティラソン国務長官北朝鮮問題についてどのように考えているのか、公の場で明らかにした一つの例として先ほどの発言も紹介させていただきました。  こういった発言等も参考にしながら、我が国として、しっかりと北朝鮮問題について考え、米国との間の政策のすり合わせを行っていかなければなりません。私自身も、外務大臣の立場として米国の国務長官としっかり意思疎通を図っていきたい、このように考えます。
  80. 浅田均

    ○浅田均君 ティラーソン氏の話は、四月上旬にフロリダで米中首脳会談が行われて、そのとき、会談後に中国にも水面下で伝えたというふうに報道されております。岸田大臣にもある時点で水面下で伝えられたと受け止めさせていただいていいんでしょうか。
  81. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 今委員から御紹介がありました、米国から中国に伝えられたというような話、報道は承知をしておりますが、それについてコメントすることは控えなければならないと思っておりますし、我が国と米国の間において、首脳、外相を始め様々なレベルでしっかり意思疎通を図るべく努力を続けているのは事実であります。その中で具体的に何が伝えられたとか等については、今、これは相手との関係もあり、明らかにするわけにはいきませんし、こうした今言ったような内容を明らかにすること、これは逆に我が国の安全保障上問題が生じることにもなりかねません。  具体的には控えますが、引き続きしっかりとした意思疎通を図るべく努力は続けていきたいと考えます。
  82. 浅田均

    ○浅田均君 引き続きその意思疎通を図るためにしっかり行動していくけれども、話すことはできないと。なかなか難しいですね、どちらにとりましても、理解するというのは。  先ほどもそういう質問がありましたけれども、四月二十九日に北朝鮮ミサイル、失敗と言われていますけれども、発射実験をやって、東京メトロの一部が止まったという質問が、Jアラートに関しまして先ほど質問がありました。ということは、これ、四月二十九日にはまだ知らされていなかったと理解した方がいいのか、あるいは、もうちょっと北朝鮮と、中国を介してですけれども、北朝鮮とアメリカがそういういい方向での話合いをし始めていると、そういうニュースが伝わっていたならば、まさかそういうときにミサイル実験はやらないだろうということで、もうちょっと、何というのかな、緊張の中にも安心といいますか、まさかメトロが止まるというようなことにはならなかったと思うんですが、そういうこともまだ表にはできないというふうな段階だと理解していいんですか。
  83. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 時間ですので簡潔に御答弁ください。
  84. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) はい。  北朝鮮の挑発行動については引き続き緊張感を持って注視していかなければならない、万全の態勢をしっかり整え続けていかなければならない状況であると思います。  こういった状況ですので、御指摘の点も含めて具体的な内容を明らかにすることは当然控えなければならないと考えております。是非御理解をいただきたいと思います。
  85. 浅田均

    ○浅田均君 岸田大臣がとってもいい人なのか、ひどいやつなのか、やがて分かることになると思いますけれども、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
  86. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があれば外交も有利に話ができるということで、いつも見ていますと、外交交渉をして何時間も、大変なスタミナというかエネルギーだと思います。  先般、安倍総理がロシアに行かれまして、いろいろ場面を見ておりましたが、多分上着を脱がすことができなかったんじゃないか。上着を脱がすことができれば、ウラジミールというか、本音が見えたんじゃないかなと思いますが、ちょっと横向かれてプーチンという感じもありましたけど。  先般、今村議員が更迭されましたが、適材適所ということでそれぞれの皆さん役割を果たされておりますが、やっぱり適材適所という部分では大変重要だと思います。  最近、いろんなニュースが本当に頻繁に流れておりまして、そんな中で、防衛大臣の判断、大変重要だと思います、日本を守る最高責任者、防衛大臣ですから。人は誰しも万能ではありませんが、得意、不得意もあると思いますが、稲田大臣におかれましては、今やられている防衛大臣というポストは自分にとって適任だと思いますか、どうでしょうか。
  87. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 質問ありがとうございます。  適任かどうかという御質問ですけれども、しっかりと、我が国を取り巻く環境が厳しい中で、国民の生命、身体、財産、領土、領海、領空、断固として守り抜く、そういう覚悟でございます。
  88. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 まあもう私は財産の一つもないから気が楽なんですけどね。  もう一つ、フランスの大統領選の中でいろんな言葉が出てまいりました。ルペン候補ですかね、結果はマクロン候補が大勝して勝ちましたが、そんな中で、集会の中の言葉の中にドイツの難民の受入れについて批判しているところがありました。放送用語にも引っかかると捉えられるかもしれませんが、振り返ると、政治家が使う言葉というのは大変気を付けなきゃいけないのかなと。  それで、奴隷という言葉が、アメリカ大統領、要するに、リンカーン大統領が奴隷解放という、日本では多分これは禁止用語になっていると思うんですが、その奴隷という言葉について、政治家が使う場合どうなのか、教えていただきたいと思います。
  89. 滝沢求

    大臣政務官滝沢求君) お答え申し上げます。  政治家が奴隷という言葉を使用することに問題はないかという問いでございますが、我が国として他国の政治家の発言についてコメントする立場ではございませんが、その上で申し上げますれば、全ての人民と全ての国が達成すべき共通の基準を宣言したものであり、人権の歴史において重要な地位を占めている世界人権宣言では、第四条において、何人も奴隷にされ又は苦役に服することはない、奴隷制度及び奴隷売買はいかなる形においても禁止する旨、述べられているところでございます。  以上です。
  90. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 ルペン氏の発言です。意味合いが違うかもしれませんが、今回の東北でよかったという発言も政治家としてどんなものなのか。言葉の先には受け取る人がいるわけです。使い方に気を配ってもらいたいと思いますが、私なんかは日頃ばかやろうとどなって余り批判は出ませんけど、まあこれは元気を付ける意味で言っているわけですが。  それで、次に入ります。  北朝鮮問題、先ほども話が出ておりましたが、大変報道が過熱して、今にも戦争が始まるのではないかと、そういう日本の報道に関して、韓国でも日本に対して、北朝鮮半島危機をあおっているのではないか、大げさ過ぎるというような新聞の記事もあったようです。  とにかく今のマスコミの在り方というのは、我々は情報というものないわけですから、そういう情報を手にしてどうするかということになりますが、私は、いろんな方が北朝鮮問題について質問されたので今回は何もありませんよということを申し上げて、ただ、そんな軽いものではないんですが、それは一つのやはり情勢をどう見ていくかということですね。そういう意味では、マスコミ報道について、今後の在り方も含めて、外務大臣防衛大臣のお二人に意見をお聞かせください。
  91. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮情勢に関する報道の傾向について政府の立場からコメントすることは差し控えなければなりませんが、国民の安全、安心を確保するためにも適時適切な情報提供は重要であると認識をしております。  その上で、この北朝鮮の核・ミサイル開発は新たな段階の脅威であり、北朝鮮をめぐる安全保障環境は厳しさを増しています。しかし、現在、直ちに邦人の安全に影響がある状況ではなく、韓国について危険情報は発してはおりません。  政府としては、引き続き、国民の生命そして財産を守るべく、高度な警戒監視態勢を維持し、いかなる事態にも対応できるよう万全の態勢を取っていくとともに、国民に適時適切な情報提供を行い、国民の安全、安心の確保に努めていかなければならないと考えております。
  92. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 今外務大臣も述べられたように、北朝鮮の核・ミサイルの開発、そして運用能力の向上は新たな段階の脅威になっているというふうに認識をしておりますし、また、核・弾道ミサイル開発のための活動を継続する姿勢も崩しておらず、更なる挑発行為に出ることもあろうかというふうに思います。  その上で、例えば防衛白書、ホームページなどによって北朝鮮情勢を含む国際軍事情勢について対外的な説明を行ってきたところですが、引き続き適時適切な情報提供を通じて現下の北朝鮮情勢についても対外的な説明を行っていく必要があるというふうに認識をしております。
  93. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 適材適所の方が言われているので信用したいと思います。  もう一つ、今回のテーマであります違法漁業防止寄港国措置協定というんですか、もう時間がなくなってきましたが、一言だけこれについて。この締結により、具体的に何が解決できるのか、お聞かせください。
  94. 滝沢求

    大臣政務官滝沢求君) お答え申し上げます。  海洋生物資源及び海洋生態系の長期的な保存及び持続可能な利用を確保するため、従来、地域漁業管理機関の設立を含む様々な保存管理措置を講じてきたところでございます。しかし、このような保存管理措置を遵守しない等の違法、無報告、そして無規制漁業、すなわちIUU漁業海洋生物資源の持続可能な利用に対する大きな脅威となる中で、IUU漁業を行う船舶に対して従来の旗国による措置に加え、寄港国が入港の拒否等の措置を講ずることの有効性が国際的に認知されるようになったところでございます。  本協定は、効果的な寄港国措置実施を通してIUU漁業防止し、抑止し、及び排除し、これにより海洋生物資源及び海洋生態系の長期的な保存及び持続可能な利用を確保するものでございます。具体的には、寄港国措置として、IUU漁業又はこれを補助する漁獲関連活動に従事した船舶の入港拒否、港の使用拒否船舶の検査等を定めております。  本協定締結することにより国際社会が連携して寄港国措置効果的に実施することで、IUU漁業防止、抑止及び排除、並びに世界の海洋生物資源の持続可能な利用の一助になることが期待されるところでございます。  以上です。
  95. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) おまとめください。
  96. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 時間が来ましたので、終わりにします。ロシア問題とまた北朝鮮問題は、次回また質問をさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  97. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。  議題となっております四条約は、生物資源を守り適正に管理することを目指しており、賛同できるものです。  現在、沖縄県名護市辺野古崎では貴重な大浦湾の自然環境を破壊して新たな米軍基地建設が強行されようとしています。辺野古、大浦湾一帯は世界の生物多様性のホットスポットの一つと認識されている、日本でも生物多様性が特に高い地域です。  資料のように、二〇〇九年十月十五日東京発米国のルース駐日大使の公電がウィキリークスで開示されています。そこには、中国の軍事力の劇的な増大により、何か事が起きた場合、少なくとも三つの滑走路が利用できることが必要になっているとキャンベル国務次官補が述べたとして、辺野古新基地建設の目的は中国との戦争のためだとキャンベル国務次官補が説明しています。  防衛大臣、これは事実でしょうか。また、事実の有無にかかわらず、米軍が辺野古を必要とする理由は対中戦争時の三本目の滑走路という意味が含まれているのでしょうか。
  98. 稲田朋美

    ○国務大臣(稲田朋美君) 政府としましては、ウィキリークスのように不正に入手され公表された文書についてはコメントも確認も一切しないということといたしておりますので、そういったものに基づく御質問についてのお答えは差し控えたいと思います。
  99. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 お手元の資料のように、邦訳もされておりまして、朝日新聞も報道いたしました。具体的に局長等の名前も出ております。そういう意味では、この詳細についてはそのとおりであっただろうと思います。  しかし、私たちはやはりこのようなことがあってはならないと思いますし、今アメリカはエアシーバトル構想というこの述べられている時点の構想を放棄して、いわゆる中国との戦争、全面戦争でありますが、現在は第一列島線での限定戦争、これも日本を戦場にする計画でございますが、オフショアコントロール戦略に転換して、海兵隊も沖縄からグアムなど国外に分散していきます。米国にとってももう辺野古新基地はどうしても必要なものではありません。だから二〇一二年に切り離されたわけでございます。辺野古新基地建設は、新たな軍事目標をつくって沖縄県民の生命を危険にさらすものであるばかりか、貴重な自然を破壊するものです。  平成二十五年三月二十二日、防衛省が提示した公有水面埋立承認願書には、サンゴ類について事業実施前に移植、移築して環境の低減を図ると明記されています。沖縄県は四月十三日に沖縄防衛局に対し、サンゴ類の移植、移築について、サンゴ類移植、移築の実施状況、護岸工事の着手予定時期、サンゴ類の移植、移築を実施しない場合の理由について文書で照会をしました。これに対し、沖縄防衛局は四月十七日、サンゴ類の移植、移築はこれまでのところ実施していない、護岸工事の具体の開始時期は決まっていない、サンゴ類の移植、移築についてはサンゴ類が分布する海域での護岸工事の着手までに実施すると回答しています。  移植、移築の対象のサンゴ類はどのくらいありますか。
  100. 高橋憲一

    政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。  現在の代替施設建設事業の実施に当たりまして、埋立区域内に生息するサンゴ類は消失することとなるため、部外専門家から成る環境監視等委員会の指導、助言を踏まえまして、サンゴ類の分布の程度や大きさにより、一定の基準に該当するものにつきましては工事を施工する区域の外の同様な環境条件の場所に移植することとしております。  これまで埋立区域内において実施したサンゴ類の生息状況の調査におきまして、移植対象とする小型サンゴ類については約七万四千群体、移築対象となる大型サンゴ類については約二十群体を確認しているところでございます。
  101. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 約で言っていますが、大型は二十三個ではありませんか。
  102. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 今手元にありますか。大丈夫ですか。
  103. 高橋憲一

    政府参考人(高橋憲一君) 申し訳ございません。今ちょっと手元に正確な数字はございませんで、今約二十群体というところでございます。
  104. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 当初の約束では事業実施前に移植するということだったのではありませんか。
  105. 高橋憲一

    政府参考人(高橋憲一君) 御指摘の事業の実施前ということでございますが、当方が提出いたしました公有水面埋立承認願書に添付されました環境保全図書におきましては、事業の実施前に、移植、移築作業の手順、移植、移築先の環境条件等の具体的方策について専門家等の助言、指導を得る旨を記載しておるところでございますが、事業実施前にサンゴ類の移植、移築を実施することを意味するものとは考えてございません。  なお、沖縄県内におきましても、那覇空港第二滑走路の事業でございますとか竹富南航路整備事業におきましても、サンゴ類の移植はこれらの事業と並行して実施されているものと承知しているところでございます。
  106. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 サンゴ類に関する環境保全措置というのが平成二十七年四月に沖縄防衛局から出ております。それによりますと、大型というのは一メートルを超えるものが大型ということになっています。実数的にはおよそ百七十個ぐらいの大型ハマサンゴが確認されたようでありますけれども、その中の二十三個、そうしますと、あとの多くが移さないんですね。  移さない中に、実は、移す側の、今、先ほど七万四千三百四種というものは、特定のエリアにあるものだけを移す、その中で十センチ以上のものを移すと書いてございます。そうしますと、ある意味で、一メートルから、その場所以外の一メートル以下のものは移さないことになるわけであります。そのことについてはどういうふうに把握しているんでしょうか。
  107. 高橋憲一

    政府参考人(高橋憲一君) この代替施設建設事業におきまして、埋立区域内におけるサンゴ類の調査につきましては過去何回かやってございまして、環境等監視委員会におきまして平成二十七年四月に御報告をいたしまして、その移植、移築について基本的な御了解を得たものというふうに考えてございまして、今後、事業の実施に当たりまして、そのような環境監視等委員会の指導、助言を得ながらこの事業を実施するというふうに考えてございます。
  108. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 サンゴ類の移植、移築はサンゴの採捕に当たります。沖縄県漁業調整規則では造礁サンゴ類の採捕が禁止されており、移植の実施に際しては沖縄県知事の特別採捕許可が必要です。  国としては、辺野古埋立てにおいてこの手続を取るのでしょうか、それとも無視するのでしょうか。
  109. 高橋憲一

    政府参考人(高橋憲一君) 埋立区域内のサンゴ類の生息状況でございますが、これまでも複数回の調査によりまして一定程度把握するように努めてございまして、現在のところ、移植を要するサンゴ類が所在しない場所におきまして護岸等の工事を進めている一方でございますが、移植を要するサンゴ類が所在する可能性のある場所では更に移植のための調査や検討を詳細に行うこととしてございます。その際、代替施設建設事業に必要となるサンゴ類の移植に係る法令上の手続につきましては、適切に対処していきたいというふうに考えてございます。
  110. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 サンゴ類に関する先ほど申し上げた環境保全措置を見ますと、先ほどの大型サンゴという定義を防衛省は一メートル以上としています。一メートル以上としているから二十三個なんですね。しかし、それ以下のものをある程度調査をしたものは百七十を超えます。その百七十の超えるサンゴは、十センチよりはるかに大きいんですね、それは存在しています、その浜に。しかし、そのことを今無視しながら作業を始めようとされているのではないでしょうか。そうしますと、これらのサンゴについてそのまま無視をしていくのか、あるいはそのサンゴについて検討すべきかどうかを判断するのか、どちらでしょうか。
  111. 高橋憲一

    政府参考人(高橋憲一君) 今委員指摘の問題でございますが、我々としましては、部外専門家から成る環境監視等委員会の指導、助言を踏まえまして、サンゴ類の分布の程度や大きさ、長径十センチ以上のサンゴ類、被度五%以上で〇・二ヘクタール以上の規模を持つ分布域の中にある場合、あるいは長径一メートルを超えるサンゴ類単独で生息する場合につきましては平成二十七年四月の第四回環境監視等委員会において説明をさせていただきまして、その了承の下に、我々としては工事を施工する区域の外の同様な環境条件の場所に移植するというふうに考えているところでございます。
  112. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) おまとめください。
  113. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 今年三月に海洋レッドリストというものができて、サンゴも指定されております。このような中で今のような作業が行われようとしているわけでありますが、貴重なサンゴ類はやはり本来はその場で保護されるべきです。海を殺すようなことがあってはならないと思います。  名古屋会議の議長国でもあり生物多様性の保全を掲げる日本政府が、他方で生物多様性の宝庫と言われる辺野古、大浦湾の環境を破壊して米軍の新基地建設を強行するのは、我が国外交におけるソフトパワーを損なう愚挙ではないかと考えます。  最後に外務大臣の所見をいただければと思います。
  114. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 時間になっておりますので。
  115. 伊波洋一

    ○伊波洋一君 じゃ、次の機会にまたお願いいたします。
  116. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、北太平洋漁業委員会特権及び免除に関する日本国政府北太平洋漁業委員会との間の協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  117. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、違法な漁業報告されていない漁業及び規制されていない漁業防止し、抑止し、及び排除するための寄港国措置に関する協定締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  118. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、生物多様性に関する条約遺伝資源取得機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  119. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書責任及び救済に関する名古屋クアラルンプール補足議定書締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  120. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 宇都隆史

    委員長宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十二分散会