○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
質問に入る前に、本日午前中に辺野古で作業員が砕石をクレーン車で海中に投下したと報道されています。今後、石材を海中に積み上げて埋立
区域を囲う護岸を造り、埋立てを開始しようとするものです。県民の民意を無視して工事を強行することに対し、沖縄の風として強く抗議をいたします。
翁長沖縄県知事は、あらゆる手法で工事を阻止すると表明しています。辺野古の埋立ては、沖縄県の権限に基づく今後の手続上の許可や
同意と、名護市長の同様の
同意を得ることができなければ完成させることができないことは明白です。
〔
委員長退席、理事堀井巌君着席〕
一九九七年以来、名護市現地では二十年にわたって辺野古への普天間代替
施設に反対する取組が粘り強く続いてきました。一九九七年当時の代替
施設は、海底をできるだけ変えないような、撤去可能な海上ヘリポートでしたが、ジュゴンも生息する貴重な藻場やサンゴの
保護を求めて世界的な環境団体を含めて反対の声を上げてきました。その後、一九九八年末に、知事選で当選した新県知事が提案し、当時名護市長も
同意した、辺野古沿岸から二キロメートル離れた海上への軍民共用飛行場と変更されましたが、結局、県民の反対で二〇〇四年までに頓挫しました。
〔理事堀井巌君退席、
委員長着席〕
アメリカは世界的な
米軍再編を進める中で、二〇〇六年に、沖縄の海兵隊八千人とその家族九千人をグアムへ
移転させることを日米で合意し、普天間代替
施設について、キャンプ・シュワブ沿岸を大きく埋め立て、V字形の二滑走路や弾薬装填場、強襲揚陸艦の接岸岸壁を含めた巨大な最前線基地として辺野古新基地を
建設することを日米合意しました。
この新たな
計画は、県知事も名護市も
同意をしていません、その当時の。その後、辺野古への新基地
建設に対する反対は続き、二〇一〇年に誕生した稲嶺名護市長は、海にも陸にも新たな基地は造らせないと公約しています。二〇一四年に誕生した翁長県知事も、あらゆる手法で工事を阻止すると公約しています。まさに沖縄県民挙げて反対しているのが辺野古新基地
建設です。
このような沖縄県民の民意を押し潰してでも
建設しようとしているのが、二〇一二年に誕生した安倍政権であります。辺野古移設の原点は普天間飛行場の危険性除去だと、本日、
防衛大臣も繰り返しているようですが、いつできるか分からないような辺野古新基地
建設を宜野湾市民の危険性の除去の唯一の解決策とするのは、沖縄差別にほかなりません。
一方、配付しているウィキリークスが明らかにした二〇〇九年十月十五日の米駐日ルース大使の極秘公電によると、辺野古新基地
建設の目的は中国との戦争のために必要だと
説明しています。エアシーバトル構想のことです。
しかし、今日までに
米国は中国との戦争をすることを断念をしており、この辺野古新基地
建設も必要なくなっていることは明らかです。このような辺野古新基地
建設をすることは、中国に対する敵対的意図を示すことにもなりかねません。
日本政府としても断念をするべきです。
沖縄からグアムへの海兵隊の
移転は、二〇〇九年二月に
締結されたグアム
移転協定では、グアムへの沖縄海兵隊の
移転が
抑止力を強化すると日米両国が認識すると明記されています。沖縄からグアムへの
移転は、二〇一〇年最終環境影響評価書で書かれているように、第三海兵遠征軍の実戦部隊と
司令部が全体として
移転するものであり、
訓練と演習が十分できる
態勢となることで
抑止力を強化することにつながると理解できます。
しかし、米上院とグアム住民が反対し、グアムへの最小限の常駐とローテーションを含む四千人の
移転になりました。それでは沖縄に戻るのかというとそうではなくて、ハワイ、米本土、オーストラリアに千名増えて五千名が
移転することが二〇一二年に合意されました。ハワイ、米本土、グアムに移り、同時に家族も同様に移り、グアム、ハワイ、オーストラリア、沖縄にMAGTFが配置されるということになります。
このような
状況の中で今まさに造ろうとしていることは、
日本全体が本来の基地のありよう、これを全く無視するものだと思います。私もこの
委員会で何度も
指摘をしておりますが、グアムに今一千五百一億円を掛けて
日本政府の予算で演習場や
施設が造られる中、なぜ新たな新基地
建設が必要なのか。そして、この新基地
建設は大きな海を埋め立てて、そして海洋生物を壊します。このような中で行われていることに対して、これまでもですけれども、これからも沖縄の県民は反対をするでしょう。これが今の
計画でも九・五年かかると言われておりますけれども、何十年後、何年後に一体でき上がってくるのか。
既にアメリカは、このグアム
移転と辺野古新基地
建設を切り離しました。どうしてかというと、グアム
移転は緊急の
課題であって、それを実現するためです。二〇二〇年までに
米国連邦議会に対してはこれを実現すると、このように報告しています。
私たちは、やはり今日なされたようなことに関しては、沖縄県民としてこれは継続して反対をしていく。そして、そのような意図はやはり断念されなければならないと、こういうことを申し上げて、
質問に入っていきたいと思います。
北朝鮮の核・ミサイル開発に対し、米トランプ政権が全ての選択肢がテーブル上にあると先制攻撃を示唆したことで
緊張が高まっています。
抑止力の名の下に造られた
米軍基地が攻撃を引き寄せるという沖縄県民の懸念が現実化しようとしています。
国民保護法により、国は自治体に対し
避難実施要領や
避難実施、そのパターンを作成させていますが、
避難実施要領は武力攻撃
事態が発生して初めて定められるものであり、事前に作成される
避難実施要領のパターンも必ずしも県内の基地に隣り合わせて暮らす住民
保護の実効性は確保されておりません。予算
措置もできていません。
このような中で、かつて沖縄戦で
米軍が上陸してから住民に指示が出され南部へ
避難が行われるなど、このような悲惨な歴史が繰り返されるということが大きく懸念されています。
質問です。結局、基地と隣り合わせの沖縄県民の
保護は、沖縄戦同様、攻撃を受けてから後手後手にならざるを得ないのではないでしょうか、お答えください。