○今枝
分科員 ありがとうございます。
大臣みずからの決意表明、本当にありがたいというふうに思っております。ぜひとも、この
質問、お話を全国の方々、特にこの三十七府県の方々によくよく聞いていただいて、また、しっかりと皆さんもお話を聞いていただいて御調整をいただければありがたいというふうに
思いますし、絶対に独自
政策にブレーキをかけないような制度設計、これを強く御要望いたします。
林業のことを
考えますと、もう
一つ重要な
観点として、需要喚起策がございます。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックはその最も効果的な場であり、新国立競技場で国産材がふんだんに使われるということは非常によいことだと
思います。植栽ですとか内装の木材の調達など、例えば四十七都道府県それぞれの
地元材を使われるようにして、そこに寄附のシステムを導入すれば、ふるさと納税のような発想で寄附が集まり、つくるコストも比較的低く抑えられながら多くの国産材、県産材が使われて、非常にウイン・ウインな
関係になるんじゃないのかなというふうに
思います。
本日は時間がございませんので、これは要望だけにさせていただきますけれども、
政府だけでなく
事業者の皆さんにもぜひともお
考えいただきたいというふうに思っています。
さて、続きまして、肥料、そして堆肥化施設について
質問をさせていただきます。長くなりますけれども、大切なことですので、ぜひともお聞き届けいただきたいというふうに
思います。
一昨年、新城南部工業団地というところで、産廃処理業のタナカ興業が堆肥化施設を建設いたしました。この工業団地というのは、もともと製造業と物流業を誘致すると約束していたところでありましたが、当初誘致をした製造業の
企業が倒産し、競売になりました。そして、競売は、そこはフリーハンドでいってしまって、産廃
企業が土地を取得することになってしまいました。そして、住民との対話も不十分なまま、堆肥化施設が建設されたわけであります。
本来であれば、このような法の穴をすり抜けるような形で堆肥化施設が建設されるのは絶対に許されるべきものではありませんし、許認可である愛知県が認可しなければよかったんですけれども、一昨年十一月に認可されてしまいました。
そして、実際に操業した今、私もたびたびこの施設のところまで行きますけれども、ひどい悪臭がいたします。住民は非常に大きな被害を受けています。この施設一キロ圏内には、住居はもちろんですが、こども園や小中学校が立地しておりますし、子供たちの教育環境にとんでもない悪
影響を及ぼしています。また、隣接道路は通学路であります。
あるお母さんはおっしゃっていました。結婚してこの地域にやってきたけれども、環境がいいから子育てにもいいということで住んでいる
思いです、しかし、それがそうじゃなくなってしまえば、この地域から出ていかざるを得ない、こういう話も、当然の御
指摘だと
思います。
皆さん、子供たちや子供を思うお母さん、お父さんたちの気持ちになってみてください。どれほどつらい
思いでしょうか。お母さんやお父さんや地域の皆さんと同じ
思いで、子供たちを、地域を守るために全力を尽くしたいということで、私も常々、この施設の建設、操業には反対、国としても許可権限を持つ県に対して適切に指導してほしい、こういう旨を繰り返しお伝えしてまいりました。
昨年は、当時の井上信治環境副
大臣にも、
機会を得て、
現地に御足労いただいたわけでありますけれども、それでもとめることはできませんでした。じくじたる
思いであります。
これからも
環境省を初めとして
政府には強く申し上げておきますが、本日は、農水省の皆様に、この施設がつくっている堆肥、まあ堆肥と称するものと私は呼んじゃいますけれども、これについて集中してお聞きをしたいと
思います。
タナカ興業は、以前からある豊橋市東細谷というところの工場でも、周辺への悪臭騒ぎや、完熟されていない悪臭のひどい、これは製品堆肥と称しておりますけれども、このものを農地に搬出して放置されていた、こういうことがありまして、大きな問題になっていました。そのために、農水省は何度も抜き打ちで検査に入っていただいたと
思いますが、そこでは普通肥料登録の抹消にはなりませんでした。
しかし、このようないわくつきの
企業が肥料と称するものに、今度は、新城工場、先ほど言った新城南部工業団地の工場でつくられるものにまで昨年の暮れに肥料の登録がなされてしまいました。私も非常に怒っております。憤りを感じております。この肥料登録がなされれば、これらを製品として出荷して、操業が本格化をされてしまうんです。なぜこんなことが起きるのか。
これは、農水省の事前の御説明では、肥料取締法によれば、肥料登録の
調査を行って、そのとき、肥料公定規格として、窒素、燐、カリウムの三つの主要成分が基準値以上入っている、六つの有害成分が基準量以下である、原材料でも、有害物質、これは二十何項目もございましたけれども、が基準値以下である、原材料は登録したものがきちんと使われているなどであるということでありました。今回の例でいいますと、例えば原材料は食物残渣、下水道汚泥、木くずの三つですけれども、この配分の
割合、どれを何%やるとか、その
割合はきちんと農水省に提出をされているんですが、これもきちんとこの
割合どおりにやらなくちゃいけないと思うんですけれども、この
割合は適当に変わってもいいということでありました。これは理解のしがたいことであります。
なぜこのようなことを申し上げるかといいますと、産廃業の特殊性を鑑みると、肥料取締法で配合の
割合が適当に変わってもいいということになりますと、産廃
業界や堆肥化施設の中で悪貨が良貨を駆逐するというようなことを助長してしまうからなんです。
どういうことかといいますと、このような堆肥化施設は、ほかの製造業と違いまして、製品を出すとき、出荷したときにもうけるということではなくて、原材料となる下水汚泥や食物残渣や木くずなどを工場に入れるときにお金を得ます。これは産廃業の特徴であります。普通の製造業であれば、出荷物である製品を厳しくチェックさえしていれば、いい製品が生まれて、そしていい製品にはいい値段がついてお金が得られる、こういう好循環を生むことになります。しかし、産廃業は逆なんです。原材料は適当に、しっちゃかめっちゃか入れるだけ入れて、そして
割合も適当にやっておく、この方が、自然と引き取り量は多くなってお金がもうかるという仕組みになっているんです。だからこそ、原材料側を適当なチェックで済ませていると、悪い
企業が世にはびこってしまうという構造になっています。
ですから、原材料について、配分
割合も含めて入り口部分できちんとチェックをするということが必要なのであります。このような廃棄物リサイクルの堆肥製品の製造過程、また原材料の配分
割合も厳格なものにするといったことを大前提にするべきであります。
そして、もう
一つ。先ほども申し上げましたように、こういった廃棄物リサイクルの堆肥化施設は、通常の製造業と異なって、製品出荷でお金を得るという構造に余りなっていません。ですから、質の悪い会社は、品質に対しての
関心は薄いわけです。
となると、どうなるか。むしろ、堆肥化施設に置いておく、完熟をする発酵日数をできるだけ減らして、完熟度合いが低くてどろどろの製品で、製品として非常に質が悪かったとしても、早く出荷をした方がもうかるという仕組みになっています。
ですから、発酵日数を少しでも減らして、結果として完熟していなくて製品から悪臭が出るとか、質の悪い
企業はその方が都合がいいということになっちゃいます。こういう
企業というのはそこでお金をもうけるわけですから、逆に言うと、引き取る価格を低く設定することができるようになってしまって、そうすると、より一層そういうところに廃棄物が集まってしまう、こういうことになってしまうんです。つまり、質の悪い
企業の方がもうかるという仕組みになりやすい、こういう危険性があるわけです。ですから、発酵日数を少しでも減らしていくような形にするのはやはりまずいと
思います。
一応、発酵日数は決められております。しかし、原材料として引き取った廃棄物の湿り気ぐあいによって、完熟させるならば本来はもっと長く発酵日数が必要なものも、最低限の発酵日数さえ守っていればいいという話になっちゃうわけです。
ですから、製品肥料そのものの悪臭の基準、また肥料としての完熟の度合いの基準もきちんと設定をして監視をするべきだと
思いますが、いかがでしょうか。
大臣、産廃業は
環境省の所管でありますけれども、そういうことではなくて、農業に大きな
影響を及ぼす肥料について責任ある立場として、これを製造している堆肥化施設の質にもお目配りをいただいて、その施設のあり方や肥料製品の質の向上、このような問題にお力をいただけないでしょうか。どうかお願いをいたします。