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赤枝分科員 自由民主党、衆議院議員の
赤枝恒雄でございます。
この発言の機会を与えていただきました
関係者の皆様に、心からお礼を申し上げたいと思います。
実は、きょう私のお聞きしたいのは、刑法の百七十六条と百七十七条に出てきます、性の同意年齢というのは聞きなれたことがないんだと思うんですけれども、つまり、性行為のリスクを十分理解した上で性行為を私はするんだという権利、これが十三歳で
日本では芽生える。
十三歳になると性の同意年齢が芽生えるということですから、実際、十三歳までの小学校のときに性のことが全てわかっていて、それで十四歳になったらもうしてもいいよということになるわけですけれども、これが、世界の常識からしたら、世界八十九カ国では、性の同意年齢は十六歳なんです。三歳も違うんですね。これは世界の常識で、八十九カ国がみんな十六歳になっているのに、
日本だけ明治の時代に決まったものがそのまま残っていて、十三歳になっている。
これが物すごく大きな問題であるわけですけれども、これについて、私はずっと、町の産婦人科医として三十九年間、六本木でやってきて、お産ももうなくなった十何年前からは、子供相談室というのをハンバーガー屋さんで、夜、診察の後にやって、それでいろいろな話し合いを続けてきて、実は、このハンバーガーショップで、ここに来る子供たちの十人ぐらいに
お話をしたって、これはちょっとやはり時間が無駄だなと。これはぜひラジオでやろうということで、文化放送で金曜日の夜中二時からラジオ番組を始めたわけですね。
金曜日の夜中二時というのは、母親、父親は寝ている時間で、非常にラジオを聞きやすい。次の日は休みだということで、普通、ラジオ番組は六カ月で終了なんですが、私の夜の性教育番組、これは「ガールズガード女の子の保健室」というんですけれども、何と十年間続いたんです。十年間このラジオは続いたんです、人気で。
そこで、このラジオ番組がすごいと僕は、自画自賛ですけれども、始まった次の年から、その前は十代の中絶が三万九千六百七十八人あったものが、そのラジオ番組が始まった翌年、次の年からはどんどん減り続けて、現在は二万六百五十九人。十代の中絶が半分以下になっている。こういうのはこのラジオ番組のせいかどうかわからないですけれども、僕は効果があったのかなというふうに思っているわけです。
ここに至るまでの街角で私が聞いた話は本当に怖い話ばかりで、そんなのうそだろう、それは東京だけの話だろうと言われることがあるんですけれども、実は東京は、中絶も少なくて、性感染症も少なくて、そういう
意味の性の被害者が非常に少ないエリアなんです。東京だから多いんだろうと言われる。違う、東京は少ないんですよ、全国的に言うと。
では、何で東京は少ないんですか。それは、健全な遊び場が東京は多いんですね。健全な、ディズニーランドもある、シーもある、それから後楽園もある。いろいろなところがあって、健全に子供たちが遊べる遊び場があるというところで、健全に遊んで、バイバイというのができるところではあるわけですね。東京の方が少ない、そういう
意味では。それが現実なんです。
その中でも、私は、街角に出ていろいろな
お話をする中でこれは怖いと思ったのは、今、ナンパというのは御存じかどうか、トライをする、デートの約束をするような、ナンパというのがあるんですけれども、これは昔、男性が女性に声をかけていましたよね。今、逆ナンといって、逆ナンパ、女性がイケメンを見つけたら追いかけていってアドレスを交換しようと言うのが逆ナンというものですよ。これは、本当に今の女性はそういう性行動が非常に強くなってきて、現実に、もう高校生のレベルでは、女子高校生の方が性の体験は男性を上回っているというのが現実ですね。これは
皆さんよく御存じのとおりです。
そんな中で、多分、こういう今の状態だと、子供たちの性感染症はひどいことになっているんじゃないかと思って、六本木の産婦人科、港区の産婦人科ですけれども、女医さんも含めて九人に
協力してもらって、水曜日と木曜日の夜、徘回している子供たち、平均十八・何歳ですけれども、その
人たちに無料券を、性感染症の無料券、これはどこへ行ってもいいよ、いつ行ってもいいんだよ、無料だよというので、エイズ、梅毒、淋病、クラミジアとか、無料でやったんです。無料で調べて、受けてくれた人が二百五十人ぐらいいました。受けてくれた。
その中の何と八九・六%が何かしらの性病を持っているという、私はそれでショックを受けたんです。これはいかぬ、ここまでひどいことになっているのなら、これはちょっとやはり対策を立てないかぬなと思って、私は、ガールズガード運動、女の子を守ろうという運動をそこから始めたんですね。これは一九九九年の四月一日、そこから始めたんです。
これが、いろいろな本も発行しましたし、ラジオ番組もやりました。いろいろなことを、いろいろなところに行って講演もしました。そういうことをずっとやってきた中でやはり感じたことは、子供たちが、家庭の中が問題なんですけれども、義務教育を全うしていない。
うちに来る中学生で、制服のまま来て、それで性病検査に来る、保険はもちろんないわけで。君ね、性病検査といったって、性病検査はお金がかかるよ、三万ぐらいかかるよ。お金はありますということですよ。お金はあります。
その子は、お母さんが英語の先生で、自分は起きないので、お母さんは仕方なく学校へ行っちゃった後に、制服を着て渋谷に行って援交、援助交際というのをやっているわけです。
この援助交際というのも、だんだん下の方の、情報が伝わって、小学校まで援助交際というのは実際あるわけで、小学生で淋病になって来る子というのも結構いるわけなんです。小学生が性病というのは、こんなのはないと思うでしょうけれども、現実に私のところのカルテを見ていればあるわけで、こういうのを大人が知らない。
しかし、これは子供たちの責任ではないので、やはり大人の我々の責任であるというところを自覚しなきゃいけない問題なんです。
そういうふうに、今、子供たちの性が低年齢化してきた。これについて、現実は本当にすごいことになっていて、学校の中では、援助交際なんていう、大人が子供をある程度お金を出してということが、中学生同士、高校生同士で援交ごっこというのをやっているわけです、三千円とかですね。中学校は千円ぐらい出して、援交ごっこというのをやっている。
社会の中のいろいろなメディアも悪いんですけれども、「十四才の母」なんていう大ヒットしたテレビ番組があったんですね。「十四才の母」、これはよくできていました、ストーリーが。塾に行って、塾に行っているということで、ちょっと遊んでいて、女の子とたまたま川に入っちゃって、ぬれたから乾かそうと思って小屋に入ったら、そういう
関係になっちゃったということ。僕たちこれでいいの、いいのと言いながらしちゃっているんですけれども。
それから「コドモのコドモ」という、これは小学生同士が、くっつけっこというのがはやった時期があるんですよ。くっつけっこをやったときに、やはりできちゃった。
今言ったとおり、
日本では合法ですよ、十四歳のセックスは。ところが、
外国、八十九カ国は、十四歳の性行為はレイプ事件ですよ。ましてや小学生は。しかし、
日本ではそれは認められていて、こういうメディアの番組の悪いのは、そういう、子供たちが性行為をして、結末はみんなハッピーエンドです。最初は親は反対していた、ずっと。おろしなさい。病院まで行った。だけれども、子供は逃げて帰ってきて、嫌だ、産みたい。親も反対していたけれども、産んだ。その後は、おじいちゃんもおばあちゃんも子供を愛してくれて、ハッピーエンド。
僕は、こういう余り好ましくない行為自体がハッピーエンドで終わっているというのは、子供たちに対する
影響も余りよくない。
影響がよくないというか、子供を大切にという
意味ではいいのかもわかりませんが、しかし、準備も何もない出産というのは、後ほど必ず子供の
貧困とか虐待につながることであって、準備をしてから出産というのでなければ、これはやはりまずいというふうに私は思っているわけなんです。
それで、肝心の、
日本はどうして性の同意年齢が十三歳に置いておかれたんだろうという、ちょっとストーリーを
お話しします。
これは、かつて検討された時期があったんですね。検討された時期が、
昭和四十七年三月の法制
審議会刑事法特別部会で検討されて、この十三歳を、改正刑法草案というところで、十四歳にしたらどうだという、この検討がなされたわけです。
しかも、今回、お国の例の
審議会、
審議会というか検討会、性犯罪の罰則に関する検討会、これは取りまとめが二十七年の八月に出ているんです。取りまとめに確かにそういう両論併記はされているけれども、結果はどうなったのかというと、これは何の法律にも反映されなかった。つまり、ほっとかれているわけです。
だから、ここのところ、やはり、私が
指摘したところは、
昭和四十七年にもちょっと
指摘されているんですね。この
審議会でも、十三歳のままではまずいという意見がかなり出てきている。それなのに
皆さんは、誰が担当かわからないですけれども、行政の方も、これをほっておいたとは言いませんが、今後、どういうふうにこれを持っていく予定なのか、その辺の今後の取り扱い、ただ
審議しただけなのか、どこかに何かもう一回特別部会をつくって
審議をしてくれるのか、その辺のお考えをちょっとお聞かせください。