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宮崎(政)
分科員 ありがとうございます。
昨年来進めていただいている、調査費もつけていただいておりまして、市長選挙も終わりましたので、スピーディーに進めていきたい、市民の皆さんの要望の非常に強い部分でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、住宅防音事業についてお尋ねをしたいと思います。
これまでもさまざま、住宅防音については、こういった
予算委員会分科会の場であったり、また防衛省にお邪魔をさせていただいたり、また地元も非常に尽力をしていただいておりますので、大会を開いたり、また
沖縄防衛局の皆さんも一生懸命仕事をしていただいていることを私も十分承知しているところでありまして、こういった取り組みには地元として感謝をしているものでございます。
その上で、まだ足りない部分もございまして、今回は、どうしても、一つこれは何としてもお願いをしたいという点を質疑で上げさせていただきたいと思っています。
それは、うるささ指数の七十五W区域の防音建具復旧工事をぜひ認めていただきたいという点であります。
まず、この防音建具の復旧工事に関しましては、
沖縄県以外の施設を対象とする区域では、全てではないわけでありますけれども、七十五Wの区域も一部対象となって、希望届が受け付けられるような状況になっております。
沖縄県においては、普天間、嘉手納というこの二つの施設では、七十五Wは建具復旧は全く対象になっていないという実情があります。厚木は昭和五十九年までに防音工事が完了した住宅、そして、浜松、岐阜は昭和六十年度までの住宅防音工事が完了した住宅が対象になっております。
嘉手納基地、普天間飛行場との関係では、
平成二十三年度に八十W以上に対象を拡大していただいております。これは、騒音の大きい地域を先行させるという考え方で住宅防音事業が建具復旧に関して進められているものでありまして、私も、これは一概に悪いというふうに思っているわけではございません。限られた予算をどう執行していくのか、その中で、基地周辺住民、我々県民から、さまざまな負担もあるわけですけれども、理解を得ていくのかというようなことでありますので、言ってみれば、優先順位のつけ方に数学や物理のような正解というようなものがあるわけではないというふうに思ってはおります。
私も、ですから、これまでの取り組みが一概におかしいんだと言って非難をしているわけではないという前提で、これから質問させていただきたいわけであります。
ただ、限られた予算の中でどうこれを執行していくのかということを考えたときに、制度であるとか決まりであるとか、こういうのはあくまでも手段であって、絶対視する存在ではないということも、また反面事実なわけであります。
そうしますと、七十五Wの地域で防音工事をして、何年たっても建具復旧工事の受け付けをしない、できないということで、これで、見過ごすことができないような事態が生じているということなのであれば、それはそれとして認めた上で、制度を見直していくことによって対処するというのも、また一つあり方としては当然あっていいわけであります。
こういった不断に対応する姿勢で基地をめぐる課題に対処するというのが、基地負担に対して真摯に向き合っているということだと私は信じているわけであります。
きょう、
委員長の御了解をいただきまして、写真を撮った資料を配付させていただいておりますので、この資料をごらんいただければと思っております。これは、
沖縄県北谷町吉原という場所がございますけれども、この吉原の地域で住宅防音を施した住宅の写真であります。七十代の御夫婦がお暮らしになっている、
沖縄に普通にある住宅であります。
この家で防音工事を施したのは
平成の初期のことでありまして、既に三十年近く経過をしております。
沖縄の暑い夏の太陽のもとで幾度となく夏を経た。そしてまた、年に数回襲来する、本土とは違う、まだまだ亜熱帯でありますので、生きのいい台風にも耐えてきた。そして、今の冬の季節ですと風が強いんですけれども、海からの塩分を含んだ強い風にも耐えてきた。そんな住宅でありまして、当然、経年劣化しているわけであります。
左の上の写真を見ていただきますと、これは足元を写しているんですけれども、ドアが閉まらないんです、玄関のドアが。そのまま見ていただきますと、下の方にちょっと明るくなっている部分が見えると思いますけれども、これは、ドアが閉まらない状況になっていて、すき間ができちゃっているわけです。
右の上の写真は、これは上の方を写しているんですけれども、サッシ窓が劣化をして開閉に支障が生じてしまって、これもまた完全に閉まらないような状況になっちゃっている窓であります。
下の二枚の写真は、防音サッシと障子が見えると思うんですけれども、この部分がもう変形しちゃっていて、ハンドルが癒着しちゃっていて、実はもう開かない、開閉不能になっちゃっているというのが下の二枚の写真であります。
では、上のような、閉まらないのに台風が来ちゃったらどうするんだ、大きな台風が来たら。これは実は、おじいちゃん、おばあちゃんと言うとちょっとまだ失礼なぐらいの元気な御夫婦が住んでいらっしゃるんですけれども、御近所の人に
協力してもらって、ガムテープを張ったりとか、すき間のところにちょっと板を挟んで、それでその上にガムテープを張ったりとか、こんなことをして台風に備えています。
そのまま台風が来ちゃうと、すき間があると、雨風が入ってくるだけじゃなくて、その振動や風圧でガラスが破れたりする可能性があるものですから、そういったことも毎年幾度となくやらないと過ごしていけないような住宅環境になっているというのが実際であります。
七十五W地域で、こういった住宅はほかにも複数ございます。そこには当然、この家と同じで、人が住んでいるんですね。全て県民が住んでいるわけです。もちろん、私の地元でありますし、自分の選挙区であります。
せめて、七十五Wの区域について、
沖縄県以外の防衛施設で行われているのと同様に扱ってもらえないかというのが、きょうの質疑での希望であります。
例えばですけれども、昭和六十年度までに防音工事を完了した住宅というのは、もはや三十年以上経過をしているわけであります。実は北谷町に限らないんですけれども、私はこういった状況をやはり救ってもらいたいと思っております。
大臣、もう十分御承知だと思いますけれども、
沖縄に限らないですけれども、
沖縄は過重な基地負担があります、
沖縄の基地周辺で長いこと暮らしている県民の皆さんの理解があって、初めて私たちの国の安全保障は保つことができるわけであります。
大臣からも、これまで幾度となく、
沖縄の県民であるとか基地負担の軽減に努めるというお言葉をいただいておりますし、また、そのお言葉に沿う職務をしていただいていることも十分承知をしております。
きょうは、防音工事、今までもさまざま質問をさせていただいておりますけれども、もうきょうはこの一点だけに限っての質問であります。この問題は、実は予算も関連するということで、非常に難しい問題であることは重々承知をしているんです。でも、きょうは、この七十五W区域の防音建具復旧工事を認める、これをやるということを、ぜひ稲田
大臣からその御決断をいただきたいと思って、質疑に上げさせていただきました。
大臣の御所見をいただきたいと思います。