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伊藤(渉)
委員 ありがとうございました。
大変いい
情報もいただきましたし、制度の実現に向けて、共済はできているということは、今
大臣がおっしゃっていただいた課題を乗り越えれば、その他の健康保険でもできるはずですので、しっかり私も応援したいと思いますので、前向きに御検討をお願いしたいと思います。
あっという間に時間が過ぎていきますので、通告の順番を変えて、これも
現場の大事な声なものですから、建設業に
関係しての御質問をちょっとさせていただきたいと思います。
この三月十一日で東
日本大震災から丸六年となります。また、これまで、熊本の地震、鬼怒川の水害、またこの
予算委員会でも既に取り上げられております強風による新潟の大火災など、防災、減災の取り組みというのは継続して持続的に行っていかなければならないと思っております。
私たちは、政権を奪還して直ちに、防災・減災等に資する国土強靱化
基本法というのを立法いたしまして、これは今の民進党さんにも賛同いただいて成立をしております。ハード、ソフト両面から取り組みを開始し、これも持続的に行っております。
また一方で、ハード面の防災、減災の取り組みをしっかり支えていただくのが建設業界でございまして、ここも、人口が減少をしていく中、担い手不足が大変心配をされておりますので、
労働環境を
改善していくということも、建設業の生産性の向上という点からも極めて重要だと思います。
ちょっと
資料をぺらぺらめくっていただいて、A4横で十三と書いた、建設投資、許可業者数及び就業者数の推移というグラフ、これは
皆さんよくごらんいただいている
資料だと思いますので、少し見ながら簡単に
状況を概括したいと思います。
建設の投資額は、ピーク、
平成四年、約八十四兆円、これが
平成二十二年で四十一兆まで落ち込みました。その後、増加に少々転じまして、現在、昨年度、
平成二十八年度は約五十二兆円となる見通しです。
建設業の就業者数、これは
平成二十七年、平均で約五百万人。ピーク時の
平成九年から見ますと、六百八十五万人ですから、二七%減になっています。一方で、直近の昨年の十二月、建設
技術者の有効求人倍率五・二四倍、建設技能者の有効求人倍率三・八四倍ですから、すさまじい人手不足の状態が続いていると言わざるを得ないというふうに思います。
防災、減災ということを安定的に進めていくためにもこうした
状況を
改善していかなきゃいけないと思って、ずっと取り組みを我々自公政権は進めております。
まず
一つ取り組んだのが、価格の適正化です。
建設工事の価格が暴落、私も、もともと家業がペンキ屋で、建設業界、発注者の
立場で仕事をしてきましたので、この約二十年間での価格の落ち方というのはすさまじいものがありました。よく業界の人としゃべるのは、それでも業界の人も自主
努力でやってきちゃったものだから、できるんだろうと言われて価格が落ちてきたというのが実情ですけれども、実態は大変厳しいものがございました。
そういう実情を踏まえて、まず価格の適正化。これは、そのページの裏、十四ページにこれまで取り組んできた法体系をちょっと簡単に示しておりますけれども、品確法、公共工事の品質
確保法という
法律を変えて、それを受けて、入札契約法、建設業法、こういったものを
改正いたしまして、まず価格の適正化ということに取り組んできました。その中には、入札方法においては、
技術提案方式など多様な入札制度を採用するということ、またそういったことをずっと、
基礎自治体が発注する工事にもこれは国交省もリーダーシップをとって取り組んできていただきました。
また、昨年末の
臨時国会では、この価格の適正化という
流れを民間工事にも波及させていくために、これは議員立法で、建設工事従事者の安全及び健康
確保法という
法律を成立させました。これも超党派で成立をさせてきました。
もう
一つ、価格を適正化して工事量の安定ということも、これは一貫して前太田
国土交通大臣そして現在の石井
大臣にも御主張をいただきまして、先ほどの棒グラフを見ていただくとわかるとおり、工事量が安定をするように、そして着実に防災、減災等の取り組みができるように、こういう取り組みを行ってきました。
また、その上でさらに、量と価格を安定させて、そこで働く方々の待遇の
改善ということに取り組んできたわけです。これが、長らくの懸案であった
社会保険の加入ということです。
平成二十九年度、来年度が、この
社会保険加入への取り組みのいわば実質的な最終年度になるものですから、今回この問題を取り上げさせていただきました。
平成二十八年七月二十八日付で、
社会保険の加入に関する下請
指導ガイドラインの改定というものが発出をされています。その中で、「適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り
現場入場を認めないとの取扱いとすべきである。」こうしておりまして、現に、建設
現場でもこのガイドラインに従って保険加入への取り組みが進められています。
これは、いろいろな声が届いてきます。元請の会社さんが、そこに出てくる下請さんの会社の方が保険に加入しているかどうかを調べていますから。つまり、入っていないともうそういう仕事につけない状態にしている。これは一方で正しいです。
社会保険の加入を進める上で、だから入れよという意味で、一方では正しいんです。
だけれども、課題が出てきています。それは、保険が掛けられないような経営状態の建設会社、いっぱいあります、及びその社員。これは、中小企業とか小規模事業者が多いので、こうした会社は、現実問題として、保険が掛けられるような、今みたいな立派な工事ですよ、公共発注だったり、民間工事でも大きいような、いわば適正な価格で受注できるような仕事にはありつけなくなっている。そして、保険が掛けられなくても受注できる仕事を獲得するしかないと割り切って仕事をしています、割り切らないと食べていけませんから。
その結果、社員が
皆さん一人親方になっていたり、会社としては保険が掛けられなくても受けられる仕事を受けざるを得ない
状況になっている。つまり、業界が二極化しつつあるというのが私の現状認識なんです。
そこで、全体のその方向性、これは私は決して間違っていないと思いますから、その上で、さらにこうした
状況を
改善するためのもう一重の取り組みをお願いしたいというのがきょうの質問でございます。
私からの提案は、国交省が企業間のマッチングをサポートしてあげてほしいんです。
今申し上げたように、そういう小さな会社、今まで、適正な価格でできるような仕事にありつけない会社というのがありますから、当然のことながら、国交省が発注するような仕事は全然かかわれていません。自治体が発注するような仕事にもかかわれていないと言っても過言でないと思います。一方で、国交省が仕事を発注している、またその仕事を直接受注しているような大きな建設会社は、人手不足で苦しんでいます。片や人がいない、片や仕事がない、こういう状態なんですね。
だから、ここで質問ですけれども、この両者をマッチングしてさしあげれば、それぞれの企業にとっても、また保険の加入を進めるという政策目的の達成においてもプラスになると考えられます。だから、
現場の中部地方整備局などとぜひ連携をして、このマッチングということを前向きに検討していただきたいというのが
一つ。
また、その際に、今これももう既に国交省が進めようとしておられる、未加入の建設業許可者の見える化というのをやろうとしているんですね。これは多分、もともとの発想は、未加入の人を明らかにして、入るというインセンティブを高めようとしていると僕は見ていたんですけれども、それはそれで大事なんですが、あわせてそれもマッチングサイトとしても使ってほしいんです。
未加入の人がいて、そこの会社の人、その従業員、大きい建設会社の人が、うちは人が足りないからうちの仕事を一回やってみろ、やれるんだったら、これからうちの仕事を渡すから、それできちっと
社会保険に加入できるような体制を整えてくれ、こういうサイトとしても、今検討されている未加入建設業者の見える化サイトも
活用をいただきたい。
いずれにしても、二極化しているこの企業間を国交省主導でマッチングさせていただきたい、このことを
国土交通大臣にお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。