○松浪
委員 これ以上は申し上げませんけれども、国民の皆さんが今のやりとりを見ていたら、ああ、こんなことでテロに対して本当に、この
法律ができても実際に手段がないじゃないかと思わざるを得ない。サリンをまかれても通信傍受もできない、ハイジャックされても通信傍受もできない。しかも、別に行政傍受しろと言っているんじゃない、司法傍受ですよ。これは明らかに、
テロ等準備罪、穴があいているなと言われても仕方がないと思います。
私たちは、国民の皆さんには安心を持っていただきたい。だから、はっきり言って、通信傍受をむやみに拡大しろと言っているわけではありません。しかし、これは仮にも皆さん政府が、平成十年には、当然、自民党政権時代でありまして、そのころに、通信傍受というのは明らかにテロとして必要だと。最初に入れるのは大変だから、ちょっと次は見送ってしまったという内容でして、きょういらっしゃる自民党も公明党の皆さんも、連立政権としてそれは既にあったわけでありますので、これについては本当に。
いや、通信傍受というと国民の反応が怖いからと。国民の反応は怖いけれども、やはり、
テロ等準備罪というのであれば、実質的に
捜査機関にもしっかりと最低限の武器を与えないと、これは私は機能しないものであろうと思います。
あと、GPSの
捜査についても伺います。
これこそ、この
委員会の冒頭に一覧表にいたしました。我が国では任意
捜査で行われていたGPSについて、最高裁から大変厳しい結果が出ました。これも、実は、我々政治家がもっと先にGPSについて最低限の
法律をつくっておけば、私は、最高裁であそこまで厳しい判決が出ることはなかったなと思います。逆に、任意に甘えて、各国ではさまざまなルールづけをやっているのに、やはり甘えてしまったためのしっぺ返しを大きく受けたものだと私は個人的には思います。
ですから、この
捜査ができないのは本当に日本ぐらいという一種異常な状況になったし、警察庁の現場で話を伺いますと、やはりこれは二年ぐらい前から判決が、こちらの地裁ではいいよ、こっちはだめだよ、高裁に行っても判断が割れるよという状況が続いてきた。警察の皆さんも、こうした判決が続いてくると、これは証拠採用されるんだろうかということで、実際問題、このGPS
捜査は現場では激減をしているし、
捜査員の皆さんも
裁判で割れるようなものは使えないということですから、これは、遅かれ早かれグローバルスタンダードというか、我が国のスタンダードでもありました。
安心できる形で、はっきり言って、犯人に、GPS
捜査を今までそんなにやっていたんだなと国民に広く知られたことで力は半減しているし、令状が要るということで余計半減で、これは立法したとしても、今までの任意
捜査に比べたら、半々で、四分の一ぐらいの感覚かなと思いますけれども、それでもやはりやれることというのは、
捜査員も我々の税金で養っているわけでありますから、一日尾行されるために本人がこうやって動くのか。まあ、前近代的ですけれどもね。これだけ携帯電話が発達していろいろな連絡もできる中で、こうやって人間が追うというのもナンセンスな話だとは思いますけれども、それが我が国の今の司法の実態であります。
テロ
捜査において、GPSがなくなって
捜査に支障がないのかどうか。ドイツなんかだと、あの表にも書きましたけれども、一日だけであれば令状は要らないそうですね。二十四時間を超えて二日にわたってくると、これは
捜査員一人分を超えるからということで令状を請求する。私は、個人的にはこれぐらいの
法律を日本はつくっておくべきだったなと思いますけれども、しかし、あれだけ厳しいのが出ると、やはりアメリカのように令状は義務づけていけないのかなとも思いますけれども。
それはとにかくといたしまして、
捜査に関する支障は現場には全くないのかどうか、伺います。