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篠原(孝)
委員 今、いきなり勤めに出るという例を出しましたけれども、もっと簡単な例は、
農家レストランをするとか、六次産業化ですよ、そういうことをしていく。やはりみんな考えながらやっているんですよ。
農林水産省の政策は、いつも僕は誤解されるんですけれども、僕は、小さくてもやっていけるんだ、複合
経営がいいんだと、ずっとこれは一貫して主張してきましたし、そうやって本も書いたりしてきている。だからといって、大規模専業
農家がだめだ、要らないなんて言っているんじゃないんです。それはいいんです、それで。だからといって、兼業
農家や小さな
農家やいろいろなことを工夫してやっている複合
経営農家を捨ててやっていくようなやり方はしてはいけない、農政の
対象から外すという。取り込んでいかなくちゃいけないと思う。
収入保険で
農業だけと限定すると、また悪い方向に行くんです、兼業とかそんなのは。
兼業
農家の方、例えば、今、我々は
法案も出すことにしていますけれども、ソーラーシェアリング。
農地のところに無残に太陽光パネルが置いてあるんです。長野なんて平らなところがないのに、やっていないからといって、僕はあんなことは禁止すべきだと思います、平らなところは。山の傾斜の斜面だったらいいですけれども。
誰も考えるのは同じで、そうしたら、三メートルぐらい高くしておいて、その上にソーラーパネルでやったら、ソーラーシェアリングと。FIT
制度がある、兼業
収入が多い、それで考えてやるんだったら、それはそれで一つのやり方なんです。ほかから
収入を得て、そして
農業をバックアップする。しばらく、FIT
制度のある間は、うまくいけば、初期投資は千五百万とか二千万になるかもしれませんけれども、それが十年で済んで、あと十年は相当、兼業
収入、ソーラーシェアリングの売電でもつだろうと思いますよ。
だけれども、そういうのを余り考えていない。日本は、兼業
収入というのは
農業以外の
収入というのがあって、それが
経営に組み込まれているんですよ。だから、どうなってくるかというと、矛盾しているんですよ。
手前みそになりますけれども、これを議論していくと、やはり日本に向いているのは、個別
品目ごとの、でかい
品目ごとについて戸別所得
補償、
品目ごとの戸別所得
補償が私は一番向いているんじゃないかと思うんです。
どうしてかというと、
農林水産省自体が二〇〇七年にこれを
導入したはずです、
収入減少影響緩和
対策、それからもう一つの岩盤の。ちゃんと全体を底上げしなくちゃならないと。今問題になっているのは何かというと、
自然災害で、あるいは需給変動で価格が下がった、それを助けるというんじゃないんですよ。そもそも、根本的に農産物価格が低過ぎる、それを高くして
農家の所得を向上させなくちゃということを言っているんです。
そういう観点からしたら、岩盤規制にドリルで穴をあけてとか総理は盛んに言っておりますけれども、岩盤規制じゃないです、岩盤をきちんとつくってやることが
農林水産省に求められていることなんです。農産物価格が低過ぎるんです。それじゃやっていけないから、だから、全体を底上げする
農業者戸別所得
補償が一番なんです。
理由は、
環境であれ、地方でやりにくいという理由、いろいろあるでしょうから、何を評価するか。ほかの国はそれを大々的に認めているんです。それをまた、産業だけの、
農業収入だけのというふうに戻っちゃっているんです。だから、手厚くじゃなくて、そっちをまた捨てて、そして専業だけに戻っている、ここに僕は非常によくないにおいを感じるんです。
この点についてどう思われますか。私は、
農業者戸別所得
補償が一番簡単だと思うんです。
この表を見てください。A4の表。これは夜中の三時半までかかったんですけれども、何でこれをしたかというと、僕はちょっとほかの会合があって、党内の会合はほとんど、ひな壇の方と同等以上ぐらいに欠席せずに出ているんですが、「
収入保険制度の
メリットについて」というので、ぱあっと見ていったら、白菜二ヘクタール、スイカ一ヘクタールとか、だあっと書いてあって、
収入保険と赤くあって、緑が
現行制度、どれを見ても
収入保険が一番いい
制度で、断トツでいい
制度だと。いや、本当なのかなと。
聞きましたら、いやいや、実態を調査して、そういう
農家を見たと。この一番最初にあるのは、基準
収入が二千三十二万で、当年
収入が千六百二十六万で、
補填金が百八十三万だ。二千万円の人がいるかなと。
次は、伊予カン、中晩カン、レモン、温州ミカン、かんきつの専業
農家ですけれども、基準
収入が七百二万で、
補填金が六十三万で、ほかの
農業共済とかいろいろなものではみんなゼロ円だ、
収入保険だと六十三万円もらえる。
次に、米の複合
経営で、水稲九ヘクタール、白菜一・五ヘクタール。これは、
収入保険だと百九十五万もらえて、
農業共済で十万円、それで、
収入減少緩和
対策とで百十九万円とか。どっちにしろ
収入保険が圧倒的に有利だと。みんなそういう資料になっているんですね。
本当かなと思って、見たんです。そうすると、仮定の話があって、いっぱい、わからないので、難しいんですけれども、ちょっと見ていただきたいんです。米五ヘクタール、これで、いいですか、全て平年とか、九割以上だったら、共済も、ナラシと書いてありますが、これも
収入保険も何も出ないんです。何もないとして、戸別所得
補償が、十アール当たり一万五千円ですから、七十五万円です。底上げ、これなんです。
収穫減があっても、減ったって七十五万で面倒を見れてというので、
保険や何かでは、三割減になったら
収入保険が有利だというのがあるんですね。
それから、レタスはどうかというと、まず、レタスが
対象になっていないわけじゃなくて、水田につくっていたりしたら出るんですが、畑地につくったということでやってみました。野菜価格安定
制度とほとんど変わらないんですね、三割減までは。五割減になったら
収入保険の方が有利だと。
それから、リンゴ、果樹だと、
果樹共済はそんなにぴしっとしていませんので、
収入保険が有利だと。
今度は、問題の複合
経営です。こういうふうになっていくと、どこが一番有利か。これは水田にとしました。畑地じゃなくて、水田に米三ヘクタール。僕らのところもそうなんですけれども、田んぼだけでやっていてももうからないから、リンゴあるいはブドウがあるんですね、シャインマスカットが物すごく売れているので、シャインマスカットでもいいんですけれども、リンゴにしました。レタスというふうにして、これが全て平年だったと。計算式が書いてありますけれども、これだと八十万円なんですね。二割減になってくると、そうすると
収入保険が一番有利だ、百五十一万円。確かに
収入保険が有利になっているんですけれども、
保険金を掛けたりしなくちゃならないので。
農業者戸別所得
補償は
農家は何も
補填していませんからね。
こうやって見ていくと、複合
経営になんかなっていったりしてややこしくなると、次に、水田に米三ヘクタール、大豆二ヘクタール、僕は水田にとやっていますからなおさらなんですが、二毛作とかになっていくとわかると思いますが、一番右側の
農業者戸別所得
補償で岩盤を高くしておいてくれれば、
収入が相当減ってもやっていけるんです。だから、これが単純明快で一番いいというような気がするんですよ、
青色申告なんということも要らないし。単純明快なんです。
それで、どうしてこれが有利かというと、麦と大豆をふやそうと思ったら、それを三万にすればいいんです、四万にすればいいんです。それで
農家が
選択して、北陸とか東北の日本海側は米ぐらいしかできない、麦なんかつくれない、だけれども、逆に、佐賀県などは、かつて県間調整が行われたときには、新潟県の転作分も請け負って、小麦と大豆の二毛作でやっていたはずですよ。そうやって
選択していく。それを誘導できるんです。そして、
農業者戸別所得
補償でどっちの方が有利かということで、
自分の気候、
自分の
農地と比べて
選択できる、非常に単純明快な
選択ができる。
これは、野菜価格安定
制度と、
収入保険と、共済と、
収入減少緩和
対策とか、もうあっちゃこっちゃあるのを見て、どっちを選ぶかなんて
農家はできないですよ。そういうことが余り得意じゃないから、おてんとうさまと一緒にやる
農業をやろうといってやっている人もいるんです。それで働いていこうとしているのに、そんな難しいことをさせるべきじゃないと私は思いますね。よく考えていただきたいと思います。このことを絶対頭に入れておいていただきたいと思います。
制度は単純明快を旨とすべしです。税制なんかのときはいつもそうなるんですけれどもね。ということをよく頭に入れていただきたいと思います。
次、政務の皆さんに御
質問したいと思います。
裏側の資料を見ていただきたい。裏側の資料を見ながら聞いていただきたいと思います。
法案が八本出ました。
大臣、正直にお答えください。本当に、僕は、この
農業災害補償法の一部を改正する法律は、紛れもない
農林水産省提出の
法案だと思います。結論を先に言ってしまえば、
土地改良法もそうでしょう。農林物資の規格化に関する法律、これもそうだと思います。
しかし、
農業競争力強化支援法なんというのは支離滅裂で、なってないです。そして、言いました、
農業機械化促進法と主要農作物種子法、これも、
農業機械化促進法は役割を終えたからと、主要農作物種子法こそ、本当に真剣に考えて、これから種子を日本できちんとつくっていかなければいけないと考えなくちゃいけないというのを、
農林水産省できちんと検討せずに、知りませんよ、そういうことを
農林水産省のお役人の皆さんは言っていません、官邸の最高幹部だとか総理の意向だとかいうのじゃないですけれども、規制改革
推進会議の意向を酌んでの法律だと思うんですけれども、その点は
大臣、どのようにお考えですか。どういうふうに感じておられますでしょうか。