○岸本
委員 おはようございます。民進党の岸本周平でございます。
きょうは十五分間ですけれ
ども、
質問をさせていただきたいと思います。
きょう、この後、
岡本委員からも
質問をさせていただくわけですが、東北農政局の職員OBらによる談合の疑いのある
事案が発生をしております。
農林水産省の内部でも
調査委員会を立ち上げていただいて、しっかりとガバナンスをきかせた
調査をしていただいているというふうに伺っております。
一方で、文部科学省の方では現役の官僚が絡んで天下りの問題も取り沙汰をされておりまして、ある
意味、いっときは霞が関の
皆さんも襟を正されて、天下りであるとか、あるいは談合であるとか、そういうことの事件は鳴りを潜めていたわけでありますけれ
ども、何といいますか、そこにおごりがあるのか緩みがあるのか、よくわかりませんけれ
ども、幾つかの
事案が偶発的とはいえ重なってきているわけであります。
私も官僚のOBとして、ぜひそこは
農林水産省みずから襟を正していただいて、自浄作用をぜひとも発揮していただきたい。これは、ある
意味、
農林水産省の側に立ってずっとお願いをしてきております。今、
農林水産省がみずから自浄作用を発揮されることが国民の
皆さんからの信頼をかち得る何よりの方策ではないかと思っております。
しかしながら、この間の国会での審議の
状況、
大臣の御答弁、さらには、私
ども、
農林水産省の事務方といろいろとやりとりをさせていただく中で、残念ながら、不誠実な対応をしばし見受けることがございまして、ぜひともここは、与党、野党、
関係ありません。我々は立法府、ハウスとして、やはり行政に対して監視をする立場であります。それに対して行政の側としては、みずから積極的に自浄作用を発揮していただいて、今現在都合が悪いかもしれないけれ
ども、そのことを克服していただく中で、何とか国民の信頼を回復していただきたいと思っております。
その
意味で、実は
理事会協議になりました案件が幾つかあるんですけれ
ども、
一つだけ整理をさせていただきたいと思いまして、きょう
質問をいたします。
これは五月九日付の
農林水産省の、
理事会協議に提出していただいたペーパーであります。
これは
岡本委員が
質問をさせていただきましたけれ
ども、
近畿農政局の職員OBの会があります。丹後会といいます。丹後地方を中心とする、土地改良に
関係した職員OBの
皆さんの会だというふうに伺っておりますけれ
ども、この丹後会といういわゆるOBの会に対して、歴代
近畿農政局の農地
整備課長が総会などに来賓として
出席をされている。これらは、インターネット等でもその事実が明白にオープンになっているわけでありますので、事実であろうと思います。
このことに関して
岡本委員から、休日に開かれた丹後会の総会に
出席をした
近畿農政局農地
整備課長の行動が公務なのか私用なのか、そこに公私混同はなかったのか、こういう
質問が行われ、明快なお答えを
委員会でいただけなかったものですから、文書で
理事会に提出をいただいたものであります。
この文書も二転三転しまして、最初は木で鼻をくくるような文書であったんですけれ
ども、宮腰筆頭、さらには
北村委員長の御指示もあって、ある程度、事実
関係も詳細に書いていただきました。
この中で、その農地
整備課長の行動がどうなのかということについての事実
確認をしていただきました。
農林水産省の言い分としましては、休日であった、それから、公私の別でいえば私用である、公用車は使っておりませんということで、案内状もない、先輩から電話で頼まれたということで、当然、局内の決裁も行っておりませんし、同行する職員もいないということでありまして、全くの私用であるということで文書をいただいております。
一方で、丹後会通信の記事を見ますと、まず、
平成二十八
年度丹後会の総会は、来賓としてお迎えした、二人来賓がおられまして、丹後の土地改良地区の
理事長さん、そして
近畿農政局の農地
整備課長さん、お二人が来賓として御挨拶をいただきましたということであります。
そして、土地改良区の
理事長さんの御挨拶では、今回行われる参議院選挙の比例代表に立候補されています進藤金日子氏を、私たち改良区といたしましても、
理事を初め地権者、営農者を含め一生懸命応援に取り組んでいるところでございますということを御挨拶され、過日も
理事が手分けをしてポスターを張ったり看板をつけたり、ポスターも丹後市の最も目につきやすい場所に張り、
支援の輪を広げているところであります、私たちも一生懸命取り組んでいきたいと思いますという御挨拶をされています。土地改良区の目的が、
一つの政党の、参議院の比例の候補を応援することにあるのかと見まがうような御挨拶をまず来賓としてされました。
その後を受けて、
近畿農政局の農地
整備課長が来賓として御挨拶をされています。
その中で、この
整備課長さんは明白に、「
近畿農政局としましても、これまで
農業基盤
整備促進事業等で
支援を行ってまいりましたが、今後も
現場の声を踏まえながら各種補助事業で
支援して参りたい」と言い切っておられます。
私用であります。大学の先輩に頼まれて、中年のおっちゃんが、単に先輩の縁故で、個人として、私用として行っておりながら、
近畿農政局を代表して、補助事業の
予算をしっかりつけますということを明言なさる。これは明らかに、国家公務員倫理法第三条第二項、「職員は、常に公私の別を明らかにし、」という条文を読んだときに、明らかに公私混同であるということを、これは常識的にそのように感じざるを得ないわけであります。これは恐らく、国民の
皆さんお一人お一人に聞いたときに、これをもって公私混同と言わないという感覚は多分ないと私は思います。
これに対して、
農林水産省からは、形式的なへ理屈の論理は当初から官僚の
皆さんから聞かされまして、メモをとれということでメモを最初はとらせていただきましたけれ
ども。これは
大臣、幾ら何でも国民の常識と少し違う。
私も霞が関におりましたので、先輩と後輩、現職の
関係、あるいは、時代も変わりますので、その時々の役所や役所のOBをめぐる国民の感覚あるいはマスコミの取り扱い、それぞれ違ってきています。それは、だんだんだんだん厳しくなってきているんだろうと思います、肌感覚で。
私も霞が関に二十三年間身を置きましたけれ
ども、昭和五十五年に入省して以来、毎年毎年官僚に対する目が厳しくなり、OBに対する目が厳しくなる中で、これは個人ででしたら呼ばれないですよ、たとえOBの会といえ
ども。私も現職の課長時代、税務署長の時代、OBの会によく呼ばれました。個人では呼ばれません。それは肩書で呼ばれるんです。肩書で呼ばれるから肩書で挨拶するんです。まさにこの
整備課長は肩書で挨拶しているじゃないですか。
整備課長として来賓で
近畿農政局を代表して、
予算をつけると言っているじゃないですか。これは明らかに公私混同であります。このようなことをやっているから、国民の目が大変厳しくなる。
東北農政局の談合事件は、これは
調査を見なければわかりません。疑わしきは罰せずであります。私たちは、そんなことはないと信じたい。しかし、このような問題、さらには、この後、
岡本委員が御
質問されますけれ
ども、NPO法人美しい田園21、五百人の農政局OBだけのNPO法人があって、そういうことが国民の目から見たときにどうなんだろうということでありますので、これは本当に残念なことであります。
大臣の御
所見をお
伺いしたいと存じます。