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篠原(孝)
委員 内発型法案提出というお答えでしたけれども、この前に
質問させていただいた
農業競争力強化支援法案はそんな雰囲気が全然なかったですけれども、まあ、そういうことでしたらそれでいいかと思います。
それでは、ちょっと時間がかかったんですが、実はこれは、A3の紙を見ていただきたいんですが、きのうの
地域未来投資促進法の
審議でも一時間ほどいただきまして
質問したのを、ちょっと
農林水産委員会用に修正して提出させていただいているものです。これをよく見ていただきたいと思います。私、
大臣官房企画室企画官というのを三年ほどやったことがあるんですが、それになったつもりでつくってみました。結構時間がかかっているんですよね。
大臣が今お答えになったこと、こういう理由で
改正する必要があるんだ、それはみんな手にとるようにわかりますよ、必要ですよ。
地方と都市の格差は拡大するばっかしなんです。ずっとやってきているんですよ。それが成功しているかどうかというのを、いつからかというのですけれども、一九六〇年、今「ひよっこ」というテレビ番組をやっていますけれども、あれは同じ世代で、私なんか共感を覚えて見ているんですけれども、農村から都会に出てというものですね、そのころですよ。
それが今、二〇一五年と一九六〇年、比べてみていただきたいんですが、
人口集中はよくないと、東京、三
大都市圏とか、それを是正するんだということでさまざまな政策が打ち出されてきました。この農村
工業導入法も一九七一年、この網かけの、このころなんですね。では、成功しているかどうかというのを、
人口とそれから県民所得でちょっと分析してみました。
人口の点では全くだめですね。五十五年前と比べて、全国で一・三倍になっている。三
大都市圏が一・八。それでも、東京はもう満杯なので東京圏に行っている。四つ、東京都と三県、何で選び出したのかおわかりだと思います。
大臣の御地元の高知県は〇・九と減ってしまっているんですね。千葉県は高度経済成長をまともに体現してきた県だと思います。千葉県は二百三十一万人で、一九六〇年のところを見ていただきたいんですが、
人口では長野県とそう大して変わらない県だったんです。三十万人ぐらいしか違わないのに、今や六百二十二万人、二・七倍にふえている。長野県などは途中ふえて今は減っている、減り始めた。去年もおととしも同じぐらいなんですけれども、二千六百九十人とか二千六百とか、大体二、三千人ずつ
人口が減っています。これがずっと続いていくはずなんです。
では、今度、一人当たりの県民所得を見ていただきたいんですけれども、上位三県と下位三県。東京が一番なのはずっと同じです。愛知県など、愛知県、静岡県、太平洋ベルト地帯は調子がいい、神奈川県とか滋賀県とかですね。上位は定着しています。下位三県も、南九州や山陰で下位に定着してしまっているんですね。ただ、下位三県の方が、五十五年前と比べると、一番右端ですけれども、倍率でいうとちょっとはましになっている。だから、下の最下位と一位との差、一九六〇年は二・八だったのに、今は二・一に減っている。県民所得の点ではまともになってきていると思います。
この裏側をちょっと見ていただきたいんです。これはきのう提出したものですけれども、いろいろやってきたんですよ、努力はしてきたんです。ですけれども、もうこの表の方を見ていただければわかると思いますけれども、惨たんたる結果ですね。先進国でこういうぶざまな政策をそのまま続けている国はありません。一極集中、国連の統計によると、東京メトロポリタンエリアというんです。ここが世界最大の集中地帯なんですね。集中が起こっているのはメキシコシティーとか、こっちは、言っては悪いんですが、
発展途上国の状況なんです。日本はまだ
発展途上国と同じ状況を平気で続けて、
政府はそれをとめられない、それを是正し切っていない。
経産省は同じようなことをやってきました。
まずは、新
産業都市建設というのがあって、この名前を覚えている方はもう本当に少なくなったと思いますけれども、これは私の高校のころですよ。下にありますけれども、松本諏訪地区が内陸でたった
一つ指定されたといって大喜びしていたんです。しかし、どういう結果を得たかというのは、ほとんど何も得られるものはなかったような気がします。このころ、三全総とかいうので、苫小牧東、一万ヘクタール
開発した。むつ小川原、五千ヘクタール。何もいかない。そして後者の方は、六ケ所村で核燃料サイクル、簡単に言うと押しつけられたみたいな、原子力船「むつ」の寄港地、そういうことしかできなかった。同じころ、
工業再配置法、農村
工業導入法というのをやってきたんです。その後、テクノポリス、頭脳立地と、ずっと来ている。経産省の堕落ですね。名前だけで関心を引こうと。
私は、
農林水産省は真面目だと思いますよ。農村
工業導入促進法と、漢字ばかり並ぶ、ダサい名前といえばダサい名前ですけれども、そのままずばりの名前をずっと使っている。経産省は、手をかえ品をかえ、歓心を買おうと、テクノポリス、頭脳立地、この次は足裏立地法というのができていくのかと思ったらそうじゃなかったですね。何を意味しているのかよくわからない。
そして、きのうの
法律は僕は反対したかったんですけれども、しようがない、反対と言って立ち上がりましたけれどもね、心の中でつぶやきながら。
地域未来投資促進法、未来なんて、こういうところへ入ってくるとぞっとするんです。思い出されませんか、原子力、明るい未来のエネルギー。こういうごまかしをし始めているわけです。口先だけですよ。
ただ、
農林水産省は真面目ですよ、農村
工業導入法を農村
産業導入法にするという。律儀で朴訥で、心がけは私は経産省よりはずっといいと思います。
どこが問題かというと、本当に情けなくなるんですけれども、さんざん
農地を荒らしておいて、全然それをちゃんと使おうとしていないんですよ。これが僕は許せないんですね。腹が立つんです。
質問をさせていただきたいと思いますけれども、農村
工業導入法のもと、資料で説明を受けましたけれども、九千社が進出したと。進出したといっても内発型ですね。その
地域に根を張った
産業が進出しているんです。
私の
選挙区でどういうところに農工
団地があるかというのを調べたら、四カ所、私の地元中の地元の中野市に高丘
団地というのがありました。隣の飯山市に三つほどあるんです。ネットで調べるとちゃんと出てくるんです。グーグルマップでやると上から見えるわけです。どこがあいているか、どこが埋まっているかというのはみんなわかるんです。今、便利になっていますよ。
見ますと、中野のところはあいていない。中野の方が南なんです。北の飯山市、三つもやっていますけれども、すかすかで、かわいそうに分譲中と書いてあるんです。どういう
企業が来ているかというのも書いていないんです。すかすかなんです。本当に悲しい限りです。
どれだけ行ってどういうふうになったのかわからないんですが、今、九千社で六十二万人雇用した、これは非常にいいことだと思います。この現状は一体どうなっているかというと、僕が興味を持つのは、そこから撤退してしまった
企業がいっぱいあるんじゃないか。どのぐらい撤退しているのかというのを数字を聞いたりしているんですが、わからないんですけれども、
農林水産省は把握しているんでしょうか。
僕はこれも
農林水産省は大したものだと思ったんです。経産省がでたらめなんですけれどもね。あいている
工場用地はどのぐらいあるかと。そうしたら、各県が、
市町村がやっているのでわかりませんという。
ところが、
農林水産省はちゃんとしっかりしていまして、今までどれだけ
開発したか、計画があったか、どれだけできたか。千四百三十三ヘクタールが遊休農工
団地だと数字をちゃんと把握しているんです。経産省はさっぱりそれを把握していない。そしてまたでたらめをしようとしている。
農地を食い物にしようとしている。私はこれはもう本当に許せないことだと思います。
農林水産省は、そこは立派なので、自分のところのエリアのはちゃんと把握されているはずですけれども、どんな感じになっておりますでしょうか。撤退というのはなかなか把握しにくいんですけれども、調査して数字を持っておられますでしょうか。