○重徳
委員 飼料についても輸入に八六%依存ということですから、これも安全保障上、大変重要な要素であるということが確認できました。
そして、もう一つ、きょう少し改めて取り上げたいと思っているのが種であります。
種子法の廃止、これはもう衆参を通ってしまって、来年の四月には廃止されるということが決まってしまいました。私はちょっと、決まってしまったものの、我が党は反対をいたしましたが、改めていろいろと調べてみたり、また、皆さん方、
地元の皆さんの声を聞きますと、この
法案の審議もあっという間でありましたし、安全保障という
意味では極めて重大な禍根を残すのではないかという思いを持って、改めて、きょうは
一般質疑の時間でありますから、これについて
大臣にお
伺いいたしたいと思っております。
そもそも、種は今、飼料とか肥料と違って、とりわけ種子法は米、麦、
大豆の話であります、その種は自国できちんと都道府県で
生産をし、
管理をし、供給をする、こういう体制になっているわけなんですけれ
ども、この都道府県の種の
生産の義務がなくなるわけですよね。そして、多くの関係者が懸念されているのは、民間企業、とりわけ多国籍企業がこの分野に参入するのではなかろうかということであります。
種というのは本当に全てのもとでありまして、種子を制する者は世界を制するとか、遺伝子を制する者は世界を制するとまで言われているものなんですね。それから、米なんかの主要穀物の種というのは増殖率が野菜などと比べて低い、それから時間もかかるんですね。ですから、この安定供給のためにはやはり公的機関がきちんとかかわる必要があるということで、これまで法律があったわけですね。
JAのノウハウなんかも欠かせないものである。
だから、民間が参入するための障壁になっているんじゃないかという議論も、むしろこれは
コストもかかるし、中小企業はなかなか参入できないということと同義であって、逆に、グローバルな大企業であればこの分野には参入できる余地が大いにあると見るべきではなかろうかと考えるわけであります。
実際に、国際的な統計を見ると、ここ十年ほどで、世界各国で公共
品種、公的
農業試験研究機関とか大学とかでつくられる、
生産される公共
品種は減少の
傾向がありまして、そして、民間
品種、とりわけ遺伝子組み換え、GM
品種が急増しているという
状況であります。野菜、トウモロコシ、
大豆、綿花、菜種、こういった分野でとりわけふえているということであります。
少し、寡占という
状況でありますので、具体的な企業名を申し上げますと、農薬企業からスタートしたモンサント、デュポン、これらはアメリカですね。ダウ・アグロサイエンス、これもアメリカ。シンジェンタ、スイス。バイエル・クロップサイエンス、これはドイツであります。それから、種子の専門企業は、リマグレンというフランスの会社、KWSというドイツの会社。こういった今挙げたぐらいの本当に一握りの企業が、世界の農薬市場の七割とか種子市場の六割を占めているというふうに言われております。
農薬企業が
中心になって業界再編を行った、それに伴って種子の企業の再編も行われたということでありまして、農薬と種子はもうセットなわけですね。そして、やはり危惧されるのは、農薬耐性、要するに除草剤に負けない、そういう種を開発し、そしてそれを育てるとともに、その農薬を使う、セットなわけなんですよね。そういう
意味で、民間企業、グローバル企業の飛躍的なこの分野における成長というものが、今、現実、進んでいるわけであります。
なので、今回の種子法の廃止というのは、民間企業のノウハウとか技術を活用するという
意味で、その目的のために廃止されたということでありますが、その点について全面否定はしませんけれ
ども、しかし、いきなり廃止、これはかなり、食料安全保障上、重大な過ちを犯しているんじゃないかと私は危惧をいたします。
そういう
状況でありますので、ちょっと
大臣に改めて問いますが、やはり
政府部門がちゃんと主要農
作物については種を
生産、
管理、供給するべきではないかと思うんですが、こういう重要なことを
政府部門、都道府県が手を引いて、法律上ですよ、実際に手を引くかどうかは都道府県は任意なわけですから、法律上、
制度上は手を引いて民間に委ねる、こういう仕組みをとっている国というのは海外にどのぐらいあるんですか。海外の
状況をお示しいただきたいと思います。