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吉川(元)
委員 余り時間がないので次に行きますけれ
ども、やはり私は、消費というのが一番大きな問題なんだと。
確かに、賃金等々を見ておりますと若干上がった時期もあるんですけれ
ども、一貫して消費は十五カ月ずっと減り続けているんです。これは何が原因なのかといったら、物すごく将来不安がやはり国民の中に広がっていて、消費をせずにお金をためておこう、そういう気持ちといいますか、考えが広がっているのが私は大きな原因ではないかというふうに
思います。
関連して、アベノミクスに関してですけれ
ども、企業の経常利益は過去最高水準に達しても、賃金、家計所得には反映されず、結果として消費が滞って、生産や投資の拡大も起きない。
これは、とりわけ第一の矢と言われた異次元の緩和、この構造を転換する、そもそもこれを転換するのが第一の矢ではなかったのかというふうに私は思うんですけれ
ども、それを検証すべき時期ではないかというふうに
思います。
実際、官邸でアベノミクスを支えていらっしゃる浜田宏一
内閣官房参与、昨年十一月十五日の新聞紙上で、デフレ脱却に際して物価
引き上げや異次元緩和の
政策は不十分だったのではないかと問われて、学者としては以前言っていたことと、とりわけ第一の矢のことですけれ
ども、考えが変わったことは認めなければならないと。事実上、アベノミクスの第一の矢は
誤りだったということを示唆しております。また、国民にとって一番大事なのは物価ではなくて雇用や生産、消費だというふうにも言われております。
学者として自説の
誤りを認めるのは結構なことですけれ
ども、肩書としては、
内閣官房参与という肩書を持っていらっしゃいます。そういう意味でいうと
政府の一員でもあるわけで、そうなりますと、理論的に支えていた方が自分の理論は実は間違っていたんだというふうに言われているのであれば、その理論に基づいてつくられた
政策というものも当然見直すのが筋だというふうに
思いますけれ
ども、この浜田
内閣官房参与の認識を
政府はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。