運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2017-01-27 第193回国会 衆議院 総務委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日平成二十九年一月二十日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。    委員長 竹内  譲君    理事 古賀  篤君 理事 左藤  章君    理事 坂本 哲志君 理事 田所 嘉徳君    理事 葉梨 康弘君 理事 小川 淳也君    理事 奥野総一郎君 理事 輿水 恵一君       池田 道孝君    大西 英男君       金子万寿夫君    金子めぐみ君       川崎 二郎君    菅家 一郎君       小林 史明君    新藤 義孝君       鈴木 憲和君    高木 宏壽君       谷  公一君    土屋 正忠君       冨樫 博之君    中谷  元君       長坂 康正君    武藤 容治君       宗清 皇一君    山口 俊一君       山口 泰明君    逢坂 誠二君       黄川田 徹君    近藤 昭一君       鈴木 克昌君    高井 崇志君       武正 公一君    稲津  久君       梅村さえこ君    田村 貴昭君       足立 康史君    吉川  元君       長崎幸太郎平成二十九年一月二十七日(金曜日)     午後四時四十六分開議  出席委員    委員長 竹内  譲君    理事 古賀  篤君 理事 左藤  章君    理事 坂本 哲志君 理事 田所 嘉徳君    理事 葉梨 康弘君 理事 小川 淳也君    理事 奥野総一郎君 理事 輿水 恵一君       青山 周平君    池田 道孝君       加藤 寛治君    金子万寿夫君       金子めぐみ君    川崎 二郎君       小林 史明君    新谷 正義君       鈴木 憲和君    鈴木 隼人君       高木 宏壽君    谷  公一君       津島  淳君    土屋 正忠君       冨樫 博之君    中谷  元君       長坂 康正君    野中  厚君       武藤 容治君    宗清 皇一君       山口 俊一君    逢坂 誠二君       黄川田 徹君    近藤 昭一君       鈴木 克昌君    高井 崇志君       武正 公一君    稲津  久君       梅村さえこ君    田村 貴昭君       足立 康史君    吉川  元君       長崎幸太郎君     …………………………………    総務大臣         高市 早苗君    内閣府副大臣       越智 隆雄君    総務大臣        あかま二郎君    総務大臣政務官      金子めぐみ君    総務大臣政務官      冨樫 博之君    財務大臣政務官      三木  亨君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 原  宏彰君    政府参考人    (内閣大臣官房審議官) 緒方 俊則君    政府参考人    (復興庁審議官)     大鹿 行宏君    政府参考人    (総務省大臣官房長)   山田真貴子君    政府参考人    (総務省自治財政局長)  黒田武一郎君    政府参考人    (総務省自治税務局長)  林崎  理君    政府参考人    (消防庁次長)      大庭 誠司君    政府参考人    (財務省大臣官房審議官) 井上 裕之君    政府参考人    (水産庁漁港漁場整備部長)            岡  貞行君    政府参考人    (国土交通省水管理国土保全局次長)       野村 正史君    政府参考人    (環境省水大気環境局長)            高橋 康夫君    参考人    (日本放送協会会長)   上田 良一君    参考人    (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君    参考人    (日本放送協会理事)   坂本 忠宣君    参考人    (日本放送協会理事)   松原 洋一君    総務委員会専門員     塚原 誠一君     ――――――――――――― 委員の異動 一月二十七日  辞任         補欠選任   大西 英男君     加藤 寛治君   菅家 一郎君     青山 周平君   新藤 義孝君     津島  淳君   山口 泰明君     鈴木 隼人君 同日  辞任         補欠選任   青山 周平君     菅家 一郎君   加藤 寛治君     大西 英男君   鈴木 隼人君     野中  厚君   津島  淳君     新藤 義孝君 同日  辞任         補欠選任   野中  厚君     新谷 正義君 同日  辞任         補欠選任   新谷 正義君     山口 泰明君     ――――――――――――― 一月二十日  放送法の一部を改正する法律案逢坂誠二君外二名提出、第百八十九回国会衆法第一〇号)  行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案階猛君外五名提出、第百九十回国会衆法第五四号)  日本放送協会平成二十四年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書  日本放送協会平成二十五年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書  日本放送協会平成二十六年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書  日本放送協会平成二十七年度財産目録貸借対照表損益計算書資本等変動計算書及びキャッシュフロー計算書 同月二十六日  地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第一号)      ――――◇―――――
  2. 竹内譲

    竹内委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  国政に関する調査を行うため、本会期中  行政基本的制度及び運営並びに恩給に関する事項  地方自治及び地方税財政に関する事項  情報通信及び電波に関する事項  郵政事業に関する事項  消防に関する事項 以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 竹内譲

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――
  4. 竹内譲

    竹内委員長 次に、内閣提出地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。     ―――――――――――――  地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  5. 高市早苗

    高市国務大臣 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  今回の補正予算により平成二十八年度分の地方交付税が五千四百三十六億五千四百万円減少することとなりますが、地方財政状況等に鑑み、当初予算に計上された地方交付税総額を確保するため、同額を一般会計から交付税特別会計に繰り入れて平成二十八年度分の地方交付税総額加算することとしております。  また、この加算額のうち二千七百十八億二千七百万円に相当する額について、平成二十九年度から平成三十三年度までの各年度における地方交付税総額から五百四十三億六千五百四十万円をそれぞれ減額することとしております。  次に、東日本大震災に係る復興事業等実施状況を踏まえて、二百十三億千八百十一万九千円を平成二十八年度分の震災復興特別交付税の額から減額することとしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
  6. 竹内譲

    竹内委員長 これにて趣旨説明は終わりました。     ―――――――――――――
  7. 竹内譲

    竹内委員長 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会会長上田良一君、専務理事木田幸紀君、理事坂本忠宣君及び理事松原洋一君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 竹内譲

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として内閣大臣官房審議官原宏彰君、大臣官房審議官緒方俊則君、復興庁審議官大鹿行宏君、総務省大臣官房長山田真貴子君、自治財政局長黒田武一郎君、自治税務局長林崎理君、消防庁次長大庭誠司君、財務省大臣官房審議官井上裕之君、水産庁漁港漁場整備部長岡貞行君、国土交通省水管理国土保全局次長野村正史君及び環境省水大気環境局長高橋康夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 竹内譲

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  10. 竹内譲

    竹内委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川淳也君。
  11. 小川淳也

    小川委員 民進党小川淳也でございます。  委員長には、この間、特段の心情的な御配慮をいただいてまいりましたけれども、まずもちまして、本日の予算委員会審議並びに採決、そしてこの総務委員会委員長の職権によって野党側との合意なく手続が踏まれましたこと自体は甚だ遺憾でございます。その旨、今後こういった運営のないように、改めて委員長の高い御配慮冒頭お願い申し上げたいと思います。  また、高市大臣には、大変、長時間の予算審議、お疲れさまでございました。それから、一言この場をおかりしてお礼を申し上げたいのは、昨年、地方税制関連をいたしまして、特に地域交通関連したJRの税制等について、私ども議連立場要請に参らせていただきました。その際には、野党側要請にもかかわらず大変真摯な、丁寧な御対応をいただきまして、この場をおかりしてお礼を申し上げ、また、法案審議はこれからでございますが、しっかりと誠意を持って臨んでまいりたいと思っております。  その上で、内容についてお尋ねをしたいと思っております。  まず最初に、大変複雑な思いを抱えておりますが、本交付税法改正案には私ども民進党賛成をいたします。その前提でお聞きいただきたいと思うわけであります。  この賛否を含めた内容議論党内で、総務部門会議でいたしました。その際に非常に強く出た声として、これは黒田局長はその場でお聞きいただいたと思いますけれども、なぜ地方が国の税収見積もり誤り影響を受けなければならないのか、なぜ地方がかぶらなければならないのかということについてであります。  これは党内部門会議を代表して、まず冒頭、このお尋ねから入りたいと思いますので、大臣からお答えいただきたいと思います。
  12. 高市早苗

    高市国務大臣 小川委員には、冒頭、大変御丁寧なお話をいただき、ありがとうございました。  まず、今回の一般会計からの加算額のうち二分の一は地方負担分として後年度に精算することとしておりますけれども、これは、仮に補正予算による国税減収が当初予算の時点で見込まれていたならば、その減収分は国と地方折半対象となる財源不足となること、それから、過去、平成二十年度平成二十一年度におきましても、補正予算によって国税減収となり、法定率分が減少した場合には、当初予算における折半ルールに基づいて今回と同様の対応をとってきたということ、逆に、仮にですけれども補正予算によって国税が増収となって、法定率分が増加した場合には、翌年度折半対象財源不足の縮小に活用してきたといったことなどを踏まえたものでございます。  国の予算における国税収入額でございますが、直近の課税実績、企業の収益の見通し政府経済見通しなどをもとに見込まれておりますが、今回の補正予算においては、主に、海外経済に弱さが見られる中で、平成二十八年の年初から円高が進行したことによって、法人税収消費税収見込みが当初予算から減少したと承知しています。  ですから、今回のような国税減額補正があったことのみをもって、全額を国負担として一般会計からの加算を求めるということにはならないということを何とぞ御理解いただきたいと存じます。
  13. 小川淳也

    小川委員 かねてからの財源不足額を国、地方折半するというルールについて理解しないものではございませんが、やはり地方立場からいえば、国の税収見積もりを誤った責任は国の側にあり、そして、当年度地方財政上、恐らく今回の法改正によって資金繰りには影響を及ぼさないということだと思いますが、後年度、この影響を五年間にわたって引きずるということでございますので、私どもがもろ手を挙げて賛成いたしかねる、あるいは複雑な思いの中で賛成していくという点はこの点にございます。これが、ひいては将来のいわゆる臨財債増嵩につながるものと思われます。  そこで、やや専門的なお尋ねになりますが、この点については何度も委員会で取り上げてきたことに加え、私自身が政権担当時代にこだわった点でもありますので、少し専門的な見地から、これは黒田局長でも結構です、お答えをいただきたいと思うんです。  交付税特会には三十兆円に余る借金がございます。これは表面上なかなか見えにくいものであります。一方、臨財債は明らかに地方団体借金として計上していくものであります。  経済現象からいいますと、いずれにせよ、全体として、総体としての地方財政が負うべき借金でありますが、臨財債を減らせば特会借金をふやさなければならない、特会借金を減らそうと思えば臨財債をふやさなければならないというジレンマの関係にございます。  そこで、もちろんこの特会借金ということ自体が古いやり方でありますから、今後これを盛んに用いるということはないと思いますし、その前提でお聞きしたいと思いますが、今後も、こういった途中の見積もり誤りのようなケースも含めてでありますが、特会借金をふやすことによって対応していくというよりは、むしろ特会借金は今少しずつ年々減らしていっていただいていると思います。この方針を継続し、それによって、臨財債がその分ふえる分についてはやむを得ないという方向感政策をお進めいただけるのかどうか。この点、お聞きしたいと思います。
  14. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今御指摘いただきましたように、確かに、特別会計補填をするか臨時財政対策債補填をするかというような、二つ方法がありましたし、かつては特会でやっておりました。  それで、特別会計の借入金につきましては、毎年一千億円ずつふやしながら返済をするということをやっておりましたが、それにつきましては、やはり地方債残高それなりにふえていかないだろうという見通しの中でそういう計画を立ててやっております。  ですから、今回、また当初の法案でいろいろと御審議いただきたいと思っておりますけれども、来年につきましては、臨財債増嵩する、あるいは税収がほぼ横ばいという状況でございますので、特会償還計画につきましても少し見直しをかけまして、全体としての債務のバランスというのをよく見ていきたいと思っております。  そういうことも踏まえてになりますけれども基本は、特会償還特会の借り入れという手段に頼らないで、これから三年間につきましても臨財債対応させていただきたい、そういうふうに考えております。
  15. 小川淳也

    小川委員 大変ありがたい御答弁をいただいたと思います。私もその方針に大きく賛成でございます。  ただ、一方で、前回も申し上げたと思うんですが、毎年三千億も四千億も、あるいは計画上九千億も一兆も返していくという計画は、これは絵に描いた餅でありまして、再三申し上げておりますが、もう年間一千億で十分だと思います、今の地方財政現状を踏まえれば。  しかし、わずかながらも減らしていく。その分仮に臨財債がふえることになっても、それは表の借金ですから、地方自治体の財政規律も十分制御いただきながら管理していくという方向感政策としては正しいのではないかと重ねて申し上げたいと思います。  いずれにしても、年々歳々この議論をしなければならない最大の理由は、大臣交付税財源総額が決定的に不足している、不足し続けているという現実でございます。一部法定繰入率を改善したりという努力はあるわけですが、それでもまだまだ焼け石に水の状態でございまして、全くもって根本的な解決にはなっておりません。その意味では、今後も、根本問題はそこにあるという御認識のもとに、地方財政政策あるいは地方税制政策をお進めいただきたいと思います。  また、この点も重ねてのお尋ねになりますが、前国会同様、十月の補正予算交付税総額に変更があり、法律改正をしたばかりであります。それから三カ月たつかたたないかで、また税収見積もり誤りがあり、その影響交付税総額が受け、交付税財源構成影響を受け、また法律を改正しなければならない。これは、財源不足理由であるとはいえ、交付税制度そのものが極めて法制的に硬直的で柔軟性に欠けると私は思います。  したがって、多少の年度間変動、多少の制度間変動であれば、わざわざ法律を改正しなくても、一定の幅の中であれば自治体への執行を遂行できるような形で、若干柔軟な法制度に改めた方が私はいいのではないかと思います。  具体的には、例えば、総額や、あるいは年度間の増額補正あるいは減額補正等については若干政令に委ねるとか、そういったことも、今後、交付税法の法制的な余りにも硬直さを考えると、あっていいのではないかと私は思いますが、大臣、この点、重ねてのお尋ねです。
  16. 高市早苗

    高市国務大臣 まず、最初お話でございますが、やはり本来的には法定率引き上げによって地方交付税を安定的に確保するということが望ましい方向性だと考えております。  今回も、二十九年度地方財政においてもそうなんですが、地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当することが見込まれましたから、交付税率引き上げ事項要求いたしました。  なかなか、前国会でも御説明を申し上げてまいりましたけれども、国、地方とも巨額の債務残高財源不足を抱えているということもあり、また、二十九年度、特に国と地方役割分担に係る大きな制度改正がなかったということから、先ほど来お答えしましたとおり、折半ルールを三年間延長した上で対応するということになりました。  それと、法律によらずにということで、前の国会でも議論をさせていただいたんですけれども、やはりこれは全国の地方公共団体共通に活用されるべきものでございまして、どうしても法律、むしろ野党の方から何で法律でやらないんだという御指摘を受けるんだったらわかりやすいんですけれども、私はやはり法律にのっとってということが正しい方法であろうと思っております。
  17. 小川淳也

    小川委員 これは立法政策の問題であると同時に財政政策の問題でありまして、一定の法的な枠組み、あるいは予測可能性、これは極めて大事です。しかし、再三、総額がわずかでも変わると常に法律改正をしなければならないというこの行き過ぎた硬直性については、私はもっと柔軟であっていいと思うんですね。  これは、大臣から今そういう御答弁でしたが、長年地方財政に携わっておられる黒田局長、いかがですか、極めて専門的な立場から。
  18. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今の御指摘、かなり歴史的な由来も含めてのものになると思いますけれども、ずっと地方の方で財源が足りない中で、地方財政の全体として歳出と歳入の収支をいかに均衡させるかということは常に問題になってきたと思います。ですから、少しでも収支に問題が生じるということについては、国としてはきっちり対応するという中で行われてきたというのが今の現状でございます。  ただ、いろいろな例として提案されているものとしまして、例えば、交付税特別会計の中に基金のようなものを設けて、税収がある程度オーバーしたらそこに積んで、足りなくなったらそこから崩すみたいな年度調整の仕方はないかとか、そういうふうな提案はかつていろいろと出されておりますし、今もそのような御提案が出ております。  ただ、現状といたしまして、三十二兆円に上る負債を特会として抱えている中で、そのような基金を現に余裕資金として持って実際に年度間調整をしていくという手法がどこまで今の厳しい財政状況の中で制度設計として可能なものかどうかという基本的な問題もございます。  そういうこともいろいろと踏まえますと、やはり今の制度で、そのときそのときに必要な財源をしっかりと確保して、なおかつ、千円単位まで計算して算定して交付する交付税でございますので、そこのところはいろいろな御指摘はあろうかと思いますけれども、やはり千円単位まで責任を持って法律枠組みの中で対応させていただくという今の枠組みの中で私どもはやっていきたいというふうに考えております。
  19. 小川淳也

    小川委員 極めて厳格な解釈なりお立場で、一定理解をいたしますが、率直に申し上げて、本当にもう少し柔軟であっていいんじゃないかな。事の重大さ、あるいは逆に言えばささいさに比べて、手続が余りにも重いという感じはいたします。そのことは重ねて指摘をします。  それから、これはお聞きしませんが、もう一点、党内部門会議においては、今回、復興関連予算あるいは復興関連特別交付税減額がございます。これは、昨年の補正段階で、今さら積んでも執行できるのかという批判が再三ある中での計上でありました。案の定、これを減額せざるを得ない、執行状況が芳しくないということでございますので、これは十分お考えをいただかなければならない。この点、お聞きはしませんけれども指摘をしたいと思います。  さて、経済情勢等について関連してお尋ねをいたします。  内閣府からお越しをいただいております。越智大臣、ありがとうございます。  先ほど高市大臣からも、やはり海外経済情勢とかあるいは円高とか、これは安倍総理もよくおっしゃいますが、対外的な要因で当初の税収見積もりがかなわなかったということでございますが、具体的に幾ら見込んで、これは税収ですから、当然、経済見通しに直結しているわけですよね。  七年ぶりです。きょうも予算委員会でさんざん議論になっていましたが、七年ぶり税収割れを起こし、そして補正赤字国債の増発までしなければならなかった。これは、七年前といいますとリーマン・ショック、そしてさかのぼればオイルショックやあるいはプラザ合意円高不況や、それなりに歴史的な出来事でしかなかったことが、今回は、そういう状況がない中でこのような状況に至っているということであります。  具体的に何%見込んで、それが何%に落ちたのか、そしてそのことに対する評価もあわせてお答えいただきたいと思います。
  20. 越智隆雄

    越智大臣 お答えいたします。  まず、昨年の一月に閣議決定いたしました平成二十八年度政府経済見通しでは、平成二十八年度実質成長率を一・七%程度名目成長率を三・一%と見込んでおりました。一方で、ことしの一月二十日に閣議決定いたしました平成二十九年度政府経済見通しでは、平成二十八年度実質成長率実績見込みを一・三%程度名目成長率を一・五%程度と見込んでおります。そこにギャップがあるわけでございます。  その見通しを修正した理由としては幾つかございまして、今委員から御指摘のありました、平成二十八年度の前半に新興国など海外経済で弱さが見られたということ、二つ目には、個人消費や設備投資が所得、収益と比べて力強さを欠いていたということ、そして三つ目には、消費税率の引き上げの延期に伴って、想定しておりました駆け込み需要による押し上げ効果が見込まれなくなったことなどによってこういうことが起きたということであります。  この見通しでございますけれども、我が国の経済は民間活動がその主体をなすものであること、また、特に国際環境の変化には予見しがたい要素が多いことに鑑みまして、政府経済見通しの諸計数はある程度幅を持って考えられるべきものであるというふうに考えているところでございます。
  21. 小川淳也

    小川委員 きょう発表になった物価も、十カ月連続で下落しているんですかね。それから、年金も切り下げが決まった。これは、今の経済状況はデフレなんじゃないですか。
  22. 高市早苗

    高市国務大臣 本日は、総務省の方から消費者物価指数を発表させていただきました。  食料及びエネルギーを除く総合の前年比は〇・三%の上昇で、三年連続の上昇となっております。ただ、生鮮食品を除く総合の前年比は〇・三%の下落、四年ぶりの下落となっています。総合について、〇・一%の下落、五年ぶりの下落ということでございます。
  23. 小川淳也

    小川委員 今の経済状況、デフレなんじゃないですか、越智大臣
  24. 越智隆雄

    越智大臣 まず、物価につきましては、今総務大臣から御説明があったとおり、総務省の方で本日発表させていただいたということでございます。  今の経済状況につきましては、数字のとおりでございますけれども、デフレから脱却しつつあるというふうに認識をしておるところでございます。
  25. 小川淳也

    小川委員 十カ月連続下落というのは、デフレから脱却しつつあるとは言えないんじゃないですか。
  26. 越智隆雄

    越智大臣 お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、諸計数に基づいて考えますところ、デフレから脱却しつつある状況であるというふうに考えております。
  27. 小川淳也

    小川委員 第二次安倍政権発足後、四年たちましたが、先ほど、名目の成長率の見通しが三・一、実績の修正見通しが一・五でした。過去四年間、どのぐらいで推移していますか。
  28. 越智隆雄

    越智大臣 まず、平成二十四年度から申し上げます。  平成二十四年度が、実績で、実質成長率が〇・九%、平成二十五年度実質成長率が二・六%、そして平成二十六年度、マイナスの〇・四%、平成二十七年度が一・三%でございます。(小川委員「名目もお願いします」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。確認をさせていただきたいと思います。  今、資料を持ち合わせておりませんので、後ほど御報告をさせていただきたいと思います。
  29. 小川淳也

    小川委員 子細な通告がなかったことはおわびしたいと思いますが、しかし、極めて基本的な数字ですから、後ろの方も含めて、このぐらいは持っておかなきゃだめじゃないですか。苦言を呈したいと思います。  今、実質ベースでお話しいただきましたけれども、ほとんど一%に届かない状況。また、名目でも、今回着地点が一・五。  今後、幾らで見通しているんですか。今後。
  30. 越智隆雄

    越智大臣 二十九年度の成長率につきましては、実質で一・五%、そして名目で二・五%で見通しております。
  31. 小川淳也

    小川委員 これは、達成は相当簡単ではない、困難な目標だということはお認めいただけますね。
  32. 越智隆雄

    越智大臣 今回、今申し上げました政府経済見通しにおきましては、足元の経済状況を踏まえた上で、経済対策など各種施策の推進等によりまして雇用、所得環境が改善する中で、個人消費は緩やかに増加し、生産増加や企業収益の改善等により設備投資も引き続き増加するなど経済の好循環が進展する中で、民需を中心とした景気回復を見込んでいる、その上での数字でございます。
  33. 小川淳也

    小川委員 そういう通り一遍の御答弁に感じられる楽観さといいますか、こういうことで見積もりを誤るとまた地方が迷惑を受けるんですよ。  ですから、改めて、かたい見積もりと、それから着実な実行といいますか、その部分については、今の御答弁からは非常に心配になります。そういうことを含めて指摘したいと思います。  最後に、五分間。  今、予算委員会等を含めて、文部科学省の再就職問題が非常に大きな問題になっております。  高市大臣にお聞きいたします。  所管の総務省内においても、うちは大丈夫だろうかと不安に思われたのではないかと思います。事務次官や官房長を含めて、しかるべき幹部から状況について確認をされましたか。
  34. 高市早苗

    高市国務大臣 聞きました。  文部科学省においてあっせんなどの再就職規制違反があったということを踏まえて、一月二十日に総理から山本大臣に全府省を対象とした調査の指示があったということで、内閣人事局がすぐ調査を実施するので、これには全面的に協力をさせていただきます。  実際に、私の就任前も含めて、法律が改正された後にあったのかどうかということについて何度か確認をいたしましたが、とにかく調査に全面的に協力する。現段階で私が一〇〇%ありませんでしたということについては申し上げられませんので、調査に全面的に協力するということでございます。  ただ、私が就任してから一件あったのは、職員が、現職の地方の出先の職員でしたけれども、昨年の九月に、利害関係企業なんかに対して御本人が再就職の約束をしていたという報告を受けました。そういう不祥事があった場合、これは法律違反でございますので、即日公表して、そして厳正、適正に処分をいたしました。この事例が一件ございました。  現在のところ、私が知り得る範囲で、組織的なあっせんがあったことは、あるということはないというふうに理解をしておりますけれども、全てやはりしっかりと調査に応じるということで、安心できる状況にしたいと思っております。
  35. 小川淳也

    小川委員 非常に微妙な御答弁でしたけれども、明確に、ないという報告は受けていないわけですね。うちはありませんという報告は受けていないわけですね。
  36. 高市早苗

    高市国務大臣 ないんでしょうねと言ったら、あっせんの方はないと思います、今、現時点でそういうものはございませんという話は聞いております。  ただ、私の就任前の、ずっと、今の幹部が幹部になる前のことについてまで、私が一〇〇%、この場で、絶対にありません、一件も出ませんということについては、断言できません。  ただ、一月二十四日に全職員に対して、次官名で法令遵守徹底の電子メールは送りました。  現時点で、役所ぐるみであっせんをしたという事実については、確認はされておりません。
  37. 小川淳也

    小川委員 では、最後に官房長にお聞きします。  こうした違法、不適切なあっせんは、現在行われているんですか、いないんですか。
  38. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  今、大臣からもお話がございましたとおりでございますけれども、現在、内閣人事局が調査を実施することとなったと承知をしておりまして、今後この調査に全面的に協力してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  39. 小川淳也

    小川委員 今の時点で、はっきりこの場で、ないとは言い切れないわけですね。
  40. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  現時点で、再就職あっせん以外の違反事例でございますが、先ほど大臣から御答弁申し上げました事案につきましては、私が官房長に就任してからの事案でございますので、それに関しましては国家公務員法違反の事案があったということでございます。  以上でございます。
  41. 小川淳也

    小川委員 時間ですので、ひとまずここでおきたいと思いますが、厳正なる調査、そして速やかな公表をお願い申し上げたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  42. 竹内譲

    竹内委員長 次に、奥野総一郎君。
  43. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 民進党奥野総一郎でございます。ことしも皆さんよろしくお願いをいたします。  きょうは、就任早々ではありますけれども、NHKの上田新会長にもお越しをいただいております。お忙しいところ、ありがとうございます。後ほど御答弁いただきたいと思います。  まず最初に、税収見込みについて伺っていきたいと思います。  先ほど来大臣もおっしゃっていましたし、いろいろ答弁もありましたが、今回、税収予算で見込まれた額を下回った理由について、まず伺いたいと思います。
  44. 井上裕之

    井上政府参考人 お答え申し上げます。  二十八年度税収補正につきましては、補正予算編成時点までに判明していた十月までの課税実績、それから上場企業の中間決算等に基づく企業収益の見通し、それから雇用者報酬、消費、輸入などの各経済指標の二十八年度の最新の実績見込みなどをもとに、当初予算比で三角一・七兆円減の五十五・九兆円と見積もってございます。  その減収の主な要因でございますけれども、二十八年度の年初から円高方向に推移したことによりまして、当初予算に比べまして、例えば、輸出企業の円建て売り上げの減少を通じて法人税収が減少したということ、それから、円建ての輸入額が減少したことを通じて消費税収が減少したこと等が見込まれるということであると考えてございます。
  45. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 マクロというよりはミクロの積み上げで計算しているということのようなんですけれども、例えば、では、為替レートはそもそも当初幾らで想定していて、それが幾らになったのかということを伺いたいんですが。
  46. 井上裕之

    井上政府参考人 お答えいたします。  直接為替レートを用いて個別の税収見積もりを出しているわけではございませんけれども、昨年度の段階で、昨年の為替レート、これは内閣府で発表しておられます経済指標でございますけれども、二十七年度の実績が円・ドルで百二十円だったものに比べまして、二十八年度、今年度実績見込みで百七・五円となっております。  そういったような為替の円高に振れたこと等を勘案して、補正を行っております。
  47. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 法人税収が下がったというのは今のでわかるんですが、消費税は、先ほど、円高の結果、円ベースで目減りをして税額が減ったということなんですが、逆に、円高になると輸入がふえて、輸入価格が下がって消費を刺激する部分も恐らくあるでしょうし、税収がふえる要因も恐らくあると思うんですね。  そういうのを考えたときに、消費自体が減っている、消費自体見込みより伸びなかったということが大きく影響しているんじゃないかと思うんですが、そこはいかがですか。
  48. 井上裕之

    井上政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきましたとおり、民間の消費支出につきましても、昨年の経済見通しの段階と今回の実績見通しの段階では数字が下がってございます。そういった点ももちろん影響をしているわけでございますけれども、主たる要因としましては、先ほど申し上げましたように、輸入についての消費税、これが大きく減少したというのがより大きな原因であると承知しております。
  49. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 消費が伸びない面ももちろんあるというふうに受けとめさせていただきます。それは主要な要因ではないとおっしゃっていますけれども、そういう要因もあるというふうに受けとめさせていただきました。  それからもう一つ、所得税ですね、所得税がなぜ見込みを下回っているか。源泉所得の方が下回っていますが、これは例えば、給与所得がこれもまた見込みより伸びなかったことが要因じゃないかと思うんですが、いかがですか。
  50. 井上裕之

    井上政府参考人 お答えいたします。  所得税収でございますけれども、二十八年度の頭からの軟調な株式相場の動向等を背景にいたしまして、当初予算から三角〇・三兆円の減少でございます。株の譲渡税収でございますとか配当税収でございますとか、そういったものを中心に補正の減を立てております。  給与収入につきましても、当初見積もりより若干減になっておりますけれども、今申し上げました今年度上期の株の減少に伴います方がより大きい原因であると考えております。
  51. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 株は上下して若干持ち直したりしていますけれども、今の話で、やはり少しずつアベノミクスにほころびが出てきているんじゃないか。消費が思うように伸びていない、あるいは給与も思うように伸びていないということもやはり影響しているんだと思います。  この辺を踏まえながら、来年度予算についてこれから審議をするわけですが、そこはやはり保守的に見積もっていかなきゃいけないと思うんですが、来年の税収見込み、幾らぐらいか。伺ったところだと、今年度当初予算よりも少し上回るような設定にしているようなんですけれども、来年どういう見通しをしているのか、伺いたいと思います。
  52. 三木亨

    ○三木大臣政務官 御質問にお答えいたします。  平成二十九年度税収は、政府経済見通しにおける雇用、所得環境の改善、また消費や生産の増加等を反映して見積もりを行いまして、二十八年度補正税収からプラス一・九兆円増の五十七・七兆円と見込んでいるところでございます。  保守的な税収見積もりを行うべきではないかということではございますけれども政府としては、二十九年度には、雇用、所得環境の改善が続く中で民需を中心とした景気回復を見込んでいるところでございまして、経済対策の円滑かつ着実な実施などにより、これを実現してまいりたいというふうに考えております。
  53. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 私は、やはり税収を保守的に見積もるべきだというのは、税収がふえると、当然、それに合わせて歳出もふえていきますから、過大な税収の見積もりは避けるべきだと思います。過大じゃないとおっしゃるかもしれませんが、少なくとも今年度は一・七兆円、地方も入れると一・九兆円近く下振れが生じたわけですね。来年に向けて特段経済状況が好転しているとも思えない中、さらに今年度当初予算を上回る見通しをするというのは、私はいかがなものかと思います。  しかも、トランプ、楽観的な見方をすれば、アメリカの景気がよくなって日本の輸出がふえるという見込みを言う方もいらっしゃいますけれども、一方で、保護主義に走ったときにどうなるのか、あるいはイギリスのEU離脱、ハードブレグジットに振れたときにどうなるのか、こういうことまで考えたときに、今年度の当初予算よりも上回るような、しかも途中で減額しているにもかかわらず、そういう見通しを立てるのはいかがなものかと思います。  そしてもう一つ、先ほど小川委員の中でもありました、名目成長率を二・五%で、これはマクロの話ですけれども設定していると。全て高目高目。これで本当に日本の財政がもつのか。  改めて財務省に伺いたいと思いますが、これで財政のあり方はいいと思いますか。高目の見通しより私は保守的な見通しを立てるべきだと思いますが、重ねて伺いたいと思います。
  54. 三木亨

    ○三木大臣政務官 お答えいたします。  平成二十九年度税収は、経済対策の推進等による雇用、所得の環境の改善や、それに伴う消費や生産の増加等を見込んだ政府経済見通しを反映して見積もったものでありまして、これが適切であるというふうに考えております。
  55. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これが適切であるかどうかというのは時がたてば明らかになると思いますので、もうこれ以上財務省には伺わない、終わりにしたいと思います。  今度は総務省なんですが、今は国税の話でありましたけれども地方地方税やあるいは地方譲与税に与える影響というのは今回どのぐらいあるんでしょうか。
  56. 林崎理

    林崎政府参考人 お答え申し上げます。  平成二十八年度地方財政計画における地方税及び地方譲与税の収入見込み額でございますけれども、四十一・二兆円を計上しているところでございますが、年度途中までの各税目の課税の状況あるいは国税税収見込みなどを勘案して、現時点で見込みますと、計画額を五千億円ほど、〇・五兆円ほど下回る四十・七兆円というふうに推計しているところでございます。
  57. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 地方法人特別税、これも減額になっているはずなんですが、それは今回、補正で措置がされているんでしょうか。
  58. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今回の国の補正予算の中で、地方法人特別税につきましても、千二百四十四億円の減額補正がされております。
  59. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 その五千億の中にそれは含まれているという理解でよろしいんでしょうか。
  60. 林崎理

    林崎政府参考人 お答え申し上げます。  減少している主な税目、五千億というふうに申し上げましたけれども地方法人二税が〇・二兆円減ということで、これとはまた別の数字でございます。国税の方の数字でございます。
  61. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これは地方譲与税として地方に配分されるんですよね、この地方法人特別税というのは。そうすると、これが減収したら、地方に入るお金が減るという理解でいいんでしょうか。だとすれば、そこをどう手当てするのかというのを伺いたいんですが。
  62. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今の地方法人特別譲与税の関係でございますが、基本的な税収一般が減りましたときには、それぞれの団体で、基金を活用したりとか不用額を活用したりとか、あるいは、一般財源を充てることにしておりました建設事業につきまして地方債に振りかえて財源を捻出するとか、いろいろな工夫をいたします。  この地方法人特別譲与税につきましては、その中でもさらに減収補填債の対象にしておりますので、いろいろな方法を踏まえながら、それぞれの団体で判断されて財政運営をされていく、そういうことになります。
  63. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ちょっとここはよくわかりにくくて、財源調整機能を果たしているというふうに思うんですが、だとすれば、これも国が措置をしなきゃいけない、地方がかぶるような話じゃないと思うんですけれども、その違いは何なんでしょうか。
  64. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今御審議いただいております交付税につきましては、国税見通しが下振れしたことによって発生しました交付税の減につきまして、これはもう交付額を法律上決定いたしまして、その決定行為をして交付が進んでおります。そういうものにつきまして、現行法をそのまま当てはめて減額をしますと、これは非常に混乱を及ぼしますので、その観点で、国として補正できっちりとした対応をする、そういうものでございます。  それでもう一つ、地方税なり地方譲与税の関係につきましては、これはそれぞれの団体が地方財政計画見通し等を勘案して、それぞれの判断で計上されています。結果として減少する団体もあれば、今回、税収見込みがふえている団体もございます。それは、当初の予算見込みとの関係もございますので、ふえたり減ったりいたしますが、減った団体におきましては、先ほど申し上げましたように、基金を活用したり不用額を活用したり、いろいろな手法がございますけれども、法人関係につきましては、さらに減収補填債という仕組みも使いまして、それは後年度交付税で措置をする、そういう手法も準備しております。
  65. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 影響はないということのようなんですが、これも結局、国の税収見通し影響してこういうことになっているということだと思うんですね。ですから、最初議論に戻りますけれども、やはりきちんと保守的な見通しをして、影響が出ないようにしておくというのが私は筋だというふうに思います。  譲与税の話はこのぐらいにしますけれども、結局、折半ルールで後年度負担にどんどん先送りしていくわけですけれども、その結果というか、折半ルールが入ってきて、今、いわゆる臨財債がどんどんふえてきていますけれども地方債残高全体がどのぐらいふえてきているのか、そのうち臨財債残高がどのぐらいふえてきているのかということを伺いたいと思います。
  66. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 お答えいたします。  臨財債を含めました地方債全体の残高につきましては、直近の決算であります平成二十七年度と十年前の平成十七年度決算を比較しますと、地方債残高全体では、五・四兆円増加しまして百四十五・五兆円となっております。その中の臨時財政対策債残高でございますが、これを十年前の平成十七年度決算と比較いたしますと、三十五兆円増加しておりまして五十・七兆円という状況でございます。
  67. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 地方債残高自体はやや微減傾向というか頭打ちになっているんですが、そのうち、やはり臨財債にどんどん振りかわってきているわけですよね。ぱっと見、地方は努力をして歳出抑制をしているけれども臨財債地方が肩がわりする。本来、国がそこを措置すべきものとすれば、地方が肩がわりして臨財債がふえている。後年度、確かに国が負担をするのかもしれませんが、地方債という位置づけですから、地方借金はふえているということだと思います。  ですから、そもそも、こういう臨財債という方式がいいのかどうか。もうちょっと言えば、折半ルールという方式がいいのかどうかというところにさかのぼってくるんだと思うんですね。  結局、臨財債方式というのは、基準財政需要を後年度にどんどん振りかえていくだけですから、いつか将来、きちんと国税五税の額が帳尻が合って財源不足がなくなる、そういうことになったことは恐らくほとんどないんだと思うんですね。そういうフィクションを前提にこの折半ルールというのは成り立っている。これを続けている限り、どんどんどんどん臨財債がふえていく、財源不足額が毎年毎年ふえていく、こういうことになると思うんです。  これも毎回申し上げているんですが、今のやり方が本当にいいのかどうか。まず、短期的に考える、短期というか中期的に考えられる中では、法定率引き上げというのもあるでしょうし、もう少しあるべき姿、ちゃんと地方財源を移譲した上で財源保障機能あるいは財政調整機能を果たすような仕組みをきちんと考えていくべきじゃないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  68. 高市早苗

    高市国務大臣 先ほども答弁申し上げましたけれども、やはり本来的には、特例債による対応じゃなくて、法定率引き上げということで財源を安定的に確保するということが必要だと思っております。  そのためにも、地方と国の役割の変更が大きくあった場合などにこの法定率の変更というのはしやすいものでございますので、地方の自立ということも考えますと、これからやはり国と地方の役割の見直しというのも進んでいくでしょうし、その中で、やはり地方団体の仕事量にできるだけ見合った財源をしっかりと確保していく、こういったことを前向きに考えていくべきときだと思っております。  毎年、もうこれで何度目になりますか、法定率引き上げ事項要求して、一回は大臣に就任した後かないましたけれども、前回、今回となかなか難しい状況でございましたので、とにかくもう経済をよくする、景気をよくすること、そして、やはり節約できるところはしっかりと節約して効率化をしていくこと、こういうこと等を含めて、しっかりと財政の健全化に向けても努力をしてまいりたいと思っております。
  69. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 なかなか難しい問題ですが、やはり地方財政の抜本的なあり方ということで、長い目で見て考えるのも必要かなと思います。  きょう、先ほど譲与税の話だったんですが、これまでの言い方だと、やはり地方財源不足は五千数百億だと言っている、こう理解してきたんですが、やはりこの千二百四十四億ですか、地方法人特別税の部分も結局地方財源不足だということでありまして、これは説明の仕方なんでしょうが、六千億以上、七千億近く穴があいたというのは、私は、政府として責任重大だと思いますので、重ねてお願いしますけれども、来年度、高い見積もりをしておられるようですが、保守的な見積もりを心がけていただきたいと思います。  それからもう一点、最後に、NHKに行く前に震災復興特別交付税について伺いたいんですが、昨年秋の補正増額補正をしている。百六十五億円増額補正している。にもかかわらず、今回また減額する理由。ちょっとちぐはぐな気がするんですが、昨年振りかえをしておけばこういうことにならなかったような気がするんですが、答弁いただきたいと思います。
  70. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今御指摘のように、確かに秋は増額の補正をさせていただきましたが、今回につきましては、三次補正予算の中で、この東日本大震災に係る復旧復興事業、特に交付金の関係等につきまして減額補正がされた。これになりますと、当然地方負担が減額になりますので、それに合わせての特別交付税減額させていただく、そういう趣旨でございます。
  71. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 これは、復興庁さん、きょう来ていただいているんですよね。せっかく来ていただいたので伺いたいんですが、そもそも、今年度末に不用がどのぐらい出るのか、それを伺いたいのと、去年の秋の段階で不用が出ることはわからなかったのか。不用がもし出るのであれば、そこでその分減額をして、こちらにつけかえればよかったんじゃないかと思うんですが、きちんと見積もりを、事業の精査ができているのかどうか、復興庁さんに伺いたいと思います。
  72. 大鹿行宏

    大鹿政府参考人 お答え申し上げます。  まず、今年度の不用の見込みということでございますけれども、御案内のとおり、現在、予算執行中でありますので、現時点で定量的な見通しは持ち合わせてございません。  それで、昨年、第二次補正予算におきましては、八月に閣議決定されました経済対策に基づきまして、除染の経費でありますとか復興道路等の整備費用、こういったものについて予算額の増額をお願いいたしました。  今回の補正予算につきましては、今年度の二十八年度予算の支出の状況、それから今後の執行見通しを踏まえまして、予備費を初めとして年度末までに支出する見込みがないことが確実な経費の予算について修正減少を行うということとしたところです。  なお、この第二次補正予算において増額した事業と、それから第三次補正予算案において減額する事業との間に重複はございません。
  73. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 そうなんですが、不用になった全部、全部が全部とは言いませんが、不用になった部分もあるやに聞いていますので、そのあたりを早目に精査すれば、増額補正、額をもう少し圧縮できたんじゃないかというふうに思います。  今後、震災当初はお金をとにかくじゃぶじゃぶ渡すというのはわかるんですが、これからもどんどん精査をして、なるべく不用が出ないように、有効にお金が使われるようにぜひ査定をしていただきたいとお願いして、終わりたいと思います。  済みません。お待たせをいたしましたけれども、NHKに質問をさせていただきます。  きょう来ていただいたのは、先日、不祥事について発表がありました。二十日付で、タクシー券の不正、それから受信料の着服と言っているんですかね、問題で報道発表されたようです、公表されたようですけれども概要を伺いたいと思います。
  74. 坂本忠宣

    坂本参考人 お答え申し上げます。  横浜局と福島局の不祥事につきましては、視聴者の皆様の信頼を裏切ることになりまして、深くおわび申し上げます。  まず、横浜局の件でありますけれども、横浜局営業部の四十代の男性職員が、おととし五月から去年の八月まで、五十一万二百二十四円を着服していたものです。その手口は、前払いの受信契約を解約した際に支払い済みの受信料を返金するという受信料の返戻手続を悪用したもので、全て架空の伝票を使った不正であります。この職員は、去年の十月に死亡しております。  この件で、横浜局の営業部長らを訓告、本部の営業局長や横浜局長らを厳重処分とし、合わせて十人に対して管理監督責任による処分を行っております。  それから、福島の事案でありますけれども、二十代の男性記者が、おととし七月から去年九月までの間、緊急性がなく、タクシー使用が認められていないのに、百五十回にわたり不正にタクシーを使用していたものであります。また、おととし四月から去年の九月にかけて、勤務実態がない早朝、深夜の手当を申請するなど不正な勤務処理を二十四件行っていたものであります。不正なタクシー使用額は十七万四千百八十円、不正に受給した手当は七万二千六百六十円ということで、合わせて二十四万六千八百四十円を不正に受け取っていました。記者はこれを全て戻入をしております。  この件では、記者を停職二カ月の処分にしたほか、局長以下十人について出勤停止や減給などの処分を行っております。  この処分は、去年のさいたま局記者のタクシー不正使用を受けて去年の二月に行いました全国調査の中で、福島局が指示どおりにその局内調査を行わず、不正を発見できないなど、業務プロセスの統制が不十分だったという管理責任を含んでおります。  横浜局の処分、福島局の処分、それぞれ発表し、再発防止策もあわせて今月二十日に公表したところであります。
  75. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 タクシー問題について、私も昨年この国会で追及をしまして、当時の籾井会長が調査をした。調査した当時、こういう会長報告という紙が出て、不正利用は事案はなかったと。当時、これは昨年の三月ですけれども、こういう紙が出て、国会でも不正事案はなかったという話だったんですが、今伺ったところによれば、まさにこの時期、不正使用が行われていたと見抜けなかったということだと思うんですね。  それから、受信料の着服の問題についてもそうなんですけれども、あのとき籾井会長がテレビでおわびをして、タクシーの問題、それから当時、アイテックの問題ですか、それから薬物使用の問題ということでおわびをして、きちんとこれから再発防止策を講じていくんだと。特にお金の問題については、お金の出入りをきちんと見ていけばいいんですよ、たしかこうおっしゃっていた記憶があるんですね。ただ、にもかかわらず、またこういったことが再発した。今回、素早く公表したことは評価したいと思いますけれども。  ちょっと通告していないんですが、上田新会長に伺いたいんですが、どこが問題だったのか。このガバナンス上、どこが問題だったのか。そして、これをどう変えていくかということを伺いたいと思います。
  76. 上田良一

    上田参考人 お答えいたします。  このたび、再びといいますか、また不祥事が発生したことは、国民・視聴者の皆様の信頼を裏切る行為ということで、私も大変遺憾に思っています。  この不祥事の発生原因に関しましては、私どもも原因をしっかりと究明して再発防止に努めたいと思いますが、それと同時に、やはり職業倫理といいますか、組織の中にコンプライアンス第一と、私も一昨日の就任の際の職員に対するメッセージで申し上げましたけれども、コンプライアンス第一ということで、今後さらに、再びこういった不祥事が発生しないように、しっかりとコンプライアンスを徹底していきたいと思います。  公平公正で自主自律を貫く公共放送として、視聴者・国民の皆様の厚い信頼を寄せていただけるように、今後、先頭に立って力を尽くしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  77. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 今、公平公正、不偏不党ということもありましたけれども、もう一つ、これはフライデーの記事なんですけれども、NHKスペシャル「スクープドキュメント 北方領土交渉」、これは非常に評判がよかった、私は見ていないんですが、非常に評判のいいドキュメントでありました。特にみんながびっくりしたのは、事前の打ち合わせの状況、総理が入った事前の打ち合わせの状況が流れた。音声は入っていなかったけれども、流れた。これは非常に話題になったんですけれども、ところが、この記事によれば、取材ではなくて、提供されたものだったと。このフライデーによれば、官邸スタッフが撮影してNHKに提供した、こういうことが書かれているわけです。  これは事実だとすれば、大きな問題です。少なくとも、見た人は、これはNHKが取材したものだと誤認をするわけですから、大きな問題だと思うんですね。  ですから、まず会長に伺いたいのは、事実関係がどうなのかということ。  それから、もう時間が来てしまいましたけれども、やはり公共放送ですから、不偏不党、公正中立な立場をもちろん守っていただく。それから、受信料、皆さんからお預かりしている受信料ですから、一円たりとも無駄にしないということをしっかり徹底していただきたい。そして、その先に全会一致があると思うんですね。みんな自主的に受信料を払っている。いろいろな立場の人が見て、これは公正中立だ、こう思えるようなNHKでなきゃいけないと思います。  ですから、最後に、事実関係の話と、全会一致に向けた会長の御決意を伺いたいと思います。
  78. 木田幸紀

    木田参考人 お答えいたします。  御指摘のあった記事に関しては把握しておりますが、取材の過程や経緯などに関してはお答えすることは差し控えさせていただきます。  NHKは、番組やニュースについて、報道機関として自主的な編集権に基づいて放送しており、御指摘の番組は、北方領土を含む日本とロシアの七カ月に及ぶ交渉の一端や、その裏側にある両国の思惑を浮かび上がらせようとするもので、意義のある番組だったと考えております。  なお、御指摘の週刊誌の報道に対しては、今月十八日、編集長に対して、番組について読者に誤った印象を強く与えるものであり、看過することはできないということで抗議文を送付したところであります。
  79. 上田良一

    上田参考人 先ほどコンプライアンスについてお話しさせていただきましたが、まずはコンプライアンスを徹底し、公平公正で自主自律を貫く公共放送として、視聴者・国民の皆様から厚い信頼を寄せていただけるように、先頭に立って力を尽くしてまいりたいと考えております。  国民を代表する国会でNHKの平成二十九年度予算について全会一致で承認していただくために、誠心誠意、丁寧に説明責任を果たしていく決意を固めているところであります。
  80. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 時間が来たのでこれで終わりたいと思いますが、ぜひ公正中立な報道、そして受信料、不祥事がなきようにしっかりコンプライアンスを確保していただきたいと思います。  それから、今の抗議したということですが、ということは、これは自主取材だった、こう主張しているということでよろしいんですよね。
  81. 竹内譲

    竹内委員長 答弁者に申し上げますが、時間が参っておりますので、簡潔にお答えください。
  82. 木田幸紀

    木田参考人 繰り返しになりますけれども、取材の経緯や制作の過程についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、抗議文は、先ほど概略を述べたとおりの内容であります。
  83. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 ありがとうございました。
  84. 竹内譲

    竹内委員長 次に、田村貴昭君。
  85. 田村貴昭

    田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  地方交付税法改正案について質問します。  提案では、当初予算における国税五税の減収に伴って、地方交付税の法定税率分の額に不足分が生じるようになった。そこで、その不足額五千四百三十七億円を国の一般会計から加算する。その際、折半ルールに基づいて、臨時財政対策債振替加算に相当する二千七百十八億円については、二〇一七年度から二〇二一年度までの五カ年において、それぞれ約五百四十億円を各年度地方交付税総額から減額するというものであります。いわば、地方交付税の先食いであります。  国税減収に伴って地方交付税総額が減少した分を補填することは、これは当然のことであります。しかし、その半分を地方の負担で行うやり方には反対であります。  そこで、高市総務大臣にお伺いをします。  そもそも、今年度国税の減少は、政府の経済対策、アベノミクスの失敗、国の見積もりの誤りであります。国税の不足分は全額一般会計から加算すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
  86. 高市早苗

    高市国務大臣 今回の一般会計からの加算額のうち二分の一は地方負担分として後年度に精算するということになっておりますけれども、これは、仮に補正予算による国税減収が当初予算の時点で見込まれていたならば、その減収分は国と地方折半対象となる財源不足となること、過去においても、補正予算によって国税減収となり、法定率分が減少した場合には、当初予算における折半ルールに基づき今回と同様の対応をとってきたということ、また、逆に、補正予算によって国税が増収となり、法定率分が増加した場合には、翌年度折半対象財源不足の縮小に活用してきたことなどを踏まえたものでございます。  今回のような国税減額補正があったということのみをもって、全額を国負担として一般会計からの加算を求めるということにはならないということについて御理解を賜りたいと思います。
  87. 田村貴昭

    田村(貴)委員 年度途中に赤字国債を追加発行するのは、リーマン・ショックで税収が落ち込んだ二〇〇九年度以来、七年ぶりとのことであります。そして、今回のやり方は、リーマン・ショックの影響により国税が大きく減収となったときと同様のやり方であります。  お配りしている資料1は、国税減額に対する地方交付税年度ごとの補正精算額の一覧表であります。ごらんになっておわかりだと思うんですけれども、二〇一二年度以降、毎年地方交付税から引かれて、二〇一六年度は千八百十一億円の減額、さらに今回の措置で、その額は、二〇二一年度に至るまで、毎年度二千三百五十五億円に膨らむことになるわけであります。  これは大きな額であります。地方財政に大きな影響を与えているものと私は考えますけれども総務省、その認識はございますか。
  88. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 御指摘のような額を精算することとしておりますのは事実でございます。  ただ、これにつきましては、さまざまな、例えば、法律加算することと将来定められている加算分もございます。そういうものを総合的に勘案いたしまして、この程度の精算のスピードであれば全体として交付税総額が確保できるであろうという認識のもとで、法律で設定をさせていただいているものでございます。
  89. 田村貴昭

    田村(貴)委員 このぐらいのスパンならば分割しているから大丈夫だというような趣旨だったというふうに思うんですけれども、ただ分割しているだけではないんですか。  二〇〇九年度の精算は、毎年九百八十四億円を十五年連続であります。リーマン・ショックのときの分と今回の国税減額における交付税減額総額は、足したら実に二兆九千八百八十五億円になりますよね。約三兆円です。  これだけの財源があれば、どれだけ地方自治体は住民のための施策を展開することができたでしょうか。それから、これだけの財源があれば、これから自治体のためにどれだけの施策を展開することができるでしょうか。影響は非常に大きいものがあります。やり方を改めるべきだと私は思います。地方財政計画に基づいて、自治体はその年の行財政計画を定めて執行しているのですから、このやり方は認められません。  昨年末に二〇一九年度政府予算が発表されました。税収の伸びが芳しくない、マスコミは一斉に報じたところであります。「税収伸び悩み 悪影響」「財政収支 五年ぶり悪化」「税収頼み 曲がり角」「税収増 頭打ち鮮明」、新聞にはこのような見出しが躍りました。  来年度国税減額が生じることがあるんじゃないですか。折半ルールを見直すことをやはり検討すべきではないでしょうか。大臣、いかがですか。
  90. 高市早苗

    高市国務大臣 来年度国税減額補正が生じないようにしっかりと経済対策を打っていく、特に成長戦略に力を入れていくということは重要だと考えております。  本来的には、臨財債のような特例債による対応をするのではなくて、法定率引き上げによって地方交付税を安定的に確保するということが望ましい方向だと考えております。  そういうことで、二十九年度地方財政におきましても、交付税率引き上げ事項要求いたしました。  先ほど来御説明したような事情もあり、つまり、国、地方ともに巨額の債務残高財源不足を抱えているということ、また、二十九年度において、国と地方役割分担に係る大きな制度改正がなかったことなどもございます。また、現下の厳しい財政状況のもとで、国債発行額を引き続き抑制する中で、国の一般会計から交付税特会への繰入額を前年度から〇・三兆円増額して確保することができたということもあり、二十九年度地方財政対策においては、法定率引き上げによらず、折半ルールを三年間延長した上で、国は一般会計からの地方交付税の特例加算地方臨時財政対策債の発行によって対処するということにいたしました。  なかなか厳しい状況が続きましたけれども、今後も法定率の見直しについては粘り強く政府内で主張してまいります。
  91. 田村貴昭

    田村(貴)委員 大臣から、法定率引き上げの話が出ました。  交付税法に基づけば、財源不足に対する地方交付税法規定からいって、交付税率引き上げというのは、これはもう当然のことであります。ぜひ実行していただきたいというふうに思います。加えて、折半ルールはやはりやめるべきだと思います。  交付税法に基づけば、毎年度分の交付税総額の見積もりは、これは総務大臣の権限と責任で行うものであります。それから、地方財政計画の策定等は内閣の義務であることを規定しています。したがって、法の趣旨からいえば、年度途中であっても、地財計画年度当初に見込んだ交付税総額は、これは国の責任で確保すべきであります。こういう地方への負担転嫁は認められないということを申し上げておきたいというふうに思います。  次に、総務省が新年度の施策に挙げている市町村役場機能緊急保全事業について質問をしたいと思います。  補正予算では熊本地震の復旧復興の予算が組まれていますけれども、この熊本地震は、地方自治体にとっても大きな教訓を残しました。救援、復旧の司令塔となる庁舎が数自治体で被災をし、庁舎の機能も失った自治体もありました。  私は、昨年十月二十五日の総務委員会で、公共施設の中で最も耐震化がおくれているのは自治体の庁舎であること、だから、耐震化促進のために財政支援も含めた国の後押しが必要ではないかと質問をさせていただきました。高市大臣からは、耐震化一〇〇%に近づけることは重要であると答弁をいただきました。  今回、総務省が市町村役場機能緊急保全事業、これはまだ仮称だということですけれども、この緊急保全事業で、庁舎の建てかえに伴う起債充当率を拡大して、交付税措置をとることにしたということです。これは前進であります。  そこで、お尋ねしたいと思います。  まず、自治体庁舎の耐震建てかえ事業に対して交付税措置の支援を設けた理由について、御説明をいただきたいと思います。
  92. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 お答えいたします。  市町村行政運営していく上での基本となります公用施設であります役場庁舎のあり方につきましては、それぞれの市町村の御判断で決定されるものでありますので、従前におきましては、特別な財政措置を講じないというのを基本としてまいりました。  しかしながら、先ほど御指摘のように、熊本地震によりまして、窓口業務を初めとする住民に直結した行政サービスについての業務継続が確実に行われるためには、業務を行う場であります、いわば行政の中枢拠点であります庁舎が、発災時においても有効に機能しなければならないことは強く再認識されたという状況でございます。  特に、庁舎の耐震化が未実施の市町村におきましては、発災時に業務継続に支障が生ずるおそれがあるということで、この施策につきまして強い要請が出されたことも踏まえまして、庁舎の建てかえを緊急に実施できるように今般の措置を講ずることとしたところでございます。
  93. 田村貴昭

    田村(貴)委員 では、この役場機能緊急保全事業の対象と要件について、簡単に御説明いただけるでしょうか。
  94. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 お答えいたします。  対象事業につきましては、昭和五十六年の新耐震基準導入前に建設され、耐震化が未実施の市町村の本庁舎の建てかえ事業でございます。  また、対象事業の要件としましては、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づく事業であって、建てかえ後の庁舎につきましてそれぞれの市町村の業務継続計画に位置づけること、この要件を設けております。
  95. 田村貴昭

    田村(貴)委員 国は、公共施設等総合管理計画を二〇一六年度までに策定することを自治体に求めています。既に策定をしている自治体は、この公共施設等総合管理計画の修正をする必要があるんでしょうか、ないんでしょうか。これについてもお尋ねしたいと思います。
  96. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 公共施設等総合管理計画につきましては、それぞれの地方公共団体におきまして、庁舎も含めた保有施設全体について、点検、修繕、更新、耐震化等に関する基本的な方針を定めるものでございます。それぞれの施設に係る具体的な対応策については、この基本的な方針に沿って、当該施設の劣化状況あるいは利用状況等に応じて検討すればよいものとなります。  したがいまして、未耐震庁舎の建てかえ事業を実施する市町村につきましては、その建てかえ事業がこの基本的な方針に沿ったものである限り、既に作成した総合管理計画を修正する必要はなく、先ほど申し上げました個別施設計画を策定するとともに、業務継続計画に位置づけた上で、市町村役場機能緊急保全事業債を活用することが可能でございます。
  97. 田村貴昭

    田村(貴)委員 確認しました。  それでは、この役場機能の緊急保全事業の建てかえの経費区分について伺いたいと思います。  総務省の説明では、起債対象経費の七五%を交付税対象分とし、その交付税対象分の三〇%を基準財政需要額に算入するとしています。なかなか理解が私も進まなかったんですけれども、ちょっと例を出させて質問させていただきます。  例えば、この制度を活用して、自治体の基金とそれから起債をもってして、役場を、庁舎を耐震のために建てかえたいとします。その際に、起債対象経費が仮に十億円とするならば、九億円までは起債が認められるのか。市町村役場機能緊急保全事業債、この起債が認められるということでしょうか。それから、二億二千五百万円が交付税とされるということでしょうか。お答えいただきたいと思います。
  98. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 お答えいたします。  御指摘の十億円のケースでありましたら、地方債の充当率九〇%を乗じた九億円がこの起債の上限額となります。また、この起債対象経費の七五%分であります七億五千万円を上限として、その範囲で充当した地方債の元利償還金の三〇%が基準財政需要額に算入されますので、二億二千五百万が対象になるということになります。
  99. 田村貴昭

    田村(貴)委員 つまり、九割までの起債が認められ、そして自治体の基金等を含む起債対象経費の二二・五%が交付税措置されるということが確認できました。  そこで、耐震化が求められる自治体の現状についてどうなっているか、お尋ねしたいというふうに思っております。  消防庁、お越しでしょうか。消防庁の方にお尋ねします。  災害時に災害対策本部が設置される庁舎のうち、耐震性がない庁舎の数、その割合について教えていただけますか。
  100. 大庭誠司

    大庭政府参考人 お答えいたします。  昨年十二月、平成二十七年度末時点での市町村の庁舎の耐震化状況調査を取りまとめたところでありますけれども、災害対策本部設置予定庁舎につきましては、千七百四十一市町村のうち二七・二%に当たる四百七十三市町村で耐震性が確保されていない状況でございます。
  101. 田村貴昭

    田村(貴)委員 四百七十三市町村の庁舎。その耐震性のない四百七十三の市町村の庁舎のうち、代替庁舎の指定がされていない数、先ほど黒田局長からお話があっているいわゆる業務継続計画ですね、代替庁舎が指定されていない数、それから、代替庁舎の指定がされてはいるんだが耐震性のないものの数について、調査が行われていると思います。その数について教えてください。
  102. 大庭誠司

    大庭政府参考人 お答えいたします。  災害対策本部の設置予定庁舎の耐震性が確保されていない先ほどの四百七十三市町村のうち、三百六十三では耐震基準を満たす代替庁舎が確保されております。  一方で、残りの百十の市町村につきましては、代替庁舎の未指定が五十五、代替庁舎の耐震性が確保されていないものが五十五となっております。
  103. 田村貴昭

    田村(貴)委員 今の答弁にあったリアルな状況については、お配りしている資料2に示されています。これは、北海道から沖縄県まで四十七都道府県、それぞれ温度差があります。耐震性が高い庁舎の県もあれば、半分程度のところもあるわけであります。耐震性がないところは急いで進めていかなければならないわけですけれども、耐震性のない庁舎が四十七の全都道府県に存在しています。そして、その数は四百七十三自治体にも及んでいます。また、災害時に庁舎が被災し、その役所の事業継続が困難となるであろう、そうしたところが百十の市町村にあることがわかりました。  せんだって内閣府の方にお伺いしたんですけれども、自治体のBCP、業務継続計画、このBCPの策定率は今のところ市町村のまだ四二%、過半数に届いていないということです。つまり、今、役所が震災やあるいは災害に遭ったときに、この役所にかわるほかの施設を決めていない、そうしたところがまだある。それから、情報のバックアップ、あるいは水とか食料の確保等についてのBCP、つまり、最低行わなければいけない、計画を定めなければいけないBCPの策定率が市町村で四二%という状況であります。ここを急いでいかなければなりません。  そこで、高市大臣にお伺いいたします。  災害時に役所の機能を存続させ、そして被災者、被災箇所への機敏な対応を進めるためにも、こうしたところの自治体の庁舎の耐震化を急いで進めていかなければならないと思いますけれども、庁舎一〇〇%耐震化に向けての総務大臣の決意をお伺いしたいと思います。
  104. 高市早苗

    高市国務大臣 昨年の熊本地震の際にも、被災地に伺いまして、痛感をいたしました。  特に、自治体の庁舎というのは、災害発生直後から被害情報の収集それから各種の応急対策を展開する拠点になる場所でございますので、やはり耐震化によって業務継続を可能にしていくということは非常に重要なことでございます。  これまでも、市町村に対して、緊急防災・減災事業を活用した耐震改修について働きかけてまいりました。それでも多くの市町村長さんから伺うのは、やはり後回しになっちゃうんだよねと。住民の、納税者の方々の理解が庁舎については得られにくいので後回しになってしまうんですという話もございました。今回の調査も受けまして、住民の皆様の御理解も進むように、市町村別の耐震化状況もホームページで公表をさせていただいております。  老朽化した庁舎の建てかえを検討しているために耐震改修には踏み切れないという市町村もあるかと思いますので、このような市町村におかれましては、今般創設されます市町村役場機能緊急保全事業をぜひとも御活用いただきたいと思っております。  それぞれの市町村の実情に応じて、耐震改修をするか、建てかえをするか、代替庁舎の確保をするか、対応が違ってくると思いますが、最適な方策によって耐震化が進むように働きかけを続けてまいります。
  105. 田村貴昭

    田村(貴)委員 私も熊本の自治体を訪ねて、大臣が痛感された、いわゆる後回しになっちゃうんだよねというのと、それから、事業の継続計画が成り立たない状況になったところもこの目で見てまいりました。  ぜひ制度の活用が促進されるように頑張っていただきたいというふうに思うんですけれども、一〇〇%を目指すに当たって、新設のこの役場機能緊急保全事業によってどの程度建てかえが進むと総務省は見込んでおられるでしょうか。
  106. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今般の事業の創設に当たりましては、直近の調査、建てかえの状況等を踏まえまして、見込まれる額についてを地方財政計画に計上しております。  したがいまして、これから耐震化が未実施の市町村が庁舎の耐震化を行う際には、耐震改修を行うのか、あるいは耐震改修を行うよりも建てかえを行った方がコスト的によりよいのかという判断をする必要が出てくると思います。  ですから、具体的な進捗については今の段階で見込むことは難しい点がございますが、既に、検討の結果としまして、耐震改修よりも建てかえの方がコスト的に妥当であるという団体もございます。そういう団体におきましては、この事業を活用して取り組みたいという声もいただいておりますので、一定の進捗が図られるものではないかというふうに期待しております。
  107. 田村貴昭

    田村(貴)委員 建てかえに対する地方債事業費は年間三百億円を見込んでいるというふうに伺っています。  耐震化が必要な自治体が手を挙げて、そして集中して、お金が足らなかった、予算が足らなかったという場合には、この事業費をふやすことは当然あってしかるべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
  108. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 今御指摘いただきました事業費も含めまして、地方財政計画において計上しております投資的な事業、単独事業につきましては、枠計上しておりますので、事業費の上限を定めているものではございません。市町村のニーズに応じまして事業を実施していただくことは十分可能でございます。
  109. 田村貴昭

    田村(貴)委員 固定するものではないということを確認とれました。  私、地元、福岡県なんですけれども、災害対策本部が設置される庁舎の耐震化状況については、消防庁の資料で確認させていただきました。六十自治体があるんですけれども、十七の市町村、二八%が非耐震となっています。  これまで、市町村、いろいろ訪ねさせていただいたんですけれども、正直、気の毒なぐらい古い庁舎のところもあります。頑張って、我慢して、そこで住民のために一生懸命働いておられるわけであります。合併もありました。公債費率が高いところもあります。さらには、自主財源が乏しいところもあります。  建てかえたくても建てかえられない、財政上の悩みを抱えている自治体は、これはもう全国どこでも同じところがあると思います。役所の耐震、建てかえはしたいんだけれども、やはり財政力の低いところでは建てかえにちゅうちょしてしまう。建てかえに踏み切ったならば、すなわちこれは借金をふやしてしまうということになってしまいます。  これまで耐震化への建てかえをしたくても手が出せなかったその大きな要因は、やはり財政に余裕がないということでありますけれども、これは、大臣、それから総務省、その認識はございますでしょうか。財政力の低い自治体への対応は、今度こういう制度ができましたけれども、これでもまだ手が届かないといったところの自治体等に対しては、大臣、どういう対応を進めていかれるでしょうか。
  110. 高市早苗

    高市国務大臣 そもそも、公用施設の基本ともいうべき庁舎の建てかえ事業というものには、これまでは、原則として、自己財源でやっていただくか、一般単独事業債ということで、充当率七五%ということでやってきていただいておりました。  今回創設します市町村役場機能緊急保全事業債は、財政力が弱い市町村でも緊急に役場の建てかえを実施できるようにということで、地方債の充当率を九〇%として、元利償還金に対して交付税措置を講ずることとしたわけでございます。かなり配慮した政策であると思っております。  一般に多額の財源を要するものでございますから、未耐震庁舎の建てかえを検討する市町村におかれましては、長期的視点に立った財源計画というのを勘案しながら、この新しい事業債を御活用いただきたいと考えております。
  111. 田村貴昭

    田村(貴)委員 地方交付税措置については前進であります。しかし、財政力の乏しい自治体ではまだ踏み切れないところもあろうかというふうに思います。交付税措置の割合を先ほど言った二二・五%に固定化することなく、実施の中で、見直しも含めて運用をしていただきたいというふうに思います。被災者が一日も早い生活となりわいの再建が被災地において果たせるように、政府の支援を求めたいと思います。  そして、災害時、震災時に司令塔の役割を果たすのは庁舎であります。公共施設の中で耐震化がおくれているのは庁舎であります。耐震化率は、文教施設が九七・二%、社会福祉施設が八四・九%に対して、庁舎は七八・八%の状況です。庁舎が使えなくては、救命、救援に重大なおくれを生じます。これは過去の震災における重要な教訓であります。  非耐震の庁舎の自治体の実情、そして自治体の要望に即して、この制度の運用と発展をぜひ図っていただきたいというふうに思います。  以上のことを求めて、きょうの質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。
  112. 竹内譲

    竹内委員長 次に、足立康史君。
  113. 足立康史

    足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。  私の方からも、交付税について幾つか御質問させていただきたいと思います。  その前に、ことしもよろしくお願いいたします。党の中で総務委員会を首になるんじゃないかというおそれを私も持っていたんですけれども、ことしもやれということで、竹内委員長からも、しっかりやれと、そんなことは言われていないか、そういう目で見ていただいていますので。ありがとうございます。  まず、きょう私が質疑する前にも、臨財債とかいろいろな議論がありましたが、あるいは、今回は補正ですから、財源不足折半で埋めるという、こういう制度について、折半についていろいろ質疑がありました。  私もなかなか詳しくないところなので、最初は同じような印象を持ちましたが、事前にいろいろお話を伺うと、あるいはお詳しい方は常識だと思いますが、こういうものだ、こういうものだというのか、こういう制度としてもともと組まれているわけですから、今回の補正について何か異論があるわけではないし、したがって、法案についても我が党は賛成ということで決めさせていただいておりますが、せっかくの機会でありますので、そもそもの話をちょっとさせていただきたいと思います。  大きく言うと、交付税制度そのものと、それから臨財債制度ということがあるわけですが、特に我が党は大阪の府会議員の経験者とかが結構多いものですから、臨財債というのは非常に違和感があるという議員が多いです。  臨財債というのは一時的に財源不足の中ででき上がっている制度だと思いますので、どこかでこの臨財債というのは、制度としてはなくなれば一番いいんですが、なくなる、なくす見通しというのは、まあ、ないんだろうなと思うんですけれども、一応確認です、なくす見通しはありますでしょうか、ないでしょうか。
  114. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 お答えいたします。  先ほど来大臣の方からも答弁がございますように、地方財政の健全な運営のためには、本来的には、臨時財政対策債のような特例債に頼らない財務体質を確立することは重要でございます。  このため、今後とも、歳入面では、アベノミクスの成果を地域の隅々まで波及させ、地方税等の増収を図りますとともに、歳出面では、国の取り組みと基調を合わせ、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで財源不足額の解消を図っていくということは重要でございます。  まずは、国と地方折半すべき財源不足が解消され、財源不足による新たな臨時財政対策債を発行しないで済みました平成十九年度平成二十年度状況をなるべく早く実現することを目指してまいりたいと考えております。
  115. 足立康史

    足立委員 ありがとうございます。  そういう状況が生まれればいいと思いますが、国もあっぷあっぷしながらやっているわけですから。これはまた総務委員会とは別の機会に議論していきたいと思います。  そういう現状の中で、財源不足があったときに国と地方折半するという今の制度、今も御紹介いただいた、あるいは先ほどいろいろな方の御質問の中で大臣からもお話があった、そういう現行制度というのは、私はやはり、だから、地方自治というのは、一応憲法にも書いていますが、書いているというか、若干の条文があるだけでありますが、地方自治の章があるわけでありますから。  憲法にあるこの地方自治の書いてあることあるいはその理念というのは、実は、こういう地方交付税制度あるいは臨財債制度という形で、若干、その理念というのはしっかりとは実現し得ていない、あるいは崩れているというか、理念に反する部分が多々あるんじゃないかと思いますが、総務省としては、いや、地方自治の理念というのは、そうではない、ちゃんとこれは実現しているんだと考えるのか。  やはり地方自治というものを理想的に考えれば、臨財債なんかない方がいいし、交付税制度をもうちょっと圧縮した、すなわち、交付税の機能として財源保障と財源調整という二つあるとすれば、財源調整は必要ですが、やはり地方自治というものが十全には実現し得ていないと私は評価せざるを得ないんですが、どうでしょうか。
  116. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 御指摘いただきましたように、地方自治の観点からしますと、やはり地方団体が財政的に自立していくためには、みずからの財源であります地方税の充実を図り、地方税を中心として、できれば地方税だけで財政運営を行う、こうできればこれは理想だと考えております。  ただ、一方で、地方税の充実を図り、偏在性の小さな地方税体系を構築しましても、なお税源の偏在は残らざるを得ない状況でございます。その中で、全国の地方公共団体にさまざまな住民サービスを実施していただく、そのためには、やはり一定水準の行政サービスを確保するために必要な財源を保障する現行の地方交付税の財政調整の機能が引き続き適切に発揮されることが必要でございます。  地方税と合わせまして、必要な一般財源総額の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
  117. 足立康史

    足立委員 ちょっと更問いを申し上げたいんですが、今おっしゃったように、税源の偏在はあるわけですから、その税源の偏在をいわゆる調整する、交付税のそういう偏在を調整する機能というのは、全国の自治体のサービスを維持する上では当然必要だ。我々が例えば道州制というのを提案している、道州制ができたって、道州制のもとにある基礎自治体の間でいろいろな調整の仕組みは、僕らは設計していますけれども、そういうのは要るわけですから、これはわかりますよ。  しかし、いわゆる財源保障、自治体のサービスを保障するためのその財源保障の部分は、本当は、地方自治という意味でいえば、例えば、税源を地方に移譲して、交付税の調整側面は残して保障側面はなくすということは、別に政権交代がなくても、今の自公政権のもとでも、政府はできることだと思うんです。  ちょっと通告から飛び出しているかもしれませんが、もし御見識がありましたら教えてください。
  118. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 現行の地方交付税制度財源調整の機能というものは、基準財政需要額と基準財政収入額の差し引きの中で行われるということになります。  それで、確かに、財源保障と財源調整機能を分離すべきだという議論はございますが、最終的にどの程度財源調整をしようかということになりますと、それは結果としましてどの程度財源保障をしないといけないかということができませんと、財源調整機能だけ取り出して議論するということは制度的になかなか難しいと思います。  その意味で、財源保障と財源調整機能というのは、私どもは、そこは機能としてはやはり不離一体のものだというふうに認識しております。
  119. 足立康史

    足立委員 もう一言いいですか。  なぜ、保障機能と調整機能というのは、保障機能が一定程度ないと調整はできない、調整機能は維持できない、私はちょっと理解できないんですけれども理由は端的に言えますか。
  120. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 財政調整の仕組みとしましては、いろいろな仕組みが考えられると思います。  それで、今御指摘の、財源調整だけ行うという一つの例としまして、例えば、全国の都道府県の税収を一人当たり平均になるように一定のお金を渡して、あとは自由にやってくださいというやり方があるというのはございます。  ただ、最終的に、では、どの程度税収をならしたらいいのかという妥当性を追求しますと、ならした上でどういう仕事ができるようにするのかという議論がどうしても不可分になりますので、そこは、私ども、まさにそれは財源の保障機能であるというふうに認識しております。
  121. 足立康史

    足立委員 ありがとうございます。(発言する者あり)  小川野党筆頭から、いい議論だと。私はいつもいい議論をしているんですけれどもね。済みません。ありがとうございます。小川筆頭とは大変仲がよくて。余計なことですね。  最後に、実は大阪で、私は維新ですけれども、きょうも自民党の先生方が何人もいらっしゃいますが、自民党の国会議員の先生方は左藤代議士を初めすばらしい方が多いんですが、地元でまだ何かドンパチやっているんですね。  例えば、何をドンパチやっているかというと、今、大阪では、知事は松井一郎知事で、我が党の代表だったりするんですね。すると、自民党さんの大阪市会議員が、大阪市は財政再建が進んでいるけれども大阪府は進んでいないとか、そういうのを、あのダブル選挙とか都構想のときから大分時間がたちますけれども、いまだにあるので、僕はもういいかげんにしてくれと思っているわけです。  ちょっとこの際はっきりさせておきたいんですが、結局、臨財債の規模が全然違うわけです。例えば、二十七年度臨財債の発行可能額を見ると、大阪府は一千八百三十五億円ぐらいです。大阪市は大体六百八十四億円ぐらいです。全然違うんですね。それは当然府の方がでかいわけです。  その発行可能額というのは、誰が決めているんですか。
  122. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 発行可能額につきましては、算定方法地方交付税法で定めまして、その算定結果につきましては総務省で決定しております。
  123. 足立康史

    足立委員 発行可能額は国が決めているんですよ、国が。だから、別に大阪府と大阪市でそれをどうのこうのといっても、それは総務省が、政府が決めているわけです。  二十七年度に大阪市と大阪府、一部にこの可能額を使い切っていないところもありますよ、可能額だから。では、皆さん、大阪府、大阪市も、私の方から言いましょうか、結論から言うと、大阪府も大阪市も可能額を目いっぱい使っています。今私の手元にあるのは二十七年ですけれども。  では、これは全く、知事がどうとか市長がどうとか市議会がどうとか府議会がどうじゃなくて、もっと根本的な財政再建の取り組みを議論したらいいので、とにかく、大阪府は臨財債をたくさん出している、それは事実です。でも、それは、総務省が府と政令市の財政力みたいなものをいろいろ比較して、ルールの中で決めて、大阪市も大阪府も両方とも一〇〇%を使っている。  これを、この臨財債の額も含めて積み上げて債務残高として、松井知事に不当な、そういうことを言う、いまだにそういう議員も地方にはおるものですから、一応、僣越ながらというか、この場がふさわしいかどうかはわかりませんが、大阪の国会議員の皆様にはその点をまた御指導いただくようお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。
  124. 竹内譲

    竹内委員長 次に、吉川元君。
  125. 吉川元

    吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。  まず、今回の交付税、最後ですのでちょっと質問がダブるところもあるかと思いますけれども、お答えいただければと思います。  地方交付税の原資である国税五税の減額補正に伴い、交付税も五千四百三十七億円減りました。折半ルールによって、地方の場合について言えば、五年かけて交付税総額から減額をされるということになります。  これは、ルールということではありますけれども、国の経済財政見通し誤りによって生じた交付税減額補正分、これを地方に負担させることは、地方の自立的、安定的な財政運営を阻害させかねないというふうにも思います。本来、国が責任を持って負担すべきだと考えますけれども大臣、どのようにお考えでしょうか。
  126. 高市早苗

    高市国務大臣 今回の一般会計からの加算額のうち二分の一は地方負担分として後年度に精算することとしておりますけれども、これは、仮に補正予算による国税減収が当初予算の時点で見込まれていたならば、その減収分は国と地方折半対象となる財源不足となること、過去においても、補正予算によって国税減収となり、法定率分が減少した場合には、当初予算における折半ルールに基づいて今回と同様の対応をとってきたということ、また、逆に、補正予算によって国税が増収となり、法定率分が増加した場合には、翌年度折半対象財源不足の縮小に活用してきたこと、これを踏まえたものでございますので、何とか御理解を賜りますようお願い申し上げます。
  127. 吉川元

    吉川(元)委員 これは、三度目か四度目の同じ答弁だと思います。当初予算で見込まれた場合には折半ルールになっていたはずだ、だから、今、税収不足が発生した場合も折半ルールなんだというお話ですけれども、これは、実は果たして同じことなのかどうなのか。私は、これは同じことではないというふうに思います。  先ほど少しお話がありましたけれども、いわゆる折半ルールに基づいて発行されます臨時財政対策債、これは、今、足立委員が質問しておりましたが、発行可能ということであって、別段発行しなくても構わない、個別自治体が判断をして臨財債を発行するかどうかを決める、そういう制度でよろしいんでしょうか。確認です。
  128. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 臨時財政対策債につきましては、法律上、発行可能額として設定しまして、その枠の中で地方債を発行していいということを地方財政法で決めております。  ただ、交付税の算定をしますときは、それは発行可能額の範囲でそれぞれの団体の財政運営で判断するということになりますので、交付税の元利償還金を算定しますときはその発行可能額で、発行額の多寡にかかわらず、可能額で機械的に計算をする。  そういう形で、後年度、発行しなかったら何か損が発生したのではないかとか、そういうことにはならないような措置を講じております。
  129. 吉川元

    吉川(元)委員 どういうことを言っているのかよくわからなかったんですが。  つまり、年度当初から、例えば、今回、五千億強、税収が減ったということですけれども、これは、初めからわかっていれば当然その部分は、同じ地財計画に基づいて臨財債の枠がそれだけふえていた。  これは、強制的に必ずこの分を借金しなければいけないというのであれば、恐らく減額補正して折半しても同じことだと思います。だけれども、現実には、各自治体、多くの自治体は、先ほど大阪の例が出ましたが、限度額いっぱいで借りているところもありますけれども、自治体によっては、自分たちの判断として、やはり借金はふやさないんだということで、あえて限度額いっぱいではなくて、臨財債の発行を抑制する自治体だって当然存在するわけです。  その自治体にとってみれば、途中でこれだけのお金、例えば一億円、これは折半ルール、本来一億円が交付税で配られるんだけれども、足らなくなったから折半ルール借金にしますというふうになったら、これは同じことでは全くなくなってくるのではないでしょうか。  このあたり、総務省としてどのようにお考えですか。
  130. 黒田武一郎

    黒田政府参考人 現行の交付税法規定でいきますと、年度途中で仮に補正国税減収が発生しましたら、その減収に沿って交付税は圧縮して配分しないということになります。それは、もう決定して配分行為を行っておりますので、そこは財政運営に非常に問題が生じるであろうということで加算をいたしますので、そのための特例加算でございます。  ただ、それは、もし年度当初であれば折半対応したということになりますので、後年度地方負担分については精算をするということになりますので、今の臨財債議論とは少し別の制度の観点ということではないかと私ども理解しております。
  131. 吉川元

    吉川(元)委員 いや、私が言っているのは、年度当初にもしこれだけ不足しているというのがわかっていたら折半ルール、途中でこれだけ税が減りましたから折半ルール、これは全くイコールではない。なぜなら、発行限度額があって、その中でどれだけ発行するかは各自治体が決めるわけですよね、臨財債これだけ発行しますと。ところが、年度途中で突然、今まで交付税でもらっていたはずのものが借金に変わるわけですよ。  後から返せと言われたらもっと自治体は困りますから、それはわかるんですけれども、だけれども、結局、後で臨財債に変えるということになれば、これは借金として残るわけですから、当初からもし仮にわかっていたとしたら、より歳出を減らして臨財債を発行しないようにしたかもわかりませんし、実際、限度額いっぱい使っていないところにとってみれば、新たにふえるというふうになるわけですから、ここら辺はやはりしっかりと国としても考えていただきたいというふうに思います。  今回、補正予算案、税収の当初見込みが一・七兆円の税収減ということで、七年ぶり、リーマン・ショック以来ということであります。  財務省の方に確認いたしますけれども、これは原因はやはり円高だということでよろしいんでしょうか。
  132. 三木亨

    ○三木大臣政務官 お答えいたします。  二十八年度税収補正につきましては、直近の課税実績や企業収益の見通し、また政府経済見通し等をもとに、今委員指摘にございましたように、対二十八年度当初予算で一・七兆円減の五十五・九兆円と見積もったところでございます。  税収補正の主な要因といたしまして、二十八年の当初から円高方向に推移したことにより、当初予算に比べ、輸出企業の円建ての売り上げの減少を通じ法人税収が減、また、円建ての輸入額の減少を通じ消費税収が減少すると見込まれていることであるというふうに財務省としても認識いたしております。
  133. 吉川元

    吉川(元)委員 法人企業統計を見ておりますと、確かに、昨年の四月―六月期は前年比で企業の経常利益は二兆円ほど減っております。この時期、円高が進んでいるということ、これは事実であります。ただ、一方で、四月から六月期よりも円高がさらに進んだ七月―九月期というのは、実は経常利益は前年比で一・七兆円ふえております。  円高が原因だというふうに言われるんですけれども、果たしてそれだけなのか。もちろん円高影響していないとは言いませんが、円高によって企業利益が減少したというのであれば、より七月―九月は経常利益は減っていなければいけないんですけれども、実際にはそうなっていない。  それよりもやはり大きな問題なのは、二〇一五年九月から昨年十一月、統計が出ている範囲ですけれども、事実上、十五カ月連続、去年の二月はうるう年で三%ぐらい、三%でいいんですかね、一日多いわけで、それを除くと十五カ月連続で前年比マイナスの消費、これが連動して結果的に税収減になっているのではないかというふうに考えますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。
  134. 三木亨

    ○三木大臣政務官 お答えいたします。  平成二十八年七―九月期の法人企業統計の調査結果によりますと、経常利益は前年同月比でプラス一一・五%となっております。これは委員の御指摘のとおりでございます。これは、純粋持ち株会社において子会社からの配当金の増加により大幅な増益となっていることが一定影響を及ぼしているものと考えられます。  なお、受取配当金不算入制度等により純粋持ち株会社の増益による税収増は生じないこととなっておりますので、純粋持ち株会社を除いたベースでは、経常利益は前年同期比で五・三%の減となっているところでございます。  また、世帯当たりの消費を捉える家計消費は世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっておりますけれども、国全体の消費を捉えるGDPベースで見ると、個人消費は二〇一六年に入ってから三四半期連続の前期比プラスとなっているなど、持ち直しの動きが見られるところでございます。  こういった点から、個別企業へのヒアリングや企業の中間決算における分析などを踏まえると、二十八年度税収補正の主な要因は、二十八年の当初から円高方向に推移したことによって、当初予算に比べて法人税収消費税収が減少すると見込まれることにあるものというふうに考えております。
  135. 吉川元

    吉川(元)委員 余り時間がないので次に行きますけれども、やはり私は、消費というのが一番大きな問題なんだと。  確かに、賃金等々を見ておりますと若干上がった時期もあるんですけれども、一貫して消費は十五カ月ずっと減り続けているんです。これは何が原因なのかといったら、物すごく将来不安がやはり国民の中に広がっていて、消費をせずにお金をためておこう、そういう気持ちといいますか、考えが広がっているのが私は大きな原因ではないかというふうに思います。  関連して、アベノミクスに関してですけれども、企業の経常利益は過去最高水準に達しても、賃金、家計所得には反映されず、結果として消費が滞って、生産や投資の拡大も起きない。  これは、とりわけ第一の矢と言われた異次元の緩和、この構造を転換する、そもそもこれを転換するのが第一の矢ではなかったのかというふうに私は思うんですけれども、それを検証すべき時期ではないかというふうに思います。  実際、官邸でアベノミクスを支えていらっしゃる浜田宏一内閣官房参与、昨年十一月十五日の新聞紙上で、デフレ脱却に際して物価引き上げや異次元緩和の政策は不十分だったのではないかと問われて、学者としては以前言っていたことと、とりわけ第一の矢のことですけれども、考えが変わったことは認めなければならないと。事実上、アベノミクスの第一の矢は誤りだったということを示唆しております。また、国民にとって一番大事なのは物価ではなくて雇用や生産、消費だというふうにも言われております。  学者として自説の誤りを認めるのは結構なことですけれども、肩書としては、内閣官房参与という肩書を持っていらっしゃいます。そういう意味でいうと政府の一員でもあるわけで、そうなりますと、理論的に支えていた方が自分の理論は実は間違っていたんだというふうに言われているのであれば、その理論に基づいてつくられた政策というものも当然見直すのが筋だというふうに思いますけれども、この浜田内閣官房参与の認識を政府はどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。
  136. 原宏彰

    ○原政府参考人 お答え申し上げます。  浜田先生御本人の発言については、浜田宏一氏個人としての発言等に関するものでございますので、政府としてお答えする立場にはないというふうに思ってございます。  アベノミクスの方につきましては、金融政策のみならず、財政政策、成長戦略を総動員することによりまして、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出すことができたというふうに考えてございます。就業者数が百十万人ふえている等々、全国津々浦々で確実に経済の好循環は生まれているものと考えております。  また、昨年後半から世界経済も全体として上向きつつある中、日本経済にも明るい兆しが見られているというふうに考えてございます。  この機を捉えまして、経済最優先で三本の矢を続けまして、デフレから脱却をし、日本経済の新たな成長軌道を目指していきたいというふうに考えております。  以上です。
  137. 吉川元

    吉川(元)委員 個人のことと言いますけれども内閣官房参与ですよ。その方の意見について、しかも、アベノミクスを大々的にやり始めたときに、まさにこの人が理論的支柱だったわけでしょう。それが、今になったらもう関係ありませんという言い方というのは、非常に不誠実だというふうに思います。  時間がありませんので、また別の機会にこれについては引き続き議論させていただきたいと思います。  次に、今回の補正予算に盛り込まれております災害対策費に関連してお聞きいたします。  昨年夏、台風、水害被害が北海道、東北地方を襲いました。北海道では、台風による被害額が約二千七百八十七億円に達する。わけても、海岸線沿いに沈んだ流木による被害が甚大で、現状ではカニやシシャモの漁に非常な困難が発生をしているというふうに聞いております。  北海道では、道の単独予算で、対象となる四町に二千万円の調査費をつけて流木処理をしようとしているんですが、実際、流木は沈んじゃっていて、なかなか漁船等々では、漁協では対応できないというふうにも聞いております。  これについて、国として何らかの支援というのは考えられないんでしょうか。
  138. 岡貞行

    ○岡政府参考人 お答えいたします。  昨年の台風十号により、十勝地域を中心とした沿岸海域に大量の流木が流出し、その一部が海底に堆積していることは承知してございます。  このため、水産庁におきましては、水産多面的機能発揮対策事業によりまして、漁業者等で構成される活動組織が行う流木の回収、処理などの保全活動に対しまして支援を行っているところでございます。  具体的には、現在、十勝地域の四つの活動組織が海底に堆積した流木の状況について調査を行いますとともに、回収、処理活動の実施に向けまして準備を進めていると聞いてございます。  引き続き、北海道など関係機関と連携し、本事業によります流木の回収活動が円滑に進められますよう、今後とも努めてまいります。
  139. 吉川元

    吉川(元)委員 時間が来ましたので終わります。
  140. 竹内譲

    竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  141. 竹内譲

    竹内委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。梅村さえこ君。
  142. 梅村さえこ

    梅村委員 私は、日本共産党を代表し、地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。  国税収入の減額補正によって地方交付税総額に不足分が生まれるために、一般会計から補填をすることは当然であります。しかし、そのやり方が問題です。  本法案は、地方交付税減額五千四百三十七億円について、一般会計からその全額補填をする形をとっていますが、その半分の二千七百十八億円は来年度以降の地方交付税総額から減額されることになります。補填分に充てる半分は地方負担となるのであり、いわば地方交付税の先食いです。  今回のやり方は、リーマン・ショックの影響国税が大きく減収となった二〇〇八年度、二〇〇九年度と同じです。二〇〇八年度、二〇〇九年度の措置により、既に、毎年度地方交付税総額には減額措置がとられており、さらに、今後五年間、五百四十四億円の減額が加わって、来年度以降は毎年度二千三百五十五億円が減額されることになります。  そもそも、法人税を初めとする今回の国税減収は、アベノミクスの破綻と政府見積もりの誤りをはっきりとさせたものであります。  地方交付税法は、毎年度分の交付税総額の見積もりは総務大臣の権限と責任にあること、地方財政計画の策定が内閣の義務であることを規定しています。この法律趣旨からも、地方財政計画年度当初に見込んだ交付税総額は、国の責任で確保するべきです。  国の責任を放棄し、地方に負担を押しつける本法案には反対であることを述べ、討論といたします。(拍手)
  143. 竹内譲

    竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  144. 竹内譲

    竹内委員長 これより採決に入ります。  地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  145. 竹内譲

    竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 竹内譲

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  147. 竹内譲

    竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時五十六分散会