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篠原(孝)
委員 強制といったって、嫌がるのを引っ張っていけと言っているんじゃなくて、僕はさっき、人生設計に合わせてというように、柔軟にやっていく。
しかし、最初は義務づけですよ。
大臣は権限をいっぱい持っておられるんですよ。例えば、保険料をみんな払っているんですよ、日本国民。そして、医者のあるところは自由にかかれて、ないところはかかれない。それは国家の大怠慢ですよ。それに気がついておられないんです。それはちゃんと義務づけていいんです、医師として国家試験で資格を付与するんですから。ずっと縛るわけじゃないです。一年や二年縛ったっていいんですよ、そんなの。僕は、全然おかしくない。
だから、外国でも、ドイツは定員の人数を変えて、定員を診療科ごとに計算して、それの一一〇%を超えているところでは、もう保険医としては認めないんです、そこでやる人は勝手にやれと、保険の制度のもとの医師とは認めない。そういうふうにしてチェックしているんです、それで地方に行くようにというのを。スウェーデンなんて、みんな公務員ですし。
だから、それは、自由だ、自由だじゃなくて、そんなのはほっておいたらだめなんですよ。大学は地域枠というのでやったりしているんですから、一番権限を持っているのは
厚生労働大臣なんです。受動喫煙対策も大変だろうと思いますが、こっちもなかなか頑張っておられます。なかなか
厚生労働大臣は働きがいいんです。もう一つ、いい働きをぜひしていただきたいと思います。
次に、TPP関連。
こっちは、私はずっとTPP反対で、ずっと
ストップTPPの赤いネクタイをやっていたんですけれども、違うんですから、
ストップTPPじゃないですから、色は同じですけれども、
安心してください。しかし、こっちは、私は、農業以上に、
医薬品、
医療のところを、アメリカの攻勢を押しのけなくちゃいけない。
資料六ページのところを見てください。これは日本の統計とアメリカの統計ですが、ちょっと古いんですが、見てください。
アメリカの日本への輸出の中で、穀類が一番多いんですよ。
医薬品というのは五番目ですけれども、
医療機器を加えると一番多くなるんです。つまり、アメリカが何で
医薬品と
医療機器に熱心になるか。
右側はアメリカから見たものですけれども、六番目と十番目。六番目は光学
医療機器等になっていて、
医療機器だけじゃないですからちょっと分かれるんですけれども、
医薬品が十番目です。それで、下のところ、米国の
医薬品プラス
医療機器の合計の上位輸出相手国は、ベルギー、オランダ、日本が三位なんです。団塊の世代が高齢者の仲間入りをして、
お金を持っている。少々高くても高い薬は買うし、高い
医療機器でもって、外科の医者が足りないんですが、そういう問題はありますけれども、日本が一番いい相手なんです。
だから、私は、役に立たないんですけれども、民主党、民進党の代表として、ブルネイからシンガポール、それからデンパサール、シドニー、みんな私が大体民主党代表で行きました。私が行っていると、農業団体がわんさか来ているんですけれども、おっ、民主党も来ているなといって、私の方が団体からは人気が高いんです、自民党の人は三人くらい行かれますけれども、だから行っていた。それで、オアフ島とアトランタはみんな行きたがるので、若いのに行かせて、私は行かない、こういう立派なことをしているんです。
それで、この次のページのところ、七ページを見てください。
なぜそうなるかというと、アメリカというのは、もうそこで
医療関係者、保健
関係者がいっぱい来ているんです。この人たちと、そこそこ英語はできますので、一緒に飯を食ったりして意見交換しましたよ、NPOの人たちとも。そうしたら、何を考えているかというと、とてつもないことを考えているんです。
記号のB、一人当たり保健
医療費支出を見てください。アメリカが百二万円。これは高齢者もみんな入っていて、俺はそんなに三十八万六千円もかけていない、ぴんぴんしておられる方は医者にかからないんですよ。一位と十八位です。アメリカはどう言うかというと、日本はアメリカを追いかけていると。二十年か三十年後はアメリカと同じになるんだと言うんです、だから日本は大市場だと。
そして、だんだん下へ行って、D、一人当たりの
医薬品支出はアメリカが一番なんです。十一万八千円で、日本は七万八千円で四位になるんです。
次にF、保健
医療支出に占める
医薬品支出は、日本がパーセントが一番多いんです、わかりますか。五分の一が薬代に消えているんですよ。そして、薬も、引き出しに眠っている薬がいっぱいあるんです。薬好きなんです、日本人は。
だから、かかりつけ薬剤師というのもいいことです。これも、
厚生労働省は本当にいいことをやっていると思いますよ。いいことをいっぱいやっているんですよ、かかりつけ。そうすると、薬剤師が一緒だったら、同じ薬を出さなくなりますよ、無駄を省きますよ。僕は知りませんけれども、統計がちゃんととれないんですが、日本の薬の一五%は使われないでいると言われています。高い薬、その無駄を省く。
恐ろしいのは、HのところとJのところを見てください。アメリカの製造業はがたがたです。航空機産業とか軍事関連産業、自動車もがたがたなんです。ところが、
医薬品の世界は、上位十社のうち五社がアメリカなんです。聞いたことがおありになると思います。ファイザー、メルク、ジョンソン・エンド・ジョンソン。そして、もっと驚くべきことは、
医療機器メーカーは、上位十社のうち七社がアメリカなんです。
アメリカが真剣になるのは当然です。高齢化していくし、この分野はもうかると。だから、国は相当力を入れているんです。それを日本は手をこまねいている。
Hのところに戻ってください。武田、アステラス、第一三共と、十位に入っている企業が一つもない。まともな産業界で、上位十社に入っていない、一つもないなんて業界はないと思います。アメリカの特許の上に乗っかって、自分たちで研究開発もしないし、それで大衆
医薬を宣伝しては売っているだけなんです。そんなことをしていていいのか。
もっとあれなのがJで、私は、日本人は器用ですし、工夫はいろいろ働きますし、内視鏡なんかがそうですけれども、オリンパスがちょっと入っていますけれども、
医療機器なんというのは日本の大得意分野で、他の追随を許さない、上位十社のうち五社は日本だ、自動車業界におけるトヨタやホンダや日産みたいなのがこの業界にこそあっていいと思うんですけれども、全然なっていないんです。
厚生労働省も経産省も、全然こういうところに力を入れてきていないんじゃないですか。
大臣、この点についてどのように思われますか。