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大隈委員 おはようございます。自由民主党の
大隈和英です。
きょうは、
医療法改正案につきまして
質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。
また、昨日には
東京女子医大、
大学病院の方に
視察に参加させていただきまして、これもまた大変ありがとうございました。きょう、もし時間が余りましたら、後ほどまた、その
感想等については
お話しさせていただこうと
思います。
それでは、早速、御
質問の方に入らせていただきます。
時代の変遷とともに
改正を重ねました
医療法ですが、今回の目指すところは、何より
医療の
安全性を高めることであるというふうに
考えております。それが担保できて初めて
特定機能病院の使命である
医療技術の
イノベーションが推進され、今まで救えなかった命をさらに救うことができるのだというふうに
考えます。それら
医療安全と
イノベーションを車の両輪として、その車軸には高い
倫理観と
人間性が求められるのだというふうに
考えております。
昨日の
視察でも、
大学の
同窓会長でもある副
理事長の
先生が、基本的なことではあるけれ
ども、まず
人間として挨拶ができないようではどうしようもない、そこから見直していくんだという
お話をしておられました。
実は、同じく私も
医学生時代を
経験した者として、その点においても多くの示唆を得た
思いです。よい
病院には必ず、
心技体ともにスーパーマンのようなすばらしい
先生がおられました。そして、以心伝心で、その
職場文化として全ての
職員に、その
先生のお人柄といいますか、
人間性が伝播していったということを何度も
経験した
思いがございます。
一方で、数多くの
医療事故の犠牲の上で、
医療安全が叫ばれながら、
事故をゼロに根絶することというのはまだまだできていない。そして、
医療安全については、当然ながら、
医学教育や
看護教育など、
学生時代から
教育としてはしっかりと盛り込んでいかなければいけないところですが、カリキュラムも、質、
量ともに、時間的にももう限界まで達している。私の
時代には
医師国家試験は二日間だったんですが、今は三日間。本当にこれだけは覚えておけという
最後の分厚い受験の本も、その一冊分厚いのが、今、そのままの分厚さで二冊になっているというような
状況で、大変な
時代になったなというふうに改めて見直すところです。
あるいは、
臨床現場に出てみますと、やはりその
職場職場、長らく続く特有の
文化がありまして、そこのところをしっかりと変革していかなければならないということを痛感しております。
きょうは、お手元に
シェーマをお配りしておりますので、カラーを少しごらんいただきたいと
思います。
医療安全と旧来の大
病院、
大学病院等の
勤務医の
文化と書いてありますが、
意識の
模式図というふうに描かせていただきました。私、これは
自分で記憶を
思い出しながら書いてみたんですが、これだけでは、当然、
委員の
先生方も、釈迦に説法で、よく御
承知だと
思います。しかし、ここのところを例えば
先生方御
自身に置きかえていただくと、よりさらに身近に感じて、御理解いただけるんだと
思います。
例えば、この左下、毎日押し寄せる
患者さんを、きのうも大変多くの方が
大学病院に、
患者さんがおられましたが、その
患者さん方、この
方々を最
優先に、
病院の中、勤務していくというのは当然のことなんですが、
勤務医師、この少し悩んでいる真ん中の
医師に、
委員の
先生方を置きかえていただきたいと
思います。そうしますと、
患者さんをまず御地元の有権者の
皆さんだというふうに
考えていただければと
思います。
患者さんは、日々
医療の
技術が進むことによって、治してもらいたいという
期待度がどんどん上がっている、
要求が上がっているというふうにも言えると
思います。また、そして、一部の
患者さんは、非常にクレームが、レベルが上がっているというところ、例えば三十年間で訴訟が六倍にふえているということがございます。
そして、この
病院、所属しているこの左上の
特定機能病院、
大学附属病院、これを例えば国会であるとか
省庁であるというふうに置きかえていただければわかりやすいと
思います。
院長先生が昨日も本当に奔走しておられました。その様子がわかりましたが、
院長先生は、とにかく、この厳しい
時代に、常に休むことなく
病院の
改革を進めていかなければならない。例えて言いますと、今、
厚労省でもリーダーシップを発揮していただいている
塩崎大臣、あるいは
省庁の
大臣だというふうにお
考えいただければわかりやすいかと
思います。
そして、この点で、赤い矢印で描いてあるところに注目していただきたいんですが、この
勤務医の
先生方というのはそれぞれ、よほど御
自身一人で就職しない限りは、ほとんどは
大学の
診療科の
医局に所属をしまして、
教授の方から、あるいは
医局長から
人事として派遣されてこられる。早い場合では、もう一年で
人事異動があったり、それでも、長くても十年勤めることというのはまずまれだというふうに
考えております。
大体、その
教授というのは、やはりいまだに
人事あるいは
ポストという点でもしっかりとした
権限を持っておられる。そう
考えると、議員の
先生方においては、例えば、御
自身の所属しておられる党首、党の代表の方であられたり、あるいは自民党であれば派閥の
会長ということに置きかえていただくとわかりやすいかと
思います。
そして、
大学、その
教授がたくさん
選挙でこれまた選ばれるわけですけれ
ども、それぞれ所属する、
内科であれば
日本内科学会であるとか、
日本外科学会であるとか、大きな
基幹学会も、小さなものもたくさんありますが、
学会の
会長、その
診療方針等々を位置づけ、方向づけていく非常に大きな権利、
権限を持っている。そういう点では、少し例えは違いますが、
内閣総理大臣であったり
首相官邸のようなものだというふうにお
考えいただいたら近いのかもしれません。
そういうことを
考えますと、日々
患者さんに向き合って
大学病院で
治療をしていく、
ペーシャントセーフティー、
医療安全のために、しっかりと
患者さんのために頑張っていくんですが、非常に、
改革すること、
会議も多うございます。
患者さんのための時間を割いて
会議等をやっていかなきゃいけないわけですが、
院長先生からは、
院内改革、
診療実績を上げていく、あるいは
病院の
経営を
改善していくという点でも、
医師には大変な努力を強いられているという現状があります。
また、この赤いところ、やはりどうしても、短い期間、長期間勤めるわけではないとなるとなおさらになりますが、
勤務医としてはどうしても常に
医局、
診療科の
医局の方を顔を向いて、次の
人事、さらによい
ポスト、あるいはさらによい
研究について、
医局の方を向いているという
現実がある。そういう点で、日々
医局の方からは、
学会発表の数をふやす、
論文を一本でもふやす、そしてさらに
診療実績をふやし、また際立った
医療革新で業績を上げていくということが求められている。
日々こういう
現実の中で、やらなければいけないのは、この赤い点線で、丸で囲みました。
医療安全の
仕組みを、この下のところの赤い丸だけではなくて、ここのところを今、
病院を挙げてしっかりと頑張っていただいているところなんですが、やはり
医学界全体、
大学や
学会も含めて、しっかりとした
医療安全の
文化を
改革していくということが何よりも必要だというふうに
考えております。
その点におきまして、非常に時宜を得た今回の
医療法改正の目指すところ、そして
法改正が、今まで繰り返してきた
医療事故や
文化を変えることに、どのように寄与することができるのか、その点につきまして、
塩崎大臣にお答えをいただきたいと
思います。