○阿部
委員 民進党の阿部知子です。
本日は、いただきましたお時間を全部、
待機児童問題にかけさせていただきたいと思います。
私は現在、民進党の
待機児童プロジェクトの座長を務めておりまして、きょうの冒頭の御
質疑も
子供の問題、
待機児童の問題、自民党もお触れいただきましたが、今そこに生きる大事な
子供たちに何がやれるかは、いつも申し上げますが、与党、野党を超えた、本当に、この国を将来担える人材をどうつくるかという問題ですので、私からも前向きに
提案をさせていただきますので、ぜひ
大臣にもお聞きをいただきたいと思います。
待機児童問題は、
平成二十五年、杉並区で、お母さんたちが
子供を連れて、私の
子供が
保育園に入れないじゃないの、どうしてくれるのという直接行動を起こしたときから政治の中でも大きくクローズアップされるようになりました。
もちろん、昨年ですか、
保育園落ちた日本死ねもそうですけれども、とにかく、
子供を抱えて、この子をどこに預けたらいいのか、仕事も続けられるのか、復帰できるのかと切実な思いが渦巻いておりまして、それに対して
政府の方も呼応する形で、
平成二十五年度から二十九年度末にかけての五年間で五十万人、本当は三十一年度まで四十万人だったのを前倒して、そして数もふやして、今お
取り組み中であると思います。
ところが、数の増加と質の担保というものがどうなっているのかということにおいて、私は先回、平塚での夜間の
保育園での死亡事故を取り上げさせていただきましたが、今回は、特にいろいろな不祥事として新聞等でも取り上げられますさまざまな形態の
保育園の問題をきょう共有したいと思います。
大臣のお手元に資料を届けてございますので、ごらんいただきたいと思いますが、一枚目、ここには、
厚生労働省からいただきました
保育所の
設置主体別認可
状況というようなものが数値で上がってございます。
認可をふやそうということもございますし、ここで、
平成二十六年から
平成二十八年、全体数は、例えば二万四千四百二十四から二万三千四百四十三とふえていないように見えます。だがしかし、実質には
保育園の数はふえておりまして、また、この数値を見るだけでも、株式会社立はこの三年で約二倍、また、
社会福祉法人は横ばいですが、
大臣も御
承知のように、
一つの社福がたくさんの園を運営するというような形で、
社会福祉法人の大規模化ということも進んでおります。
この
保育園について、実は、小泉政権下の二〇〇〇年から株式会社の参入ということをより容易にしようということもあって、右に書いてございますが、委託費、補助金の弾力運用というものもあわせ始まってございます。
二〇〇〇年には、一応、この株式会社の参入とセットで行われた弾力運用として、人件費、管理費、事業費をそれぞれに融通し合えるという
仕組みに変えました。それまでは、人件費は人件費、管理費は管理費、事業費は事業費という区分をとっておりましたが、ここで一段目の規制
緩和がございました。
そして、
平成二十七年、ここは
塩崎大臣のときですが、さらにこの規制を
緩和して、同一法人が既に運営する
施設で得た補助金をもとに二件目以降にもそれが使えるという形にして、賃貸料や土地の取得、整備を容易にする、これはふやしたいということでなさったことであります。
さらに、ことし四月、この
緩和は、
保育園の補助金の三〇%以内を、
保育ではなくて他の介護
施設等にも、もし
保育にかかわる
部分が健全であればという前提ですが、回してよいと。いわゆる多角経営が可能になるような、また、
理事長などの人件費も補助金から出してよいと。
この規制
緩和、私はちょっといかがかと思っておりますが、こうした大きな
流れの背景を受けた中で、きょうは三つの案件を取り上げたいと思います。
一つ目は、この
委員会でも既にお取り上げがありました、わんずまざーの問題で、兵庫県姫路市にございます、
設置主体は個人の私立こども園、県が独自に認定するこども園でございまして、これは
大臣も既に御
答弁でありますので重なる
部分はなるべく避けて、こども園が始まって以来の初めての認定取り消しケースでありました。二〇一七年の三月末、ことし末に取り消されております。
このわんずまざーは、一番有名になったのは、
子供の給食の量をカットした、あるいは、働いている職員に遅刻したら一万円の罰金を取ったり、十日間ただで働くことを強要したり、とても労働
基準法から見ても信じられないようなことをやっていた。そして、事業も、例えば、かけ持ちでシッターさんをやらせるとか学童の方にも派遣するとか、とにかく、あらゆる驚くような事態をやっていた。プラス、定員も四十六人のところ、七十人くらいを預かって完全に定員オーバーだ。もう目を覆うばかりの
実態です。
塩崎大臣に伺いますが、このわんずまざーの事態を受けて、県は取り消しましたが、厚労省としては、改めて何を改善すべきと思っておられるか、またどういう
取り組みをされたか、一点目、伺います。
〔
委員長退席、高鳥
委員長代理着席〕