○
冨岡委員 今お答えいただいてわかるんですけれども、やはりこれは
専門性をかなり要求されるような
人物になっていくのかなと思います。したがって、余りに若い方だと、いろいろな
分野を勉強する機会がやはりちょっと少ないかなと思う。外部からの登用も
考えて、年齢にとらわれずに、どしどしやっていただければと思います。
例えば、
ゲノム編集とか、先ほど言いました
CRISPR—Cas9、いろいろ特許の係争が起こっておりますが、
日本は、
我が国は随分おくれたな、そういう感覚が私にはあります。
これからは、
多様性を持った
組織や
人物が活躍する時代になると思います。
厚生労働省としても、
ダイバーシティーという言葉が今よく使われますが、
組織として、
医務技監を選び、育て、
国民のために活躍できる体制をぜひつくっていただければと思っております。
この
法案は、あと、たくさん
質問者があるので、私はこの件についてはこれくらい、骨格を聞かせていただいたと思っております。
時間が少しありますので、これから
臓器移植、それから、それでもちょっと余れば
再生医療についてお伺いしたいと思います。
先般、民進党の
岡本委員が
臓器移植については
質問をされました。きょう、おられますかね。
先生方にも知っていただきたいんですが、ことし十月十六日で、
臓器移植法、
脳死移植ということになるかと思いますが、二十年を記念する年を迎えております、施行して。そこで、ちょっと改めて、今まで
臓器移植というのがどのように行われて、どういう経過をとったかということを、
資料を持ってきておりますので、
委員の
先生方も
御存じの方は多いと思いますが、改めて
資料の一をごらんいただければと思います。
左端に、
平成九年、一九九七年十月十六日に
臓器移植法が施行したんですが、二年ほどは、
脳死、
患者さんというか
提供者は出ておりませんでした。
脳死が赤の棒グラフになるんですが、ブルーの棒は
心停止で
臓器提供をされた方、数字は
人数でございます。
我が国では、死の
定義は今二
種類ありますね。
一般に、よくニュースとかで出てくる
心肺停止、そして瞳孔の散大と対
光反射の消失をもってして、
臨床的死を
意味します。
しかしながら、その
患者さんが
脳死、そして
臓器提供を家族が意思表明されれば、死の
定義が変わってまいります。つまり、
脳死、全
脳死。
脳幹部があるときは、
呼吸中枢等が働いておりますので、
自発呼吸等。そういう状態じゃなくて、全
脳死、
呼吸がやがてとまるであろう、しかし、今心臓が動いている、これを、
心肺機能を人工的にとめてもいいというのが
臓器移植における
定義の死であります。
そういった
意味で、この
症例数を見ていただければ、赤は、確かに
脳死の
症例はふえているんですが、全体に
臓器提供の
人数は、
改正法が通って
平成二十二年から一気にふえるだろうと思われていたのですが、減り続けておりました。
今、こういうのを急峻に立て直そうというのが、私も
議員連盟の一員ですが、
大臣等にお願いして議連をつくらせていただきました。その活動のかいあってか、きょう
局長さん見えられておりますけれども、
健康局の協力を得まして、今盛んにこの
症例数をふやしているというところでございます。
一方、図表だけをさっと説明させていただきますが、
韓国における
臓器提供者及び
提供臓器数というのを見てください。
資料一の下になります。ここにヒントがあるんです。
韓国も同じように、死の
定義は二
種類あります。
アメリカは一
種類。諸外国は一
種類です。
一度下がるんですね、九九年から。このとき、
日本と全く同じような
臓器移植法の
改正法を通しておりますが、やはり、ガイドラインというか、非常に
脳死判定に煩雑さを伴ったために、一旦消えそうになります。こういう歴史があり、
韓国から今から学べるものがあるかということは後ほどちょっと触れたいと思います。
一方、
資料二を見てください。
アメリカに赤をちょっとしておりますけれども、
日本では、
心移植、これは
岡本先生が触れられましたが、今もって海外に渡航して
心移植を受ける。その理由は、上段の方、五百五十六例、
希望者があるにもかかわらず、
脳死移植、生体をとってくるわけにはいきませんので、四十四例、このギャップが解消されていない。
さらには、
腎臓の
移植、これは
透析患者の人が今三十一万人とも三十二万人とも言われておりますが、
脳死の
腎移植提供者はわずか百四人であります。
こういった基礎的なデータがあるわけでございます。
そこで、
大臣にもちょっと陳情に行ったりしておりますが、
我が国は
医療費の暴騰がとまりません。四十一兆円を超えたでしょう。
介護が十兆円ということで。
そこで、
腎不全の
患者に
透析をする、三十二万人程度おられると聞いておりますが、一人について、これはいろいろな
試算があると思いますし、四、五百万かかると思っておりますが、仮にそれが
透析じゃなくて
移植を受けたとしたら、その後に
医療費はがくっと百数十万に落ちると思っておりますけれども、仮に
試算として、
厚生労働省は
腎移植を進められてはおると思いますが、
医療費の
観点から見て、何か
試算をして、それに近づけようとしておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。