○長妻
委員 民進党、長妻昭でございます。
この
法案の
審議の中で、地域共生
社会というのが、時間がまだ足りずに、ほとんど中身が
審議されていないと思います。この地域共生
社会についてお尋ねをいたします。
この中で重要なことは、困難な
状況にありながら誰にも相談できずに苦しい
状況から脱することができない人
たちにどう
対応するのか、あるいは、
行政が把握できずに表面化しない地域の貧困格差や子供のいじめや
虐待の問題、そういうような兆候をどういうふうに住民間で共有して
行政につなげていくのか。ここら辺、相当重要だというふうに思います。
どこに困った人がいるかに気づいて、そういう
方々をともに支え合う、そしてそれを
行政につなげていく、
行政とともに支え合う。ある意味では、支え合いを支える仕組みをつくっていく、一言で言うと。
これが、今、私も全国いろいろ選挙応援なんかで回ってみますと、意外に、地方で地縁が相当崩れている地域も大変多い。都市部は、地縁、血縁、崩れている地域は多いんですけれ
ども、そういう意味では、ある意味では新しい地縁をつくっていく、こういうことが今の日本の
社会に相当重要である。こういう非常に大きな、先日も中島議員から話がありましたけれ
ども、相当大きな話であるということが、大変重要でございます。
その中で、いろいろな論点があるんですけれ
ども、この
法律の条文にもございます、新たに今回の地域共生
社会の条文は、
社会福祉法の第四条を
改正した中にそのポイントがあるわけですが、簡単に言うと、この条文はどういうふうに書いてあるかというと、地域住民等は、地域住民及びその世帯が抱える、いろいろな問題が十羅列されておりますけれ
ども、そういう各般の課題を把握し、まず住民が地域
社会のいろいろな問題を把握しないといけない、把握し、それら支援を行う関係機関との連携等によりその解決を図るよう特に留意する。こういうふうに、非常に上から目線の条文だとは思うんですけれ
ども、住民は把握しなきゃいけない、こういうふうに書いてあるわけであります。これは初めての条文であります。
その中で問題点がいろいろあるんですけれ
ども、配付
資料で、一枚目、配付させていただきましたが、一つの問題は、情報共有が個人情報保護法の壁でなかなかうまくいっていない、こういういら立ちが現場にはあるということであります。
これは
政府の検討
会議の議事録を抜粋したものでございますが、一ページ、「守秘義務の課題」ということで、相田先生はこうおっしゃっています。民生
委員の持っている
財産をうまく活用していただきたいが、個人情報保護の課題が出てくる。同様に守秘義務のかかっている地域包括支援センターやケースワーカー等とは、人助けだからということで情報共有しているが、一方で民生
委員を推薦している町内会長には情報を共有できないというおかしなことになっていると。地域住民はわからない。
そして、越智先生は、社協も組織として守秘義務の枠の中に位置づけられることも必要ではないかと。福祉を担う社協が、情報がなかなか社協には渡ることがないというような壁。
そして、中先生は、守秘義務の問題については、
行政を初めとして関係機関が連携して取り組まない言いわけにされていることがあるため、きちんと
議論すべきと考えている。課題を把握して解決に協働していくためには、個人情報をオープンにし、お互いに助けられ上手になっていくことが必要と。
そして、前田先生は、支援機関や民生
委員が協力姿勢を示しても、
行政からは情報が一切出ないため、やる気をなくす例があるということ。
これは一部なんですけれ
ども、全国からこの問題が相当寄せられているわけでございます。
塩崎大臣、これはぜひ、総務省と
内閣府と
厚労省、三つの省庁で個人情報をどういうふうに共有していくかというようなこと。個人情報は
行政の情報だけではありません、開業医も地域の情報を持っています、
介護施設も地域の情報を持っています。そういうような情報を一定のガイドラインをつくってある程度共有するような、そういう枠組みを私はつくっていかないともうまずいんじゃないのかなという意識があるんですが、この三省庁で協議体をつくって
議論していくということを提言したい。いかがでございますか。