○阿部
委員 大臣の
基本的視点を大変に評価いたします。
その一方で、実は、このチャイルド・デス・レビュー
制度については、
厚生労働省の科学研究としては
平成二十二年から既に始まっておりまして、少しずつタイトルが違いますが、目的は、防ぎ得る死、子供の死を防ごう、そして、そのための報告
制度や検証
制度はどうあるべきかという研究班は実は続いております。そして、
平成二十五年度には、子どもの死亡予防のためのチャイルド・デス・レビュー創設のためのガイドラインまで研究班報告で出ております。
三年は先行研究があって、次の二回目の研究でガイドラインが出されて、さて今さら、はたまた
厚生労働科学研究で三年間かけてというのは、研究ばかりしている間にも子供は死んじゃうじゃないか。
大臣、ぜひスピードアップ。
いい研究成果がたくさん出ています。特に、私の小児
医療の仲間
たちは、必死に、この国でこの
制度をどう実現しようかということで取り組んでおりますので、都度報告書を出すんだけれども、また次も研究、次も研究となって、実行されないのであります。本当に私は歯がゆい思いで実は今回また改めてこの俎上に上らせていただきました。
と申しますのも、
大臣は今の私のことを聞いて即々やってくださる
大臣ですし、今度、児童福祉法の改正も司法の関与も含めてあるということも存じておりますので、あわせて、ぜひこの
制度、とにかく全部の死を登録する。その登録からしか始まらない。
実は虐待も、虐待として上がっている事案と同じ数だけ事故死の中に混入しておるというのが、先行の
アメリカなどの事案でもあるところであります。今もちろん虐待死の研究もしていただいていますが、そこにはまってこない、その網に入ってこないものが同じだけあるとしたら、私
たちの
社会は随分損をしている、大事な子供
たちを守れていないと思います。
その事案に例示できるものを挙げさせていただきます。
大臣も御
承知のように、昨年の国会は、
保育園落ちた
日本死ねということから始まりまして、子供の
保育所をふやそうと私ども野党は野党でまた主張をし、
大臣にあっても御尽力をいただいていると思っております。当然ながら、受け皿の数の増加は第一でありますが、質はどうか。そこで
安心して子供が預けられるか、不慮の事故で亡くなったりはすまいかということが一番問題であります。
二ページをあけていただきますと、「これまでの
保育施設等における死亡事故の報告件数等」というのが、
平成十六年から
平成二十七年までここに上がっております。
この報告、全体で百七十四件になっておりますが、
平成二十六年が十七件ですか、あったかと思いますが、いずれも、見ていただきますと、認可外の
保育園の方が圧倒的に多いわけです。これも多々御
指摘があるところと思います。
保育園において起こる死亡事故については、
内閣府の方で子ども・
子育て支援制度にのっとって報告を義務化しておるのですが、無認可の
保育園等々には義務がかかってございません。
報告されたものはされるでしょうということであって、どういう仕組みになっているかというと、三枚目をあけていただきますと、「重大事故発生時の報告の仕組み」というのがございまして、上に具体的な根拠となる法令とか対象となる施設の区分があって、下に「報告の系統」というチャート図がございます。
大体、認可外の
保育園や、始まったばかりですね、居宅型の
保育施設は都道府県の管理監督になっておりまして、死亡等々重大事故も都道府県に上がるようになって、これが義務ではないということです。
上の
保育園等々については、義務化されているのは認可
保育園で、例えば学童
保育、ファミリー・サポート・センター等は任意でありますが、上がるところが自治体であるというところで、まだ近いということであります。無認可では県に上がるということを、まず
大臣、この図で御認識いただいて、そういう仕組みかということを、
御存じかもしれませんが。
そして、ここにどんな問題があるのか。
一つは義務化されていないということと、県の立入
調査は実は大変に間隔があるということもございまして、なかなかこれは俎上に上りにくいということがございますが、まず、これらの実態については、子ども・
子育て支援制度は
内閣府の担当だと言わず、子供を守るために各省庁連携してお願いしたいので、いかがでありましょうか。